事務局への宛名は「御中」か「様」?メールでの敬称の使い分け方を解説

事務局への宛名は「御中」と「様」のどちら?事務局にメールを送る際に敬称として使うのは「御中」と「様」のどちらが正しいのか?また、他の敬称「係」「行」「殿」「各位」などの種類と使い分け方についてもご紹介しますので、チェックしてみてください。

事務局への宛名は「御中」か「様」?メールでの敬称の使い分け方を解説のイメージ

目次

  1. 1事務局への宛名は御中が正しいの?
  2. 2御中の意味とは?
  3. 3敬称の種類と使い分け方
  4. 4事務局へのメールでの御中の使い方
  5. 5事務局へ御中を使う時の注意点
  6. 6返信用封筒やはがきの御中の消し方は?
  7. 7御中と書くよりも「ご担当者様」のほうが良い場合も
  8. 8宛名・敬称はビジネスマナーだけではなく一般的にも必要な知識

事務局への宛名は御中が正しいの?

郵便物やメールの返信先が「事務局」になってることがあります。この「事務局」というのは会社や組織、団体などの総合的な事務を行なっている部署、部門ということになります。

会社の名前そのものや、「営業部」などの聞き慣れた部署であれば迷わない人でも、「事務局」という聞き慣れない部門に「敬称はどうすればいいんだろう」と悩んでしまうことがあります。

この事務局への宛名、敬称はいったいどのようなものを使うのが正しいのか。御中で良いのか。そして他の敬称やそれぞれの使い方などもご紹介します。

御中の意味とは?

「御中」は会社や組織など、個人宛ではない相手に対して郵便物やメールを送る際につける敬称として知られています。多くの人が少なくとも1度や2度は見かけたことがあるでしょう。

この「御中」という敬称の意味はその宛名につけたところにいる「どなたかが確認してください」という意味になっています。「○○事務局 御中」としたならば、「○○事務局内のどなたかが確認してください」ということです。

つまり、その宛名の団体の誰に送ったらいいのか分からない場合に使うものとなります。受け取り相手が分かっている場合は「御中」は使いません。

敬称の種類と使い分け方

郵便物やメールを送るときの敬称には様々なものがあります。ここで取り上げている「御中」もその1つですし、多くの人が利用し、敬称として認識している「様」もあります。

他にもここで取り上げるのは、「係」、「行」、「殿」、「各位」というものがありますが、それぞれの敬称の使い方、使い分け方をご紹介していきます。

これらの違いを認識しておくことで、郵便物やメールを送るときに「敬称はどうすればいいんだっけ?」と悩むこともなくスムーズに作業を終えられますので、しっかりと使い分けられるようにチェックしてみてください。

御中の使い方

まずは、「御中」の使い方です。これは先にもお伝えしたとおり、送り先の組織や団体の中の「どなたか」に送る際に使用するもので、受け取り相手の個人が分かっている場合は使用しません。

ですので、「○○株式会社 御中」や、「○○大学 事務局 御中」などの使い方になり、その宛名の組織、団体に所属している人であれば、誰に開封されても良いという意味にもなります。

担当者や担当部署が分かっている場合は、そこまで細かく記載しないと「誰が見てもいい」という内容なので、なかなか目的の宛先に届かず時間がかかってしまうというケースもあります。

様の使い方

郵便物やメールを送る際の宛名につける敬称の中でもっとも使われるのが「様」という敬称です。これは個人宛のメールなどに使われるもので、ビジネスでもプライベートでもどのような場面でも使うことができる敬称となります。

また、目上、目下ということは関係なく使うことができる敬称なので、個人宛の郵便物やメールであればあまり迷うことなく使える使いやすい敬称と言えます。

宛名が事務局であっても、その担当者が分かっている場合には、先程の「御中」を使うのではなく、「○○大学 事務局 田中 様」というような形で個人のほうに「様」という敬称をつけて事務局には敬称は使いません。

係の使い方

「係」というのは敬称ではなく「経理部」や「営業部」などの「部」と同じように「○○係」という部署、部門があるという意味なので、これを敬称として使うことはできません。

事務局から届いたメールや郵便物に返信用の宛名があった場合に、「事務局」係のように書かれているケースがあり、これによって敬称と勘違いしたり、どのように敬称を付けたら良いのか悩むケースがあります。

これは先にもお伝えしたとおり「○○部」と同じような扱いなので、「事務局係 御中」という使い方、もしくは「事務局係 鈴木 様」などのように直して送ります。メールではなく手書きの場合は「係」の部分を二重線で消さないように注意してください。

ただ、「係」の場合は、「○○部 ▲▲係」というようになっているケースも多く、その「係」は個人を指しているという場合もあります。

「○○部で▲▲を担当している者」という意味での「係」です。そういった場合には「○○部 ▲▲係 御中」は使えないので、「○○部 ▲▲係 鈴木様」とします。

もし、係をしている個人の名前が分からない場合には、「○○部 ▲▲係 ご担当者様」とすれば良いでしょう。

行の使い方

「行」というのも敬称ではなく漢字そのままの意味で、「行き」ということを表しているものです。「事務局行きのメール」、「事務局行きの郵便物」ということです。

この「行」という宛名がついているケースは、多くの場合、返信用封筒など元の送り主側が送り返してほしい送付先を予め書いておいた際に「様」や「御中」とは自らが記載することはできないので、「行」という文言が使われるのです。

ですので、「行」を使い方としては、自分が送り主で相手に返信をお願いする際に、相手の手間を減らすために予め返信先を書いておく場合に使うものとなります。自分からメールや郵便物を送る際に使用するものではありません。

殿の使い方

「殿」というのはいちおう敬称ではありますが、基本的には目上の人が目下の人に対して使うものになるので、明らかにそういう位置関係にある人以外に使うのは失礼にあたりますので注意が必要です。

また、「殿」は個人宛に使うものなので、「事務局 殿」など組織や団体に対して使う敬称ではありません。「個人宛」であり、「目下の人」に対して使うものだということを覚えておきましょう。

口語でいうところの「木村くん」など呼び捨てにはしないけれど、「さん」などの敬称呼びでないような使い方の敬称なので、どの立ち位置で使えばいいのか悩む場合は「使わない」という選択が無難でしょう。「様」などで代用してください。

各位の使い方

「各位」の使い方は、「複数の個人宛」のときに使うものになります。「事務局 御中」は事務局の中にいるどなたかに当てたものですが、「事務局 各位」になると事務局のみなさんという意味になります。

この「御中」と「各位」の違いはしっかりと覚えておいたほうが良いでしょう。基本的に「御中」は乱暴な言い方をすると「誰でもいい」という意味になりますので、届けたい相手が複数いるときには使いません。

ただし、誰か担当者がいるであろうものを送るときに「各位」と使うと、まるで「担当者だけではなくみんなでしっかり見なさい」と言わんばかりにもなるので、このような敬称の意味やニュアンスはしっかりと把握しておきましょう。

事務局へのメールでの御中の使い方

事務局へメールを送る場合には、事務局は部署、部門の1つとなり団体、組織ということになりますので、敬称には「御中」を使うことになります。

この時の「事務局」が社内である場合や、事務局内の担当者が分かっている場合など様々な要素がありますので、そういった時の「御中」の使い方をご紹介します。

社内の部や課宛のメールで使う

社内の部や課宛のメールの敬称には「御中」を使います。社内であっても敬称を抜きにしてメールを送ることはしません。

また、部や課というのは組織や団体、チームになりますので、「様」ではなく「御中」とします。ただし、その場合は「その中のどなたか」に宛てたメールということになります。

もし、社内の部や課宛だとしても担当者が分かっている場合には、「○○部 佐藤様」など部や課の後に御中は付けずに、個人名のあとに様を付けて送ります。

件名に御中を使う

メールの件名に御中を使う場合もあります。これは初めて取引する相手方にメールを送る際に、「○○株式会社 御中」などの件名をつけて送るというような形です。

ただし、のちほど「注意点」としてご紹介していますが、件名というのは要件が分かるようにすべきものなので、「○○株式会社 御中」のみで終わらせているのはビジネスマナー違反になるケースもあります。

返信の際には件名を書き変える

メールを自分が受け取った側として、そのメールの件名に「御中」が入っていることがあります。もちろんメールを受け取るだけであれば問題ありませんが、返信する際にはそのままではいけません。

返信をそのまますると、「Re:」などが件名の頭に追加される程度で、件名そのものはそのまま使われることになります。ですが、これをそのまま使うと自分宛が送るメールに「自分宛ての宛名+御中」ということになってしまうのです。

これはビジネスマナー違反です。必ず返信する際には、「御中」を消すだけなどではなく、メール本文の内容に合った件名に書き換えて返信するようにしましょう。

事務局へ御中を使う時の注意点

事務局に対して「御中」という敬称を使う場合に注意すべき点があります。ここまでにも「御中」の使い方やそれ以外の敬称の使い方をご紹介したので、そこでの内容も注意点に含まれます。

それ以外の注意点や、先に軽くご紹介した注意点などをここでは詳しくご紹介しますので、確認してみてください。「間違え」で済むものもありますが、「相手に失礼」になるケースもありますので意識して注意するようにしましょう。

要件が明らかな場合はメールの件名に御中は使わない

こちらは先にも少しお伝えしましたが、メールの件名に「○○事務局 御中」などのみにしてしまうと、受け取った事務局側がどのような要件なのか一切分からないメールとなってしまいます。

受け取った順に順次開封している場合でも、あとで内容を再度確認したい場合などにも不親切ですし、重要度順に開封している場合にもやはり不親切となります。

要件が分かっている場合は「○○株式会社 事務局 鈴木様」などその担当者の名前を書くか、「『▲▲の確認依頼』 ○○株式会社 ご担当者様」など、「何の用があるメールか」が分かるような件名にするのがビジネスマナーです。

個人宛のメールに御中は使えない

「御中」というのは会社など組織や団体宛に使う敬称で、しかもそれがその組織や団体に所属する「どなたか」に向けたものであるとお伝えしました。

そして、たとえば事務局内の担当者が分かっている場合には、「事務局 御中」ではなく、「事務局 鈴木 様」と個人名を入れるように送ります。

ですので、「事務局 鈴木 御中」という使い方はできませんので、この使い方をしてしまわないように注意しましょう。あくまでも組織や団体に対する敬称で、しかもその担当者が分からない場合にのみ使うものとなります。

二重敬語にならないようにする

「御中」を使おうとすると時に二重敬語のように重ねた表現をしてしまう人がいますが、それは誤りなので注意しましょう。

たとえば、「○○株式会社 事務局 御中 田中 様」のような使い方です。事務局に「御中」を付けて、個人名に「様」を付けている状況ですが、これは二重敬語になるので、誤った使い方になります。

送り先の個人、担当者まで分かっているのであれば、「○○株式会社 事務局 田中 様」という使い方が正しいです。「会社名+部署名+個人名+様」となります。最終的に個人名に「様」を使うなら、会社名や部署名に御中は必要ありません。

返信用封筒やはがきの御中の消し方は?

先にも軽くお伝えしていますが、返信用封筒には送り主から指定された返信先が予め記載されていることがあり、ここに「こちら側の名前+御中」が書かれているケースがあります。

これは「○○事務局 御中」だった場合は、御中の部分を二重線で消して何も加える必要はありません。また相手の宛先は「○○株式会社 事務局」となっている場合には、事務局のあとに「御中」を書き加えます。

「○○株式会社 事務局 鈴木 行」となっていた場合には、「行」を二重線で訂正し、そこに「様」を書き加えるようにしましょう。そのまま「行」で送るのも、「鈴木」のあとに「御中」を付けるのも誤りなので注意してください。

御中と書くよりも「ご担当者様」のほうが良い場合も

ここまで「御中」の使い方を色々とご紹介してきましたが、「御中」については団体の中にいる担当者が分からない場合に使う敬称ということをお伝えしました。

ですので、担当者が分かる場合には、「事務局 田中様」など「御中」は使わずに送るのが基本になります。ただ、もし担当者が分からなくても「ご担当者様」と書くことで宛先が御中ではなくなります。

一般的な書き方なので問題ないのですが、たとえば「事務局」が1人の部署だった場合に受け取った側は「御中」ではなく個人です。そのようなことも想定すると担当者が分からなくても「事務局 ご担当者様」と書いたほうが良いケースもあります。

宛名・敬称はビジネスマナーだけではなく一般的にも必要な知識

宛名に使う敬称はビジネスシーンで使うことが多いですし、それらを使い分けるのも、やはりビジネスシーンが多くなります。ですが、ビジネスシーンだけではなく個人的なものや私信でも使うケースは少なくありません。

贈り物やメール、ハガキ、封筒など様々なものに宛名が必要であり、その宛名には必ず敬称を付け加えます。その付け加える敬称が「様」だけとは限りません。

相手が会社というだけでなく、組織、グループ、チームなど個人ではないことも多く、その時に「御中」や「各位」などを使いこなせたほうが良いので、宛名や敬称の使い方はしっかりと覚えておきましょう。

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