耳年増の意味や類語とは?耳年増の人の特徴を紹介
「耳年増」という言葉を聞いたことがありますか?耳年増とは、女性に対して用いられることの多い言葉ですが、本当の意味を正しく理解している人は少ないかもしれません。ここでは、耳年増の本当の意味や使い方、類語などをご紹介します。
目次
耳年増はなんて読む?
そもそも「耳年増」とはどのように読む言葉なのか知っていますか?「みみねんぞう」や「じねんぞう」など候補はいろいろありますが、この言葉は「耳」と「年増」という単語に分かれます。
「年増」という単語だけならすんなりと読むことができる人も多いのではないでしょうか。つまり「耳年増」とは「みみどしま」と読むのです。
年増の意味とは?
「年増(としま)」とは盛りを過ぎた女性を指す言葉で、江戸時代頃から使われるようになりました。江戸時代の頃は20歳前後の女性を年増と呼び、25~28歳頃の女性を中年増(ちゅうどしま)、その上を大年増(おおどしま)と呼びました。
20歳で年増とはあまりに若すぎるように思えますが、当時の結婚適齢期は16歳~17歳。娘盛りである結婚適齢期を過ぎた女性は歳を重ね過ぎているとみなされていたようです。現代では、30歳半ばから40歳前後のいわゆるアラフォー世代が年増と認識されています。
年増については「年増盛り」という言葉もあり、この言葉は「女性が成熟した魅力を持つ年頃」のことを表現しています。似た言葉に「女盛り」というものがありますが、こちらは一般的には「女性が一番美しいとされている年齢」という意味を持っています。
意外と知らない耳年増という言葉の本当の意味は?
日常生活やテレビドラマ、映画の中で「あの子って耳年増だよね」という言葉を聞いた経験はありませんか?もしも、聞いたことがあるという人がいれば、そのシーンをよく思い出してみてください。
あなたの記憶の中では「耳年増」という言葉はあまり良いニュアンスでは使われていなかったのではないでしょうか。それもそのはず。実は、耳年増とは良い意味の言葉ではないのです。
そのため、もしもあなたが誰かに「君って耳年増だね」などと言われたら不快感や怒りを表していいでしょう。特に年配の男性が女性に向かってこの発言をした場合は、セクハラにあたる可能性があるので、男性女性ともに十分注意が必要です。
耳年増の意味とは?
耳年増とは、盛りを過ぎた女性を指す言葉である「年増」に「耳」という言葉がついています。つまり「耳が歳を取った女性」となり、そこから「若いのに物をよく知っている女性」を意味する言葉となりました。
このように、耳年増は本来は単純に「知識が多い若い女性」「物知りな若い女性」などを指す言葉でしたが、現在では「特に性的な知識の多い若い女性」を指す言葉に変化しています。
近年では風潮が変わってきましたが、かつて日本は男尊女卑の国でした。若い女性が博学であったり、博識であったりするのは良しとされていなかったことでしょう。若いくせに妙に大人びていて生意気だという批判的な目で見られていたことも容易に考えられます。
そこから「耳年増」という言葉が「身体は子どものくせに知識だけが大人のような女」と揶揄(やゆ)されるようになり、女性を蔑むニュアンスたっぷりの「性的な知識だけよく知っている女性」という意味に転じたのではないかと推測されます。
耳年増の使い方
耳年増の本当の意味を理解できたところで、実際に耳年増という言葉が日常生活の中でどのように使われているのかを見ていきましょう。
すでにお伝えしたように耳年増とは良い意味では使われません。女性を非難したり、批判したりする時に使う言葉です。噂話や悪口、陰口などで使われる言葉だと理解しておきましょう。
「耳年増」を使った例文
それでは、より具体的に耳年増という言葉を使った例文をご紹介します。基本的には他人に対して使うことの多い言葉ですが、自分に対して使う場合も。例文を参考にして、耳年増の意味と使い方をしっかりと理解しましょう。
例文①あの女性はかなりの耳年増だ
仲の良い友人同士で集まって話をしている時に、誰かが「Aさんってかなりの耳年増だよね」と一言。
きっとAさんとは「BさんがCさんの旦那さんとお浮気したんだって」や「芸能人のDさんって風俗通いが凄いらしいわよ」など、いわゆる下世話な話をしたがる友人なのでしょう。
このように他人のセクシャルな話題が好きでよく知ってる女性を指して「耳年増」と呼ぶことがあります。
例文②娘の友達が耳年増だから心配
娘を持つ母親なら我が子がふしだらな道に進むことは何としても阻止したいもの。そんな娘が友達に借りたと言って、少しエッチな漫画を持っていました。そんな時にお母さんが思わず「お友達のAちゃんは耳年増だから、お母さん心配だわ」と呟きます。
最近ではインターネットの普及もあり、小学生でも簡単に性的な情報に触れることができます。セックスを含め、セクシャルなことは必ずしも悪いことではありませんが、子を持つ親の身としてはしかるべき時がくるまでは、健全に過ごしてもらいたいもの。
性的な知識や興味を持つにはまだ早い我が子に、余計な知識を植え付ける女の子に対して「耳年増だから…」という使い方をすることができます。
例文③耳年増的に知っている
「そのことについては、あまり詳しくはないけど耳年増的に知ってるよ」というのは、第三者に対してではなく、自分に対して使う耳年増の例文です。
あまり大っぴらに言えないし、言いたくないけど知っている、という時に使うことができます。このように自分に対して耳年増という言葉を使う時は、謙遜のニュアンスを含むこともあります。
耳年増の類語
耳年増の具体的な使い方は分かりましたか?続いては、耳年増と似た意味を持つ言葉をいくつかご紹介します。意味の分かる言葉はいくつありますか?
・耳学問 ・生半可 ・聞きかじり、生かじり ・知ったかぶり ・地獄耳 ・耳が早い ・情報通 ・小賢しい、賢しらな |
耳年増は、性的な知識にだけ詳しい若い女性を指しますが、ご紹介する類語では「実体験や中身の伴わない知識だけを持っていること」、「噂話や下世話な話に通じていること」、「知識や情報量が多いこと」の三つに焦点を当てて見ていきましょう。
耳学問
耳学問とは「みみがくもん」と読み、自分で学んだのではなく人から聞いただけの知識のことを指します。自発的な勉強や研究などの実体験を伴わない知識や学問であるため「耳学問だけで知ったかぶりをするな」のように使われます。
また、「私の知識は耳学問なのでお役に立ちません」のように自分の知識を謙遜する意味でも使われることがあります。
生半可
江戸時代には、流行や遊郭の習慣などにさも通じているように振る舞う人のことを「半可通」や「半可」と呼び、嘲笑のネタにしていました。その「半可」に未熟、不十分などの意味を持つ「生」がくっついて「生半可」という言葉が生まれました。
そういった経緯から生半可とは、きっちりと通じていない中途半端な状態や十分でないことを指します。「生半可な知識では通用しない」のように使われ、この場合は「中身の伴わない中途半端な知識」という意味になります。
聞きかじり、生かじり
「かじる」という動作は、堅い物の表面を少しだけ歯でそぎ取ることを指します。かじるだけでは食べ物の中心までは到達しません。
その「かじる」という動作に「聞く」という言葉を組み合わせてできたのが「聞きかじる」という言葉です。これは物事の表面だけを聞いて本質を理解していないという意味で「聞きかじった知識を得意げにひけらかす」のように使われます。
生かじりもほとんど同じ意味を持つ言葉ですが、「聞く」という言葉が入っていない分、他人から聞いた知識というよりは自分で調べて表面だけ知った知識というニュアンスが強いと考えられます。
知ったかぶり
知ったかぶりとは「彼女は何でも知ったかぶりをするから腹が立つ」のように使われる言葉で、よく知りもしないことをさも知っているかのように振る舞うことです。
集団が生活する社会では情報に価値がつくもの。誰と誰が仲が良いか、どこに美味しいカフェがあるかという一個人の話から始まって、果ては国際情勢においても情報が重要な意味を持ちます。
そんな情報が価値を持つ社会では、当然情報を持っている人は重宝されます。人間とは自己顕示欲や承認欲求が強い生き物です。自分の欲望を満たすために知ったかぶりをする人も少なくありません。
地獄耳
地獄耳とは二つの意味を持つ言葉です。一つ目の意味は、他人の秘密や内緒話をすぐに聞きつけることや人のこと。二つ目の意味は、一度聞いたことをずっと覚えていることや人のことです。
漫画やアニメなどでキャラクターの耳が大きくなっているのを見たことがあるのではないでしょうか。あれは地獄耳を表す表現の一つです。「あの人は地獄耳だから隠し事はできない」というように使われます。
耳が早い
噂話や情報を聞きつけるのが早いことやそういった人を指して「耳が早い」と称します。動くものでもない耳が「早い」と聞くと少し不思議な感じがしませんか?この場合、「耳に入るのが早い」と考えるとしっくりくるのではないでしょうか。
「異動の話はAさんに聞くといいよ。秘書課の彼女は耳が早いから」のように使われます。どちらかというと悪い意味ではなく、良い意味で使われることが多い言葉です。
情報通
情報通とは「〇〇のことなら情報通のAに聞こう」のように使われる言葉で、文字通りある情報に通じていることやそういった人のことを指します。ご紹介してきた中で、もっとも日常的に使われる頻度が高い言葉ではないでしょうか。
小賢しい、賢しらな
「耳年増」が本来の意味から蔑視的な意味合いに転じてしまった背景には、知識の多い若い女性や子どもを生意気だとみなす風潮があったのではないかと推測しましたが、そういった意味での類語もご紹介します。
「小賢(こざか)しい」や「賢(さか)しらな」とは、利口ぶっているや生意気であるという意味とずるい、抜け目がないという意味を持つ言葉です。
耳年増の類語としては前者の「利口ぶっている、生意気である」という意味で用いられ、「あそこの子どもは生意気で小賢しい」のように使われます。
耳年増の人の特徴とは?
それでは、耳年増の人の特徴にはどういったものが挙げられるのでしょうか。もしかするとあなたも耳年増になっているかも?自分が耳年増になっていないか、また周りに耳年増の人がいないかどうかチェックしてみてください。
セクシャルな話が好き
耳年増の条件の一つとして、性的な知識が多く、また性的な話をするのが好きという特徴が挙げられます。
手を繋いだことやキスをしたなどというほのぼのとした話だけでなく、もっとディープな話題まで口にすることが多い場合、耳年増の特徴に当てはまっていると言えます。
噂話をよくする
「ネットで見たんだけど」や「Aさんに聞いたんだけど」、また「〇〇らしいよ」というような噂話が大好きなことも耳年増の特徴です。
噂話とは情報の精度が曖昧であることが多いもの。聞いただけで真相を確かめずに他人に言いふらしてしまうタイプの人は耳年増になりやすいと言えます。
性経験が少ない
耳年増の最大の特徴が実際の性経験が少ないこと。自分の身に起きた経験ではなく、人から聞いた話やネットで得た知識などを我が物顔で披露する人は、耳年増と呼ばれる可能性が高いでしょう。
他人より優位に立ちたがる
自分は人よりも多くのことを知っている、ということを誇示したい人も耳年増になりやすい人です。日本では公の場でセクシャルな話題を口にすることはタブー視される傾向があるため、性的な知識に触れる時期も他国と比べると比較的遅いとされています。
そのため、他人との関係でマウントを取りたいタイプの人は、いち早く性的な情報を仕入れて見せびらかすことで自分の優位性を確立しようとすると考えられます。
目立ちたがり
特に性経験の浅い若い年代では、セクシャルな情報を多く知っていることをひけらかすことで簡単に自分への注目を集めることができます。人からすごいと思われたい、目立ちたいといった欲求が強い人も耳年増になりやすいと言えるでしょう。
耳年増にならないように気をつけるべき事
ここまで見てきたように耳年増とは良い意味の言葉ではありません。自分や自分の大切な人が耳年増なんて呼ばれていたら…。そう考えるとゾッとします。
そこで、耳年増にならないように気をつけるべきポイントをご紹介します。自分や自分の大切な人が耳年増になりそうな場合には、注意しておきましょう。
必要以上にセクシャルな話題を口にしない
生物として生きていく限り、セックスとはとても大事なファクターの一つです。その意味ではセクシャルな話題を口にすることは決して悪いことではありません。
しかし、友人同士で集まって必要以上に赤裸々にセックストークを行うことは自分の品格を貶(おとし)めます。周りから性的なことにばかり興味があると捉えられないためにも、ぶっちゃけトークはほどほどにしておきましょう。
噂話や下世話な話には加わらない
女性の中には三度のご飯よりも下世話な話を好む人が多くいます。自分の心に手を当てて、自分がそういった噂話好きグループに属していないか考えてみてください。
もしも、現在そういったグループに属しているのであれば、できるだけ距離を取る方が賢明です。根も葉もない噂話で盛り上がって楽しいのは一時だけ。薄っぺらな情報に振り回されていては、耳年増の仲間入りを果たしてしまいます。
経験を積む
耳年増にならないようにする最大のポイントは実体験を積むことです。耳年増という言葉は実際に経験がないのに性的な知識だけをよく知っている場合に使われる言葉。実際の経験を積むことができれば、耳年増には当てはまりません。
しかし、耳年増になりたくないからと言って、手あたり次第にセックスをするのは大間違い。大事なのは適切な年齢で適切な性の知識と経験を持つことです。また、知識を得たからと言って誰彼構わずひけらかすのもご法度です。
よくあけすけにセックストークをする女性が自分のことを「私ってサバサバしてるから」と言うことがありますが、残念ながら性に対してざっくばらんであることとサバサバしていることは違います。ただの品のない女性にならないように気をつけましょう。
耳年増は悪い言葉!使い方を間違えないようにしよう
いかがでしたか?耳年増について、本当の意味や使い方、よく似た類語表現などのほか、耳年増になりやすい人の特徴や耳年増にならないために気をつけたいポイントをご紹介しました。
時代とともに本来の意味から変わってしまった耳年増とは、良い意味の言葉ではなく悪い意味を持つ言葉。耳年増には情報通や耳が早いこといった意味はありません。間違って使って誰かを傷つけたり、恥をかいたりしないように気をつけましょう。