ベトナムの治安は安全?旅行や観光での危険度や注意点も紹介
女性の一人旅にも人気のベトナム。見どころ満載の人気の観光地です。旅行となると、気になるのは現地の治安情勢です。世界中で治安の悪化が懸念される今、ベトナムの治安は心配ないのでしょうか。ベトナムで安全に観光や旅行を楽しむための注意点もあげておきます。
目次
ベトナムの治安はどうなってるの?
食べ物も美味しく、美しい自然にも恵まれたベトナムは、女子旅でも人気があります。家族旅行で訪れる人も多いです。危険を覚悟のバックパッカーならいざ知らず、観光や旅行を楽しみたいなら、治安の良し悪しは気になります。
治安情勢はめまぐるしく変わりますが、現在ベトナムの治安はどうなっているのでしょうか。気楽に観光に訪れても危険はないのでしょうか。
ベトナムの治安や、安全に観光や旅行を楽しむために注意すべきことなどを調べてみました。これからベトナム旅行を計画している人は、参考にしてみてください。
ベトナムとはどういう国なのか
ベトナムは、国土の東と南が南シナ海に面した、縦に長い国です。日本からは直線距離でおよそ3600km。発着場所にもよりますが、5時間~6時間のフライトで到着します。
東南アジアに位置するベトナムは、食文化が日本人の口に合いやすいこともあって、毎年多くの日本人観光客が旅行で訪れ、ビジネスで滞在する人も多いです。ベトナムから日本にやってくる留学生や、労働者も年々増加傾向にあります。
ベトナムは日本と同様、南北に長い国なので、地域ごとに気候や文化に特徴があります。まずは首都ハノイの特徴と、ベトナム人気質とはどのようなものなのか、簡単に説明しておきます。
首都ハノイの特徴
ベトナムは、東南アジア独特の活気のある街、手つかずの自然が残るビーチ、数々の世界遺産など、見どころがたくさんあり、観光に旅行にとても人気がある国です。
ベトナム最大の都市は南部になるホーチミンですが、首都はハノイです。ハノイは、建築物や文化にフランス統治時代の面影が色濃く残る、異国情緒あふれる街です。旧市街地は古い町並みが残り、そぞろ歩きの観光客が後を絶えません。
世界文化遺産に登録されている昇龍(タンロン)遺跡や、水上で行われる伝統音楽に合わせた人形劇は、ハノイの観光の目玉の一つです。
ハノイ近郊には、ベトナム土産として大人気のバッチャン焼きの産地があり、連日ベトナム各地からの旅行者や外国からの観光客でおおいに賑わっています。
ハノイからは人気の景勝地、ハロン湾や高地のサパも近く、人口約650万人を抱える大都市でありながら、自然の香りが感じられ落ち着きがあります。
ベトナム人の特徴
ベトナムは北部は温帯に位置し、比較的日本と似た気候風土で、国民性も、真面目でおとなしく、勤勉で親切と、何となく日本人と似ています。人見知りする人も多いですが、一度打ち解けると家族のように仲良くなれます。
南部は熱帯に位置しますので、性格は明るくあけっぴろげで、社交的な性格の人が多いです。おしゃべりが好きで、仕事中も手より口が動くと言う特徴がよく見られます。
もちろんベトナム人も人それぞれで、気難しい人もいれば、内気な人もいます。しかし、基本的にベトナム人は素直で優しい性格の人が多いです。
ベトナムの治安は安全なの?
ベトナムはとても人気のある観光地ですが、危険はないのでしょうか。旅行するときには、治安や危険な場所についての情報を集めておく事前準備は欠かせません。
世界情勢はめまぐるしく変わり、数年前までは安全と言われていた国や地域の危険レベルが急に上がることも珍しくありません。
せっかくの観光旅行が危険に遭遇して台無しになったりしないように、ベトナムの治安についてしっかりと頭に入れておきましょう。
外務省による危険情報
外務省のホームページには、海外旅行者や渡航者のために、各国の危険情報が随時アップされています。海外に出かける前に、外務省のホームページをチェックするのは常識です。
その外務省のホームページによると、今現在ベトナムは、危険地区には該当していません。テロや犯罪だけでなく、災害や病気などの危険情報も公表されていませんので、渡航には問題ありません。
軽犯罪が多い
外務省の危険レベルに引っかからないからと言って、治安がいいと言い切ることはできません。基本的に海外は、どこへ行っても日本ほど治安は良くありません。
ベトナムの特徴としては、スリやひったくりなどの軽犯罪が多いことです。とくにハノイやホーチミンなど観光客や旅行者が多く集まる場所は、スリやひったくりの被害が後を絶ちません。
熱帯独特の、熱気のある風土のせいか、喧嘩も多く、小競り合いや口論は日常茶飯事です。空き巣や窃盗も多く、間違っても街の治安がいいとは言えません。
ベトナムで治安の良くないエリア
平和で治安がいいと言われる日本でも、治安の悪い地域はあります。ベトナムももちろん同じで、治安が非常に悪い地域もあれば、とても落ち着いた治安の良い地区もあります。
地元のベトナム人は治安の良くない地区を知っているので迂闊に近づいたりしないでしょうが、そういう知識のない旅行者は、うっかりすると知らずに危険な地域に足を踏み入れてしまうことがあるかもしれません。
ベトナムだけでなく、知らない土地に行くときは、治安が良くないエリアはちゃんと調べて、要らぬ危険に身をさらさないように気をつけましょう。
オールドクォーター地区
首都ハノイのオールドクォーター地区は、ひったくり多発地区として警戒が必要です。オールドクォーター地区は車道しかなく、観光客が車やバイクの近くを歩かざるを得ないので、それを利用して財布やバッグなどをひったくるケースが多いのです。
オールドクォーター地区を歩く際には、背後から近づいてくる車には十分警戒しましょう。
ホーチミン7区や8区
ホーチミンは人気の観光地である一方で、犯罪が多発する危険地区でもあります。観光地とさほど離れていない危険エリアもありますので、ついうっかり足を踏み入れてしまわないように注意しなくてはなりません。
7区は、高級マンションが林立するフーミンフンが人気の観光エリアにもなっていますが、そこを外れるとうら寂しいダウンタウンや人気のない倉庫などが立ち並んでいます。8区はさらにうらぶれて、夜間はもちろん、昼間でもひったくりや強盗の被害が頻発する危険区域です。
麻薬の密売が行われていたり、ベトナム人でも立ち入るのをためらうほど治安が悪い地域なので、観光客が気易く訪れていい場所ではありません。
フォングーラオ
バックパッカー街としても有名なファングーラオ。いくつもの大通りと網の目状に伸びた路地で構成されています。観光名所のベンタイン市場から徒歩で10分程なので、一般の観光客もふらふらと散歩気分で訪れることができます。
ただし、種々雑多なの外国人がたむろするエリアというのは、治安はが悪くなりがちです。喧嘩やマリファナ、売春、賭博などの違法行為は日常茶飯事なので、無防備に近づかないようにしてください。
とくに、カタコトの日本語を話すベトナム人は要注意です。違法賭博やマリファナなどに誘われることがよくあるので、絶対について行ってはいけません。
ベトナムの警察
楽しい観光旅行のさなかに、スリやひったくりの被害にあって警察にお世話になる場合もないとは限りません。しかし、そこで日本の交番のおまわりさんのような気さくでフレンドリーな対応を期待しないほうがいいでしょう。
ベトナムは共産国なので、警察が強い力を持っています。しかも、スリやひったくりなどの軽犯罪はうんざりするほど頻繁に起きているので、親身になってくれるとは限りません。
ベトナムでスリやひったくりの被害にあったら、金品が戻ってくることはないと諦めたほうがいいかもしれません。だからこそ、被害に合わないための事前準備が重要になってきます。
ベトナム旅行する際の注意点
海外旅行では、危険を避けるために、自分でできることもあります。ベトナムを旅行する際に、とくに気をつけたい点についてあげておきます。
スリや置き引きに注意
ベトナムだけでなく旅行をする際は、スリや置き引き、に注意するのは常識です。日本国内でさえも、観光客が集まる場所は安全ではありません。観光中は気が緩みがちですが、スリや置き引きは、自分が注意を怠らなければ被害に合うことは避けられます。
荷物から目を離さないのはもちろん、口の空いたバッグは持たない、リュックサックは背負わない、パスポートや財布は外からわからないように身につけるなど、基本的な防衛はしておきましょう。
また、バイクによるひったくりもベトナムでは多発しています。車道側に荷物を持たない、荷物は体の前で持つなど、ひったくりに合わないように注意しましょう。
タクシーや露店でのぼったくりに注意
空港周辺では違法な白タクも、旅行者目当てに横行しています。通常のタクシーもメーターを倒さなかったりするので注意が必要です。
ぼったくり被害が多いのが、3輪タクシーのシクロによるものです。乗車前に値段交渉してあったにもかかわらず、降車時に2倍以上の金額を要求されることが少なくありません。事前にホテルなどで適正料金を調べ、メモを見せて値段交渉するようにしましょう。
値札を出していない露店なども注意が必要です。日本人は大人しい人も多く、ベトナム人に強気の英語でまくしたてられると言い返せずにぼったくられるという被害が多発しています。
ベトナムのタクシーや露店が、全部悪意があるわけではありません。むしろほとんどのベトナム人は親切で正直です。しかし、残念ながらどこの国でも、外国人を狙った悪徳行為が発生しています。
何も知らずに訪れると、騙されて悔しい思いをする可能性があります。身の安全のためにも「こういうこともある」と理解し、防衛策を講じるようにしましょう。
深夜の女性の一人行動は控える
これも、ベトナムに限ったことではありません。知らない土地での夜間の一人歩き、しかも女性の一人歩きは、自ら危険を招くようなものです。
夜間に一人で歩いている女性は、「そういう商売の女性」とみなされてしまう可能性もあります。旅先で夜中まで羽目を外したくなる気持ちもわかりますが、安全が第一です。
治安が良くない地域ではもちろんのこと、比較的治安が良いと言われている地域であっても、女性が夜中に一人で出歩くことは避けたほうがいいでしょう。もちろん、治安が良くない地域では男性も夜間の外出は危険が伴います。
交通事故が多い
ハノイやホーチミンは、交通量が多いことでも有名です。8割がバイクで、その他にバスやタクシー、自転車などが、車線や信号、横断歩道もまったく関係なく、縦横無尽に入り乱れて走っているので、慣れていない観光客は交通事故に合うことも多いです。
日本にいる感覚でのんびり歩いていると、思わぬ事故のあう危険性がありますから、十分注意してください。ベトナムではたとえ信号が青でも安全ではないということを肝に銘じておきましょう。
道路を横断するときは、車と車の間をすり抜けるようにして渡らなければなりません。途中で立ち止まったり、後戻りしたりするのは大変危険です。度胸を決めて渡り始めたら、リズムよく車を交わしながら一気に通り抜けましょう。
衛生面に気を配る
ベトナムでは生水は飲まないようにしましょう。高級レストランや高級ホテルであっても、お腹を下すことがあるくらい、ベトナムは水質がよくありません。
「生水は注意して飲まないようにしていたのに、ジュースに入っていた氷のせいでお腹を下した」と言う話をよく聞きますが、野菜や果物を洗ったときについた水滴でお腹を壊すこともあります。
ベトナムでは、歯を磨くときやうがいをするときもミネラルウォーターを使い、生水は決して口に入れないようにしましょう。万が一の安全のため、下痢止めは持って行ったほうがいいようです。
感染症を媒介する生物に注意
温帯から熱帯に位置するベトナムは虫の楽園で、病気を媒介する蚊やダニなどが多数生息しています。もっとも注意が必要なのは日本でも流行して騒ぎになったジカ熱を媒介する蚊です。
しかも、ジカウィルスを媒介するのは、重症化すると死亡することも珍しくないデング熱を媒介するのと同種のネッタイシマカやヒトスジシマカで、雨期を中心にベトナム全域で見られます。
2017年の報告では、ベトナム全土で183,287人がデング熱を発症し、そのうち30名が死亡しています。WHO(世界保健機構)は、ベトナムを「中断なく感染伝播が起きている地域」とされるカテゴリー2に分類しており、蚊には十分な注意が必要です。
自衛策としては、肌の露出を避け、とくに川や池などの水辺や、公園や林など蚊が発生しやすい所に行くときは長袖、長ズボンを着用することです。虫よけスプレーも欠かせません。
また、ベトナムでは狂犬病の危険性も無視できません。狂犬病ウィルスは犬だけでなく、猫やコウモリ、サルも持っているので、これらの野生動物に咬まれた場合は、すぐに傷口を洗い、病院でワクチンを接種する必要があります。
ベトナムは狂犬病の予防接種率が60%未満なので、飼い犬であっても安全とは言えません。狂犬病は、発症した場合致死率が100%なので、安易に犬や猫に近づかないように注意しましょう。
ベトナムのおすすめ観光スポット
魅力満載のベトナムの中でも、これだけはぜひ見ておきたいおすすめの観光スポットをご紹介します。
絶景を楽しむハロン湾クルーズ
ハノイ観光で絶対に外せないのが、世界自然遺産にも登録されている「ハロン湾クルーズ」。龍が口から宝石を吐き湾を守ったという神秘的な伝説が残るハロン湾の雄大な景色は、水墨画に似ていることから「海の桂林」とも呼ばれ、その幻想的な光景に誰もが魅了されます。
ハノイからは車で4時間ほどなので日帰りもできますが、ハロン湾の壮大な景色はぜひ泊りがけの観光で堪能したいところです。エメラルドグリーンの海に、龍が吐いた宝石が化したと言われる奇岩の数々がそそり立つ姿は、見るものを圧倒します。
ベトナムの楽園ダナン
住んだ海と白い砂浜、ベトナムで一番美しいビーチとして有名なリゾート地「ダナン」。ベトナム中部に位置し、フエやホイアンといった世界遺産への入口でもあります。
治安も良く、日本からはもちろん、欧米からも多くの観光客が訪れるダナンは、ベトナムで今一番ホットな観光スポットです。
ベトナム最初の世界遺産フエ
人気のリゾート地「ダナン」から車で3時間ほどのところにある「フエ」は、最後のベトナム王朝があり、ベトナムで最初に世界文化遺産に登録された街です。
見どころはフエの王宮にとどまらず、周辺には寺院や別荘地、墓所などが点在しています。とくに、圧倒的な規模と様式美を誇るカイディン帝廟は、必見です。
ベトナムは楽しい
陽気で明るく熱帯特有のエネルギーに満ち溢れたベトナム。品行方正な上品な国ではありませんが、訪れた人の心をつかんで離さない不思議なパワーがあります。
治安や病気など、気をつけなくてはならない点もあるにはありますが、どこの国に行ってもいくばくかの不都合はあるものです。
ベトナムにはそんな不都合など気にならいくらい、魅力があります。一度ベトナムの喧騒に飛び込んでみませんか?きっとベトナムの虜になることでしょう。