ルーマニアの治安は悪い?旅行での危険度や注意点を紹介
ルーマニアの治安は良い?悪い?ルーマニアに旅行に行く場合に気になるのは「治安はどうなのか」ということです。危険はないのか、注意すべきところはあるのかなど楽しく旅行するためには必要な情報です。それらに役立つ情報をご紹介しますのでチェックしてみてください。

目次
ルーマニアの治安や旅行の際の注意点とは?
国内の旅行でも治安やその地域の周辺情報というのは気になるものですが、それが海外旅行となるとなおさら気になるものです。
遠く離れた国で言葉も文化も違うわけですから、治安が悪いのか危険はないのか、特に何か注意するべきところなどは無いか、気になる部分はたくさんあります。
そこで今回はルーマニアに旅行に行く際に役立つ、ルーマニアの治安、危険度、よくある犯罪事件、特に治安が悪い危険な場所、そして治安の良い観光スポットなどをご紹介します。
ルーマニアとはどんな国なのか?
ルーマニアは東欧諸国にあたり、「東ヨーロッパ」にある国となります。周りをカルパチア山脈という山々に囲まれた土地になっており、ヨーロッパ諸国の中でも「秘境」のような雰囲気があります。
ルーマニアは5つの国と国境を接していてセルビア、ハンガリー、ウクライナ、モルドバ、ブルガリアという5ヶ国に囲まれています。そして東側は他の国ではなく「黒海」と面しています。
ルーマニアの主な言語は「ルーマニア語」で、人口約1900万人ほどの国となっています。この人口の約9割はルーマニア人で、ほかはハンガリー人が6%、ロマ人が2%ほどを占めています。
ルーマニアの首都は「ブカレスト」ですが、実はこの首都であるブカレストが「治安の悪い地域」として有名です。このことはまた後ほど詳しくご紹介します。
宗教的にはキリスト教系の「ルーマニア正教」が広く普及しています。それに合わせて国内の観光スポットには、ルーマニア正教関連の施設が多いのも特徴です。
ルーマニアの国民性
ルーマニア人の国民性としては、東ヨーロッパでは唯一の「ラテン系民族」ですので、明るく陽気な人が多いのが特徴となります。お酒を飲んだりダンスを踊ったりと日本人が持つ「ラテン系」のイメージに合う国民性です。
ただ、その明るく陽気な性格は「感情的になりやすい」という側面も持っています。その影響で言い合いになったり、取っ組み合いの喧嘩になったりということも少なくありません。
もちろんどんな国の人でも気性の荒い荒くないは人それぞれですが、明るく陽気で楽しい国民性の一面として「つい感情的になりやすい」という部分があることも理解し、行動や言動には注意するようにしましょう。
ルーマニアの治安は?
ルーマニアに旅行に行く場合に気になるポイントとしては「治安はどうなのか」という部分でしょう。実はルーマニアは東ヨーロッパの中でも特に治安が悪い国だというイメージを持たれていることが多いです。
しかし、実はこの情報は誇張されているものが多かったり、過去の治安を現在と「ごちゃ混ぜ」にして考えているものが多く、現在ではそれほど治安に対する過度な不安は必要ないと言える程度の治安状態になっています。
この「治安が悪いイメージ」は特に多かったぼったくりタクシーや野犬による被害、旅行客を狙ったスリやひったくりが原因になっています。それらの被害状況は直近のピークが2011年でそこからは大きく減少している傾向にあります。
外務省によるルーマニアの危険度
また、外務省が海外の治安状況や危険度などをしてしているものがあるのですが、これはレベル1からレベル4までの設定があります。
そして、ルーマニアについては2019年6月現在では、「レベル1すらない」状態で、ルーマニア全土を見ても危険指数のある地域は示されていません。
ただこの危険レベルに関しては、重篤な病気の蔓延や戦争、紛争などによって身の危険があることを示しているもので、「犯罪がない」という意味ではないので、その点は注意しましょう。

ルーマニアでよくある犯罪事件
現在のルーマニアは先行してしまっているイメージや噂ほど危険レベルが高かったり治安が悪いということはありませんが、それでも犯罪がないというわけではありません。
近年は年々犯罪件数なども減ってきているとはいえど、旅行者や観光客を狙った犯罪やそれ以外のものも少なからず起こっています。
そこで、以下に「ルーマニアでよくある犯罪事件」を取り上げています。ルーマニアに旅行に行く際にはこれらの内容を参考に犯罪被害者にならないよう注意してください。
ぼったくり
ルーマニアでよくある犯罪事件といえば、「ぼったくり」があります。よく挙げられる有名なところでは「ぼったくりタクシー」でしょう。
ルーマニアは公共の交通機関が未発達なところもあり移動手段にはタクシーがよく使われます。このタクシーでぼったくりがよく行われているのです。
ぼったくりの手口としては、メーターが高速回転したり、メーターが壊れたと言い張る、メーターをそもそも回さないというタクシーメーターまわりのぼったくりが挙げられます。
また、わざと目的地から離れたほうに向かって大きく迂回したり、「小銭がない」と言い張ってお釣りを渡さないというようなものも存在しています。
こういったタクシーのぼったくりはいわゆる「流しのタクシー」と言われる未登録のものが多く、メーターを使わない「白タク」に注意して、登録業者を使うようにすればぼったくりタクシーを防ぐことができます。
スリやひったくり
ルーマニアでよくある犯罪事件といえば、「スリやひったくり」も挙げられます。外国人旅行者、観光客を狙ってのスリやひったくりとなります。
ぶつかった際に財布をすられたり、人混みに限れて抜き取られたりというスリ被害から、荷物から少し目を離した隙きに荷物を持ち去られるなどの被害もあります。
また、特に油断をしているような状況ではなくとも、ネックレスを引きちぎられて持って行かれるというような被害もありますので、貴重品は簡単には盗られないような場所にしまって荷物自体から目を離さないように注意しましょう。
暴行事件
ルーマニアでよくある犯罪事件には、「暴行事件」もあります。暴行事件というのは治安がそれほど悪いとは言えないような地域や国でも一定数ありますので特に珍しいことではありません。
ただ、ルーマニアの国民性でも挙げたように感情的になってしまうことも多く、その延長での暴行や「刃物」を出してくるというようなものもあります。
また、スリやひったくりなどと同じく金品狙いでの暴行事件もあります。深夜のタクシー内で脅されて金品を要求されたり、路地や物陰に連れて行かれて暴行の上に金品を強奪されるなどの事件もあります。
ルーマニアで治安が悪い危険な場所は?
日本でも同じことなので当然と言えば当然ですが、「ルーマニア」とひとことで言ってもそこにはやはり治安の悪い場所、治安の良い場所というものがあります。
その中でも今回は、特に「治安が悪い」と言われる場所、地域をご紹介します。ここに挙げる場所はやはりある程度警戒すべきところと考えて自身の行動には注意しましょう。
アンリ・コアンダ国際空港
ルーマニアで治安が悪い危険な場所といえば「アンリ・コアンダ国際空港」が挙げれれます。このアンリ・コアンダ国際空港はルーマニアの首都ブカレストにある空港になります。国際空港となるので海外からの玄関口とも言える空港です。
そして、海外から玄関口ということは外国人旅行者などが多く集まる場所でもあるので、そういった「ルーマニアに不慣れな者」を狙った人も集まる傾向にありますから、やはり治安が悪くなりがちです。
特に夜に到着する便での旅行者を狙ったタクシー内の強盗なども起こりやすいので、移動は空港内から呼び寄せた正規のタクシーを使うなどして身を守るように徹底しましょう。
ブカレスト北駅周辺
ルーマニアの首都であるブカレストの主要駅「北駅」周辺も治安が悪い危険な場所として挙げられます。以前は麻薬常習者やストリートチルドレンで溢れているようなところでしたが今は落ち着いてきてます。ただそれでも注意は必要です。
また、ブカレスト自体も他の地域よりも治安が悪いことが知られています。日本国内でもやはり首都である東京は多くの人が集まっているだけあって、他の地域よりも治安が悪い部分も見られるのと同じように考えれば良いです。
それだけ人が集まれば「カモ」になりやすい旅行者が多くなりますし、それを狙った犯罪者も増えるということです。
ルーマニアを旅行する際の注意点
ルーマニアを旅行する際に注意したい内容をこちらではご紹介しています。さきに挙げた「よくある犯罪事件」と合わせてしっかりと確認しておきましょう。
夜間に一人で出歩かない
ルーマニアを旅行する際の注意点としては、「夜間に一人で出歩かない」というものが挙げられます。これはどれだけ平和で治安が良い国だとしても、夜間の一人歩きは危険だと認識しておきましょう。
特に観光目的の旅行者となれば「慣れた土地」である可能性は非常に低いでしょう。そんな不慣れな土地で夜間の一人歩きは「当然」危険です。
一般のタクシーは利用しない
こちらは「ぼったくり」のところと、それ以外でも触れていますが、「一般のタクシーは利用しない」というのもルーマニアを旅行する際の注意点として挙げられます。
一般のタクシーというのは、道端で客待ちしているタクシーのことで、「白タク」と言われるものです。これらは未登録のタクシーがほとんどでぼったくりやトラブルに繋がる可能性が高いです。
空港内から正規のタクシーを呼び出せる機器があるので、空港からの移動はそれを使い、宿泊先からであれば、その宿泊先から呼び出せる移動手段を使うようにしましょう。
貴重品をしっかり守る
こちらも「スリやひったくり」というものをご紹介したので分かるはずの部分ですが、「貴重品をしっかり守る」という意識を持つことが大切です。
キャリーバッグなど大きな荷物を持っている時点で旅行者なのがわかりますし、ルーマニアには日本人が少ないので一目見るだけで「よそ者」なのがわかります。
そういった人は狙われやすいので、バッグは斜めがけにする、荷物から目や手を離さない、財布などを見えるポケットに入れないなど最低限とも言えるような警戒は怠らないようにしましょう。
野良犬に注意
ルーマニアは以前「野犬被害」が広がっていて大きな問題となっていました。ですが、4歳の子どもが噛まれて亡くなってしまった事件を機に社会問題として取り上げられ野犬を安楽死させることができる法律が制定されました。
これが2013年のことで、数年のうちに野犬の数は大幅に減って、それに合わせて野犬被害も大きく減っています。空き地や路地に野犬がいる程度のことはありますが、大きな問題となっていた頃のように野犬が群れをなして襲ってくるようなことはなくなりました。
ただ、中心部から少し離れたアンリ・コアンダ国際空港付近では野犬の群れの目撃情報があったり、地方都市でも野犬を餌付けしたコミュニティがあるなど完全に安心できるわけではないので、注意は必要です。
食事の衛生面
ルーマニアを旅行する際に注意したいことは「食事の衛生面」も挙げられます。特に屋台などの衛生面はあまり良いとは言えませんので、あまり気軽に屋台での食べ歩きのようなことは避けたほうが良いです。
夏などであれば特に注意が必要となります。屋台で食べる「生もの」などはお腹が強いという人でもお腹を壊したり、時には食中毒になってしまう危険もあります。
また、ルーマニアの上水道もしっかりと整備されているとは言えないので、水道水は飲めないと考えたほうが良いです。飲水はかならずペットボトル入りのものを購入して飲むようにしましょう。

ルーマニアの治安の良い観光スポット
ルーマニアにはたくさんの観光スポットがありますが、この中でも有名な場所、そして治安の良い場所をご紹介します。
ブレアレイクアイスホテル(Balea Lake Ice Hotel)
首都ブカレストの北西にはブレア湖と言う湖があります。この近くにある氷で出来たホテルがブレアレイクアイスホテルです。
12月頃の冬期限定でオープンしていて、「氷の中の世界」を楽しむことができます。冬の寒さが厳しいルーマニアだからこその絶景観光スポットとなります。
分厚い氷のレンガを積み上げてしっかりと作られた氷のホテルで、夜はライトアップされたりと幻想的な世界を楽しむことができます。
ブラン城(ドラキュラ城)
ルーマニアといえば「ドラキュラ」のモデルとなっている人物ヴラド3世が有名ですが、そのお城であるブラン城も「ドラキュラ城」として有名です。
実は、このお城はヴラド3世の祖父にあたる人物が住んでいたお城なのですが、映画や小説などのモデルとなっているお城なので観光スポットとして非常に人気が高いです。
パスポートの注意点
ルーマニアではパスポートの携帯が義務付けられています。ですので、たとえばホテルに預けたり部屋の貴重品入れにしまっておいてはいけません。
ただ、そのパスポート携行義務を逆手に取った詐欺もあるので注意が必要です。警察のような服装をした人が近寄ってきてパスポートの提示を求め、そのままパスポートを盗むという犯罪もあります。
検問や何か特別なことがなければ提示を求められるケースは非常に少ないので、もしそのような場面があったら「日本大使館に同行して職員の前で提示する」と伝えましょう。
ルーマニアの治安は「噂」ほど悪くはない
ルーマニアはイメージや噂などで治安が悪いというものが多いですが、現在の実情としてはそれほど悪いわけではありません。
ですから、必要以上に怯えながら旅行に出かける必要もないのです。せっかくルーマニア旅行を選んだのであればある程度羽を伸ばして楽しむようにしましょう。
ただし、注意すべき点があるのも確かなので、こちらでお伝えした内容などを参考にしながら注意すべきところは注意してルーマニア旅行を楽しんでください。