妊娠中の腹筋運動のやり方!妊娠初期の筋トレ方法とは?
妊婦さんは、運動や筋トレを避けたほうがいいと思う人が多いです。しかし運動は、血行不良の解消やストレス解消などが期待でき、また腹筋があれば安産になりやすくなります。今回は、妊婦さんが取り組みやすい腹筋運動の方法や、妊娠中の筋トレ方法について解説します。
目次
妊婦さんの腹筋のやり方を紹介!
妊娠すると、徐々にお腹が大きくなってきます。そのため、体のバランスが崩れてきて腰痛などのトラブルに見舞われることが少なくありません。このようなトラブル予防のために腹筋のある体作りが大切です。
とはいえ、妊娠中です。お腹の赤ちゃんは大丈夫なのか、不安が多いでしょう。体調がいいからと言って、妊娠中ということを無視してトレーニングするのは危険が伴います。安全な方法でコンディションと方法をよく知った上で腹筋を鍛えましょう。
そもそも妊娠中に腹筋運動をしてもいいの?
そもそも、妊娠中に腹筋運動をしても大丈夫なのでしょうか?もちろん、妊婦さん全員が、同じように腹筋運動をしていいはずがありません。
妊娠の経過は人それぞれですので、運動するにあたり妊婦さん一人一人が、ご自分の体調や経過をよく知り、トレーニングする時は無理なく慎重に行う必要があります。
筋トレをしてはいけない妊婦さんとは?
せっかく赤ちゃんができたのに、運動をして流産になってしまってはいけません。正常な妊娠で、経過が良好なら適度な運動は危険ではありませんが、一方で絶対にお腹に力を入れるような筋トレをしてはいけない妊婦さんもいます。
どのような妊婦さんが、筋トレをしてはいけないのでしょうか?
体調が思わしくない妊婦さん
妊娠をすると、体が赤ちゃんを子宮の中で育てるために大きく変化していきます。そのため、ホルモンバランスが崩れやすく、体調が不安定になる人が少なくありません。
体調が良くない時は、当然、筋トレは避けるべきです。また、運動をしたら調子が悪くなってくることもあります。その時は、すぐに休みましょう。
子宮頸管無力症の妊婦さん
妊婦さんの中には、子宮頚管無力症という疾患がある人がいます。子宮頚管とは、子宮頚部の中の子宮腔と膣をつなぐところを言います。
通常、出産が近づくと赤ちゃんが降りてくると子宮頚管が短くなり、陣痛が始まると子宮口が開いてきますが、子宮頸管無力症の妊婦さんは、陣痛がこなくても子宮口が開いてしまい、早産や流産を引き起こしやすくなります。
この場合、運動や筋トレは流産を誘発する危険な行為になりかねないため、してはいけません。
子宮頸管が短い妊婦さん
子宮頚管が短い妊婦さんも、運動や筋トレを避けるべきです。赤ちゃんが降りてきて子宮頚管が短くなると、出産が近づいていることがわかりますが、赤ちゃんが十分に育っていない時期で出産が始まってしまうと、早産や死産になってしまう危険があります。
正産期(妊娠37~41週6日)で、お腹の赤ちゃんが健康に育っているのに陣痛がなかなか始まらない人をのぞいて、子宮頸管が短いことがわかっている妊婦さんは、安静が第一です。
妊婦さんが腹筋を鍛えることの効果
妊娠してお腹が大きくなってくると、動くのがおっくうになってきます。動かないでいると、当然筋力も低下してきてしまいます。出産は、思い切り力む必要があるため、腹筋を含め筋力が弱っている身体では挑みづらくなってしまう可能性があります。
ここでは、妊婦さんが腹筋を鍛えることの効果について解説します。
腰痛や股関節痛などの予防になる
お腹が大きくなってくると、そのお腹を支える筋力が必要になります。普段から姿勢に気を付けて、お腹に筋肉がある人は、お腹が膨らんできても腹筋で支えられるでしょう。
しかし腹筋がないと、大きなお腹の負荷が腰や股関節にいってしまい、腰痛や股関節痛を招いてしまうことがあります。
実際、健康とリラクゼーションのために軽い運動はしても、お腹に力をいれて腹筋を鍛えるのは不安に思っている妊婦さんが多く、妊娠後期になると多くの妊婦さんが腰痛を経験しています。腹筋があれば、腰痛や股関節痛予防になるのです。
お産がしやすくなる
妊婦さんは、陣痛の間隔が短くなるにつれて、全身の力を振り絞って赤ちゃんを産みます。赤ちゃんも同様に必死になって降りてきます。そのため、お産には体力が必要で、長引くほど母子が苦しくなってしまいます。
腹筋があれば、陣痛が来た時に力む筋力になるため、お産の助けになります。お産がしやすくなれば、赤ちゃんが早く生まれてこられるので、安産になりやすいことは想像に難しくないでしょう。
筋力低下を防げる
筋肉は、使わないとどんどん弱っていくため、意識して鍛えて維持する必要があります。
特に妊婦さんは、体調が不安定になりやすく、お腹の赤ちゃんのために行動範囲を制限したり、安静を心掛けて身体を動かさないことが多いので、何もしなければ筋力が著しく低下していってしまいます。
意識して姿勢を正すことはもちろん、腹筋をある程度鍛えておくことは、筋力低下を防ぐ最善の方法です。
便秘解消効果がある
妊婦さんは、ホルモンバランスの影響で便秘になりやすくなります。しかし、腹筋があれば、力を入れやすくなるため、その分便秘になりにくくなり、便秘解消効果がのぞめます。
妊娠中だからと、お腹に力を入れないようにしている妊婦さんもいますが、それが習慣になると腹筋が弱くなってしまい、便秘がひどくなってしまうことがあります。適度に腹筋を使うように心がけましょう。
妊婦さんが腹筋をしても良い時期
妊娠前のように、好きなだけ自由に運動をして腹筋を鍛えたいものですが、それはさすがにNGです。妊娠中は、身体がデリケートになっているため、細心の注意が必要です。
しかし、神経質になる必要はありません。運動してもいい時期や方法さえ守って行えば問題ないでしょう。
妊娠初期は控える
妊娠初期は、体が妊娠を受け入れて変化し始める時期です。つわりが始まり、体調の変化も激しく、妊娠が安定していないため、本格的な腹筋トレーニングは控えましょう。流産になってしまわないよう、激しい運動も厳禁です。
体調がよい人は、日常生活の延長として軽いウォーキングをしたり、腹筋を意識して姿勢を正して過ごしてみましょう。
医師の許可を得て妊娠16週目以降から
妊娠中期の16週目ころからは安定期と言われていますが、腹筋をしてもいい時期はこの頃からです。妊娠の経過が順調な人は、そろそろ出産に向けて体力をつけたいところです。
しかし、自己判断で筋トレや運動を始めてしまうと、予想外のトラブルに見舞われることがあるため、医師に許可をもらってから始めましょう。
妊婦さんが腹筋をするタイミングと頻度
妊娠中期以降で、経過が順調で医師から許可をもらっていれば、腹筋運動をしても大丈夫です。子宮収縮が少ないと言われる日中に行い、食後や疲れが溜まりやすい夜は、避けた方がいいでしょう。しかし、運動のタイミングと頻度は一概に言えない部分があります。
妊婦さんはそれぞれ、体質やその日の体調、体の柔軟性、お腹の赤ちゃんの成長具合などが違います。妊娠が十人十色なら、運動方法や頻度もそれにあわせなければなりません。そのため、担当医に運動の頻度についても相談するといいでしょう。
妊婦健診を行っている産科では、マタニティビクスや妊婦体操などのクラスを運営していることもあるので、タイミングと頻度について講師に聞いてみることもおすすめです。
妊婦さんにおすすめの腹筋運動
妊娠中は、貧血になりやすく、お腹の張りや体調の変化にも敏感です。自己流でやみくもに腹筋運動をすることがないようにしましょう。妊婦さんにおすすめの腹筋運動をご紹介します。
①腹式呼吸
呼吸には胸式と腹式呼吸があります。胸式呼吸は、普段何気なく呼吸をしている時の呼吸法で浅い呼吸方法です。腹式呼吸は、お腹に空気を入れるイメージで深く吸ったり吐いたりします。
腹式で呼吸をすることによって、お腹の筋肉が刺激されるだけでなく、はいた時にリラックス効果があります。また、出産時に陣痛に合わせて行うのも腹式呼吸です。
腹式呼吸は、慣れるまで訓練が必要ですが、できるようになれば呼吸1つで腹筋を刺激しながら出産にも備えられ一石二鳥です。
②腹筋体操
妊婦さんが取り組めるものの中で、腹筋を鍛えられる体操は、マタニティビクスやマタニティアクア、ヨガや妊婦体操などがあげられます。運動の負荷はそれぞれですので、ご自分にあったものを選ぶといいでしょう。
無理なく続けるために、日々ご自分の体調をよく観察しましょう。
③立って行う腹筋体操
簡単にできる腹筋体操で、産前だけでなく出産、産後の腰痛予防にもなるものをご紹介します。この方法なら立った状態でできるため、お腹が苦しくならずにしやすいです。
このほかに、軽いスクワットも妊婦さんの筋力アップに効果的です。
妊婦さんが腹筋運動をする際の注意点
腹筋運動を始め、体幹がしっかりしている妊婦さんは、出産がスムーズになりやすいと言われています。しかし、無理は禁物です。運動に慣れてくると、つい妊娠前のように負荷をあげたくなりますが、そこは我慢しましょう。
ここでは、妊婦さんが腹筋運動をする際の注意点についてみてみます。
運動の絶対条件は医師に許可をもらうこと
腹筋は、さほど負荷が重い運動ではありませんが、お腹に力をいれる運動です。当然、経過が順調な人ができます。それでも、注意することはとても大切です。妊娠高血圧症候群の有無、早産の危険はないのかなどを医師に聞いてから始めなければなりません。
普段以上に水分をよくとる
妊娠中は体温があがり、火照りやすくなります。まして運動をすれば尚更、身体が熱く感じられるでしょう。水分が不足すると、めまいや脱水症状など体調不良を引き起こしかねません。
妊婦さんが運動する時は、休憩をはさみながら水分をこまめにとりましょう。
お腹が張ったら中断する
妊娠中期以降、お腹が大きくなってくると、お腹が徐々に張りやすくなってきます。その時々の体調に左右される部分ですが、気づかずに運動していると、早産を招きかねません。お腹が張ったり、痛みを感じた際には、運動を中断してください。
妊娠中でなければ、腹筋などの筋トレをする時、苦しいと感じるくらいの負荷で運動しますが、妊娠中はコンディション最優先でトレーニングしましょう。
ほかにもある!妊婦さんにおすすめのトレーニング方法
もともと運動好きな人なら、妊娠中も運動不足になりたくないはずです。運動しないでいると身体がなまって体重増加や便秘などのトラブルを招くだけでなく、ストレスがたまってしまいます。運動慣れしていない人も、爽快感を味わいましょう。
できる範囲で、さまざまなトレーニングを楽しみましょう。
ラジオ体操でバランスよく鍛える
ラジオ体操と言えば、子供の頃夏休みの早朝に近所の公園で集まってしていた記憶がありませんか?誰でも知っている健康体操です。一生懸命すれば、結構な運動量になり、身体の筋肉をバランスよく動かすことができます。
妊娠中にラジオ体操をする時は、ジャンプする部分と体をひねる部分で気をつけましょう。また、ラジオ体操に限らずですが、お腹が張ったり、めまいを感じたらすぐに休みましょう。
ラジオ体操は、音楽を流しながら体を動かすため、運動しやすい反面、大勢の人たちと行うことが多いので周りのペースに合わせようとしてしまいがちです。無理をしないようにしましょう。
骨盤底筋群を鍛える体操
骨盤の底にある筋肉を骨盤底筋群と言います。この部分は、子宮を始め臓器をささえるハンモックのような役割をしています。
普段あまり使わない筋肉のため、産後の尿漏れや、子宮脱などのトラブルにあってしまうことがあります。そのため、意識して骨盤底筋群を鍛えましょう。
腹筋を鍛えるメリットがたくさん!
妊娠中の腹筋や筋肉トレーニングについて、その可否や方法と効果、注意点についてみてきました。
ひと昔前まで、妊婦さんはよく食べてよく休むように言われていました。それをそのまま実行すると、安定期以降体重が急上昇してしまうため、最近ではウォーキングや簡単な運動を推奨されることが多いです。
それでも体重が増えすぎると、妊婦健診の時に指摘され、食生活に関するカウンセリングや運動をすすめられます。
腹筋があるとお腹が大きくなり過ぎない
妊娠したアメリカの下着モデルが、トレーニングを続けて臨月になっても素晴らしいスタイルをキープし、元気な男の子の赤ちゃんを出産したことが話題になりました。腹筋がある人は、臨月になってもお腹が大きくなりすぎず、妊娠線ができにくいようです。
妊娠中、何もせずに過ごすと、産後それまで使われずに減ってしまった筋肉を再び鍛えなければなりません。それができずに出産後、妊娠前の体重に戻らないで苦労している人は少なくありません。
腹筋を鍛えておけば、体幹を安定させることができ、妊娠中圧迫されていた内臓や歪んでしまった体をもとに戻すの助けになります。セットで骨盤底筋のトレーニングも忘れずに行いましょう。
健康な体をキープできる
出産は、女性にとってとても重大なイベントです。体にかかる負荷も半端なく、ケアを怠ると出産後長い間にわたって不調がおきてきます。また、最初の1か月は、赤ちゃんのお世話に追われて自分の体は二の次になってしまうことが少なくありません。
2人目、3人目の計画がある妊婦さんだけでなく、いつまでも健康でありたいなら、筋力のある体を維持することが大切です。妊娠が順調で、医師の許可をもらえたら、無理のない範囲でトレーニングしてみて下さい。