チュニジアの治安は安全?チュニス旅行や観光の危険度や注意点も紹介
2015年に発生したテロにより、観光旅行に行くのはやめておいたほうがいいとも言われるチュニジアですが、そこまで治安が悪いのでしょうか。今回は、チュニジア治安について詳しく解説していきます。チュニジア治安で気をつける事もチェックしておきましょう。
目次
チュニジアの治安は良い?悪い?
今回はチュニジアの治安についてまとめていきます。チュニジアという国の名前を聞いた事がある人も多いでしょう。でもどんな国だったか、はっきりと思い出せないという人もいるかもしれません。
2019年6月現在では、渡航することは控えた方がいいと言われる、危険な国であるチュニジアとはどんな国なのでしょうか。どうして治安が悪いと言われているのかもまとめていきます。
チュニジアってどんな国なの?
そもそもチュニジアとはどんな国なのでしょうか。チュニジアは、北アフリカの真ん中辺りにある国です。アルジェリアとリビアに挟まれていて、地中海をまたいでイタリアがあります。
国土は日本の2/5程度の大きさで、住んでいる民族はアラブ人が98%、イスラム教の国家でもあります。世界遺産が多い国で、美しい景色をみるために、日本からの観光客も多かったようです。
チュニジアにある世界遺産の中には、日本の映画の舞台となったものもあるようです。しかし現在では、日本人が観光旅行で訪れるのは危険だと言われる国になっています。
チュニジアの物価
チュニジアの通貨はディナールです。日本と物価を比較してみると、かなり安い事がわかります。1ディナールは40円ほどです。水500mlで1ディナールなので、40円程度で購入できる事になります。ピザは9ディナール、360円ということです。
チュニジアの物価が安いと感じるという事は、チュニジア人からみると日本の観光客は金を持っていると思われている事になります。ぼったくりなどには注意が必要だと言えるでしょう。
チュニジアの治安は?
それではチュニジアの治安についてみていきましょう。チュニジアの治安は悪いと言われていますが、観光旅行ができないくらい、治安が悪く危険な状態なのでしょうか。チュニジアの状況や治安についてまとめていきましょう。
外務省による危険情報
チュニジアの治安は、外務省による危険情報では、「十分注意してください」から「渡航や止めてください」という地域ばかりになっています。
チュニジアの首都チュニスの周辺は、かろうじて「十分注意してください」ですが、南半分は「不要不急の渡航は止めてください」で、国境付近に関しては「渡航は止めてください」と中止勧告がでています。
首都のあたりは観光旅行で行く事ができますが、それ以外の地域は治安が悪い危険地域という事です。いつ情勢が変わるかは予測できないため、現状でチュニジアへ観光で旅行に行く事はおすすめできません。
首都チュニスの治安状況
かろうじて「十分注意してください」となっている、首都チュニスの治安状況はどうなっているのでしょうか。首都チュニスは、危険レベル的には低いところにありますが、首都でもあるため、いつテロが起きてもおかしくない状況であると警戒されています。
渡航はできる事になっています。旅行会社によってはツアーを組んでいるところもありますが、申し込みをする前にはじっくりと考えましょう。
テロが発生しなくても治安は悪い状態で、他の犯罪に巻き込まれる可能性は十分にあります。注意をして回避できる危険ではない可能性もあり、政府としては観光での旅行は止めて欲しい、十分注意してほしいという警告が出されています。
テロの危険性は?
2015年からチュニジア国内では、大規模なテロが多発しています。2015年には、バルドー国立博物館襲撃テロ事件で、日本人3人を含む22人が死亡するテロが発生しています。
日本人だから関係ないというわけではありません。その場にいる人を、誰でも巻き込んでしまうのがテロです。治安が悪い危険な地域には行かないという事も、危険を回避する方法です。
観光旅行で海外に行く時には、わかっているテロ情報はしっかりと入手してから、出掛けるようにするといいでしょう。また、行くなと言われているところに、観光で行くのは絶対に止めてください。多くの人に迷惑をかけることになります。
チュニジアの治安が悪い危険エリア
現状ではチュニジアはどこもかしこも治安が悪い危険エリアとなっていますが、その中でも注意しなければいけない、治安が悪いエリアとはどこになるのでしょうか。チュニジアの中でも、特に治安が悪い危険エリアを紹介します。
アルジェリア・リビアの国境付近
先ほども書いたように、チュニジアの国境付近はとても治安が悪い、危険なエリアになります。アルジェリアやリビアの国境付近は、実際に死んでいる人も出ているエリアです。注意をすればなんとかなるというものでもありません。観光旅行で行くなんて事はないようにしましょう。
2013年には日本人10人を含む、アルジェリア人質事件も起こっています。国境付近は、何が起こるのかがわからない場所になっているのです。
もともとこの周辺は、危険で治安が悪い地域でした。紛争が絶えない地域として有名だったエリアです。アルジェリア人質事件後は、厳重な警備が敷かれているので、多少治安は安定しているものの、治安が悪い事に変わりはありません。
カスリン県
カスリン県は、アルジェリアの国境に近い地域です。ここも治安が悪い地域だと言われています。カスリン県にあるシャンビ山周辺には、この辺りを拠点に活動するイスラム武装組織がたくさんいると考えられています。
面白半分で近づく人もいないとは思いますが、ただ近くにいくだけで、命を落としかねないとても治安が悪い地域となっています。
ビジネスで仕方がなくチュニジアに行く場合も、カスリン県には近づかない方がいいでしょう。
チュニジアのその他の地域の治安は?
チュニジアには注意しなければいけない、治安が悪い危険な地域がありますが、その他の地域の治安はどうなのでしょうか。注意しなければいけない、チュニジアの他の地域をまとめていきます。
チュニス新市街
チュニスに来た人が、必ず通ると言われているのがハビブブルギバ通りです。チュニスでは、ここにはたくさんの飲食店が並んでいて、通りにはテラス席もあると言われています。
ランチ時には道は人で埋め尽くされていて、スリや置き引きに注意が必要なものの、とても治安が悪いという雰囲気はないようです。
しかし夜になると雰囲気はがらりと変わります。治安が悪くなるからか、道路が封鎖されて、人通りもなくなってしまうようです。夜は地元の人でも出歩かないというのが基本にあります。
チュニス旧市街
生活感が溢れる、チュニスの旧市街です。日中は人で溢れていて活気がある街です。観光客がいても、それほどジロジロとみられる事もないようです。
1本路地に入ると、人通りは全くなく怖い程ですが、路地裏は怖いというイメージがあるからか、地元の人もあまり来ないようです。
危険なので、できれば路地裏はあるかないほうがいいでしょう。また新市街と同じように、夜出歩くのはとても危険です。日が落ちる前にホテルに帰った方がいいでしょう。
チュニジア旅行の際の注意点
現在はテロの脅威でチュニジアに観光旅行で行く事はできませんが、テロの脅威がなくなれば、何時の日か以前のようにチュニジア観光ができるかもしれません。
テロ以外で、チュニジア旅行の時に注意をしなければいけない事とはどんな事なのでしょうか。
スリや置き引きが多い
チュニジアに限らず、多くの観光地で注意をしなければいけないのがスリや置き引きです。外国人観光客を狙ったスリや置き引きが多発しているようです。
スリに貴重品を盗られた事に気が付かなくて、ホテルでようやく気がつくという場合も多いと言われています。現金は戻ってこない事のほうが多いので、十分管理に気をつけましょう。
日本人はカフェやレストランで、椅子にぽんと荷物をおいたりします。外国人からすると、日本人はとても置き引きがしやすいと考えられています。荷物は目の届くところに置くようにする事、貴重品は肌身離さず持つようにする事を徹底しましょう。
露出の多い格好はしない
露出の多い格好はしないのは、女性だけではなく男性でも注意が必要になります。基本的にイスラム教では、肌をみせる事はよいとされていません。
女性だけではなく、男性も露出を控えた服装にしたほうがいいでしょう。寺院などを参拝する場合は、肌が出ている服装では中に入れてもらえない施設もあるようです。
靴下や肌が隠れるようなものを、持ち歩くようにする事も大切になるでしょう。宗教は、その国の文化となります。文化を受け入れるという事も、観光旅行の醍醐味です。
イスラム教の文化を理解する
チュニジアはイスラム教の国家です。決まった宗教がない日本では考えられないことですが、チュニジア人はイスラムの教えに従った生活をしています。
観光客に対しても、その考え方を持っているチュニジア人もいると言われています。露出が多い服を着ないようにするのも、そんなイスラム教のチュニジア人に配慮しての事です。冗談であったとしても、イスラム教に対する否定的な意見を言う事はやめましょう。
チュニジア観光におすすめの世界遺産
現在はのんきにチュニジアを観光旅行できる雰囲気ではありませんが、いつかチュニジアに安全に行けるようになったら、ぜひ訪れて欲しいチュニジアの世界遺産を紹介します。
ドゥッガ遺跡
チュニジア観光におすすめの世界遺産には、ドゥッガ遺跡があります。チュニジアに残っている、ローマ遺跡の1つです。保存状態がとても良い移籍で、紀元2~4世紀の頃におよそ1万人が住んでいたのではないかといわれている場所です。
キャピトル(議事堂)や神殿、劇場や住宅、浴場などの施設が美しい姿のままで残っています。じっくりと観光する事ができたら最高の世界遺産です。
撮影スポットもたくさんあります。ローマ時代の人の気分になって撮影を楽しむというのも、おすすめの観光の仕方です。
カルタゴ遺跡
カルタゴ遺跡もチュニジア観光におすすめの世界遺産です。カルタゴ遺跡にあるのが、あのアントニヌスの共同浴場です。ピンときた人もいると思いますが、日本でも話題となった映画「テルマエ・ロマエ」に出てきた浴場です。
映画をみたことがある人は、ぜひ訪れて欲しいスポットです。残念ながら、映画のセットのようにしっかりと遺跡が残っているわけではありません。想像力も必要になります。
ローマ人の社交場として人気がありました。建てられた当時は2階建てで、更衣室やトイレがあったと言われています。現在は2階部分はなくなっていますが、その跡を感じる事ができる遺跡です。
エル・ジェムの円形闘技場
エル・ジェムの円形闘技場も、世界遺産の1つです。ローマの時代に建てられた、巨大なコロセウムです。ほとんど当時のままの姿で残っていて、最上階まで登る事もできます。
ここまで綺麗に残っている闘技場も珍しいのだそうです。なかなかみる事ができるものでもないので、しっかりと目に焼き付けておきましょう。
ローマ時代にはどんな競技が行われていたのか、歴史を想像しながら眺めるのもいいかもしれません。出番を待つ剣闘士の控室や、猛獣を入れておくための部屋なども残っているそうです。観光旅行で訪れた時にはゆっくりと見学する事ができます。
チュニジア観光におすすめスポット
それではチュニジアへ観光で訪れた時には、世界遺産以外にはどんなスポットで楽しむ事ができるのでしょうか。チュニジアに観光で訪れた時に訪れておきたいポイントをまとめていきましょう。
シディ・ブ・サイド
チュニジア観光で、必ず訪れたいのがシディ・ブ・サイドです。チュニジアンブル―と言われる、抜けるような青色と、真っ白の壁とのコントラストがとても美しい、地中海沿岸の街です。どこをみてもチュニジアンブル―&白の景色は、元気をくれると人気があります。
シディ・ブ・サイドという街の名前は、フランスの国王、ルイ9世が十字軍を率いてチュニジアを攻撃した出来事が由来になっているそうです。
この時ルイ9世は死亡したと言われたのですが、実はイスラム教に改宗してブ・サイドと名前を変えて生きているという伝説があります。そのブ・サイドが、シディ・ブ・サイドの由来なのだそうです。
スース
首都チュニスにも近いところにあるのが、スースです。スースは、リゾートビーチがある事で人気の地域です。「サヘル地方の真珠」とも言われている、とても美しいビーチです。
どちらかというと砂漠のイメージがあるチュニジアですが、地中海側には美しいビーチがあるのです。しかもスースのビーチにある、メディナという旧市街も世界遺産に登録されている地域になります。
美しいビーチで美しい町並みをみるのも、美しい町並みから美しいビーチをみる事もできるのです。観光旅行で出掛けた時には、ゆっくりとしたい場所でもあります。
サハラ砂漠
チュニジアと言えば、やはりサハラ砂漠ではないでしょうか。世界最大の砂の海と言われるサハラ砂漠を、ぼーっと眺めるのもいいでしょう。ラクダをチャーターして、サハラ砂漠のツアーに参加するのもおすすめです。
今はチュニジアに観光では行かない方がいい
今回はチュニジアの治安についてまとめました。現在はテロの事があるので、チュニジアの全土が危険地域と言っていいでしょう。観光旅行で行くのはやめておいたほうがよさそうです。治安が改善したら、世界遺産をみに旅行に出掛けるのもいいでしょう。