ギリシャの治安は悪い？アテネ旅行や観光の危険度や注意点も紹介

アジアとヨーロッパの境に位置するギリシャは、古くから交易や漁業などで栄えてきた国です。地中海やエーゲ海を一望できる美しい景色や独特ののんびりした雰囲気などで、世界各国から毎年多くの観光客も訪れるギリシャ。

特に、日本とギリシャの関係は良好であるため、日本からの観光客もたくさんギリシャに訪れています。しかし、最近より深刻化している経済危機やテロ事件、近隣国からの移民の増加などで、ギリシャの治安は悪化しつつあるのです。

そこで、今回は最近のギリシャの治安について、詳しく解説していきたいと思います。特に、ギリシャの観光旅行の前に治安を確認しておきたい人は、ぜひ注目してみてください。

日本の国土の約3割ほどの面積を持つ国土に、約1000万人ほどの国民が暮らしているギリシャには、のんびりしているイメージを抱く人が少なくないでしょう。

エーゲ海やオリンポス山などの、美しく雄大な自然に触れ合えるギリシャには、毎年多くの観光客が世界各国から集まります。以下では、ギリシャという国について、より詳しく取り上げていきましょう。

ギリシャは古くからヨーロッパとアジアの中継地点という立地を活かして、交易で栄えてきた国です。また、古代の時代には世界の芸術や文化の中心地でもあったギリシャには、パルテノン神殿に代表される貴重な古代遺跡も残っています。

さらに、エーゲ海や地中海、クレタ島などの自然にも恵まれているギリシャは、人気観光地としても栄えてきたのです。首都はアテネで共通言語はギリシャ語とされています。

のんびりした国民性と経済力の高さで生活水準が高い国とされていましたが、最近では政界での汚職の横行や経済危機によって、経済規模が縮小しているのです。

EUに所属する以前のギリシャの通貨は「ドラクマ」でしたが、2002年からEUの共通通貨「ユーロ」が登場してから通貨はユーロとなりました。ユーロを導入した当初はインフレ傾向にあり、物価が跳ね上がることもあったようです。

そのインフレが収まり始めた2010年頃には、ギリシャは経済危機を迎えます。そのため、2010年以降はより物価が不安定になっているのです。2010年以降ガソリン代や電気代などが高騰し、税金も上がっているので、国民の経済状況は苦しくなっています。

しかし、デフレ傾向によって、飲食物や嗜好品などの価格は下がりつつあるようです。例えば、コーヒー一杯の平均価格は3～4ユーロほどで、日本の物価とさほど変わりありません。公共交通機関の料金も日本と同じくらいの料金となっています。

しかし、宿泊施設の料金は高騰しているため、観光旅行では総費用もしっかり確認しておきましょう。

元々争いを好まず、古くから近隣の民族と上手く付き合ってきたギリシャの治安は、経済危機にある現在でもそれほど悪いという訳ではありません。犯罪発生率も比較的低いため、観光旅行で犯罪に巻き込まれる危険性は低いと言えるでしょう。

しかし、経済危機の影響による失業率の増加や近隣からの移民の急増などによって、少しずつ治安にも陰りが見え始めているのです。そのため、ギリシャの観光旅行では、海外旅行での基本的な注意点を強く意識しておくことをおすすめします。

以下では、日本の外務省からギリシャ観光に赴く人に向けて出されている危険情報について、紹介しましょう。

日本の外務省からは、ギリシャに向かう旅行者に対する注意勧告は出されていません。しかし、ギリシャでは現在近隣のブルガリやアルバニアなどからの移民が増えており、不法移民も増えています。

不法移民が多いスラム街では、観光客の身に着けている貴金属や現金を狙う犯罪が多発しているのです。空き巣や強盗などを繰り返し行う犯罪者も増えているので、犯罪に遭わないための対策は必ずしておきましょう。

ギリシャ内にはバスやタクシー、電車などの様々な交通手段があります。しかし、初めてのギリシャ旅行で土地勘が無いと、確実に目的地近くに着くことができるタクシーを利用したくなるでしょう。

ギリシャ内のタクシーの平均料金は日本のタクシー料金とほぼ同じです。また、エレフセリオスヴェニゼロス国際空港から大都市までのタクシー料金は、35ユーロ（約4300円）と固定されているので、安心して利用できるでしょう。

しかし、料金の支払い時に運転手とトラブルになることが多いので、料金支払い時には渡すお札の種類や金額をしっかり運転手に伝えるようにしてください。ちなみに、深夜12時から早朝5時までは、約50ユーロ（約6100円）の割り増し料金がかかります。

ギリシャの観光旅行では、首都であるアテネにまず行ってみたいと思う人は多いでしょう。アテネは世界遺産とされている古代アクロポリスや古代アゴラなど、貴重な古代の遺構がたくさんある人気観光地です。

しかし、そんなアテネにも、治安が悪い危険エリアがあるので観光中も注意を怠らないようにしましょう。以下では、アテネで治安が悪いとされる危険な場所を、いくつか紹介したいと思います。

アテネ観光を予定している人は、ぜひ以下の場所を覚えて、旅行中に近づかないようにしてください。

ギリシャの首都アテネ内で、治安が悪い危険な地区にはオモニア地区が挙げられます。オモニア地区は、過去にはアテネ経済を支える商業都市として機能していました。

しかし、経済危機による企業の倒産の増加によって、廃墟と化したビルが増え、そのビルが不法移民や浮浪者のたまり場となりつつあります。特にオモニア地区の西エリアはスラム化が進んでおり、夜間には麻薬中毒者が徘徊していることもあるそうです。

地元の人々もオモニア地区の西エリアは嫌厭しています。また、オモニア地区の東エリアは西エリアと比べると治安は良いですが、反政府主義の組織のメンバーがたくさんいるそうです。

そのため、特にギリシャ観光に慣れていない人は、オモニア地区に入らないようにしましょう。

ピレウス地区もアテネで治安が悪い危険な地区です。ピレウス地区はピレウス港を中心とした港町で、時折大型客船が寄港しています。人通りは活発ですが、不法移民やスリをする人、物乞いをする人などが多いので、暗い雰囲気になっているのです。

日中は地元の人々による出店が多くでていますが、夜になると出店は少なくなって人通りが減少し、より治安が悪化していきます。

比較的治安が良いとされる大通り付近には、宿泊施設もあるので、ピレウス地区に立ち寄る必要がある時には大通りを通るようにしましょう。

アテネで治安が悪いと有名な場所には、満員電車も挙げれます。アテネにはスリを専門に行う集団の拠点となっており、特にアテネ中央駅から地下鉄の満員電車に乗る観光客は、その集団のターゲットにされやすいのです。

満員電車の中でカバンを切り裂かれ、財布やパスポートを持ち去られてしまうこともあります。そのため、なるべく地下鉄の満員電車には乗らないようにしましょう。

また、電車には落書が多く、特にアテネ中央駅周辺の治安も悪くなっています。そのため、駅周辺でも犯罪に遭わないように常に注意してください。

現在は治安が悪い場所もあるギリシャを安全に散策するためには、いくつかの注意点を忘れずに守る必要があります。以下では、ギリシャ旅行の際に意識しておくべき注意点を、いくつか具体的に紹介していきましょう。

楽しいはずのギリシャ旅行の際に、危険な目に遭わないように、ギリシャ旅行の予定がある人はぜひ以下の注意点を覚えてみてください。

ギリシャ旅行での注意点には、スリや置き引きといった犯罪への警戒を怠らないということが挙げられます。

のんびりしたイメージが強いギリシャですが、経済危機が起きて以降、首都のアテネにもスリや置き引きを行う不審者が増えているのです。集団によるスリも横行しているので、観光客は特に注意しなくてはいけません。

観光中は、必要なだけの現金を持ち歩き、観光客と分かるような行動は控えるようにしましょう。

ギリシャ観光の時の注意点には、デモに近寄らないということも挙げられます。経済危機によって失業率が上がりつつある現在のギリシャには、現在の政治に不満を持つ人も多数います。そのため、時折大都市でも大規模な反政府デモが起こることがあるのです。

そのデモ中は、比較的治安が良いとされる日中であっても、ギリシャ内の治安は悪いと言われています。そのため、デモ中の外出は避けるようにしてください。

ギリシャ観光での注意点には、派手な格好を控えるということも含まれます。経済的に困窮している人が増えているギリシャ内では、大金を持ち歩いていそうな観光客を狙う強盗も発生しているのです。

観光中に派手な服装をしていると、危険にさらされる確率が高くなってしまいます。なるべくカジュアルな普段着を着て、スリ犯や強盗犯から注目されないようにしましょう。

夜に遭いやすい客引き行為への警戒も、ギリシャ観光中の注意点です。ギリシャ旅行中に、ナイトスポットを楽しもうと夜間に外出することもあるでしょう。ギリシャは夜になると治安が悪いエリアが増えやすく、しつこい客引きが各地で出没しやすくなります。

客引きのフレンドリーで甘い言葉に乗せられてしまうと、ぼったくりや売春などの犯罪に巻き込まれてしまうでしょう。有名観光地の付近でも怪しい客引きが多いので、馴れ馴れしく声をかけてくる客引きの話は聞かないようにしてください。

また、夜にギリシャを散策したい場合は、宿泊している施設の従業員に安全な散策スポットを教えてもらいましょう。

ギリシャ旅行での注意点には、最近ギリシャで急増している移民への注意も挙げられます。現在ギリシャには近隣国からの移民が増えており、一部の移民は経済的に追い詰められ犯罪に手を染めてしまっているのです。

特に移民が多いエリア内で、観光客へのしつこい物乞い行為やスリをする移民が多く目撃されています。地元の人も犯罪のターゲットにされることがあるので、観光客は移民が多いエリアには接近しないようにしましょう。

ギリシャ内には治安が悪い地区があり、ギリシャ観光中には意識しなくてはいけない注意点もあります。しかし、ギリシャには海外旅行初心者でも、安心して楽しめる治安のよい観光スポットも多数存在しているのです。

以下では、ギリシャ観光が初めてという人でも、安心して訪れることができるギリシャの観光スポットを取り上げていきましょう。

白を基調にした建物が多いミコノス島は、リゾート地として昔から人気が高い島です。白くダイナミックな風車は、ミコノス島の中で特に有名な観光スポットとなっています。また、綺麗な海とビーチも世界各国から観光客が押し寄せる理由になっているのです。

ミコノス島は観光客が特に多い島で、大きなホテルやおしゃれな飲食店、土産店などが立ち並んでいます。そのため、治安を心配せずに悠々と過ごすことができるでしょう。

網目状に細い道が入り組んでいますが、夜間でも人通りが絶えないので、ナイトスポットも安心して巡ることができます。

しかし、深夜から朝までお酒を飲みながら楽しめるパーティービーチでは、観光客に薬入りのお酒を飲ませて、貴金属やお金を奪う強盗事件が発生しているのです。そのため、ミコノス島の夜の散策では、パーティービーチには近づかないことをおすすめします。

ギリシャ観光初心者には、白い街並みと海辺の絶景が見どころのサントリーニ島もおすすめです。ギリシャの中でも特に穏やかな雰囲気の島で、観光客で夜まで賑わっているので、治安はかなり良いとされています。

様々なお店があるサントリーニ島内には、夜間営業している店舗が多く、夜も安心して散策できるでしょう。また、日中には有名観光スポット「イアの古城」で、地元の歴史を感じることができます。

しかし、イアの古城周辺には、観光客の狙ったスリが発生することもあるそうです。そのため、観光中でも貴重品はしっかり管理するようにしましょう。

古代の貴重な遺構が多いギリシャは、古くから観光を主な産業として栄えてきた国です。今回はそんなギリシャの治安について、詳しく解説しました。

ギリシャにはゆったりした空気感から、治安が良いイメージを抱く人が多いでしょう。しかし、最近経済危機があり、移民も急増しているギリシャ内には、治安が悪い場所も存在するのです。

ギリシャ旅行を計画中の方は、ぜひ今回の内容を参考に、旅行中の注意点を自分なりにまとめてみてください。