川俣軍司の今現在と生い立ち！深川通り魔殺人事件のその後も紹介

1981年6月17日に東京都江東区にある商店街で発生した深川通り魔殺人事件は、残虐性の高さや子供も犠牲になったことから、大きく報道されました。無差別殺人を犯した川俣軍司は現行犯逮捕され、裁判で無期懲役刑を下されたのです。

今回は、この悲惨な深川通り魔殺人事件の詳細や、犯人の川俣軍司の生い立ちや今現在の生活などについて、取り上げていきたいと思います。この悲惨な事件を振り返った後は、ぜひ最近の衝撃的な通り魔殺人事件についても考えてみてください。

深川通り魔殺人事件は約40年前の事件なので、知っているという人も事件の詳細の記憶は薄れているでしょう。そこで、以下では深川通り魔殺人事件の概要について、分かりやすく時系列順に説明していきたいと思います。

4人の子供も殺害された無差別殺傷事件、深川通り魔殺人事件は、1981年の6月17日の午前中に発生しました。

事件現場は江東区の森下2丁目にある大きな商店街でした。警察が駆け付けた時には、犯人の川俣軍司によって傷つけられた大勢の被害者が、路上に倒れていたのです。

路上には被害者のものと思われる血が流れており、穏やかな商店街が一瞬にして地獄のような場所になってしまいました。

当時29歳であった犯人の川俣軍司は、警察官が到着した時には包丁で淡々と周囲の人を切りつけていました。犯人の周りには傷つけられたと思われる主婦や子供が倒れており、被害者や目撃者たちの悲鳴が響いていたのです。

川俣軍司は、1歳と3歳の幼児と、子供達の母親、たまたま通りがかった女性1名の合計4名を、問答無用で刺し殺してしまいました。

被害者となった子供達とその母親は、日ごろから商店街を利用しており、商店街の人々とも面識があったようです。母親は幼い子供達を庇うようにして息絶えており、子供達は一瞬にして命を奪わてしまった様子でした。

4名の命を奪った川俣軍司は、警察官が駆け付けたことを知ると、通行人の女性を連れて付近にあった中華料理店に立てこもりました。中華料理店は当時営業しておらず、中には中華料理店の従業員や店主の家族などがいたそうです。

家族や従業員はすぐに勝手口から逃げましたが、通行人の女性は人質として2階に連れていかれいかれてしまいました。警察官は中華料理店を囲み、川俣軍司を説得しようとしたのです。

川俣軍司は無言で中華料理店の2階に立てこもり続け、警察からの説得にも一切応じませんでした。膠着状態が続き、人質の女性の安否が心配されていた午後6時頃、人質だった女性が自力で中華料理店から脱出したのです。

この直後に待機していた武装警察隊が店に突入し、包丁を振り回していた川俣軍司を拘束しました。この時、川俣軍司は錯乱状態であり、支離滅裂な言葉を叫んでいたのです。そのため、現場にいた警察官は、川俣軍司の覚せい剤中毒を疑ったそうです。

逮捕された直後の川俣軍司は、白いブリーフと靴下という異様な服装をしており注目が集まりました。さらに、逮捕後には惨い無差別殺傷事件を起こした川俣軍司の素性に関する報道が多く流れたのです。

その報道にょって、川俣軍司は事件前に逮捕されており、出所後してから2ヵ月後に事件を起こしたことが分かりました。そのため、危険な川俣軍司を釈放してしまった警察にも、非難の声が挙がったのです。

悲惨極まりない深川通り魔殺人事件の犯人である川俣軍司は、どのような生い立ちの人物なのか、知りたいという人は多いでしょう。そこで、以下では、気になる川俣軍司の経歴について、詳しく取り上げていきましょう。

川俣軍司は1952年に茨城県鹿島郡の貧しい実家で生まれ、父親はシジミ漁を専門に行う漁師だったようです。しかし、そのシジミ漁による収入だけでは生活は苦しく、川俣軍司が誕生した頃の家系は火の車でした。

そのため、母親は生まれたばかりの川俣軍司にミルクを与えることができず、重湯を与えて育てたそうです。

地元の小学校に通うようになった川俣軍司は、かなり大人しく友達は少なかったようでした。また、成績はあまり良い方では無かったそうです。

地元の中学に進学した川俣軍司は、園芸部に所属していました。性格は内向的なままで、よくニタニタと笑うことから、同級生から「ニタリスト」というあだ名でからかわれることがよくあったそうです。

川俣軍司は両親から高校進学を勧められたものの、経済的に苦しい実家を救うために手に職をつけたいという想いから、就職の道を選びます。中学卒業後は上京し、東京築地の寿司店で住み込みで働き出すのです。

板長や先輩従業員とは打ち解けており、「軍ちゃん」というあだ名で呼ばれていました。しかし、3年後に入ってきた後輩との人間関係に悩み、退職してしまうのです。その後、川俣軍司は職を転々とする生活を送ります。

川俣軍司は19歳の頃、生活を立て直そうと地元に戻り、地元の寿司店で働きながら車の免許を取得しています。免許取得後はトラック運転手に転身しますが、すぐに辞職してしまいます。

その後、再び東京に戻り、東京の建設会社に就職しますが、その会社でも上手くいかず辞めてしまうのです。また、川俣軍司はこの頃から酒を飲み、通行人からお金を奪ったり、酒の席で他人に暴行を加えたりすることが増え、恐喝罪や暴行罪で逮捕されています。

懲役刑を受けて刑務所で過ごすことも増え、川俣軍司は父親の強い勧めで1977年に地元に戻り父のシジミ漁を継ぐのです。しかし、キレて暴れ両親に暴力を振るうようになったため、両親は軍司の兄弟の家に移り住むのです。

川俣軍司は、26歳頃に地元の居酒屋で知り合ったヤクザから覚せい剤を勧められ、覚せい剤を使い始めてしまいます。その後も、職を転々としながら傷害事件も起こし、ついにはシジミ漁を手伝っていた弟からも見放されてしまうのです。

覚せい剤の量も増えていき、事件直前には重度の覚せい剤中毒者となっていました。また、20代の頃にはほとんど家業であるシジミ漁はしておらず、弟がシジミ漁を引き継いでいたそうです。

川俣軍司は、なぜ深川通り魔殺人事件を起こしてしまったのでしょうか？裁判においても、川俣軍司の動機に注目が集まったのです。以下では、川俣軍司が事件を起こした理由に迫っていきましょう。

川俣軍司は事件を起こす前日に、都内の寿司店で板前アルバイトの面接を受けています。事件当日川俣軍司は、面接結果を聞くために事件現場近くに訪れたのです。

生活に困窮していた川俣軍司の所持金は180円ほどで、板前の経験もある川俣軍司は受かると思い込み、仕事用の柳刃包丁も用意していました。

しかし、不採用という結果を伝えられ怒りで我を失い、持っていた包丁で商店街の人々を切りつけたと、川俣軍司は裁判で語っています。

裁判において川俣軍司は、幸せそうな子供がいる家庭が羨ましかったとも語っています。幼少期から貧しい生活を送り、仕事で忙しい両親にもあまり愛情を与えられずに育った川俣軍司は、温かい家庭に憧れていたようです。

しかし、思うように仕事が続かない上に、覚せい剤の使用や素行の悪さで家族関係も悪くなっていた川俣軍司。商店街を歩く幸せそうな母子を見て、憧れが憎悪に変わってしまったのでしょう。

深川通り魔殺人事件は、川俣軍司の祖父の怨念によって引き起こされたという噂もあります。実は、被害者となった長野るみ子さんの祖父が、川俣軍司の祖父を過去に殺めていたのです。

川俣軍司は、逮捕後にずっと不可解な電波による被害を訴えていたことから、このオカルトチックな噂も広まっていきました。

しかし、川俣軍司は当時覚せい剤中毒状態であり、統合失調症と疑われる精神病を発症していたため、この噂の信憑性は低いでしょう。

川俣軍司は悲惨な無差別殺傷事件を起こした後、すぐに逮捕され裁判にかけられました。以下では、川俣軍司に下された刑罰や事件のその後の展開について、詳しく見ていきましょう。

川俣軍司は裁判において、無期懲役刑が下されています。度重なる覚せい剤乱用や恐喝罪を犯してきた川俣軍司は、裁判においても支離滅裂な言葉ばかりを発しました。

さらに、被害者やその遺族に対する謝罪の気持ちや反省の態度も見せなかったことから、無期懲役刑という重い刑罰が決定したのです。

幼い子供2人も残虐に殺害した川俣軍司には、死刑を望む被害者の遺族も多くいました。また、死刑が下ると面込んでいる人も多く、無期懲役という判決が出た時には、多くの人が驚き悔しい思いをしたのです。

裁判官は、死刑でない理由に、事件当時川俣軍司は追い詰められており、正常な精神状態ではなかったということを挙げています。

悲惨な深川通り魔殺人事件は、当時世間に大きな衝撃を与えました。繰り返しメディアで扱われる事件となり、1983年にはドラマにもなったのです。人気俳優の大地康雄さんが主人公の川俣軍司役で出演し、迫真の演技で注目を浴びました。

さらに、約26%という高い視聴率を記録したのです。大地康雄さんのリアリティのある演技から、本物の川俣軍司が出演しているという、とんでもない噂も流れました。

覚せい剤の問題や家族の問題なども背景にある「深川通り魔殺人事件」は、1983年に書籍化され文藝春秋から出版されています。直木賞を受賞しているベテラン作家佐木隆三さんが執筆したノンフィクション小説で、ベストセラーとなりました。

世間を震撼させた「深川通り魔殺人事件」は、超人気落語番組「笑点」でレギュラー出演している、落語家の三遊亭小遊三さんに、大きな影響を与えているのです。

三遊亭小遊三さんは「笑点」出演中に、「悪人」や「泥棒」という言葉を使った自虐風のネタを披露しています。今現在もその自虐風のネタを使うことが多く、なぜ悪いイメージの無い三遊亭小遊三さんがそのよな自虐をするのか、気になっている人もいるでしょう。

事件が起きた後、犯人である川俣軍司の顔と名前が報道されると、三遊亭小遊三さんは自分と似ていると思ったそうです。そして、事件後の笑点で、三遊亭小遊三さんは悪人風の嗜虐ネタを披露しました。

ファンの中にも三遊亭小遊三さんと川俣軍司の顔が似ていると思った人は多く、この自虐ネタは笑いを誘ったのです。通常ならば自分のイメージのマイナスになることを、自分のネタに利用してしまう三遊亭小遊三さんのタフさと賢さには、驚きでしょう。

無期懲役刑を下された川俣軍司は、今現在どのような暮らしを送っているのでしょうか？以下では、気になる川俣軍司の今現在の生活について、詳しく調べていきましょう。

非道な無差別殺人事件の犯人川俣軍司の今現在に関心がある人は、ぜひ注目してみてください。

今現在、川俣軍司は刑務所で服役生活を送っています。死刑は免れたものの、生きたまま刑務所の外に出ることはできないようです。また、覚せい剤を長年使っていたという川俣軍司は、判決を受けた後しばらく、覚せい剤の禁断症状に苦しめられたのでしょう。

覚せい剤の禁断症状も無くなったと思われる現在は、冷静に自らの犯した重い罪と向き合っていることを祈るばかりです。

川俣軍司は今現在服役を続けていますが、いつか釈放される日が来るのではと不安に思っている人もいるでしょう。しかし、無期懲役刑は基本的に仮釈放も無い、厳しい刑罰です。

模範囚であり、完全に更生したと認められた場合は、稀に無期懲役刑の囚人にも仮釈放が認められます。しかし、このようなケースはかなり珍しく、川俣軍司は裁判でも反省の色を見せなかったため、川俣軍司が仮釈放される可能性は無いと言えるでしょう。

ちなみに、川俣軍司の父親は無期懲役刑であっても釈放されると思い込んでおり、川俣軍司に面会の際に、釈放の話をしたそうです。その話を真に受けた川俣軍司は喜び、刑務所から出ていく準備までしたという逸話があります。

この逸話からも、川俣軍司が事件を反省している様子は伝わってきません。

今回は、川俣軍司が起こした残虐な事件「深川通り魔殺人事件」について、詳しく取り上げました。2人の幼気な子供と2人の女性が犠牲になったこの悲惨な事件は、犯人の川俣軍司に無期懲役刑が下るという結末になりました。

今現在も悲惨な通り魔事件は時折起きています。この惨い事件を風化させず、通り魔事件が起きてしまう背景を、ぜひ時々考察してみてください。