取り越し苦労とは?取り越し苦労をしない方法とは?

取り越し苦労が多いと日頃のストレスが増えますし、無駄に労力や時間を消費してしまうことで自己嫌悪に陥ってしまいやすくもなるでしょう。そこで、今回はそんな取り越し苦労を防ぐ方法や、取り越し苦労が多い原因などについて、詳しく見ていきたいと思います。

取り越し苦労とは?取り越し苦労をしない方法とは?のイメージ

目次

  1. 1取り越し苦労していませんか?
  2. 2そもそも「取り越し苦労」の意味とは?
  3. 3取り越し苦労をするのはこんな時
  4. 4取り越し苦労をしてしまう原因
  5. 5取り越し苦労が多い人の性格的特徴
  6. 6取り越し苦労をしない方法
  7. 7取り越し苦労と深く関係している脳内物質セロトニン
  8. 8取り越し苦労が招く体への影響
  9. 9取り越し苦労の癖を直して毎日を充実させよう

取り越し苦労していませんか?

あれこれと心配しすぎて、必要のない苦労をしてしまうことを、取り越し苦労と呼びます。

心配性な人や物事を悪い方向に考えてしまう人などは、特に取り越し苦労をしてしまうことが多いでしょう。取り越し苦労が多いと、必要のない心配でストレスを溜めてしまいがちです。

そこで、今回は取り越し苦労の正しい意味や使い方を確認しつつ、取り越し苦労をしてしまう原因や取り越し苦労をしない方法などについても解説していきましょう。取り越し苦労が多いことでうんざりしている人は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも「取り越し苦労」の意味とは?

まず、「取り越し苦労」の正しい意味を確認しておきましょう。取り越し苦労とは、強迫観念や強い不安感によって、無駄な心配をしてしまうことを意味します。

取り越し苦労の「取り越す」とは、予測や将来の不確定要素について考えすぎることを意味する言葉です。

そのため、将来重大な病気になるのではと過剰に心配したり、試験に落ちてしまうのではと不安になって目の前の勉強に集中できなくなったりすることなどを、取り越し苦労と呼びます。

「取り越し苦労」の語源

取り越し苦労とは、江戸後期から使われ始めた言葉です。「取り越す」とは元々締め切りの期日までに余裕があることを、前倒しで行うことを指します。

物事を取り越すには、これまでの計画を変えたり、他の物事の締め切り期日との調整をしたりなどの細かな準備をしなくてはいけません。

そのことから、不確定の将来のことを心配して、あれこれと考えたり動いたりすることを取り越し苦労と呼ぶようになったのです。

「取り越し苦労」の類語

取り越し苦労の類語もいくつか解説していきましょう。取り越し苦労の類語には、「杞憂」や「無用の心配」、「下種の勘ぐり」や「懸念」、「気がかり」などが挙げられます。

「杞憂」は中国の故事が語源となった言葉です。杞という国の民が、天地が崩壊してしまうというあり得ないことを心配しすぎて、ノイローゼ状態になってしまったという故事が語源となっています。

また、「無用の心配」はしなくてよい心配のことを意味します。さらに、「下種の勘ぐり」は下品な人が嫉妬から邪推することを意味するのです。「下種の勘ぐり」は「取り越し苦労」よりもネガティブなニュアンスが強いので、慎重に使うようにしましょう。

また、「懸念」や「気がかり」は、未来を想像するとどうしても気になってしまう心配事を指します。

「取り越し苦労」ことわざでの表現

取り越し苦労はことわざでも表現されることがあります。以下では、取り越し苦労のことわざでの表現についても、いくつか紹介していきましょう。取り越し苦労の様々な表現方法を学んで、語彙力をアップさせてみてください。

気で気を病む

「気で気を病む」とは、悩む必要がないことを思い悩み、自分の首を絞めてしまうことわざです。例えば「彼氏が心変わりしてしまうのではと思い、気で気を病む」というように使います。

「気で気を病む」の「気」は心のことを意味していることから、「気で気を病む」は不要な心配で追い詰められてしまうことを指すのです。

杞人の憂い

「杞人の憂い」とは、「取り越し苦労」の類語である「杞憂」と同じ故事から生まれたことわざです。杞憂の元となった故事は、列子という古代中国の思想家の同名の著作に記載されています。

「列子」の天瑞編には、周の時代に実在していた杞の国の民が、天地が崩壊するのではという心配から、精神的に病んでしまったという故事が記載されているのです。

その故事から、「取り越し苦労」と同じ意味の「杞憂」という熟語と「杞人の憂い」ということわざが生まれたと考えられています。

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取り越し苦労をするのはこんな時

取り越し苦労をしてしまうのは、どのような時でしょうか?以下では、特に取り越し苦労をしやすい場面を、いくつか取り上が手行きましょう。

決まった場面でいつも取り越し苦労をしてしまうという人は、ぜひ以下の場面で不安になっていないか確認してみてください。

仕事の場合

仕事で取り越し苦労をしやすい場面には、仕事で絶対にミスできない大きなプロジェクトの管理者になった時が挙げられます。失敗してしまうと自分だけでなく、多くの人に迷惑をかけてしまうため、ナーバスになりしなくてもよい心配もしてしまいやすいのです。

また、ミスしてしまわないか過剰に気にしている時も、取り越し苦労をしやすい場面と言えるでしょう。ミスをしないように意識することは大切なことですが、過剰に気にしてしまうと無用な心配をして追い詰められてしまいます。

さらに、昇進した直後も取り越し苦労をしやすい場面と言えます。昇進した直後はまだ仕事に慣れないために、漫然とした不安や心配が大きくなりやすいでしょう。

大きくなった不安や心配に支配されてしまうと自信がなくなり、取り越し苦労をしてしまいやすくなるのです。

恋愛の場合

恋愛においても、取り越し苦労をしてしまいやすい場面はたくさんあります。例えば、告白した相手からなかなか返事がこない場面では、相手に拒絶されたのではと不安になって、取り越し苦労をしてしまいやすいでしょう。

告白した後に相手からの返事を待っている間は、もはや待つことしかできないため、不安が大きくなってしまいやすいのです。不安だからと相手を急かしてしまうと、相手に悪い印象を与えやすいので注意しましょう。

また、彼氏や彼女と幸せな時間を過ごした直後も、この幸せが崩壊してしまうのではと不安になって取り越し苦労をしてしまいやすいのです。

また、付き合っている相手が疲れている様子を見せる時も、自分が疲れさせているのではと心配になって取り越し苦労してしまいがちでしょう。

取り越し苦労をしてしまう原因

取り越し苦労が多く疲弊してしまっている人の中には、その原因が分からない人がたくさんいるでしょう。以下では、取り越し苦労をしてしまう原因をいくつか挙げていきます。

取り越し苦労でストレスを溜めることが多い人は、ぜひ以下の内容を参考にして、自分の取り越し苦労の原因を見つけてみてください。

プライドが高い

取り越し苦労の原因の1つには、高いプライドが挙げられます。プライドが高いと少しの失敗でも負けという考え方に陥ってしまいがちです。

そのため、失敗を徹底的に避けるために、物事を悪い方向に予測して行動する癖が付き、結果的に取り越し苦労が多くなってしまうのです。

プライドが高いことで、素直に周囲の人に助けを求めたり相談したりすることができず、1人でたくさんの心配事を抱え追い詰められてしまうこともあります。

最悪を予想して動くことは確かに大切なことですが、行き過ぎると取り越し苦労の癖がついてしまうのです。

過去犯したミスがトラウマになっている

取り越し苦労の原因には、過去に犯した大きなミスのトラウマも考えられます。過去に不注意から大きなミスを犯し、周囲の人から厳しく責められたり、大変な損害を出してしまったりすると、過剰に自分のミスに厳しくなってしまいやすいのです。

トラウマによってミスを犯してしまうことに過度な恐怖心を抱いているため、小さなミスでも大きなショックを受けてしまいます。そのため、ミスを予防するためにあらゆる物事を悪い方向に予測して、取り越し苦労をしてしまうようになってしまうのです。

遠い未来のことを考えすぎてしまう

取り越し苦労をしてしまう主な原因には、遠い未来のことを考えすぎてしまうということも挙げられます。不確定要素が多い遠い未来のことは、今現在いくら考えても分からないでしょう。

しかし、遠い未来のことがどうしても不安で、取り越し苦労をしてしまう人は意外と多いのです。未来のことを考えて不安になってしまうことは「予期不安」と呼ばれます。

この予期不安が大きいと、現在やるべきことに集中できなくなったり、行動力が落ちてしまったりすることがよくあります。そのため、予期不安による取り越し苦労が多い人は、特に精神的に追い詰められやすいのです。

取り越し苦労が多い人の性格的特徴

取り越し苦労が多い人の性格には、いくつか共通する特徴が見られます。そこで、以下では取り越し苦労が多い人の性格的特徴についても、詳しく触れていきましょう。取り越し苦労が多いという自覚がある人は、ぜひ自分の性格的特徴と比べてみてください。

気が弱い

取り越し苦労しやすい人の性格的特徴には、気が弱いということが挙げられます。気が弱いことで、小さな不安や心配事がどんどん大きくなってしまい、その不安と心配に心を支配されてしまいやすいのです。

また、気が弱いと小さなミスでも自信を無くしてしまいがちなので、ミスを避けようとして取り越し苦労をしてしまいやすくもなります。

何事にも慎重

取り越し苦労しがちな人に共通する性格的特徴には、何事にもかなり慎重ということが挙げられます。石橋を叩いて渡るタイプで、しっかり安全や確実性を確認してから行動に移すのです。

そのため、大きな失敗をする危険性は低いですが、物事を慎重に考えすぎて、取り越し苦労してしまいやすいでしょう。慎重すぎるが故に行動が遅くなり、チャンスを逃してしまうこともあります。

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取り越し苦労をしない方法

取り越し苦労は、貴重な時間や労力を無駄に使ってしまう原因になります。そのため、できるだけ取り越し苦労を避けて、時間や労力を賢く使えるようにすべきでしょう。そこで、以下では取り越し苦労をしない方法を6つ紹介していきたいと思います。

意識して物事を楽観的に捉える

シンシナティ大学のロバート・リーヒ博士の著書「The Worry Cure」では、心配なことや不安なことの約8割は実際には起きないという結論が出されています。さらに、実際に起こった心配事も、約8割は自分の行動で解決できるという結論も出されているのです。

取り越し苦労の根本的な原因は、未来のことを心配しすぎることでしょう。そのため、心配事の8割は実際には起きないということを意識することは、取り越し苦労を予防する方法と言えるのです。

不安や心配を打ち消す行動を起こす

取り越し苦労は、頭の中で不安や心配な想像が膨らんでしまうことから始まります。そのため、不安や心配を感じた時には、その不安や心配を打ち消す行動を積極的に起こすということも、取り越し苦労を防ぐ方法になるのです。

例えば、将来貧困に陥るのではという不安が強い場合は、簡単な家計簿をつけたり現在の資産を確認したりといった行動を起こすとよいでしょう。

現在行っていることに集中する

不確定な未来に対する漫然な不安や心配の気持ちに支配され、取り越し苦労をしてしまう場合は、現在行っていることだけに集中する癖をつける方法をおすすめします。

現在の趣味や仕事、家事などに集中することで、自然と未来への漫然とした不安や心配にかける余力がなくなるでしょう。

定期的に心身をしっかり休める

どうしても取り越し苦労をしてしまう時には、心身の状態が悪いことが多いのです。そのため、定期的に心身をしっかり休めることも、取り越し苦労の防止方法になります。

精神の状態が悪い時には、日光を浴びたり適度な運動をしたりして、幸せを感じさせる効果のあるセロトニンという脳内物質を増やすとよいでしょう。

楽観的な言葉を口癖にする

取り越し苦労が多い人の中には、無意識に自身の不安を煽るような言葉が口癖になっている人がたくさんいます。人は自分が発した言葉からも、大きな影響を受けるのです。

そのため、意識してポジティブな言葉を発するようにすると、自然と安心感が生まれて不安や心配に打ち勝てやすくなります。特に「なるようになる」という楽観的な言葉は、取り越し苦労を減らしたい人にぴったりのポジティブな口癖でしょう。

ミスを未来に活かす癖をつける

ミスへの恐怖心から、取り越し苦労が多くなってしまう人には、ミスを未来に活かす癖をつけるという方法がおすすめです。ミスをした時に冷静にミスの原因を考え、その原因を防ぐ方法を紙に書き出してみましょう。

その方法を完全に覚えたら、そのミスについては一切考えないということを繰り返すことで、ミスを未来に活かすことができるのです。また、自然とミスは未来をより良いものにするヒントと捉えられるようになり、ミスへの恐怖心が小さくなります。

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取り越し苦労と深く関係している脳内物質セロトニン

取り越し苦労は過剰な不安や心配に振り回されることで起きます。不安や心配が大きくなりやすい人の脳内いでは、幸せを感じさせる物質であるセロトニンが不足していると考えられるのです。

セロトニンは人との交流や軽い運動、日光浴などによって増えるとされています。また、ビタミンB6をたくさん含むバナナやカツオなどを摂取することでも、セロトニンを増やせるでしょう。

取り越し苦労が招く体への影響

取り越し苦労が多い人は、常日頃から心配事を抱え込むようになり、受けるストレスが大きくなってしまうでしょう。そのストレスが、心だけでなく体にも悪影響を及ぼすこともあります。

以下では、取り越し苦労が招く体への悪影響についても、取り上げていきましょう。

首と肩が過剰に凝る

取り越し苦労が多く常に不安と心配によるストレスにさらされていると、人体は常に危機に備えた臨戦態勢をとります。体を素早く動かせるように、体中の筋肉が収縮し呼吸が浅くなるのです。

その結果、筋肉の緊張や酸素不足から、首や肩が過剰に凝ってしまいやすいでしょう。

自律神経の不調による睡眠障害

取り越し苦労が多い人は、ストレスによって睡眠障害を引き起こす危険性も高いとされています。

過剰なストレスを受け続ける時間が長いと、体の機能を調整している自律神経が上手く働かなくなり、睡眠状態と覚醒状態の切り替えがスムーズに行えなくなるのです。その結果、深刻な睡眠障害を引き起こしてしまいます。

首や頭の筋肉のこわばりによる慢性頭痛

慢性頭痛も、取り越し苦労が多い人が自覚しやすい体の異変です。不安や心配で常に頭を動かし続けていると、ストレスから頭の筋肉や首の筋肉が凝り固まっていきます。そのため、頭痛が慢性化してしまいやすいのです。

取り越し苦労の癖を直して毎日を充実させよう

今回は取り越し苦労の意味や改善方法などについて、詳しく取り上げました。取り越し苦労が多いと、現在目の前にある小さな幸せを見逃してしまいやすくなってしまうでしょう。

取り越し苦労が多い人は、ぜひ未来は毎日を積み重ねた先にあるものと捉えつつ、今回紹介した改善法を試してみてください。

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