死刑囚は死にたくないと考える?死刑囚の気持ちや心理を紹介

死刑囚の多くは死にたくないと思っており、刑の執行を覚悟をしているのは一部の死刑囚だけです。また、死刑囚は心理的にきつい日々を過ごしており、中には精神を病んでしまう死刑囚もいます。死刑囚の死にたくないという気持ちはどのような心理からくるのでしょうか。

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目次

  1. 1死刑が決まった死刑囚はどんな気持ちでいるの?
  2. 2死刑囚の心理とは?死にたくないと考えてる?
  3. 3死刑囚の死刑執行までの生活
  4. 4死刑を待つだけの日々…死刑囚の恐怖とは?
  5. 5死刑囚の死刑執行の方法
  6. 6死刑囚の最期の言葉
  7. 72018年に死刑執行された元死刑囚一覧
  8. 8死刑判決が出る基準とは
  9. 9多くの死刑囚は死にたくないと思っている

死刑が決まった死刑囚はどんな気持ちでいるの?

世間を震撼させるような凶悪犯罪を犯した場合、裁判では死刑判決を下されることが多いです。死刑判決が確定すると死刑囚として拘置所で生活し、死刑の執行が行われるのを待つことになります。

法律上では死刑判決確定から6ヶ月以内に手続きを完了させて刑の執行を行わなければならないことになっていますが、現状多くの死刑囚は6ヶ月以上の長い期間刑の執行が行われるのを待っている状況です。では、死刑囚は死刑の執行までどのような心理で生活を送っているのでしょうか。

死刑囚の心理とは?死にたくないと考えてる?

裁判によって死刑判決が決定してから拘置所で執行まで過ごす死刑囚ですが、死刑囚は死刑の執行までどのようなことを考えているのでしょうか。まずは、これまでの死刑囚の傾向から死刑執行までどのような心理状態で過ごしているかを解説していきます。

多くの死刑囚が死にたくないと思ってる

殺人や強盗雑人といった凶悪犯罪を犯し裁判によって死刑判決を受けた死刑囚ですが、凶悪犯罪を犯した死刑囚でも多くが死にたくないと思っています。世間からは極悪非道な犯罪を犯した犯罪者として見られていますが、やはり死刑囚も人間です。

多くの人間は死にたくないと考えているように、多くの死刑囚は死にたくないと思いながら毎日を過ごしていることが多いです。そのため、中には死刑がいつ執行されるかわからない恐怖から嘔吐をしたり失禁を繰り返得したりする死刑囚もいるほどです。

死にたくないと思ってても死刑を受け入れている

多くの死刑囚が死にたくないという心理でありながらも、自分の犯してしまった罪を認識して死刑を受け入れる死刑囚もいます。

世間を騒がしたオウム真理教事件の死刑囚の中にも自分の犯した罪を反省し、死刑を受け入れ被害者遺族に対して謝罪を行ったり、死刑の執行時にお世話になった刑務官に対して感謝を述べりした死刑囚もいます。

また、こういった死刑を受け入れた死刑囚の多くは死刑執行の知らせを受けても暴れることが少ないです。

精神を病む死刑囚もいる

凶悪犯罪を犯した死刑囚でも死にたくないという心理が勝ち、精神を病む受刑者もいます。死刑執行は最終的に刑を執行しても問題ないと法務大臣が判断しないと行われないため、死刑判決から死刑執行まで時間がかかることがほとんどです。

そのため、死刑囚は死刑の執行がいつになるかわからず、死にたくないという心理といつ執行されるのかという高い緊張感の中で毎日を過ごすため、精神を病みやすいです。そのような死刑囚の心理的な負荷を減らすために教誨師という役割を持つ人が死刑囚に対し教誨を行っていきます。

死刑を望む死刑囚も

凶悪犯罪を犯す人の中には死刑によって死ぬこと望んで凶悪犯罪を犯す人もいます。過去に起きた土浦連続通り魔事件の犯人であり、死刑囚として死刑執行された金川真大元死刑囚も同様な理由から通り魔事件を起こして死刑判決を受けています。

しかし、このような理由から凶悪犯罪を犯し死刑判決を受けるのはごく一部で、多くの死刑囚はそのような理由で犯罪を犯していないため死刑判決を受けながらも死にたくないという心理が強い死刑囚が多いです。

死刑囚の死刑執行までの生活

死刑確定した死刑囚は刑の執行が行われるまで拘置所で過ごすのが一般的です。通常の懲役刑を受ける受刑者の場合刑務所で刑を受けますが、死刑囚の場合は死刑の執行が刑の執行であるため刑を受けるための刑務所ではなく、身柄を拘束するための拘置所に収監されます。

4畳弱の独居房

死刑囚は拘置所内にある4畳弱程度の広さの独居房で死刑執行まで過ごすことになります。独居房内にはトイレと洗面台が完備されており、机が用意されていて作業などを行えるようになっています。食事も基本的に独居房内で行い、他の死刑囚と会わないようにされています。

24時間カメラで監視

独居房内で死刑囚は生活をしていきますが、独居房内は24時間監視カメラによって監視されています。死刑囚が脱獄しないように監視をする理由もありますが、死刑執行の恐怖から精神を病んで独房内で自殺をしないかを監視する役割を持っています。

健康のための戸外運動と房内体操

死刑囚の生活は基本的に独房内で差し入れの本や雑誌などを読んだりして過ごすことが基本で、面会も限られた人しか行うことができません。そのため独房内でほとんどを過ごすため健康のために週に何回か屋外での運動の機会が設けれれています。

この運動の機会も他の死刑囚と会わないように工夫されており、一人でランニングやウォーキングといった運動を行っていくことになります。また、独房内でも体操を行う時間が設けられており、独房内で体操を行い運動不足にならないように工夫されています。

話すことも立つことも禁止

独房内では基本的に座っていることが定められており、独房内での体操時以外は自由に独房内を動き回ることはできません。また、隣の独房に収監されている死刑囚と話すことも禁止されており、独房内での死刑囚の生活は厳しいものになっています。

そのため、日々死刑囚はいつ執行されるかわからない恐怖と一人で戦わないといけないため、死刑囚の中には精神を病みやすい人もいます。

希望者には簡単な軽作業

死刑囚の希望者には簡単な軽作業が許可されています。紙袋づくりといった簡単な作業ですが、作業に没頭することによって心理的な死の恐怖を忘れることができ、精神を安定させるために毎日コツコツと作業を行っている死刑囚もいます。

軽作業を行うとほんのわずかですが、内職と同じ程度の報酬をもらうことができ、もらった報酬で必要最低限の買い物が可能です。

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死刑を待つだけの日々…死刑囚の恐怖とは?

裁判の判決において死刑が確定したら拘置所内で死刑執行の日まで過ごす死刑囚ですが、多くの死刑囚が次は自分の刑が執行されるのではないかという恐怖と戦いながら生活をしていることが多いです。では、死刑囚はどのような恐怖と戦いながら毎日を過ごしているのでしょうか。

死刑執行は直前まで死刑囚に明かさない

法務大臣が死刑執行命令書にサインを行うことによって最終的な死刑の執行のタイミングが決まりますが、死刑執行の決まった死刑囚への通達は執行の直前まで知らされません。

これは死刑囚がパニックを起こして刑の執行前に自殺することを防ぐためで、死刑囚が死刑執行を受けることを知るのは執行1時間前ぐらいにならないと知らされません。

死刑執行される午前中は恐怖の時間

死刑の執行が行われるのは午前中に行われることが多く、オウム真理教事件で死刑が確定した死刑囚たちも午前中に死刑の執行が行われました。そのため、死刑囚にとって午前中は恐怖の時間帯であり、多くの死刑囚は午前中の足音におびえながら過ごすことになります。

死刑囚の死刑執行の方法

死刑囚の死刑執行には法務大臣の書類へのサインが必要で、必要書類に法務大臣がサインを行って初めて死刑執行に向けて最後の準備が始まります。続いては、死刑執行までの一連の流れを詳しく解説していきます。

朝8時過ぎに死刑囚を連れ出す

死刑の執行命令書に法務大臣がサインし死刑の執行が決まった死刑囚は午前8時から9時ごろに独房から連れ出し、刑の執行手続きを進めていきます。

この時点ではまだ死刑執行は知らされていませんが、午前中は基本的に自由時間となっているため多くの死刑囚はこの段階で死刑執行されることを覚悟することが多いです。

教誨室で死刑執行を言い渡す

独房から連れ出された死刑囚はまず教誨室に連れていかれます。教誨室とは死刑囚と死刑囚に対して道徳的な話をする教誨師と面会する部屋で、この段階で死刑の執行が知らされます。

教誨室は前室と執行室とつながっており、教誨室でやることが済み次第前室から執行室に移動して死刑が執行されることになります。

遺書や最期の教誨

教誨室に連れてこられて死刑の執行が伝えられた後、最後の教誨が行われます。その時にはお茶を飲んだりお菓子を食べたりすることも可能で、最後の教誨は死刑囚がリラックスした状態で行えるようにさまざまな工夫がされています。

また、最後の教誨だけではなく遺書の作成や所持品の処分方法なども聞かれ、死刑執行の準備が着々と進められていきます。

死刑執行

教誨室でのことがすべて終了したら前室に進み、死刑執行のための最終準備が行われます。死刑囚は両手を後ろに組んで手錠をはめ、目隠しがされます。それらの準備が完了したらいよいよ執行室に進みます。

執行室に死刑囚が入ったら首にロープが掛けられ、執行室の真ん中にある床が開くことによって死刑囚の首が締まり死刑が執行されます。

執行室の床は刑務官がボタンを押すことによって床が開きますが、ダミーを含めて3つのボタンを同時に3人の刑務官が押すことによって開くようになっているため、ボタンを押すことが刑務官の心理的負担にならないように配慮されています。

死刑囚の最期の言葉

死刑執行を前にした死刑囚には最後の話をする機会がありますが、その際に死刑囚はさまざまな話をします。続いては、死刑囚が死刑執行前に残した最後の言葉をいくつか紹介していきます。

吉展ちゃん事件・小原保元死刑囚

日本で初めて報道協定が結ばれた事件であり、日本で初めての誘拐事件の捜査を専門に行う特殊犯捜査係の設置するきっかけになったのが吉展ちゃん事件です。吉展ちゃんを誘拐し殺害した小原保元死刑囚は犯行後身代金をもって逃走していましたが、逮捕されて死刑判決が下されました。

小原保元死刑囚は拘置所内で過ごしているときは短歌を詠んで死刑に対して達観していたようですが、実際には死を恐れて裁判の担当弁護士と面会を行いたそうです。

そして、死刑執行前最後の言葉として「真人間になって死んでいきます。ナスの漬物おいしゅうございました」と残して死刑が執行されました。

熊谷男女4人殺傷事件・尾形英紀元死刑囚

埼玉県熊谷市で平成15年に発生した熊谷男女4人殺傷事件ですが、犯行に及んだ尾形英紀元死刑囚は遺族などに謝罪などはなく、ただただ自分の死を受け入れて死刑を受けました。

それは最後の言葉にも表れており、「死を受け入れるかわりに反省の心をすて、被害者・遺族や自分の家族の事を考えるのをやめました。将来のない死刑囚は反省など無意味です」と死刑執行前に刑務官に対して述べました。

また、死刑囚を対象としたアンケートにおいて死刑執行の手続きに関わった裁判官や検察官、法務大臣自ら刑の執行を行うべきと回答しており、尾形英紀元死刑囚の死刑執行時には異例ながらも当時の千葉景子法務大臣が立ち会いました。

付属池田小事件・宅間守元死刑囚

大阪教育大学付属池田小学校で無差別殺人事件を起こし死刑判決を受けた宅間守元死刑囚ですが、最後に「ありがとうと僕が言っていた、と伝えてください」と残して刑が執行されました。これは獄中結婚した妻に向けての感謝の言葉で、被害者や被害者遺族への謝罪の言葉はありませんでした。

埼玉連続幼女誘拐殺人事件・宮崎勤元死刑囚

東京と埼玉で女児4人を誘拐し殺害した宮崎勤元死刑囚は「あのビデオ、まだ途中だったのにな…」と最後に残したとされています。この言葉から死刑の執行される実感がわかなかったのではと言われているだけではなく、宮崎元死刑囚のサイコパスさを感じられます。

地下鉄サリン事件・中川智正元死刑囚

世間を震撼させた世紀の大事件である地下鉄サリン事件を含め、さまざまなオウム真理教関連事件に関わった中川智正元死刑囚は最後の言葉として「自分のことについては誰も恨まず、自分のしたことの結果だと考えています。被害者の方々に心よりおわび申し上げます。施設の方にも、お世話になりました」と残しました。

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2018年に死刑執行された元死刑囚一覧

2018年に死刑が執行された死刑囚は15人に及びます。この人数はオウム真理教関連の死刑囚が一斉に死刑執行されたのが一因です。

オウム真理教の教祖である麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚をはじめ、坂本弁護士一家殺人事件の実行犯の早川紀代秀のほか、井上嘉浩、中川智正、新実智光、遠藤誠一、土谷正実の計7人が7月6日に死刑が執行されました。

その約3週間後には小池泰男、宮前一明、横山真人、豊田亨、広瀬健一、端本悟の6人の死刑が執行され、一連のオウム関連事件で死刑判決を受けた死刑囚は死刑が執行されました。

年末には1988年にコスモリサーチの実質的な経営者二人を殺害して強盗を行った河村啓三死刑囚と末森博也死刑囚の死刑執行も行われ、2018年は合計15人の死刑が執行されました。

死刑判決が出る基準とは

日本の法律の中で最高刑にあたる死刑ですが、すべての犯罪で適用されるわけではありません。殺人や放火によって人を殺した場合など凶悪犯罪のみに適用されます。

また、凶悪犯罪を犯しても必ずしも死刑判決が出るわけではなく、多くは懲役刑が科せられる場合がほとんどです。では、どのような場合に死刑判決は出るのでしょうか。

現在は永山基準がもとになっている

現在死刑判決を下す場合、永山基準を参考にすることがほとんどです。永山則夫連続射殺事件の犯人である永山則夫の第一次上告審判決において示された死刑判決適用の基準で、動機や残虐性、遺族感情、犯人の年齢、前科の有無といったことをもとに死刑判決が妥当かどうかを判断する基準としました。

さまざまなことを配慮

近年は死刑判決を下す場合は永山基準を参考にすることが多いですが、裁判員制度の導入によって世論の感情も加味されるようになってきました。

その他にも被告人の反省態度や精神状態なども考慮されて死刑かどうかを決めており、最終的に死刑判決を下すかどうかは裁判を担当する裁判官によって変わってきます。

多くの死刑囚は死にたくないと思っている

日本の法律において最も重い罰である死刑ですが、これまでたくさんの凶悪犯罪を起こした犯人が死刑判決を受け、死刑の執行が行われてきました。死刑判決を受けた死刑囚はいつ自分の刑が執行されるのかわからないため、心理的な負荷が大きい中執行までの日々を過ごしています。

そのため、多くの死刑囚は死にたくないと思いと戦いながら毎日孤独に各地の留置場の独房で過ごしていることになります。

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