2019年03月13日公開
2019年03月13日更新
心配りの意味とは?目配りや気配りの違いや使い方を例文で紹介
あなたはもう少し心配りができる人になりたいと思ったことはありますか?また心配りが上手くできなくて残念に思ったことはありますか?心配りがスマートにできる人って憧れますよね。今回はそのようなあなたに、そんな「心配り」ができるようになるポイントをお伝えします。
目次
「心配り」の意味や使い方を学ぼう!
あなたは「心配りがちゃんとできる人になりたい。」と憧れを持ったことはありますか?心配りができる人というとスマートな振る舞いが身についた、いわゆる「出来る人」を思い浮かべる人も多いでしょう。
周りの人達に対して心配りができる人は人間関係もスムーズですし、周りからも親しみを持たれることが多いでしょう。日々の生活の中でスマートに気配りや心配りができる人は憧れですが、それには「心配り」の言葉の意味を知ることも大切です。
「心配り」の意味とは?
それでは具体的な「心配り」とはどのような意味を指すのでしょうか?心配りというと「心配りが行き届いたお店」とか「心配りができる人」など、様々言い回しの中で用いられます。
とても曖昧な言葉の使われ方をしますが、実際の心配りとは相手や周囲の立場に立ってニーズを察して考えた上で、相手が欲する具体的な行動ができること、もしくはその結果を意味しています。さりげなく相手の欲することを思いやりを持って考え、必要なものを提供する能力とも言えるでしょう。
「目配り」や「気配り」との違い
ビジネスの世界では、「目配り」、「気配り」、「心配り」ができることが理想的と言われます。「心配り」の意味は上記でご紹介した通りですが、「目配り」と「気配り」はまた別の意味なのでしょうか?一般的には意味が混同されがちですが、本来の言葉の意味はそれぞれ異なっています。あなたはその違いをご存知ですか?
有利なスキルのひとつになると言われる「目配り」と「気配り」ですが、それぞれの意味を理解して使いこなすのがスムーズな「心配り」に繋がります。ここでは具体的なそれぞれの意味をご紹介します。
目配りとは
具体的には「目配り」とは、周りの人の行動を観察し察することを意味します。これは監視しているということではなく、周りの人が困ったことは無いか、何か欲していることは無いかと、相手のニーズを観察する行動ということになります。
例えば誰かが汚れた手を気にしながら何かを探しているなと観察できれば、「ウェットティッシュが欲しいのかな?」と察することができたり、ヒールで歩いている女性が歩きにくそうにしていれば「靴擦れで絆創膏がほしいのかな?」と察することができます。
「目配りが出来る人」というのは、自分の行動が誰かのニーズに応えたり役に立つことを前提に、周りを察するする行為ということになるでしょう。
気配りとは
「気配り」とは「目配り」や「心配り」とは違い、基本的には「状況ぬかりがないようにする」または「手抜きが無いように神経を張り巡らせる」という意味で使います。
周囲の人に「気配り」をする例を例えると、宴会やパーティーの会場で誰かの飲み物が無くなっていないか、食事をとっていない人はいないか、具合の悪そうな人はいないかなど、状況や周りに対して思いやりをもって気を使うことを表します。
「心配り」の使い方
あなたがもし会社を経営している人であっても、または会社勤めの人である場合でも、心配りができることは重要なスキルとなります。
あなたは周りの上司や同僚や部下、クライアントへの心配りはできていますか?心配りができるということは、人に安心感を与え、心を通わせることを円滑にします。心配りがスムーズにできれば、あなたは周りからの信頼も得ることができるでしょう。
「心配り」を使った例文
これまで「心配り」の意味をご紹介してきましたが、ここでは例文で具体的な使い方をご紹介していきます。「心配り」も使い方次第でニュアンスや意味合いが変わってきます。
使い方を誤ってしまうと誤解を与えることになりねませんし、御礼の手紙やメールを送る時にも無意識に使ってしまうと、こちらが伝えたい意味と違う意味で捉えられてしまうこともあります。具体的な例文を使ってご紹介していきましょう。
例文①心配りができる
「心配りができる」という表現は、「目配り」、「気配り」、「心配り」ができるその人の能力を意味します。ここでは「心配り」そのものを示しているわけではなく、「心配り」が日常的にできる人ということになるでしょう。
「彼女はいつも職場で私達に明るく挨拶をしてくれるし、いつも会議の時にさりげなく資料と一緒に飴やペットボトルの水を手渡してくれるわ。私がプレゼンで緊張していた時も、そっと笑顔で渡してくれて、リラックスできたお陰でプレゼンを成功させることができました。彼女が心配りができる人なので、私達は安心して会議に集中できます。」
例文②行き届いた心配り
そして「行き届いた心配り」とは、相手の立場に立って考えた後の具体的な行動や、目に見えるさりげない行為を指しますが、多くはホテルやレストランなどが良い具体例となるでしょう。
「今回友人の結婚式に出席する為に泊まったホテルは、隅々まで清掃が行き届いていてとても快適でした。部屋にも小さい茶香炉があったり、次の日に出席する礼服のために小さいほこり取りのブラシも置いてありました。行き届いた心配りのお陰で安心して結婚式に出席することができました。」
例文③心配りを見せる
では「心配りを見せる」とは、どのように使うのでしょうか?この「心配りを見せる」とは、相手の気持ちを汲んだり配慮したりすることで安心させたり落ち着かせることを目的として使われるケースが多いでしょう。
「私の上司はいつも仕事上で心配りを見せてくれる人です。例えば、私が慣れない資料を作っている時は、分からない事が多過ぎて混乱することがあるのですが、間違ってもいいからとりあえずやってみなさいと言っていただいたお陰で、間違いを気にするよりも、分かり易さや伝えたい事に集中して資料を作ることができました。」
「心配り」の類語
では、「心配り」に似た言葉はどのような言葉があるのでしょうか?日本語である「心配り」の類語は似たような言葉があり、私達は無意識に日常的に使っている言葉も多いのです。「心配り」の類語には以下のようなものがあります。
・気遣い ・配慮 ・思いやり |
ここでは「心配り」の類語の具体的な例をご紹介します。「心配り」だと難しそうな表現も、類語を使うことでビジネスメールや、カジュアルな会話の中でも使い易い表現となります。
気遣い
「心配り」の類語のひとつに「気遣い」があります。これは「気配り」とはまた別の意味になりますが、ビジネス上でも頻繁に使われます。ご近所付き合いや目上の他人とのお付き合いで使われる言葉でもあります。
具体的には、「先日は素敵なお花をいただきました。お気遣いありがとうございます。」や、ビジネス上でも「昨日は納入日についても、お気遣いありがとうございます。お陰様で期限に間に合わせることができました。」などと使うことができます。
配慮
「心配り」の類語として多く使われる言葉で「配慮」があります。「配慮」はビジネスでは特に多くつかわれますが、目上となる取引先やクライアントへは「ご配慮」と表現することが多い言葉です。
社内など身内の人間には「今度の総会は取引先も招待したから、駐車場の数の確保にも配慮しておきましょう。」とか、心配りを促す表現になります。また社外の目上の取引先などへは、「この度は弊社のプロジェクトの進行に、ご配慮いただきましてありがとうございます。」というような使い方になります。
思いやり
そして「心配り」の類語として日常的に使われるのが「思いやり」です。「気配り」と比べると神経を使うという意味合いは薄くなりますが、相手側の気持ちに寄り添って行動するという意味合いでは同じです。「思いやり」という言葉を使う時は、その人の人格や心掛けを表す時に使われることが多いでしょう。
例文としては、「あの人はいつも笑顔で私に接してしてくれる、思いやりのある人だ。」とか、「いつもあの人といると気持ちが安心するわ。私もあの人みたく思いやりのある人になろう。」となります。
心配りができる人になるには?
では日常的に「心配り」ができる人になるには、どのようにすればいいのでしょうか?周りやその場を察することが簡単にできる人もいれば、スムーズにできない人もいるでしょう。人には得手不得手があるように、心配りが得意な人もいれば苦手な人もいます。
もしあなたが「私には心配りなんて簡単には出来ない!」と思っていても、これからご紹介する方法を日常で習慣となるように取り入れていけば、少しずつ心配りもスムーズにできるようになるでしょう。ここでさりげない心配りができるようになる方法をご紹介していきます。
周囲に関心をもつ
「心配り」ができるようになる為には、まず周囲の人達がどのようなことを欲しているのかという目配りをして察する習慣が必要になります。まずは周りの人達に関心を持つことから始めてみましょう。人は関心が無い対象には察するという能力を発揮することができません。
かといって誰にでも関心を持つ必要はありませんが、会社で一緒に仕事をしているチームや上司、趣味で一緒に何かを楽しんでいる仲間など、あなたが関心を持って活動している仲間から始めてみましょう。いつもよりも意識を持って観察することで、徐々に察することがスムーズにできるようになっていきます。
見返りを求めない
「心配り」ができる人になりたいと思う人は、潜在的に「誰かに心配りができる人と思われたい」という見返りを求める欲求を持っています。この誰かに認められたいという欲求は「承認欲求」とも呼ばれるものですが、これは誰しも人として少なからず持ち合わせているものです。
あなたがまだ心配りすることに慣れない時は、少し他人の目を気にしつつ「心配り」や「思いやり」を表したりしても、それは人間らしい承認欲求は少なからず働いてしまうので、それは悪いことでもありませんし、自分を責めることはしないほうがいいでしょう。
しかし他人からの見返りを求めすぎてしまうと、その見返りとしての反応が無かったり、思っていたよりも反応が薄かった場合、「何で分かってくれないの?」と思ったりがっかりすることになりかねないでしょう。
そのような状況が立て続けに起こると、「私は気配りや心配りができない人なんだ。」と自己否定にも陥る可能性が高くなっていきます。「心配り」は自分が心がけたい礼儀のひとつとして捉え、自分の成長の為に行うものと考えるのがベターでしょう。
心に余裕を持つ
「心配り」ができるようになる為には目配りで周囲を察する能力も必要ですが、人を察することができる人は日常的な心の余裕を持ち合わせています。自分自身のことで手一杯の人は、他人を察する余裕なんて無いと言えるでしょう。
余裕を持つということは難しそうに思えますが、具体的には会社にはいつもより5分程余裕を持って行ってみる、周りが出来る仕事まで自分で抱え込まない、休憩時間に香りの良いお茶を入れるなど様々な方法があるでしょう。
いつもの生活にひとつ付け加えられるだけで、あなたが余裕を感じる何らかの習慣を持つようにしてみましょう。日常にちょっとした余裕を持つことで、他人への心配りも少しずつスムーズにできるようになっていくでしょう。
「心配り」の英語表現
「心配り」というと、日本人ならではの他人を察することから始まる言葉に思えますがが、英語ではどのように表現されるのでしょうか?海外のビジネスマンというと日本人と比べ自己主張が激しい印象があったりと、他人への「心配り」をしているイメージからかけ離れている感じがしませんか?
しかし実際は海外のビジネスの世界でも、「心配り」を表現する言葉は頻繁に使われており、温かい魅力的な性格を表すことも多いものです。ここでは具体的な文章で英語での「心配り」を表現した例文をご紹介します。
She is considerate about everything.
「心配り」を翻訳すると類似の意味合いも含めて何種類かの単語が出てきますが、一般的には「consideration」という単語がよく使われます。この単語は別の意味では「熟慮」や「考慮」、「尊敬」の意味もあり、じっくり考える人や、よく考えられた後の結果や配慮も表すため、ビジネス上でも頻繁に使われます。
上記の英文だと、「彼女は皆に対して心配りができる人だ。」と訳されます。ここでいう「彼女」に対しての心配りできる優しさや熟慮する姿勢に尊敬する気持ちをプラスして伝える英文ということになるでしょう。
I appreciate your thoughtfulness.
2つ目の英文で使われるのは「thoughtfulness」です。「thought(思う)」、「ful(多く)」という言葉の組み合わせ通り、「思慮に富んだ」や、「思いやり」のニュアンスを含む言葉になります。
上記の文章を直訳すると、「あなたのお気遣いに感謝します。」となります。この「thoughtfulness」は、上記の「consideration」と同様にビジネスでもプライベートでも使いやすい言葉なので覚えておくといいでしょう。
あなたにも「心配り」は出来る
「心配り」は日々の心掛け次第で、誰にでもできるようになるものです。「私には心配りなんて無理かもしれない。」と思わず、今日から少しずつ周りに対して「心配り」ができるように、意識的にしてみましょう。
今より「心配り」をすることで、あなたの心にも人への思いやりの循環が生まれて、心が温かくなる出来事が多くなるでしょう。「心配り」は周りだけではなく、あなた自身の心も豊かにしてくれるものです。「心配り」で周囲の人達との温かく豊かな人間関係を築いていきましょう。