ロシアのウラジオストクの治安は悪い?旅行や観光の危険度や注意点も紹介

極東のヨーロッパ、ウラジオストク。かつては治安が悪いと評判でしたが、今現在の治安情勢はどうなっているのでしょうか。気になるウラジオストクの治安や、観光や旅行する際の注意点をあげておきます。ウラジオストクを旅する際には参考にしてみてください。

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目次

  1. 1ロシアのウラジオストクの治安は悪いの?
  2. 2ウラジオストクとは?
  3. 3行きやすくなったウラジオストク
  4. 4ウラジオストクの治安は?
  5. 5ウラジオストク旅行する際の注意点
  6. 6ウラジオストクでの暴力事件の例
  7. 7ウラジオストクのおすすめ観光スポット
  8. 8ウラジオストク観光旅行を楽しもう

ロシアのウラジオストクの治安は悪いの?

ヨーロッパ風の街並みとアジアの雰囲気をあわせもつロシア極東部の都市、ウラジオストク。ソビエト連邦時代は対アジアの最先端軍事拠点として威勢を誇りました。

長く外国人の立ち入りが認められない閉鎖都市でしたが、ソビエト連邦崩壊後に閉鎖が解かれ、近年では観光目的の外国人旅行者や、北朝鮮や中国からの出稼ぎ労働者も増えています。

以前は排他的で治安が悪いため、観光や旅行には向かない地域と認識されていましたが、最近の治安や評判はどうなのでしょうか。

ウラジオストクとは?

ウラジオストク、ウラジオストック、ウラジオストークと、さまざまな呼び方をされますが、ウラジオストクは、ロシアの極東にある人口60万人程度の港町です。

ピョートル大帝湾を、西のアムール湾と東のウスリー湾に分けるように突出しているムラヴィヨフ=アムールスキー半島の先端にあり、東京からは北西方向、緯度的には室蘭と同じくらいです。

うらじ旧ソ連時代は軍港として栄え、外国を寄せ付けない秘密のベールに包まれた都市でしたが、ソ連解体後は経済都市、観光都市として発展を遂げ、ロシアでも指折りの豊かな都市となっています。

ウラジオストクの特徴

ウラジオストクは極東のヨーロッパと言われる異国情緒あふれる都市です。人口のほとんどは白人で、アジア系の人は15%に満たないほどです。大使館に届け出られている在留邦人は、100名前後です。

日本から飛行機の直行便でわずか2時間半の距離にありながら、ウラジオストクの街並みはヨーロッパ風で、アジアのそれとは趣が異なります。それでいて、懐かしさも感じられるのですから、ウラジオストクは不思議な都市です。

優美で荘厳でありながら、どこかノスタルジックなウラジオストクの街並みは、訪れる人を魅了してやみません。

ウラジオストクは、冷帯に位置するため冬の寒さは厳しく、最低気温が氷点下30℃を記録することもあります。真冬の平均気温は氷点下12℃程度で、同じ緯度に位置する北海道の都市よりも冷え込みは厳しいです。

一方で夏は天候によっては30℃を超えることもあります。しかし、日本に比べると全般的に夏の気候は穏やかで、過ごしやすいです。

以前はウラジオストクにアジア人の観光客はほとんど見られませんでしたが、最近では韓国からのツアー客が大勢やってきます。日本からも近いので、女性の一人旅も増えています。

ウラジオストクの物価

ウラジオストクは観光地らしく、ほかのロシアの都市に比べると若干物価は高めです。しかし、日本に比べるとほとんど違いはありません。

食事をするにしても、カフェやファストフードなら1000円以下、観光客向けのしゃれたレストランなら1500円~2000円といったところです。物価は日本と同じか、ちょっと高めと思っておけば間違いありません。

ロシアの通過はルーブルなので、ウラジオストクでもルーブルの流通が主流です。近年1ルーブルは1.7円程度で安定しているので、為替変動による物価の高騰、下落の心配は今のところありません。

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行きやすくなったウラジオストク

以前はウラジオストクに旅行するには、観光であってもビザが必要で、平日の昼間に2日間在日ロシア大使館に足を運ばなくてはなりませんでした。

しかも、無料でビザを取得するためには、2週間ほどパスポートをあずける必要があったので、労力も時間もかかりなかなかウラジオストク旅行に行こうという気にはなれなかったものですが、2017年8月からビザの発行が簡易化されたので、ウラジオストクはぐっと身近になりました。

事前に申し込みは必要ですが、日本のパスポートを持っていれば、e-visaと呼ばれる電子無料ビザを、ウラジオストク空港で発行してもらえます。

ウラジオストクの治安は?

さて、旅行者にとって気になるのは現地の治安です。せっかくの旅行で危険な目になっては元も子もありません。ウラジオストクでの観光や旅行を快適なものにするためには、ウラジオストクの治安についてよく知り、危険に注意を払う必要があります。

経済的に豊かになり、以前ほど治安の悪さが取り沙汰されることがなくなったウラジオストクですが、実際のところ治安はどうなっているのでしょうか。

外務省による危険情報

外国に旅行するときに頼りになるのが、外務省が公表している危険情報です。外務省のホームページで簡単に調べることができます。

ウラジオストクに関しては、在ロシア日本国大使館や、在ウラジオストク日本国総領事館からウラジオストクで安全に過ごすための手引きが公表されています。

2018年に公表された「安全の手引き」では、ウラジオストクでの対日感情は「おおむね良好」となっており、反日的な危険性は低いと思われます。日本人だからという理由で、むやみやたらと危険な目に合うことはありません。

しかしながら、治安に関しては手放しで良好というわけにはいかないようです。ウラジオストクの犯罪発生率はロシア全土に比べて高く、ロシアで起こる犯罪のおよそ35%がウラジオストクで起こっています。

犯罪の多くはスリや置き引きなどの軽犯罪で、命に関わる凶悪事件ではありませんが、犯罪発生率の高さから、必ずしも治安が良いとは言い切れないとされ、旅行者や観光客への注意を促しています。

一人旅はできる?

ウラジオストクは、世界中の観光地の中で、とくに治安が悪いというわけではありません。せいぜいが人が集まるところなので、そこそこ注意が必要なくらいは治安が悪いといったところです。

経済が安定しているので貧困層が少なく、浮浪者やジプシーがうろついているということもありません。

つまり、ウラジオストクの危険度は、ほかの国や都市と比べて別段注意しなくてはならないほどではなく、一人旅であっても、常識的な範囲でリスク管理をしておけば、十分快適な旅行が楽しめます。

ウラジオストク旅行する際の注意点

比較的治安は良さそうなウラジオストクですが、やはり旅行者としての注意は忘れてはいけません。ウラジオストク旅行でとくに気をつけたい注意点をあげておきます。

スリや置き引きに警戒する

残念ながら世界中どこへ行こうとも悪い輩は存在します。観光客や旅行者が集まる場所ならなおのこと、不慣れな観光客や旅行者を狙ったスリや置き引きは必ずいます。

それは、日本だろうが、ウラジオストクだろうが、ニューヨークだろうがタヒチだろうが同じことです。旅行に出るからには常にスリや置き引きの危険とは隣り合わせだということを忘れてはいけません。

ポケットや口の開いたバッグなど、見えるところに財布やお金を入れない、高価なアクセサリーや時計は身につけない、貴重品はホテルのセーフティボックスに預ける、荷物からは絶対に目を離さないというのは、旅の常識です。

最近は財布やパスポートを狙ったスリだけでなく、携帯電話やスマートフォンを狙ったスリやひったくりも多発しています。

電話をかけながら歩いているところを襲われることが多いようなので、電話をかけるときは周りを警戒し、歩きスマホはしないようにしましょう。

夜間の個人行動は控える

昼間のウラジオストク、とくに観光地は人も多く、危険はほとんどありませんが、夜間となると治安状況は変わります。どこでも夜間は危険がつきもの。ウラジオストクだとて例外ではありません。

せっかくウラジオストクに来たのだから、夜のウラジオストクも楽しみたいという人もいるでしょうが、その場合は旅行会社のナイトツアーを利用したり、複数人で行動するようにしましょう。

夜になると酔っ払いや羽目を外した若者も出てきます。昼間は秩序が守られ、治安が良い街でも、夜間は治安が悪化しがちだということは肝に銘じておきましょう。

女性は露出の多い格好はしない

女性を狙った性犯罪も、観光地では良くあります。言葉が通じないことを良いことに、強引なアプローチをかけてくる男性もいないわけではありません。

ウラジオストクには、日本人女性に対して性的偏見を持った人もいるので、相手を刺激するような露出の多い服装は慎みましょう。必要以上にセクシーな服装で目立ってしまうと、余計な危険を招くことになりかねません。

旅先ではついつい開放的な気分になっていつもより派手な格好をしたくなるかもしれませんが、危険な目にあってからでは遅いので、自衛のためにも、くれぐれも悪目立ちしないように気をつけてください。

アジア人を標的にした暴力事件が起きている

白人がほとんどのウラジオストクでは、アジア人観光客はとても目立ちます。「観光客はお金を持っている」イコール「アジア人はお金を持っている」という理由から、アジア人がターゲットになる事件が多発しています。

ウラジオストクは、とくに人種差別的な思想がはびこっている場所ではないので、アジア人だからという理由だけで、意味もなく襲われる心配はありません。アジア人に対する暴力事件が起きているのは、単純にアジアからの観光客が激増しているからです。

距離的に近い韓国や中国からは毎年大勢の観光客が押し寄せますし、日本からも年々旅行者が増えています。ただでさえ標的にされやすいアジア人観光客。いくらウラジオストクの治安が悪くないと言っても、できるだけ目立たないように行動することを心がけましょう。

ただ、注意しておきたいのが、マフィアによる権力抗争です。ウラジオストクには、中国系マフィアが進出しており、彼らと間違われてアジア人が襲撃されることがないわけではありません。

ライダージャケットにスキンヘッドといった、マフィア関係者と間違われるような恰好や行動は現に慎み、人気のない場所や、危険な場所には立ち入らないように注意しましょう。

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ウラジオストクでの暴力事件の例

治安がそれほど悪いわけではないウラジオストクでも、凶悪事件は起きています。金品を奪われるだけでなく、怪我をしたり、ときには命の危険にさらされることもあります。

ウラジオストクでも、運が悪いとこんなに危険な目に合うこともあると知っておいてください。

タクシー内での強盗事件

ウラジオストクで発生する犯罪の多くは、スリや置き引きなどの軽犯罪ですが、まれに、傷害事件や強盗事件も起きています。

韓国人カップルがタクシーに乗ったところ、タクシー運転手に暴行され、金品を奪われたうえ、車から引きずり出されて放置されたという事件も起こっています。

ホテルや空港で手配する限り、ウラジオストクのタクシーはそれほど危険はありません。流しのタクシーはメーターが無く、料金は目的地を告げてからの直接交渉になるのでトラブルになることも多く、とくに注意が必要です。

散歩中の強盗事件

韓国人観光客がウラジオストク市内を散歩中、ロシア人の若者2人にガラス瓶で頭を殴られ、金品を強奪されるという強盗傷害事件も起きています。

これだけでウラジオストクの治安が極端に悪いと断じることはできませんが、まれにこのような凶悪事件が発生することもあるということはしっかりと覚えておきましょう。

ウラジオストクのおすすめ観光スポット

近くて遠い国だったロシア。ウラジオストクはそんなロシアへの東の玄関口です。ヨーロッパの荘厳さとアジアの神秘性、港町らしい賑やかさで人々を魅了するウラジオストクは、世界中の人が訪れる人気の観光地です。

たくさんあるウラジオストクの観光地の中から、これだけは見逃せないおすすめの観光スポットをご紹介します。ロシアならではの美意識やスケールの大きさに圧倒されるはずです。

シベリア鉄道の起点ウラジオストク駅

全長9297km、ロシア全土を東西に横断する世界一長い鉄道シベリア鉄道。ウラジオストク駅は、モスクワまで続くシベリア鉄道の東の起点駅です。

ヨーロッパ風のクラシカルな駅舎や、美術館のように優雅な待合室は必見。引退したSLやロシアらしい車両も眺められ、鉄道好きでなくても夢中になってしまう人気の観光スポットです。

ウラジオストク駅の近くには、かつて横浜正金銀行として使われていたアルセーニエフ記念沿海州総合博物館もあるので、街歩きの拠点にぴったりです。

荘厳な美しさのロシア正教会

街中に堂々とした姿を見せるポクロフスキー聖堂は、太陽の光を受けて輝く青と金のクーポラが印象的なロシア正教会の教会です。

荘厳な佇まいは宗教に無関心な人でも思わず敬虔な気持ちになるような、厳粛な雰囲気に満ちています。日曜の朝はミサが開かれるので、信仰に捧げる人々の思いや願いを肌で感じることができます。静かに厳かに見学しましょう。

迫力満点のウラジオストク要塞博物館

ウラジオストク要塞博物館は、帝国ロシア時代から旧ソビエト連邦時代まで実際に活躍していた要塞を整備して博物館にしたものです。入口が少々わかりづらいのも、「本物」と思えば納得です。

戦車や砲台、魚雷などが無造作に展示されており、そのスケールの大きさに圧倒されます。直接手で触ることも、写真を撮ることもできます。

ウラジオストク要塞博物館は、ウラジオストクの街の高台にあるので、迫力ある展示物を鑑賞しながら街を一望することができ、砲台の向こうには港が広がる絶景スポットます。

ウラジオストク観光旅行を楽しもう

治安が悪いと言われたのは昔のこと。ウラジオストクは、治安の安定した美しい街です。ほかのどことも違う、エキゾティックでノスタルジックな港町ウラジオストク。女性の一人旅にも優しいので、機会があればぜひ訪れてみたい街の一つです。

悪い輩がまったくいないわけではありませんが、常識的な範囲で危機管理をしておけば危険は回避できます。一番身近なヨーロッパを堪能しに、ウラジオストクを旅してみませんか?

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