ひいてはの意味とは？しいてはの違いや使い方を例文で紹介

「ひいては」の正しい意味は知っていますか？日常会話ではあまり使われない言葉なため、意味を深く理解している人は少ないでしょう。「ひいては」はそれほど難しい意味の言葉ではないため、知っておいてもいいかもしれませんね。

また、ビジネスシーンでも使われることがたびたびあるので、社会人の方はぜひ覚えておきましょう。では「ひいては」の意味や使い方についてご紹介していきます。

「ひいては」とは「何かの物事や事柄が原因となり、別の事柄や結果が出る」という意味があります。具体的に言うと、「それから引き続いて」や「それが原因となって」という意味合いがあり、「AひいてはB」と次に続く事柄がなければいけない言葉です。また、Aには小さい事柄、Bには大きい事柄が入ります。

例えば、「不摂生や不健康を続けることで、ひいては寿命が縮むことになる」など。Aの部分に小さい事柄をいれ「それから引き続いて」となり、Bに結果や大きい事柄を入れます。

「ひいては」を漢字で書くと「延いては」になります。「延」は延長や延期など何かを引き延ばす意味合いがあります。つまり「AひいてはB」という言葉があったとしたら、Aを引き伸ばしBに因果関係が繋がると捉えることが出来ます。「ひいては」とは、AとBの因果関係を示す意味で、原因によっておこる結果や、物事が今以上に広がった時などに用いる言葉でもあります。

また「ひいては」はその時の状況や場面でも少しニュアンスが変化します。「何かの物事や事柄が原因となり、別の事柄や結果が出る」以外にも、「物事が現状のまま進んだ結果」や「物事が現在よりも広がった時」などがあります。

つまりAという物事、原因があることでBという結果が出た、もしくは広がったと理解して良いでしょう。結果が出たと、広がったはAの原因や物事が同じようでも、最終的な意味合いは違くなります。状況によっては意味合いが変わってくるため、間違えて使わないように気を付けましょう。

「ひいては」を使い場合、基本的にはひらがなです。漢字表現もありますが、多くの人がひらがなで使用する場合が多いでしょう。「ひいては」は漢字に直すと「延いては」になりますが、語源はここからきているわけではありません。

「ひいては」は「引く」が派生した言葉です。派生とは、元の状態が別の物、または枝分かれすることです。「引く」という漢字に、接続助動詞の「て」がくっつき、「引いて」となりました。

「ひいては」の語源は「引く」から「引いて」になり、最後に「延いては」となります。なぜ「引いて」から「延いて」と漢字が変化したのかは明らかにはなっていません。

「ひいては」は「AひいてはB」のように接続詞として用いられます。例えば「努力を続けることが、ひいては自分のためになる」や「今回の不祥事でクライアントの信頼がなくなる、ひいては会社の存続も危うくなるだろう」など。

この例文でのAは努力を続けること、不祥事が起こったことでの信頼失墜です。つまり、Aの事柄が理由、原因で結果Bに繋がるわけです。

ビジネスシーンや論文、短文でも「ひいては」は使えるので、知っておいて損はないでしょう。また、「ひいては」は漢字で表すことはないので、文として使う場合もひらがなで問題ありません。では「ひいては」の使い方を例文を交えてご紹介していきます。

「ひいては」の意味を理解しても、実際のビジネスシーンですぐに使うのは難しいですよね。理想はとっさに頭から出て着たり、自然に文章作成できればいいでしょう。しかし、それには「ひいては」の意味をもっと深くする必要があります。では、「ひいては」をつかった例文で深く意味を理解していきましょう。

「たばこを吸い続けることは体力を減らすだけでなく、ひいては生命をも脅かすものである」この例文はたばこを吸い続けることで体力が減るといった事実を述べた後に「ひいては」を接続詞として使い、後の事柄の意味の方が大きくなっています。「ひいては」は前後の事柄が繋がっていることが条件で、前より後の事柄の方が大きいときに使います。

「努力を続けることが、ひいては自分のためになる」この例文は努力を続ける結果、自分のためになるといった例文になります。「ひいては」の類語には「その結果」という意味もあるため、こういったシーンでも活用できるでしょう。

「今回の不祥事はクライアントからの信頼の失墜、株価の下落、しいてはこれからの利益に影響する。」この例文は前の文章の原因が複数ある場合です。信頼の失墜と株価の下落、不祥事が起こったことで発生しました。そこに「ひいては」を用いることで、「さらに」という接続詞の意味を成しています。

「結果的」とは原因と結果を一番分かりやすくする接続語です。例えば「お店の商品の種類を変えた、結果的にお店の売り上げがアップした」など。「結果的に」を使うことで「これから結果を言うんだな」と分かりやすく相手に伝わります。

「結果的には～」と日常会話で使っている人も多いのではないでしょうか。友人や恋人など親しい間柄にも使える言葉なので、「ひいては」を使う自信がない方は「結果的」を用いりましょう。

また「結果的」をまれに間違った使い方を覚えている人もいます。例えば「お腹が空いた、結果的にご飯を食べた。」なんかおかしいですよね。「お腹が空いたからご飯を食べた」と伝えたいのでしょう。ニュアンスは伝わりますが、間違った意味の使い方になっています。

この場合は「お腹が空いたからご飯を食べた、結果的に満腹になった」と前後の文章に因果関係がなければいけません。「結果的」は日常会話だけでなく、ビジネスシーンの話し言葉でも使うことがあるので覚えておいていいでしょう。

「さらには」は「ひいては」と非常に似た使い方をします。「さらには」とは「程度が寄りましたり、段階が高まったりすること」です。前の出来事や原因があって、後の事柄を説明する際に用いられます。例えば「社員の能力が向上したため、さらに売り上げ上昇が見込める」など。ポイントとして、前の文章よりも結果の文の方が意味合い的に高くなっていないとおかしな文脈になります。

「社員のレベルが低くなったため、さらに売り上げの上昇が見込める」この文脈だと「さらには」の意味が通じなくなってしまいます。前後の文の因果関係を示しながら、後の文章を高める意味で使う時に「さらには」は用いられます。

日常会話で「さらには」はよく使われるのでイメージしやすいですね。「さらには」と「ひいては」はより近い意味合いになるため、ビジネスシーンで「ひいては」を使いたいときには、「さらには」と覚えておいてもいいかもしれません。

「ひいては」の類語の「それによって」は、前の事柄を後の事柄につなぐための接続詞になります。「ひいては」と同じような使い方ができる言葉で、文章などのメールなどでよく使われます。

「それによって」の「それ」は前の原因や事柄を指しており、「それ」が合ってどうなったのかを説明する時にも用いられる言葉です。例えば「産業はここ数十年で発展した」という前の文脈があることで、「それによって経済効果が上がった」と付け加えることが出来ます。

また、「それによって」は状況によっては少し堅苦しい印象になります。日常会話で使うのは適切ではないでしょう。プレゼンや目上の方への文としては、畏まった雰囲気を持たせることが出来るため、状況に合った使い方をしましょう。

「ひいては」と「しいては」は音の響きが似ているため、混合して使われている方も多くいます。響きが似ているといっても「ひいては」は接続詞ですが、「しいては」は動詞になり言葉の種類自体も違います。

例えば「努力を続けることが、ひいては自分のためになる」を「努力を続けることが、しいては自分のためになる」など。一文字違いで使いやすい言葉でもあるので混合しないように注意しましょう。

大切なビジネスメールやプレゼンなど、畏まった場で誤って使い「しいては」と「ひいては」の意味の違いを理解している人からすれば「ん？どういうことだ？」となりかねません。では「ひいては」と「しいては」の意味の違いや、「しいては」の種類についてご紹介していきます。

「しいては」と「ひいては」は似ているような雰囲気がありますが、「強いては」の意味は「困難や抵抗、反対を押し切って物事を行うさま」です。分かりやすく言うと「いう必要はないけど、無理に答えを出すなら～」どいった状況でよく使われます。この説明だけでもまったく違う意味なのが分かりますね。

例えば、「好きな食べ物は特にありませんが、強いて言うならばお肉です。」など。この例文の場合は、「好きな食べ物はありませんが、無理して答えを出すならお肉です。」と嚙み砕いても良いでしょう。また「無理強い」や「強制する」といった類語があります。

この例文に「ひいては」を入れてみると、「好きな食べ物は特にありませんが、ひいて言うならばお肉です。」と一見意味が通じそうです。しかし、実際は「好きな食べ物は特にありませんが、結果的にお肉です。」と意味不明ですよね。何が結果的になのか伝わらないので、「しいては」の間違った使い方には注意しましょう。

「如いては」は常用漢字表に載っていない言葉なため、普段あまり目にする言葉ではないでしょう。常用漢字表とは、日本語の読み書きが混乱しないように、よく使う漢字をまとめた表のようなものです。

「如いては」は「匹敵する」「及ぶ」といった意味があります。「百聞は一見に如かず」ということわざでも使われる言葉で、「人から何度も聞くより、実際に自分の目で見た方が理解できる」という意味です。

「布いては」は布団を敷く際に使われる言葉です。「しいては」の中でも「強いては」とは全く別の意味を持つ言葉で、最終的にといった意味はありません。日常で「布いては」を使うことはほとんどないでしょう。最終的に布団を敷くわけではありませんので、間違えて覚えないようにしましょう。

相手が「布いては」と書いてきた場合には、布団を敷く、ということだけ認識しておけば問題ありません。「しいては」は漢字が違うだけで意味が変わりますので、注意しましょう。

英語は日本語と違い、簡潔に説明できるのが特徴です。その為、「ひいては」を英語表現する場合はそれほど細かい考え方をする必要はありません。原因と結果の因果関係を示せるような英文ならば意味も伝わるでしょう。では「ひいては」の英語表現を2つご紹介していきます。

「A, as a result, B」は直訳で「Aの結果としてBになる」という意味になります。「as a result」は結果的という直訳になるため、「ひいては」を英語表現する際に使えるでしょう。

また、「その結果〇〇であった」という意味でも伝わるため、前の原因や物事が結果としてこうなりました。と表現するときには適切な単語を入れて、「A, as a result, B」を活用しましょう。

「A eventually B」は直訳で「Aは最終的にBになる」という意味になります。最終的というと「finally」が出てくる人も多いでしょう。「finally」も最終的にという意味合いですが、「finally」は努力などの結果、ようやく出来事が完了するといったニュアンスになります。

「eventually」はじわじわと物事が進んで、最終的にこうなるといった少し客観性の部分があります。その為、「ひいては」を英語表現する場合に、「Aは最終的にBになる」と訳したい場合、「A eventually B」が正しい英文です。

いかがだったでしょうか。「ひいては」は日常ではあまり使う言葉ではないと説明しました。つまり、普段から触れる言葉ではないので、畏まったビジネスシーンで活用出来ると、頭の良い印象を受けられるかもしれません。その為「ひいては」の意味を理解して実際に言葉として使ってみましょう。