トレーシングペーパーの使い方とは?転写方法や使い道も紹介
トレーシングペーパーとは、主に転写の際に使われるアイテムです。しかし、トレーシングペーパーとは、転写以外にも様々な使い方ができる便利アイテムともされています。そこで、今回はその使い方とはどんなものか、詳しく紹介していきましょう。
目次
トレーシングペーパーを使いこなそう!
トレーシングペーパーは、イラストや図面を転写したい時に使う半透明の紙です。トレーシングペーパーは通常の紙よりも丈夫な上に、油や水に強いという特徴があるので、クッキングペーパーや本のカバーなどにも使われています。
そんなトレーシングペーパーには、まだまだ使い道がたくさんあるのです。そこで、今回はトレーシングペーパーの使い方とともに、トレーシングペーパーの使い道も詳しく取り上げていきましょう。
余ったトレーシングペーパーが家にたくさん溜まっているという人は、ぜひ今回の内容を参考にしてトレーシングペーパーを使ってみてください。
そもそもトレーシングペーパーとは?
そもそもトレーシングペーパーとは、一体どのような紙なのか分からないという人もいるでしょう。トレーシングペーパーは、図面や絵柄を転写するために使われる半透明の紙で、透写紙とも呼ばれています。
トレーシングペーパーはセルロース繊維から作られ、製法の違いによって硫酸紙(りゅうさんし)とパラフィン紙、グラシン紙に大別することができるのです。
耐久性や耐水性、耐油性に優れているため、クッキングシートや薬包紙として使われることもよくあります。
裏表がある?
トレーシングペーパーは半透明の紙なので、どちらが裏で表か分からなりがちです。実は、トレーシングペーパーの表と裏は、触り心地で判断することができます。ツルツルした感触がした面は表、ザラザラとした感触がする面は裏とされているのです。
転写に使う際には、どちらの面が上でも下でも問題ないとされています。しかし、ザラザラしている裏面を下にすることで、転写する原画とトレーシングペーパーがずれにくくなるのです。
トレーシングペーパーの使い方
まず、トレーシングペーパーの基本的な使い方を、しっかり確認していきましょう。トレーシングペーパーは一般的には漫画やイラスト、図面などの転写に使われます。以下では、トレーシングペーパーの使い方を用途別に詳しく解説していきましょう。
漫画やイラストの場合
漫画やイラストを転写する際には、特にトレーシングペーパーが活躍するでしょう。
まず、転写したい原画の上にトレーシングペーパーを重ね、透けて見える原画を写していきます。写し終わったら、トレーシングペーパーを裏返し、濃い鉛筆でしっかり線をなぞりましょう。
再びトレーシングペーパーを裏返したらイラストや漫画を描き込みたい場所に位置を合わせて、ペンで線をなぞっていけば転写完了です。トレーシングペーパーを裏返して、濃い鉛筆で線をなぞることで、反転させずにイラストや漫画を転写することができます。
ちなみに、原画とトレーシングペーパーがずれる場合は、後から剥がしやすいマスキングテープでしっかりトレーシングペーパーを固定するとよいでしょう。
布への転写の場合
紙への転写に使うイメージが強いトレーシングペーパーですが、実は布への転写にも使えるのです。
まず、転写したい図案をトレーシングペーパーに写しましょう。そして、布と図案を写したトレーシングペーパーの間にチャコペーパーを挟み、トレーシングペーパーの図案をペンでなぞれば、布にしっかり図案を転写できます。
チャコペーパーとは、布への印付けでよく使われるチャコペンという道具をシート状にしたものです。チャコペーパーで付いた印は、水洗いですぐに落ちます。
そのため、トレーシングペーパーを使って布への転写をする際には、しっかり用意しておきましょう。
製図の場合
製図の転写にも、トレーシングペーパーはよく使われています。特に建築用の製図は原画のサイズが大きすぎて、コピー機に入らないことがよくあるのです。
大型のコピー機は高額なため、ほとんどの建築事務所では、トレーシングペーパーを使った「青焼き」という転写方法で製図を転写しています。
青焼きとは、図面を写したトレーシングペーパと光に反応して色が付く感光紙を重ねて、光を当てて転写する手法です。図面の線以外の部分は光に反応して青くなることから、「青焼き」と呼ばれるようになったとされています。
手帳の付箋の場合
手帳の付箋としてもトレーシングペーパーは使えます。手帳に書き込みたいことがあっても、書き込みたい場所に既に別のことが書かれていて、困ったという経験をしたことがある人は多いでしょう。
透明なトレーシングペーパーの付箋ならば、手帳の同じスペースにたくさんの予定を書き込むことができます。記録したいことを描いたトレーシングペーパーを、手帳に貼り付けるだけなので、手軽に書き込むことができるでしょう。
現在では、トレーシングペーパーの付箋は「透明付箋」という名前で販売されているので、予定で手帳が埋まりがちな人はぜひ購入して使ってみてください。
型紙作りでも役立つトレーシングペーパー
様々な分野で役立つトレーシングペーパーですが、特に型紙を取る時に大活躍することを、皆さんはご存知でしょうか?
複雑な洋服や小物を縫って作る際には、型紙が必要になります。しかし、同じ型紙を何回も使っていると、待ち針で穴だらけなってしまったり、破れてしまったりしやすいでしょう。
型紙の形をトレーシングペーパーに写して切り取り、型紙の代わりとして使うと、これらのような問題を防止することができます。
さらに、トレーシングペーパーに写して使うことで、型紙の細かい修正もできるのです。また、丈夫なトレーシングペーパーの型紙は、繰り返し使うこともできます。そのため、縫製の分野でもトレーシングペーパーは便利なアイテムとされているのです。
トレーシングペーパーのオシャレな使い道
事務用品というイメージが強いトレーシングペーパーですが、実はおしゃれに使うこともできる便利アイテムなのです。以下では、トレーシングペーパーのおしゃれな使い方も、いくつか紹介していきましょう。
特に、使い道のないトレーシングペーパーが多くに困っている人は、ぜひ以下のおしゃれな使い方を実践してみてください。
ラッピング
半透明で丈夫なトレーシングペーパーは、ラッピングにも使うことができます。例えば、濃い色の包装紙で包んだプレゼントに、トレーシングペーパーをくるりと巻くだけで、上品でおしゃれな印象のラッピングになるでしょう。
シンプルなトレーシングペーパーは、濃い色の包装紙と重ねるようにして使うと、特におしゃれな雰囲気のラッピングになるのです。
また、トレーシングペーパーの半透明という特徴を生かして、ラっピング用の繊細な花を作ってもおしゃれでしょう。
まず、トレーシングペーパーを数枚重ねて蛇腹折りにし、中心を針金でしっかり留めます。トレーシングペーパーを整えて、全体が花紙のお花のようになったら、針金部分にピーズやボタンを貼り付けましょう。
そして、最後にプレゼントの目立つ部分に貼り付けたら、トレーシングペーパーのお花ラッピングの完成です。
結婚式アイテム
半透明で白く丈夫なトレーシングペーパーは、結婚式のアイテム作りの材料にもなるのです。
招待状や席に置くメニュー表、座席表などは、結婚式には欠かせない紙のアイテムでしょう。これらの紙のアイテムにトレーシングペーパーを活用すると、よりおしゃれな印象になります。
白く半透明なトレーシングペーパーは、花嫁のベールを連想させるので、より結婚式らしさも出すことができるのです。
さらに、トレーシングペーパーは手頃な価格で手に入る物なので、結婚式のアイテムをトレーシングペーパーで作れば、結婚式費用を抑えることができるでしょう。
例えば、テーブル番号とイラストを描いたトレーシングペーパーを丸く丸めて、LEDライトに被せるだけでも、柔らかく光るおしゃれなテーブルナンバーが作れます。
切り絵
切り絵でも、図案を転写する際にトレーシングペーパーは活躍します。
まず、図案を太めのペンで写したトレーシングペーパー全面を、濃い鉛筆で塗りつぶしていきましょう。その後、鉛筆で塗り潰した面を下にして切る紙に重ね、トレーシングペーパーの線を細いボールペンで縁取っていくのです。
そうすることで、しっかり切り絵にしたい図案を紙に転写することができます。
ガーランド
最近では、色付きのトレーシングペーパーも販売されています。カラフルなトレーシングペーパーの使い方を工夫することで、繊細で可愛いガーランドも作ることができるでしょう。
作り方は簡単で、三角に切った色とりどりのトレーシングペーパーを、タコ糸や荷造り用の紐に貼り付けていくだけです。
三角に切ったトレーシングペーパーに、好きなイラストやマークを描き入れると、オリジナリティのあるガーランドになります。ガーランドで会場を華やかにしたい時には、ぜひ作ってみてください。
トレーシングペーパーとカーボン紙の違い
トレーシングペーパーとよく混同しやすいアイテムが、カーボン紙でしょう。カーボン紙とは感圧紙とも呼ばれる紙で、炭や蝋、油などを丈夫な紙に染み込ませて製造されます。トレーシングペーパーと同じく、主に転写に使われるアイテムです。
転写する紙と原画の間に挟み込ませて、原画の上から線をなぞると転写することができます。使い方や用途は、ほぼトレーシングペーパーと同じなので、この2つは混同しやすいのでしょう。
しかし、トレーシングペーパーとは原画の上に重ねるという使い方で転写するものであり、カーボン紙とは原画の下に挟むという使い方で転写するものです。しっかり2つを区別して覚えるようにしましょう。
ちなみに、原画の上に重ねて図案をなぞるトレーシングペーパーの転写の方が、原画を直接なぞるカーボン紙の転写よりも、原画を破損する可能性が低いのです。
図案の修正も、トレーシングペーパーの方がしやすいので、繊細な図案を転写したい時はトレーシングペーパーを使用することをおすすめします。
トレーシングペーパーの代用品
トレーシングペーパーの様々な使い方を知ると、実際にトレーシングペーパーを使って何か作ってみたくなるでしょう。しかし、トレーシングペーパーの新しい使い方を試したい時に、肝心のトレーシングペーパーが家に無くて困るということもあるでしょう。
そこで、以下ではトレーシングペーパーの代わりになるアイテムも、いくつか取り上げていきたいと思います。現在まさにトレーシングペーパーが無くて困っている人は、ぜひ以下の代用品を使ってみてください。
半紙
トレーシングペーパーの代用品には、日本人にとって馴染み深い半紙が挙げられます。半紙はトレーシングペーパーと同じく透けるので、転写という使い方ができるのです。
しかし、半紙とは本来書道で使われる和紙なので、トレーシングペーパーと比べると半紙は破れやすいのです。そのため、半紙をトレーシングペーパーの代用品として転写に使う際には、破かないように注意してください。
コピー用紙
コピー用紙も、トレーシングペーパーの代用品になるアイテムです。薄手のコピー用紙は透けるので、トレーシングペーパーと同じ使い方をすることができます。
しかも、トレーシングペーパーと質感が似ていて、価格もリーズナブルなので、トレーシングペーパーの代用品として優秀なアイテムなのです。
しかし、コピー用紙は種類によって透けないこともあります。そのため、できるだけ薄いコピー用紙を選ぶようにしましょう。
クッキングシート
クッキングシートも、トレーシングペーパーとほぼ同じ使い方ができるアイテムです。トレーシングペーパーと同じくらい透けて丈夫なので、ラッピングとしての使い方もできるでしょう。
クッキングシートはスーパーでも手軽に購入できるものなので、トレーシングペーパーをすぐに用意できない時には、ぜひ代わりに使ってみてください。
おすすめトレーシングペーパー
一昔前は、定番の白いトレーシングペーパーのみが流通していました。しかし、最近では多様な使い方に合わせて、様々なタイプのトレーシングペーパーが販売されています。
そこで、以下では特におすすめのトレーシングペーパーを紹介していきましょう。
様々な加工が施されたコクヨのA4トレーシングペーパー
製図を転写するならば、インクジェット加工がしてあるコクヨのA4トレーシングペーパーがおすすめです。このトレーシングペーパーをコピー機にセットしてコピーするだけで、製図ソフトであるCADで描いた製図をそのまま転写できます。
また、コクヨのA4トレーシングペーパーにはツヤ消し加工もしてあるので、透明度が高くアートやラッピングにも使いやすいのです。また、強度も通常のトレーシングペーパーより高いので、様々な使い方をすることができます。
カラフルなデザインタイプのトレーシングペーパー
大手100円ショップダイソーで販売されている、カラフルなデザインタイプのトレーシングペーパーもおすすめです。
8色セットになっているこのトレーシングペーパーには、おしゃれな水玉模様がすでにデザインされているので、そのままアートやラッピングに使えます。
アートやラッピングに使うトレーシングペーパーを探している人は、ぜひこのトレーシングペーパーを選んでみてください。
万能アイテムであるトレーシングペーパーを積極的に使っていこう
今回はトレーシングペーパーの基本的な使い方や、楽しい使い道などについて詳しく見ていきました。地味な事務用品というイメージが強いトレーシングペーパーですが、実は華やかなラッピングやアートにも使える便利なアイテムなのです。
さらに、トレーシングペーパーは手頃な価格で手に入るアイテムなので、気軽に様々な使い方を試すことができます。家に余ったトレーシングペーパーがたくさんある人は、ぜひ今回見てきた使い方を実践してみてください。