マンチニールの木とは?毒がある触ってはいけない危険な植物を紹介

マンチニールという木をご存知でしょうか。このマンチニールという植物には強烈な毒があり危険であることが知られています。その毒性は木の実だけではなく「木全体」にあり様々な危険性を秘めた植物です。そんなマンチニールについて今回はご紹介します。

マンチニールの木とは?毒がある触ってはいけない危険な植物を紹介のイメージ

目次

  1. 1世界一危険な木のギネス記録をもつマンチニールとは?
  2. 2マンチニールの木とは?
  3. 3マンチニールの木は日本にもあるの?
  4. 4マンチニールの利用価値は?
  5. 5マンチニール以外の毒がある危険な植物
  6. 6マンチニールによる死者は近年では出ていない
  7. 7マンチニールは恐ろしい植物

世界一危険な木のギネス記録をもつマンチニールとは?

「世界で最も危険な木」としてギネス記録を保持していることでも知られる「マンチニール」の木ですが、別名では「死の木」などと呼ばれるほどに毒性を危険視されています。

ほかにも毒性を持った危険な植物はたくさんありますが、危険な木の中でのギネス記録を保持しているほどですから、その危険性は想像に難しくないでしょう。

今回はそんな世界で最も危険な木である「マンチニール」について「その危険性の詳細」や利用価値などをご紹介します。また、日本にもあるのか?ということやマンチニール以外の危険な植物についても取り上げていきます。

マンチニールの木とは?

マンチニールの木につては先にもお伝えしたように「世界で最も危険な木」としてギネス記録を保持している植物です。別名では「死の木」や「死の林檎」などとも呼ばれています。

あまりにも危険なため、マンチニールが生息している地域では、マンチニールの木がある森の入口などに真っ赤な文字で危険を示すための看板が立てられているのが「当然」と言えるほどに警戒されています。

成長した場合は高さ15mほどの樹木で、ツヤのある楕円形の葉っぱと、リンゴによく似た木の実をつけるのが特徴です。もちろんこの木の実にも猛毒があり、間違って食べてしまうと最悪命を落とす危険もあります。

木の実に猛毒が含まれている

先にもお伝えしたとおりマンチニールの木の実は見た目はリンゴに似ていて、「小ぶりのリンゴ」という印象を持つ木の実になっています。

一部の国や地域では浜辺にココナッツやマンゴーに紛れて、このマンチニールの木の実が落ちています。それをリンゴのような実だと思って食べてしまうという流れがあるので、これは注意しなくてはいけません。

マンチニールの木の実の恐ろしいところは、その毒性だけではないのです。それだけ危険な木の実にも関わらず、木の実にかじりつき食べてみると始めは「口いっぱいに甘く心地よい味わいが広がる」のです。

ただ、それは最初のうちだけでわずか数分後には、口の中全体がなんとも言えない違和感に包まれます。そして間もなく燃えるような感覚と傷みが口いっぱいに、そして喉にまで広がっていくのです。

人によってピークは違いますが、2時間後くらいには、何も口にできないし喋ることもままならないほどの傷みが口と喉に広がって傷みが消えるのは8時間超かかるものとなります。

樹液や葉液にも毒性がある

マンチニールの毒性は木の実だけのものではありません。ついつい先入観のようなもので「木の実」に毒があるものと考えてしまいがちですが、マンチニールは樹液や葉液にも強い毒性があります。

たとえば、マンチニールの木の下にいるときに雨が降ってきたとしたら、その木から滴り落ちてくる水に肌があたるだけでも強烈な傷みに襲われることになります。雨水に染み出した樹液や葉液だけでそのような傷みがくるのです。

また、この樹液や葉液は人体だけではなく車の塗装面にもダメージを与えることが知られていて、マンチニールの木が近くにあるようなところで車を止めていると塗装が傷んでしまいます。

木を燃やした煙にも毒がある

マンチニールの木はその実や樹液などだけではなく、「燃やした煙」にも毒があるという恐ろしさです。

マンチニールの木を燃やしたときに出てくる煙が目に入った場合には、目にダメージを与えて角膜などを傷つけます。燃やすことで毒性のある樹液が煙とともに舞い上がってくることになるので、それによってダメージを受けるのです。

通常の煙が目に入ったときよりも当然痛みも強いですが、それだけではなく、深刻な角結膜炎、場合によっては広範囲の角膜上皮欠損を引き起こしてしまう可能性もあります。マンチニールは燃やしたからと言って安心できない樹木です。

Thumb鈴蘭には毒があるの?毒性の種類や症状など気をつける点を解説
愛らしく上品な花として鈴蘭は世界各地で愛されています。しかし、その鈴蘭に猛毒があることは、あ...

マンチニールの木は日本にもあるの?

マンチニールの木は、カリブ地方やアメリカのフロリダ州、中央アメリカ、南アメリカ北部、バハマ、メキシコなどを原産としている植物です。この地域が「原産」と言えます。

そして、マンチニールの木は基本的に、沿岸の砂浜や汽水の沼地にある「マングローブの林の中」に生えているので、日本には生息していません。もし持ち込んだとしても気候などの問題で自生するのは難しいでしょう。

ただし、気候的には無理でもその環境を整えることができれば不可能ではないので、「日本にマンチニールは絶対にない」とはいい切れませんし、沖縄などの一部であれば生息できる可能性はあります。ですがそういった報告はありません。

マンチニールの利用価値は?

マンチニールは「世界でも最も危険な木」ですが、危険なだけでまったく生息している意味がないというわけではありません。

まず非常に優秀で貴重な天然の防風林なのです。その根は砂を安定させることができ、砂浜が浸食してくるのを防いでいる役割もあります。

また、ほとんどの動物・鳥類にも毒性を発揮しますが、一部イグアナの一種はマンチニールの実を食べ、マンチニールの木の幹で生活していることも知られています。これら以外の利用価値も以下にご紹介します。

建材として利用

マンチニールの木は「木全体に毒性がある」ので、利用するのが難しいのですが、カリブ海地域の大工の間では大昔から、何世紀にも渡ってマンチニールの木を建材として利用しています。

マンチニールの木を切り倒してもそこには先にもお伝えした「毒性のある樹液」がたっぷりとついています。ですから、そのまま建材として利用することはできませんし、加工するために触ることも難しいです。

マンチニールの木を建材として利用するためには、切り倒した後、毒性のある樹液が完全に乾ききるまで太陽光によって乾燥させることが必要です。その後であれば、問題なく建材として利用できます。

浮腫治療薬や利尿薬として利用

こちらは「伝承」や「言い伝え」、「そのような話がある」というところなのですが、マンチニール樹皮や木の実は浮腫の治療薬や利尿薬として利用できるとされています。

樹皮については建材として利用するときと同様にしっかりと感想させれば毒性をなくして利用することができますし、木の実も乾燥させることで利尿作用のある薬として利用できると言われているのです。

ゴムの生産

さらに、マンチニールの樹皮は浮腫の治療薬だけではなく「ゴム」を生産することも可能です。特にこれは言い伝えのようなことではなく、このように利用されてきた経緯があるようです。

ただ、アメリカのフロリダ州では、マンチニールは「絶滅危惧種」にしていされているので、自生していくのが厳しい環境になっているとも考えられます。

マンチニール以外の毒がある危険な植物

マンチニールは世界で最も危険な木としてギネスにも登録されているような植物ではありますが、もちろんマンチニール以外にも毒のある危険な植物はあります。

様々なものがありますが、その中でも危険度が高かったり特徴深いものを以下にご紹介しますので、チェックしてみてください。

ギンピ・ギンピ

ギンピ・ギンピはイラクサ科の被子植物で「オーストラリア北東部の熱帯雨林」に自生しているものが「天然」のギンピ・ギンピです。

英名での別名に刺すを意味する「スティンガー」が含まれていて、その名のとおりギンピ・ギンピ全体を刺毛が覆っています。

そしてその棘に刺さった場合は人間にも有毒な神経毒を送り込みます。記録では痛みのピークは2~3日で、その後2週間はひどい痛み、それから2年経っても冷たいシャワーなどを浴びると痛みに襲われる、とあります。

セルベラ・オドラム

セルベラ・オドラムはインドや東南アジアが原産となる植物で、見た目としてはキレイな白い花を咲かせて、マンゴーのような果実を実らせます。

ただし、この果実には強い毒性があり、重度の胃障害や下痢・嘔吐だけではなく不整脈、心不全といった症状を引き起こします。また種を1つでも食べたら数時間以内に症状が現れ、死んでしまうと言われています。

セルベラ・オドラムは別名「自殺の木」と呼ばれていて、自殺志願者が利用するということですが、「安楽死」のようなものではないです。

マンチニールによる死者は近年では出ていない

マンチニールは非常に毒性が強くその危険性はギネス記録にもなるほどですが、近年マンチニールによる死者が出たという報告はありません。

マンチニールの毒性は「致命的な毒性」であることは確かなのですが、数分ですぐに死に至らせるようなものではなく、急いで病院に連れて行って入院し治療を受ければ助かるものとされています。

マンチニールは恐ろしい植物

世界一危険な木であるマンチニールについてご紹介しましたが、その危険な部分は木の実だけではなく木全体に及ぶというところがまた恐ろしいところでもあります。

「実を食べなければ大丈夫」と油断しているとその毒性にやられてしまう可能性があるので、マンチニールに出会った際には注意しましょう。

ただ、万が一毒性にやられてしまってもすぐに死に至らせるようなことはないので、周りの人達は冷静に、かつ、急いで病院に連れていく、救急車を呼ぶようにしましょう。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ