イランの治安は悪い?旅行や観光の危険度や注意点も紹介

ペルシャ絨毯やイスラム系のデザインが美しいモスクなどが有名なイランに、特別詳しいという日本人は少ないでしょう。そこで、今回はイラン全体の治安と共に、おすすめの観光名所や治安が悪い場所なども紹介していきます。イランに興味がある人は、ぜひ注目してみてください。

イランの治安は悪い?旅行や観光の危険度や注意点も紹介のイメージ

目次

  1. 1イランの治安は良いの?悪いの?
  2. 2イランとはどういう国なの?
  3. 3イランの観光産業事情
  4. 4イランの治安は?
  5. 5治安の良いイランでも国境付近は注意
  6. 6イラン旅行する際の注意点
  7. 7イランのおすすめ観光スポット
  8. 8治安が悪い国境付近を避けてイラン観光を楽しもう

イランの治安は良いの?悪いの?

イランは中東地域の中心に位置する国で、トルコやパキスタンなどの6つの国と接しています。89年まで反アメリカを掲げており、最近は態度が軟化しているものの、現在でもアメリカとは微妙な関係になっているのです。

そのため、イランにかなり治安が悪いイメージを強く持っている日本人もいるでしょう。しかし、イランと日本は直接関わることが少ないため、イランの治安の実態を知っている人は少ないと思います。

そこで、今回はイランの治安は良いのか悪いのか、確認していきましょう。イラン旅行の際の注意点や治安が良い観光地なども紹介するので、イラン旅行のプランを立てている人は、ぜひ注目してください。

イランとはどういう国なの?

オマーン湾やペルシア湾に面し、トルコやイラクなどの国々と接しているイランは、165k㎡の国土に7900万人が暮らしている国です。首都はテヘランで国民のほとんどがイスラム教を信仰しています。

ユーラシア大陸と西アジアの丁度境、中東エリアの中心に位置するイランは、紀元前から中東エリアの交易の拠点として機能していました。最近では世界で4番目に多いとされる豊富な原油資源を輸入して、経済発展を遂げています。

79年に勃発したイランイスラム革命以降は、イスラム教の教えを基礎にした独自の政治を行っており、アメリカに強く反発することもありました。

しかし、89年に革命の指導者が死去したことで、イスラム共和制の国となり、アメリカへの態度も柔らかくなっています。

また、長い歴史のあるイランには希少価値の高い遺跡が多く残っており、22個もの世界遺産が存在しています。クルド人やロル族などの様々な民族との共存を選ぶ国民性や、89年以降の治安の改善などで、観光客は増え続けているのです。

首都テヘランの特徴

イランの首都であり経済や政治の中心地でもあるテヘランは、750k㎡ほどの広さで人口は1200万人の都市です。古くからイランの首都として栄えてきたテヘランには、大規模な宮殿や博物館、教育施設やショッピング施設などが集中しています。

アルメニア人やユダヤ人など様々な民族が入り混じって生活している都市で、自動車製造や石油の精製などが主な産業となっているのです。言語はほぼペルシア語で統一されています。

また、見応えのある観光地が多く、最近では紀元前6,000年頃と思われる遺跡が発見されているのです。全体的に治安も良いので、多くの観光客で常に賑わっています。

イランの観光産業事情

イランは石油資源によって長年経済発展を遂げてきた国なので、あまり観光産業は発展していません。最近になって観光名所が整備され、徐々に観光客が増えていますが、まだまだ観光客がスムーズに旅行するための整備は進んでいないのです。

また、イスラム教の教えに沿った独特なルールも多い国であるため、旅行中に戸惑ってしまう観光客も多いのです。そのため、スムーズな観光旅行をしたい人には、現地に住むガイドを雇うことをおすすめします。

イランの治安は?

イランは中東エリアの中では比較的治安が良い国とされています。しかし。テロ組織との抗争や内戦などで、まだ治安が安定していない国が多い中東エリアの中心に属するイランには、治安が悪いと危険視されている場所も点在しているのです。

そこで、以下ではイランの治安について、日本の外務省からの注意勧告状況と共に紹介していきましょう。

外務省による危険情報

日本の外務省では、イランで観光旅行を計画する人に向けて、治安に注意を促す勧告を出しています。イラン全域に対して注意勧告を出しているので、観光旅行中は常に安全確保に気を配るようにしましょう。

また、パキスタンとアフガニスタンに接している東端エリアと、イラクに接している西端エリアには、さらにレベルの高い退避勧告や渡航中止勧告が発令されています。

これらの国々ではテロの危険性が高く、武器や麻薬の不正売買などを行う組織も暗躍しているのです。そのため、特にテロ発生の危険度が高く治安が悪い東と西の国境沿いには、観光旅行中に接近しないようにしましょう。

親日家が多い

イランと日本の関係はあまり日本で話題にならないものの、イランには日本に親しみを感じる人が多いようです。そのため、日本人であることを伝えると、とても歓迎してくれるイラン人も多くいます。

イランに親日家が増加した主な理由には、かつてイランがイギリスの支配下にあった時代に起きた出来事とされています。当時イランが自国の石油資源を国有化したことに不満を覚えたイギリスが、イラン周辺の国々にイランの石油の不買運動を強制しました。

石油の輸出によって外貨を得ていたイランは経済的に苦しくなりましたが、日本企業だけが石油をイランから輸入し、イランを経済苦から救ったのです。ちなみに、この時石油を運んでいた船は「日章丸」と呼ばれていました。

この出来事以降、イランには親日家が爆発的に増え、現在でも日本人に親しみを感じるイラン人がたくさんいます。最近では特に日本の人気ドラマや音楽などが、イランでも人気です。

そのため、イランは日本人にとって安全に観光しやすい国と言えます。簡単な日本語ならば通じることもあるでしょう。

テロの可能性は?

イランは中東の国々の中では、政治や経済が安定している国なので、都市部周辺の観光旅行であれば治安を過剰に心配する必要は無いでしょう。しかし、中東の真ん中に位置するイランでは、主にイラン軍を狙ったテロ事件が国境付近で発生しています。

最近でも国境付近でイラン革命防衛隊のバスがテロ攻撃を受け、イラン革命防衛隊のリーダーたちからテロへの報復を宣言しました。

アフガニスタンやイラクなど、テロ組織との紛争が絶えない国に囲まれているイランでは、観光客を狙うテロが起きる危険性も高まっています。

さらに、国外でもテロへの報復を行うと宣言したイラン革命防衛隊に、最近アメリカではテロ組織の認定を下す動きがあるのです。そのため、イランの観光旅行では、イランとアメリカの外交情勢や、周辺国の状況などにも敏感になる必要があるでしょう。

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治安の良いイランでも国境付近は注意

石油の輸出によって経済的に潤っており、政治状況も落ち着いているイランの治安は良いと言えるでしょう。まれにスリや置き引きなどの犯罪が発生していますが、強盗殺人や傷害事件などの発生率はかなり低くなっています。

イスラム教の教えを穏やかに守り、他の民族との共存にも積極的な国民性なので、イラン全体には治安が良く明るい雰囲気が漂っているのです。しかし、アフガニスタンやイラクなど、テロの危険性が高い国と接している国境付近の治安はかなり悪いとされています。

特に国境沿いには日本の外務省からも最高レベルの退避勧告が出ているので、絶対に国境付近は避けるようにしましょう。

イラン旅行する際の注意点

イランには国境付近以外に、特別治安が悪いエリアはありません。しかし、最近貧富の格差がじわりと広がっているイランでは、観光客がスリやひったくりなどの危険な目に遭う事件が各地で起きています。

また、イスラム教を厳格に信仰する人が多いイランでは、観光客による宗教上のトラブルも起きやすくなっているのです。以下では、安全にイランをじっくり観光するために覚えておきたい注意点を、いくつか挙げていきましょう。

スリやひったくりに警戒する

イランには日本人を歓迎する雰囲気があり、都市部や観光地の多い場所の治安も良いので、つい観光に夢中になり荷物管理の意識が薄くなりがちです。しかし、そんな観光客を狙った悪質なスリやひったくりが、日中の都市部でも発生しています。

そのため、イランの観光旅行中には常に自分の荷物をしっかり管理する必要があるのです。大きな荷物を持っている観光客や、大金を持ち運んでいそうな観光客が特に狙われやすいので、持ち歩く荷物の量や金額は少なめにしましょう。

あらかじめ文化を理解しておく

イランにはイスラム教の教えをベースにした文化があります。例えば、イスラム教では飲酒は禁止事項に入っているので、飲食店でもお酒を飲むことはできません。観光客であっても許されませんし、お酒を持ち込むことも法律で禁じられています。

また、豚肉は絶対に食べなかったり、男女共に露出は控え目にしたりなど、様々な文化があるのです。特に男性と女性を区別する意識が高いので、性別に関するちょっとした冗談からトラブルになることもあります。

そのため、イランに入国する前にしっかり文化を学んで、地元の人々とのトラブルが起きないように注意しましょう。

闇両替屋は違法

イランでは「リアル」という通貨が使用されており、物価は日本の物価よりもかなり安く、日本の物価の約3分の1とされています。そんなイラン国内には、闇レートで両替を行う怪しい両替商が多く存在しています。

銀行や空港内では、正式レートでの両替が行われており、現在では1ドルを約130,000リアルに両替されているのです。しかし、闇両替屋では、1ドルを約134,000~140,000リアルに両替しています。

イランでは闇レートでの両替は違法とみなされるので、お得だと思っても闇両替屋での両替は行わないようにしましょう。

女性は痴漢に注意

イランは治安が悪く危険な国という訳ではありません。男女の区別が厳しいイスラム教を信じる国でもあるので、女性1人でも観光旅行できる国とされています。

しかし、女性観光客を狙った痴漢が人通りの激しい場所で起きているので、女性旅行客は痴漢に遭わないように注意する必要があるのです。

イスラム教には、女性は肌や髪を晒してはいけないというルールがあります。そのため、露出が激しい女性観光客は、痴漢犯の目に留まりやすいのです。女性旅行客は、ストールを巻いて極力露出を避けた服装をしましょう。

クレジットカードは使えない

イランではまだクレジットカードが普及していないので、国内のお店のほとんどはクレジットカードでの支払いは拒否されます。そのため、イラン観光では現金をある程度持ち歩く必要があるのです。

しかし、多額の現金をあからさまに持ち歩いていると、ひったくりやスリなどに遭う危険が高まります。持ち歩く金額は必要最小限にしましょう。

イランのおすすめ観光スポット

国境沿いやその周辺エリアの治安は悪いものの、そのエリア以外の治安は良いイラン。そんなイランには観光の良い思い出になるスポットがたくさんあります。そこで、以下ではイランで特に観光客の興味を惹く加工スポットを、具体的に取り上げていきましょう。

イランの観光スポットを探している人は、ぜひ以下で挙げる観光地を選んでみてください。

アラベスク模様が特徴的な荘厳なモスク「イマームモスク」

イランで治安が良い観光スポットには、イランの大都市エスファハーンにある「イマームモスク」が挙げられます。イマームモスクは豪華な装飾で、79年に世界遺産に認定されたイマーム広場のモスクで、荘厳さとイスラムチックなデザインの華やかさで人気です。

美しいブルーを基調にした細かいアラベスク模様も楽しめるイマームモスクは、イランで最も美しい建物とされています。

ヨーロッパとイスラムの建築が融合した「ゴレスターン宮殿」

イランで特に治安が良い首都テヘランで観光地巡りをしたい人には、「ゴレスターン宮殿」をおすすめします。2013年に世界遺産に指定された華やかな宮殿で、現在では博物館の宮殿内を自由に見学できるのです。

鏡が至る所に置いてあることから、鏡の宮殿という異名もついています。イスラム系の建築物の外観をしていますが、内装はヨーロッパの建築技術で整えられているので、イスラム建築とヨーロッパ建築が融合した建物としても有名です。

また、職人によって描かれたポップデザインのタイルで装飾された宮殿内部の壁は、写真撮影スポットとなっています。

貴重なペルシャ絨毯を見ることができる「イラン絨毯博物館」

イランに高級で豪華なペルシャ絨毯をイメージを抱く人は少なくないでしょう。イランの名産品のペルシャ絨毯に興味がある人には、イラン各地のペルシャ絨毯を眺めることができる「イラン絨毯博物館」が特におすすめです。

数百年前のイランで最古のペルシャ絨毯から、最近のモダンなデザインのペルシャ絨毯まで、ユニークに展示されています。ペルシャ絨毯のイランでの歴史や、ペルシャ絨毯の作り方なども詳しく紹介しているので、長時間楽しめるでしょう。

また、付近のバザールでは、リーズナブルな価格でペルシャ絨毯を購入することもできます。

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治安が悪い国境付近を避けてイラン観光を楽しもう

今回は意外と親日家が多い中東の国イランの治安について、詳しく解説しました。イランはテロの危険性が高いとされるイラクやアフガニスタンなどに接しているものの、経済や政治は安定しているため治安は比較的良いと言えます。

しかし、国境付近は治安が悪く危険な事件が発生しやすいため、観光中はくれぐれも注意し立ち入らないようにしましょう。

また、イスラム教徒が多いイラン旅行では、観光前に日本の宗教や文化との違いをしっかり把握しておくことも、安全確保のために大切です。

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