マンモス校の特徴やその人数!日本一の生徒数ランキングを紹介!
一部の地域にはマンモス校と呼ばれる生徒数の多い学校があります。小学校、中学校、高校、大学とそれぞれ定義も違います。また、マンモス校にはマンモス校ゆえのメリットやデメリットがあります。また、最後に日本一の生徒人数の学校をランキング形式で紹介します。
目次
マンモス校とは?
マンモス校とは、児童数、又は生徒数規模の多い学校を指します。その規模の大きさを、有史前を象徴する巨大な絶滅動物の中の一つであるマンモスと比喩した呼び方です。
1970年代から、ベビーブームや郊外の住宅密集などの影響でマンモス校と呼ばれる生徒数の多い学校が増え始めました。高校においては、私立学校が規模を大きくしたことにより、マンモス校という呼称が浸透していきました。
人数は何人から?マンモス校の定義
マンモス校の定義としては、中学校や高校では全校生徒が1000人を超えていたり、一学年につき300人を超えたり、10クラスを超える学校に使われることが多いです。小学校でも、児童数が1000人を超えている学校をマンモス校ということがほとんどです。
大学では20,000人を超えるとマンモス校と呼ばれることが多いです。また、大学でのマンモス校は大教室に生徒を収容して教員がマイクを片手に授業を進めるいわゆるマスプロ教育が盛んです。マスプロとは「マスプロダクション(大量生産)」の略で大学の大衆化のなかで生まれた言葉です。
マンモス校の特徴
マンモス校は1970年代から日本の人口の増加によって徐々に増え始めてきました。中でも大阪市では1970年代から1980年代にかけてベットタウン化が急激に進んだことによってマンモス中学校の増加が社会問題となりました。
このように時代によっては社会問題にもなるマンモス校。マンモス校とはどのような特徴があるのでしょうか。
昭和のマンモス校
戦時中、または戦後直後の生産に対して消極的な時代を経て、日本では1940年代後半に結婚する若者が多くいました。また、その頃は中絶や避妊手術は法律によって禁止されていたのもあり、出生人口が大幅に増加しています。
また1960年代に入ると日本は輝かしい高度経済成長を遂げます。戦後直後に生まれた人たちが家庭を築き、景気の良さも後押しして1970年初めに出生人口が増加します。これを第一次、第二次ベビーブームといいます。
この時代は今よりも子供が多く、当たり前のようにマンモス校規模の小学校や中学校が多くありました。
出生率が高い時期が集中すると、おのずとマンモス校は出来やすいのです。
現代のマンモス校
現在の日本は子供の人数が少ないので、マンモス校が存在する地域には偏りがあります。都市部の人が集まる地域やその近くのベットタウン、高層マンションの建設などによりファミリー層が急に増えることなどによりそれまであった小学校や中学校がマンモス校化することが多いです。
大阪では少子化の為廃校になった小学校の跡地にタワーマンションを建てると、ファミリー層が集まり、結果その地域の小学校がマンモス校化したケースがあります。
しかし、一方で地方ですと子供や若い層が少なく、合併したり廃校になる小学校や中学校が相次いでいます。このように現代では子供の人数は地域の差が激しいのです。
マンモス校のメリット
人数が多いとそれだけ活気づき、生徒たちにも様々なメリットがあります。やはり人の集まる場所は活性化しやすいものです。では生徒数が多いと通う生徒にとってどのような効果があるのでしょうか。
部活動や学校行事が活発!
やはり人数が多いと部活動や体育祭などの学校行事が盛り上がります。高校だと野球などの体育会系の部活動の強豪校はマンモス校が多い傾向にあります。人数が多いくライバルが多い分、生徒が切磋琢磨することができますので上達も早いでしょう。
また学校行事は人数が多い分活気づいたり、出来ることの選択肢が増えたりするので、生徒らも満足してやり遂げることが出来ます。
多様性が有りのびのびとした校風!
人数が多いと当然生徒も先生も様々な人が集まっています。明るい人もいれば内気な人もいるでしょうし、私立の中学校や高校になるとその地域に住んでいる生徒だけでなく、遠い家から通学している人や、寮で生活している生徒もいるでしょう。
そのようにあらゆる人と交流を持つことで、生徒自身の価値観の多様化につながります。そしてその様々な人柄を受け入れる自由度の高さはのびのびとした校風を生むことでしょう。
何かあっても切り替え可能!人間関係をリセットしやすい
大人の日常生活においても、同じ人とずっといると些細なことで喧嘩をしたり、関係が悪化しがちです。ましてや思春期に差し掛かる小学校高学年から中学校、高校の生徒たちは、友人関係の悩みが尽きないものです。
マンモス校では、少人数の学校より人間関係があっさりしている傾向にあります。誰か一人に執着せず、適度に距離を保つこともできますので、友人と不必要に争い事を生むことも避けられるでしょう。
マンモス校のデメリット
マンモス校はメリットが沢山ありますが、大人数を窮屈に感じる人も少なくありません。都市部の雑多な雰囲気をあまり好きになれない人がいるように、マンモス校もデメリットがあるといえるでしょう。
沢山人が集まると、若いフレッシュな感覚を持つ生徒たちにはどのようなデメリットや悪影響があるのでしょうか。
仲良しになっても離れやすい!人間関係が希薄になる
メリットでも先述したとおり、マンモス校では友人関係もあっさりとする特徴があります。それは友人関係において良い影響を及ぼす場合もありますが、デメリットにもなりえます。
マンモス大学では、キャンパスも多く、授業も大人数で行われるので、生徒は自分から積極的に話しかけたりしなければ友人を作ることは難しいです。人見知りや内気な性格な生徒にとっては、これは大きな障害になるでしょう。
また、マンモス校では悪い表現をすると友人も替えが効きます。一度親しくなったと思っても、些細な仲違いをしただけでその後ぱったりと連絡が途絶える、なんてこともありえるでしょう。
学校間の試合などで競合校に勝ちにくい?
マンモス校は一見部活動が活発で、どの部活動も強いイメージがありますが、競合校との試合で勝ちづらいときもあるようです。
運動会などの行事では場所取り問題も
マンモス校では全校集会を開こうとするだけでお祭り騒ぎです。体育館にはキャパを超える生徒数がぎゅうぎゅうに押し込められます。
私立の中学校や高校ならまだしも、近隣地域の変化によって急にマンモス校になってしまった公立の小学校や中学校はその生徒数に対しての対策を取るのは難しいこともあります。生徒らは窮屈さを我慢するしかありません。
また運動会や学際などの学校行事を参観しにきた父兄たちも場所取りには困惑することでしょう。我が子の成長の記録をしっかりと見るには場所取り合戦に勝たなければいけません。
生徒一人一人見られるかは教員次第
生徒数の少ない学校だと、自ずと生徒個人個人の個性や発達に目が届きやすく、授業の進め方も工夫することが出来ますが、マンモス校においてはそれは難しいでしょう。
キャリアのある教員だと要領よく進められるかもしれませんが、経験の浅い教員は戸惑うことも多いです。一つのクラスに授業を理解している生徒と理解していない生徒が極端にいても、マンモス校では何の対策もなされないまま授業が進んでいくケースもあり、理解できていない生徒はどんどんおいて行かれることとなります。
特に小学校では勉強についていけていないと今後の学校生活にも大きな影響を与えかねないので十分に注意が必要です。
日本一のマンモス校一覧!【小学校・中学校・高校編】
今までマンモス校の特色について言及してきましたが、実際日本にはどのようなマンモス校と呼ばれる小学校や中学校、または高校があるのでしょうか。
日本一の学校はどの地域にあるのか、生徒数は何人なのか、自分の母校と比べながら見ても面白いかもしれません。
日本一のマンモス小学校「北海道 北陽小学校」
2017年の文部科学省による学校基本調査で日本一の生徒数を記録したのは北海道千歳市立北陽小学校です。学級数は40、児童数は1409人で日本一を誇ります。
北海道の小学校が日本一の児童数なのは意外ですが、札幌から電車で40分の長都駅の東側が通学地域となり、この一帯は大規模な住地造成が相次ぎ、人口増が続いたことによりマンモス校となりました。
しかし、2018年の3月に教育環境の改善のため、分校が決まったので日本一ではなくなるでしょう。
日本一のマンモス中学校「神奈川県 西中原中学校」
2017年には開校70周年を迎えた歴史のある神奈川県川崎市立西中原中学校は、2017年6月の時点で在席生徒数1430人の日本一生徒数の多い公立中学校です。全学年ごとに12学級あり、その多さに驚かされます。
また、校地面積も広く、川崎市内でも随一の広さを誇ります。学区域も広く、電車通学している生徒もいることが、マンモス校の要因でしょう。
また、西中原中学校は部活動も盛んで、あらゆる部活動が全国大会に出場する活気のある中学校です。特に軟式野球部は屈指の強豪校で、元プロ野球選手のパンチ佐藤さんなども輩出しています。
日本一のマンモス高校「栃木県 作新学院高等学校」
作新学院高等学校は、栃木県宇都宮しにある全日制の私立高校です。全校生徒5400人、教員数374人の超大型マンモス校です。生徒数もさることながら、教員数も他の学校に比べ圧倒的な人数といえるでしょう。
作新学院高校がこの驚異の生徒数を誇るのは、その設置学科の多さが要因でしょう。栃木県内トップクラスの進学率を誇る英進部を始め、商業ビジネス科、自動車整備士養成科など専門的な分野を学ぶことの出来る学科もあるのが大きな特徴です。
この少子化のなかで多くの生徒を獲得できるのは、多くのニーズに対応できる学科数あってのことでしょう。
入学式が2回?マンモス校ランキング!【大学編】
歴史ある伝統的な学風のある学校や、新しく創立し、革新的な学科のある学校などその特徴は多岐にわたる日本の大学。キャンパスもそれまでの小学校から高校までと比べ物にならない位広く、自由な環境で専門的な分野を学ぶことが出来ます。
その中で、マンモス校は日本一のマンモス校はどの大学なのでしょうか。また、マンモス大学にはどんな特徴があるのでしょうか。
第三位「京都府 立命館大学」
関西では関関同立と呼ばれ、関西大学、関西学院大学、同支社大学と肩を並べる有数の大学です。在席生徒数は2016年では32580人のマンモス校です。
歴史ある大学ですが、世界の流れにも順応に対応し、最近では先進的な国際教育にも力を入れています。2014年には文部科学省のSuper Global Universityにも採択されました。
新しくいろいろな取り組みをしたり、学部を設置することが、生徒数の確保につながるでしょう。
第二位「東京 早稲田大学」
まさに知らない人はいない名門私立大学、早稲田大学は在席生徒数もトップクラスの42181人の日本第二位です。明治14年に創立した歴史のある大学といえます。早稲田大学も国際交流を盛んに取り入れ、特にアジアからの外国人留学生が多いのも特徴のひとつです。
数々の有名人の輩出していて、俳優の堺雅人さんや、広末涼子さん、作家の村上春樹さんも早稲田大学の出身者です。また、村上春樹さん著の「ノルウェイの森」に出てくる「東京の私立大学」は早稲田大学とされています。
第一位「東京 日本大学」
栄えあるマンモス大学日本一は東京都千代田区にある日本大学です。日本大学というだけあって、在席生徒数は67909人で二位の早稲田大学と大きな差をつけての日本一です。
日本最大の規模を有する総合大学で、明治22年に前身となる日本法律学校を設置。その後明治36年に日本大学と改められました。元々は国家神道を確立するため、神職資格を取得できる養成機関として発足しました。
現在では運動部や公認サークルなど文化的活動も盛んで、アメリカンフットボールの強豪校としても知られています。
少子化問題?有名マンモス校の現在
現代の少子化に伴い、かつてマンモス校として有名だった学校も今では廃校の危機に陥っているケースも珍しくありません。
昔マンモス校として名を轟かせていた学校は現在ではどうなっているのでしょうか。
大阪府 PL学園
PL学園は野球の名門校で、甲子園で名前を聞いたことのある人は多いでしょう。元プロ野球選手の桑田真澄さんやメジャーでも活躍されている前田健太投手もPL学園出身者です。
しかし、野球部の数々の暴力事件が浮き彫りにされ、その有名な野球部は廃部の危機にさらされせしまいます。また、PL学園の資金源ともなるPL教団という宗教団体の信者の減少も著しく、高校の生徒だけで1000人を超えていたPL学園も、現在では外部受験者数が少ないのが現状です。
昭和35年の日本一 佐賀県大町小学校
昭和35年の日本一のマンモス校は佐賀県の大町小学校だったようです。そのころ石炭がエネルギー源だったため、炭鉱を抱えた大町地域は人口、そして児童数がうなぎのぼりだったようです。ピーク時には4000人を超える超マンモス校でした。
今では大町ひじり学園と名前を変え、小中一貫の教育を取り入れています。現代の日本では珍しい「義務教育校」として、新しい教育の在り方を提示しています。
一人ひとりに合った学校や教育選びを
マンモス校にはマンモス校の特徴があり、また少人数制の学校にも特徴があります。自分の進路、または我が子の進路を考えるときはその特徴をしっかりと見極めて、個人に合った学校、教育方針を見つけなければなりません。
現在では子供の数は少なく、マンモス校といわれる学校は減っていますが、人気な学校はそれなりの理由があります。まずは自分で調べ、肌でその学校の特徴を感じることが大切でしょう。