お茶出しのビジネスマナー!会社来客でのお茶の出し方や順番や作法
あなたはお茶出しをしているでしょうか。今回はビジネスのお茶出しマナーについて紹介させていただきます。お茶出しをしなくてはいけない時に恥をかかないように、しっかりとお茶出しマナーを確認しておきましょう。応接室や会議室にお茶を出す時にはチェックしてみてください。
目次
お茶出しのマナーを覚えよう!
あなたはお茶出しのマナーを知っているでしょうか。以前はお茶出しは女性がやるものなんて考え方がありましたが、最近では男性がお茶出しをするというシーンも増えてきています。
いつもお茶出しをしてくれている人がたまたまお休みの時に来客があった時に困ってしまうことがないように、お茶出しのマナーを覚えておきましょう。
今回はビジネスのシーンで使うことができる、お茶出しのビジネスマナーを紹介させていただきます。
来客にお茶を出す意味とは?
そもそも来客がきたらお茶を出すというのはどういう意味があるのでしょうか。来客にお茶を出すのは、1つはおもてなしの意味があります。わざわざ足を運んでいただいたお客様に対して、おもてなしの意味でゆっくりしていってくださいという意味でお茶を出します。
おもてなしの意味があるので暑い日には冷たいお茶を、寒い日には温かいお茶を出すというのが基本になります。
来客に対してはおもてないの意味があるお茶を出すという行動ですが、会議の時にお茶を出すのはどういう理由からなのでしょうか。会議や打ち合わせの時にお茶をだすのは、喉の渇きを潤すためであるとともに、気分転換をして欲しいという意味もあるようです。
ビジネスでのお茶出しのマナー・作法《お茶の入れ方編》
それではビジネスでのお茶出しのマナーをみていきましょう。ペットボトルのお茶しか飲んだことがないという人は、お茶の入れ方がわからないなんて人もいるかもしれません。急須でお茶を入れる方法やマナーを確認しておきましょう。
①美味しいお茶の入れ方
寒い日に出すお茶は基本的には緑茶で、暑い日に出すお茶は麦茶であることが多いようです。
緑茶を入れる時にはまずは急須と使う湯飲みをお湯で温めておきます。急須のお湯を捨てて、茶葉を入れます。そして湯飲みにいれてあるお湯を急須の中にいれていくと、調度いい量のお茶をつくることができます。
麦茶は来客があるかないかに関わらず、来客があるかもしれないという前提であらかじめ作っておいて冷蔵庫で冷やしておきましょう。
②お茶の温度
お茶を来客に出す時にはお茶出しのお茶の温度も大切です。冷たいお茶の場合には、冷蔵庫で冷やしたお茶に氷を入れて出すようにします。
温かいお茶を出す時には、来客にすぐに飲んでいただけるように、温かい必要はありますが熱すぎる温度にしないようにしましょう。来客に出すお茶の適温といわれているのは70度から90度なのだそうです。
お湯を沸かしたばかりの時には100度ほどになっているので、少し冷ましてからお茶を入れるという方法がいいでしょう。冷ましすぎてぬるくならないようにすることも必要です。
③お茶碗に注ぐお茶の量
来客に出すお茶を出す時に注意をしなくてはいけないことに、お茶の量があります。来客にお茶を出す時には、お茶の量は少なすぎても多すぎてもいけません。
お茶の量が多い方が来客が喜んでくれるのではないかと思われるかもしれませんが、お茶の量が多すぎると来客のところまで運ぶのも大変です。途中でこぼれたりするかもしれません。また来客がお茶を飲もうとした時にこぼしてしまうこともあります。
少なすぎるというのも見栄えが悪くなってしまいます。ビジネスのシーンで来客に出すお茶の適量と言われているのが七分目くらいの量だと言われています。
ビジネスでのお茶出しのマナー・作法《お茶の持って行き方編》
それではビジネスでのお茶出しのマナーの、お茶を来客に持っていく時の出し方をみていきましょう。お茶の持っていき方にもマナーがあるのです。ビジネスでのお茶の出し方には準備をしなくてはいけないものもあるようです。
①お盆の上へのセットの仕方
社内の人にお茶を出す時には、カップをつかんでそのまま机にお茶を置くという出し方でも問題ありませんが、目上の人にお茶を出す時や来客へのお茶の出し方ではお盆を使うのが基本です。
お盆にお茶を入れたカップとコースターになる茶托(ちゃたく)を別々にのせます。またお茶を出す時に、万が一お茶をこぼしてしまってもすぐに拭き取ることができるように、きれいなフキンも持っていきます。
もしかしたら来客の服にお茶がこぼれてしまうということがあるかもしれないので、使い古したフキンではなく、綺麗なフキンを準備しておきましょう。
②お盆の持ち方
接客業の経験がある人は、お盆は両手で持つと教えてもらっていると思います。お茶出しの時は来客の前ではお盆は両手で持つことが望ましいですが、運ぶ時には片手で持つことができるようにするといいでしょう。
応接室や会議室のドアは、基本的には誰かに開けてもらうのではなくて自分で開けて入ることになります。ドアを開ける時にバランスを崩してお茶をこぼしてしまわないようにしましょう。
ドアを開けて、応接室や会議室の中に入った時にはお盆は両手で持つようにします。両手で胸の高さのあたりの位置にお盆がくるように支えましょう。
③入室の仕方
お茶を入れてお盆の準備ができたら、お盆を片手に持って空いている手でドアを3回ノックします。2回ノックはトイレノックと言われて、ビジネスマナーとしては間違いです。
3回ノックをしてから「失礼します」といって入室します。来客と話しているのが廊下で聞こえている場合や、会議が始まっていることがわかっているという場合にはそれほど大きな声で「失礼します」という必要はありません。
来客が入室に気がついたという時には軽く会釈をして、お茶を出していくという出し方になります。
ビジネスでのお茶出しのマナー・作法《お茶の出し方編》
それでは来客へのお茶の出し方についてみていきましょう。ビジネスでのお茶出しのマナーでは、お茶の出し方はどんなマナーがあるのでしょうか。覚えておきたいお茶の出し方をチェックしていきましょう。
①サイドテーブルなどでの準備
応接室の場合にはサイドテーブルがあることが多いでしょう。一旦お盆をサイドテームルに置いて、そこで茶托に湯飲みを置きます。応接室や会議室に運ぶ時に茶托の上に湯飲みをのせないのは、運んでいる時にお茶がこぼれてしまった時に大惨事になるからです。
茶托にのせる時に湯飲みが濡れてしまっているという場合は、一緒に持ってきたフキンで湯飲みを拭きながら茶托にのせていきます。
サイドテーブルがない応接室や会議室の場合は、テーブルの下座(入り口に近いあたり)でお茶を出す準備をします。
②お茶を出す順番
お茶を出す準備ができたらお茶を出していきます。お茶を出す時にはお茶を出す順番に気をつけることもお茶の出し方には大切なことになります。
お茶を出す順場は来客からになります。来客にお茶を出してから、同じ会社の人にお茶を出していきます。来客が何人もいるという場合には、来客の中でも上座に座っている人からお茶を出していくのが正しいお茶の出し方になります。
自分の会社の人であれば、どんな役職の人かわかっていると思うので、役職が上の人からお茶を出していくようにしましょう。
③お茶の置き方
お茶を出す時には、茶托の部分を持って出していく出し方になります。お茶が入っている湯飲みを出すので、ゆっくりとテーブルにおいていきましょう。
日本人は右利きの人が多いので、右手でお茶を飲んでいただけるように基本的にはお茶を出す人の右側から相手の右側にお茶を置いていくようにします。
お茶を置くときには、小さい声で「失礼します」と言いながらお茶を置くようにすると、来客が謝ってお茶をこぼしてしまうことを防ぐこともできます。
④退室の挨拶
お茶を出し終わったら、お盆を持って退出することになります。急いで出て行く必要はありませんが、できるかぎりすっと部屋を出る準備をしましょう。
お盆を持って扉の前に立ち、軽く会釈をしてからドアを開けて、廊下に出たらもう一度会釈をして、静かにドアを締めます。
来客はきているけれど、自分の会社の者がまだ来ていないという時には「もう少しお待ちください」というようなことを一言付け加えるといいでしょう。
上座とか下座とは?
ビジネスのシーンやしっかりとしたシーンで出てくる言葉に、上座とか下座があります。上座というのは、入り口から最も遠い位置にある席のことで、下座は入り口に最も近い位置にある席の事です。
応接室の場合にはわかりやすい位置関係にあるでしょう。しかし会議室は入り口が2つあったり、机がロの字型になっている場合は、どこが上座かわからないということもあるでしょう。
会議室の場合も下座になるのは入り口に最も近い位置になります。入り口が2ヶ所にあるという場合、上座も入り口から最も遠い位置になります。机がロの字型になっているという場合は、入り口と逆にある位置の真ん中の位置が上座ということになります。
こんな時はどうする?お茶出しで困った場面の対処法
ビジネスのシーンでのお茶の出し方では「こんな時はどうしたらいいの?」というようなシーンも出てきます。お茶出しで困った時の対処法をいくつか紹介させていただきます。お茶出しで困ることがないようにお茶出しトラブルをチェックしておきましょう。
お茶を置く場所が狭い場合
思いのほか多くの来客があったという時には、応接室で人がいっぱいになってしまうことがあります。椅子の数が足りなくて、色々な椅子を集めて机を囲んでいるなんて場合もあるでしょう。
そんな時には、書類やら名刺やらがテーブルの上を占領していて、お茶を置く場所がないということもあります。
お茶を置くスペースがないという場合には、「失礼します」といって、少し書類などを整理させていただいたり、名刺を置いているスペースなどを空けてもらってお茶を置くようにします。同じ会社の人であれば、サイドテーブルの上に置いてしまうというのも1つの方法です。
会議室が狭く後方に回れない場合
いつもはそれほど人が集まらない会議なのに、今日に限って人が多くてお茶を出すためのルートが確保できないということがあります。応接室によってはソファが壁とくっついていて、後ろに回ることができない配置になっていることもあります。
そんな時には無理に回り込もうとしないで、「前から失礼します」と声をかけてお茶を置いていきます。お茶を出す時には、相手が不快に思わなければ問題ありません。
無理にお茶を出そうとして邪魔をすることが1番よくありません。会話や仕事の邪魔にならないように考えてお茶を出すようにしましょう。
サイドテーブルなどに書類が置かれてる場合
お茶を出す準備をしようと思ったら、サイドテーブルの書類が置かれていたということもあります。テーブルの上がすでにいっぱいで、サイドテーブルにまで物が置かれていたり、来客の荷物が置かれているということもあります。
触って良いものであるかどうか判断できないという時には、同じ会社の人で1番下座に座っている人に「お茶を出したいのですが、サイドテーブルを使ってもいいですか?」というように声をかけてみるといいでしょう。
片付けてもよければそう指示をしてくれるでしょうし、別の場所を使うようにと指示をされることもあります。来客の物にはできるだけ手を触れないようにするほうがいいでしょう。
お茶の数が足りなかった場合
社長だけが対応するのかと思ったら、部長も同席する来客だったなんてことはよくあることです。部長がくると思っていなかったからお茶の数が足りないなんて場面もあるでしょう。
そんな時には、まずは来客にお茶を出して、役職が上の人にお茶を出します。それからあらためて足りない分のお茶を出す出し方で問題ありません。
来客がお茶を出している時に増えてしまったという場合には、あらためてお茶を準備して持っていけばいいのです。慌てないで落ち着いてお茶をだすようにしましょう。
お菓子を一緒に出す場合
基本的には来客にはお茶だけ出せば問題ありません。しかしあらかじめ、長い話になるとわかっている場合や、対応する社員からお茶菓子を一緒に出して欲しいと言われた場合には、お茶と一緒にお茶菓子を出します。
お茶菓子とお茶を出す出し方は、まずお茶菓子を出すことになります。お茶菓子の右側にお茶を出します。
書類などが広げられていない場合は、来客の目の前に並べるように置いてもいいでしょう。おしゃべりに来ただけだなというような来客なら「ごゆっくりどうぞ」と一言付け加えてもいいでしょう。
タイプ別の湯飲み茶わんの正面と置き方
ビジネスのシーンでお茶を出すときには、湯飲みの正面を向けてお茶を出すといいと言われています。マナーに厳しいお客様にお茶を出す時には注意をして出すようにしましょう。湯飲みには大きく3つのタイプがあります。
1つ目は模様がない、または全体に同じ模様が入っている湯飲みです。2つ目は湯飲みの外側に絵柄が入っているタイプです。3つ目は湯飲みの内側に絵柄が入っているタイプになります。
1つ目のタイプには特に正面がありません。そのため会社で使われる湯飲みはこのタイプが1番多いと言われています。
2つ目の外側に絵柄が入っているタイプの場合には、外の絵柄が正面にくるように出すということが正しいお茶の出し方です。
3つ目の内側に絵柄が入っているタイプの場合には、内側の絵柄が来客の方に向くようにお茶を出すようにします。
お茶出しにもマナーがある!
今回はお茶出しのビジネスマナーについて紹介させていただきました。あなたのお茶出しの方法は正しい方法だったでしょうか。
最近はビジネスのシーンでもお茶ではなく、インスタントコーヒーを出すという機会も増えています。お茶とコーヒーで入れ方は違いますが、来客への出し方に変わりはありません。お茶出しのマナーをマスターして、来客に感心してもらえるようになりましょう。