白い蛾のスピリチュアル的な意味とは？

古より、白い蛾は吉報をもたらす前兆とされ、寿(ことほ)がれてきました。しかし、白い蛾でなくっても、蛾の夢を見ることは、スピリチュアル的にいって大いに意味があります。白い蛾は良い兆しですから無視しても問題ありませんが、そうでない場合こそ重要です。白い蛾にばかり気を取られているのは、賢明とはいえません。

確かに、白い蛾の夢を見ることは素敵なことですが、黒や、大きな蛾や、卵や、群れ飛ぶ蛾などといった不吉なものの方にこそ重大な意味があります。警告という、人生における尊き価値を有するのです。

蛾の分類とは、「節足動物門、昆虫綱、チョウ目(鱗翅目、ガ目とも)」であり、昆虫の内、チョウ(具体的には、「アゲハチョウ上科」「セセリチョウ上科」「シャクガモドキ上科」)を除いた分類群の総称です。日本において、チョウ目の昆虫類は3,500種類知られています。

しかし、「チョウ」と呼ばれるものは250種類にすぎません。他はすべて「ガ」になます。世界全体で見ると、蛾の種類は蝶の20～30倍ともいわれています。ただし、蝶と蛾には明確な区別はありません。

蛾の成長段階は、卵、幼虫、蛹(さなぎ)、成虫という順で完全変態をとります。幼虫は、それぞれ外見や行動によって「イモムシ」「ケムシ」「シャクトリム「」ミノムシ」などと呼ばれています。

国内でよく見かける白い蛾には、大別して「アメリカシロヒトリ」と「モンシロドクガアメリカシロヒトリ」の二種類います。アメリカシロヒトリは、植物に甚大な被害を与えますが、無毒なので人間の体には害がありません。

有毒で有害なのはモンシロドクガで、その毛には毒素が含まれており、風に乗った毛が人肌に触れただけで、その部分を腫れさせ、炎症やアレルギー反応を起こす原因になります。

アメリカシロヒトリの分類は、「チョウ目ヤガ上科トモエガ科の蛾の一種」で、害虫とされています。原産地は北アメリカ、日本の生息地域は、本州、四国、九州にまたがり広く分布しています。有名な侵入種で、戦後アメリカから渡来しました。

外見は、翅(はね)を開張(かいちょう)すれば約３㎝ほどあり、前翅は白地に黒の斑点を有し、後翅は純白なのが特徴です。ただし、二度目の発生時期には、前翅の黒の斑点は薄くなり、ほぼ純白になります。

モンシロドクガの分類は、「チョウ目ドクガ科に属する蛾の一種」です。生息地は、ほぼ日本全国に分布していて、外国だと朝鮮半島・シベリア・ヨーロッパなどに広く分布しています。

外見は、羽の開張時２４ｍｍ～３９ｍｍほどで、全体的に真っ白く、白いもこもこの毛が体や脚に生えており、前翅に各々二つの黒褐色紋を持つのが特徴です。幼虫のころの体長は約２５ｍｍほど、全体的に黒色をしており、背面に幅の広い橙黄色帯を有するのが特徴です。

スピリチュアル的な意味からいえば、蛾は良いオーラを持つ人に集まりやすい傾向があります。ですが、残念なことに、蝶ほど縁起が良いメッセージの送り手ではありません。一匹ならまだしも、わらわらと複数湧いた光景なら、マイナスのメッセージとして解さざるを得ないのです。

蛾は、アリ、ハチ、ハエなどと同様、スピリチュアル的には、運気の悪い虫とされます。反対に、運気が良い虫の代表例は、蝶、トンボ、セミなど、人に好ましい印象を与える虫のようです。人間による勝手な意味付けですか、意味というのは主観的なイメージですから、しかたありません。

夏の夜な夜な、コンビニなどの青白い誘蛾灯に引き寄せられ、「バシッ！」と、身を焦がす小さな飛び虫。「飛んで火にいる夏の虫」、光へと向かうこの習性が「無謀で無思慮」という印象を人に付与します。蛾にはいい迷惑でしょうが、それを象徴する言葉として、「変容、嫉妬、好奇心、誤解」などが挙げられてしまうのです。

「虫の知らせ」という慣用句があります。虫は昔からスピリチュアルな霊的存在で、何らかのメッセージを運んでくるとされます。蝶やテントウムシは幸運を呼びますが、蛾はどうなのでしょう。しかし、見た目に反して、蛾は霊的に高い波動をもつとされるのです。

蝶と蛾は、どちらも成長過程は一緒の完全変態であり、その劇的な変貌のため、その意味付けには「再生、生まれ変わり」といった、人にとって大きな変化を表します。その夢見、目視、ビジョンの囚われにおいて、それぞれの解釈には変化に対応した危機が見込まれます。また、上記のような無謀無思慮といった、夢を見た当人への警告も含まれます。

全体の印象として、「自分の状況を見失っている可能性」が挙げられるでしょう。蛾を通じ、「我が身の危険」を教えてくれるサインとみなせます。

白い蛾は他の蛾と違い、スピリチュアル的に特別な存在です。それには、ポジティブな意味合いあるからです。白い蛾は「吉兆の証」とされます。そもそも、白そのものが「成功と純潔」を表する神聖な色なのです。海外では、夕方の誰そ彼どきに、ひらひら舞う「白い蛾」を幸運の運び手とみなしました。

また、白い蛾は「死の前兆を告げる」という言い伝えがあります。昔の人は環境的に死と親しかったので、死は魂を解放してくれるから、蛾のお告げを忌(い)むべきものとは考えませんでした。

蛾の色分けにも意味があります。白い蛾と対になる黒い蛾は、不吉のしるし、緑色なら調和を、灰色なら挫折を意味します。漆黒からくすんだ色、明度の高い原色、そして白。より、色合いが明るい方が、良き兆し、開運に繋がるのは言うまでもないでしょう。

夢に現れた「白い蛾」の象徴として、様々な運気の上昇があげられます。恋愛など、万事が上手くゆくメッセージです。幸運の運び手、白い蛾の夢見は、まさに吉夢とされます。

白い蛾以外には、スピリチュアル的に良い意味は少ないようです。概して、不吉なサイン、トラブルの起こる前兆とみなされています。

これからお話しする全ての夢に通じて言えますが、それらをイジワルとしてみなさず、善意からなる警告として取ることが、より健全で建設的態度といえるでしょう。これらメッセージの送り主も、そう望んでいるのですから。

大きい蛾の夢は、人間関係の悪化を象徴しています。その大きさによって、トラブルの度合いも大きくなるそうです。

また、夢の中の蛾の姿を「将来受け取る手紙」と重ね合わせる観方があります。大きい蛾なら長い手紙の到着、蛾の旋回する回数によって、葉書か封書、もしくは小包と、卜(ぼく)したといいます。

小さい蛾の夢は、上と対照的になります。それの表すトラブルは比較的小さなものでしょう。しかし、何事も用心に越したことはありません。最初は小さくても、後々トラブルが大きくなることは十分考えられます。注意がムダになるよう、何事につけ誠実に対処しましょう。

大量発生した蛾の夢の場合は、大きい蛾の夢を見た場合と重なります。数によって象徴されるような大きなトラブル、ならびに、問題の山積みを表しています。にっちもさっちもいかなくなる状況が見込まれます。自分独りの力を頼みとせず、他者に助けを請うことが良作といえます。

蛾の卵の夢を見る場合は、健康の悪化を表しています。まだ、症状として表面化していないので、これを幸運と捉え、先回りして予防と養生に努めましょう。健康こそ、一番の幸運であることは言うまでもありません。

家の中に蛾がいる夢を見たときは、あなたの心が、すでに不安や心配でいっぱいになっている状態を表しています。何かそれ相応の悩み事があってのことでしょう。上の夢の時と同じように、独りで堂々巡りするのを避け、まず、家人に面と向き合い、その後、他人に相談しましょう。

「その他蛾が出て来る夢の意味」の見出しで述べたことを繰り返します。白い蛾の夢見には良い意味が含まれていましたが、その他のもには悪い意味が全面を覆っていました。しかし、だからといって心を閉ざしたら、損をするのは自分自身です。

白い蛾でなくても、メッセージの送り主からの「善意の警告」とすることが肝要です。スピリチュアルであれ何であれ、わざわざ教えてくれているものを無下にするのは、賢い態度とはいえません。取り越し苦労で終わるなら、それはそれで構わないじゃありませんか。