御殿場事件の真相！井上さゆりが冤罪で逮捕させた？犯人の現在とその後

御殿場事件といえば御殿場市冤罪事件として有名です。御殿場市で起きた御殿場事件では、被害者の次々に変わる証言や、検察などの圧力など様々な問題をはらんだ事件であるとして、マスコミなどに大きく取り上げられました。

御殿場事件は本当に冤罪事件だったのでしょうか？また、被害者の弟の自殺についても問題点が挙げられています。まずは御殿場事件の概要についてみていきましょう。

2001年9月16日の御殿場市にて御殿場事件は起こりました。娘である井上さゆりさんへ帰りが遅くなった理由を母親が尋ねたところ、JR御殿場駅近くの公園で中学生の頃の同級生ら複数の男に強姦されそうになったという言葉が返ってきました。

事態を重く見た母親は、すぐさま警察へ連絡しました。被害届が正式に提出され、御殿場事件は刑事事件となりました。

御殿場市で起きた御殿場事件の加害者とされる少年達はアリバイとしてバイト先のタイムカードや目撃者の存在を挙げましたが、検事側はそれらはねつ造されたものであると発言。御殿場事件を有罪へと運んでいきました。

実は、御殿場市で起きた御殿場事件の発端である少女井上さゆりの証言はまったくの嘘でした。実際に帰りが遅くなったのは、出会い系で出会った男と遊んでいたからなのでした。

加害者らの自白によって御殿場事件の調査は進んでいきました。しかし、御殿場事件の重要な証拠であるこの自白も警察や検事からの圧力によって無理やり言わされたもののようです。

御殿場事件の被害者である少女の発言は犯行日時すらころころと変えるなどと、客観的に見て信頼性に欠けるものでした。しかし、裁判は加害者らを有罪にする前提で進んでいるかのように御殿場事件の裁判はスムーズに進んでいきました。

御殿場市で御殿場事件が起きた当時は親告罪であった強姦及び強姦未遂事件。御殿場事件はその性質上、裁判の結果は証言を重視して決められていました。御殿場事件の裁判は一貫して、少女の証言をもとに加害者らが実際に犯罪を犯した前提で進んでいきました。

公正な判断が必要とされる裁判が裁判官の主観によって進められたこと、検事側の圧力によって事実が捻じ曲げられたこと、被害者ら少年たちが反抗できる手段が全くなかったことなどが御殿場事件で注目されるポイントでしょう。

正義とは何か、御殿場市での御殿場事件は日本の司法制度の問題が大きく表れた事件となりました。

御殿場事件の発生当時は未成年だったため、関係者の名前は伏せられていましたが、今では成人となったので実名が明かされています。御殿場事件の被害者だった少女の名前も明らかとなりました。

御殿場市で起きた御殿場事件の害者である少女の実名が公表され、井上さゆりという名前であることが明かされました。未成年の犯罪による事件については、将来のために通常であれば実名を伏せられることが一般的です。

御殿場事件などの事件について実名を報道されるということは、その人のプライバシーに大きくかかわる出来事です。場合によっては人権や平和な日常が脅かされる危険性があります。

一方で、成人した人物が起こしたとされる事件については実名で報道されるのが日本では原則とされています。これは、実名による事件の情報の正確さや、警察などが公権力を執行するのを一般人が監視するためとされています。ただし、容疑者の段階で犯罪者かのように実名を報道されていることや、実名を報道された人の名誉を傷つけてしまうなどの問題点もあります。

実名によって様々な問題が起こる事態を防ぐため、事件情報の提供者の安全を確保したいときや、風評被害や次なる事件が起きる可能性がある場合などには実名ではなく匿名で報道されるようになっています。

前述したとおり、未成年の犯罪における事件でも実名を出さずに匿名で報道されることが適応されます。そのため、御殿場市で起きた御殿場事件では容疑者は実名ではなく匿名で報道されました。

それでは、冤罪事件で有名な御殿場事件の被害者となった少女とはどういう人物なのでしょうか。最初に御殿場事件が起こったとされる日に、母親から追及された理由は帰りが遅くなったからでした。母親へは強姦未遂が起きたから遅くなったと答えましたが、実際は出会い系で出会った男と遊んでいたからでした。

御殿場事件が起きたとされた日、遊んでいた男に少女はこう発言していたようです。「遅くなった理由は誰かのせいにする」。このことから考えられることは、御殿場事件の被害者である少女は男遊びで家に帰るのが遅くなるのが常習化していたのではないかということです。

また、自分が行ったことを隠すために平気で人を陥れることができる人物であるとも読み取ることができます。事実として、自分が不利になると事件の詳細について語る証言を変えるなどの行動をとりました。

御殿場事件における事実をひたすら隠し、いくつもの嘘をついた少女の目的は一体何だったのでしょうか。それは嘘を隠し通すことだったと考えられます。一つの嘘をつけば、その嘘を隠すためにさらなる嘘をつかなければならなくなることは、日常生活でもよくみられる光景です。

御殿場事件は、そんな少女を利用し、検察側はメンツを守るために少女の弱い部分を利用した用にも見えます。
 

井上さゆりさんと同じように御殿場事件が起きた当時未成年だった加害者たちでしたが、今では成人し、実名が公表されています。彼らの御殿場事件当時のアリバイについて見ていきましょう。

御殿場事件において容疑者とされたのは10人でした。

事件を起こしたとされるこの10人に対し、静岡家裁沼津支店は高校2年生の4人に対しては検察官送致、高校1年の4人に対しては少年院送致、残りの高校生1人に対しては試験観察処分、中学3年生の1人に対しては保護観察処分を命じました。

容疑者は、まずはじめに井上さゆりさんからの証言で1人が事情聴取を受け、卒業アルバムなどの写真から仲がいい人をピックアップさせ、容疑者を集めたようです。容疑者の1人は井上さゆりさんと同級生で、同じアルバムに写真が載っていたようです。

少年たちは御殿場事件が起きた当初犯行を否定していましたが、警察の取調官から自白すれば罪が軽くなると言われ、御殿場事件での犯行を認めてしまいました。

高校2年生の4人に実刑判決が下されると、保護観察処分とされていた中学生1人も保護観察を取り消し、事件はその後、実刑判決となりました。

高校2年生の4人は、その後自白を取り消したため検察官から起訴されました。御殿場事件の裁判は10年に渡り続けられ、他の容疑者たちよりも遅れてしまい事件後刑務所を出所したのは2010年の8月となりました。

御殿場事件において、少女ら関係者の写真は公表されていません。事件当時は未成年だったため当然ですが、その後成人した今でも写真が公表されていることはないようです。通常こういった事件の資料となる写真は、テレビ局が取材をするか一般の人からの提供が主流のようです。

写真の取材や提供には個人情報や、倫理的な問題がありますが、SNSなどで手軽に写真を共有することができる今日、御殿場事件に関する写真が世に出回る可能性はないとは言い切れないでしょう。

しかし、もしも事件に関わる写真を手に入れた場合は、その扱いに注意しましょう。無断で個人写真を流出させることは、プライバシーの侵害や肖像権に関わります。

御殿場事件のような有名な事件では、情報として写真などを欲しがる人も少なくありません。決して安易に手渡したりしないようにしましょう。

また、そのような写真を見かけた場合は警察などへすぐに連絡しましょう。写真のような個人情報の取扱については個人で対処することは困難です。

御殿場事件が起きた当時はアルファベットによって匿名が使われ、写真などの顔がわかる情報などが規制されて報道されていた4人の容疑者たちでしたが、御殿場事件から10年以上たった事件その後の今では名前が公表されています。

しかし、写真については公表はありません。それぞれ河合裕二さん、勝俣貴志さん、堀内聡太さん、勝亦信二さんには御殿場事件が起きた時間にアリバイがありました。

実名が報道されたうちの1人である堀内聡太さんは、御殿場事件発生当時は両親の仕事のお手伝いをしていたようです。堀内聡太さんを目撃したお客さんの存在も多数あったようです。

しかし、検察には御殿場事件関係者と口裏を合わせている可能性があると却下されてしまいました。

河合裕二さんは、御殿場事件発生時にアルバイトにいそしんでいたようでした。タイムカードという証拠もありましたが、検察はこれをねつ造したものであるとし、御殿場事件における証拠にはならないと却下されてしまいました。

検察側は、友人やバイト先の関係者は御殿場事件の加害者らを擁護するために事実をねつ造していると発言していました。

そこで御殿場事件の加害者らとは全く関係のない第三者の目撃者などが証言台にたつこととなりましたが、検察側は圧力をかけてこれを阻止し、御殿場事件の判決が無罪となることを防ぎました。

御殿場事件の加害者とされた容疑者たちは、みな未成年のうちから喫煙などをしていた不良だったようです。御殿場事件関係者の中には暴力団関係者とのつながりがあるものもいたとのことでした。そうした事実から、強姦をしようと御殿場事件を起こしてしまったのではないかと疑われました。

容疑者を絞る事件の捜査段階において、こうした過去の悪行は重視されてしまうことが多いようです。他の事件においても、過去に暴行事件などがある場合にはまっさきに疑われるケースは珍しくありません。

御殿場事件も例外ではなく、暴力団関係者とつながっていたり、未成年のうちからの喫煙などのイメージから、御殿場事件の容疑者であると思われてしまいました。

御殿場事件についての概要や、被害者と加害者について詳しくみてきました。それでは御殿場事件の裁判は実際にはどのような運びとなったのでしょうか。

御殿場事件は裁判となり、まずは容疑者たちのアリバイが調べ上げられました。前項で述べた通り、御殿場事件発生当時、彼らにはアリバイがありましたがそれらが御殿場事件における無罪の証拠となることはありませんでした。

容疑者らは取り調べを連日受けることとなり、御殿場事件発生当日の9月16日に強姦未遂を行ったことを認めました。しかし、この事実はその後の御殿場事件裁判の中で自白を強要されたとし、強姦未遂を行った事実はないと発言しています。

容疑者たちが自白し、御殿場事件の判決は有罪となると思われましたが、不自然なことが一点ありました。御殿場事件発生後、井上さゆりさんは容疑者たちから逃げ、コンビニから母親へ連絡をしたという発言をしました。

しかし、その時間に御殿場事件の被害者である井上さゆりさんがコンビニへ行ったという事実はなかったのです。

コンビニ店員によると、井上さゆりさんをコンビニで見たという事実はなかったようです。また、決定的だったのは、御殿場事件発生当時の井上さゆりさんの着信履歴でした。もし、本当にコンビニから母親へ事件が起きたあと連絡したとしたならば着信履歴が残るはずなのですが、実際に事件のその後形跡は見つかることはありませんでした。

井上さゆりさんの嘘がばれると、井上さゆりさんは証言を改めました。御殿場事件が起きた日は9月9日だったと日付を変えたのです。

御殿場事件を担当した裁判官はこの証言の変更を受け入れ、井上さゆりさんの嘘は深くは言及されずに論点はその後、御殿場事件の中で強姦未遂が行われたか否かという方向になっていきました。

御殿場事件裁判での井上さゆりさんの発言には一貫性がなく、話が二転三転とするようになりました。しかし、裁判官はそれを追求せずにまるで故意に御殿場事件の判決を有罪へと導くような論調で裁判を進めていくのでした。

先ほども述べた通り、御殿場事件当時親告罪であった強姦、強姦未遂はその事件の性質上、物的証拠を集めるのが難しいとされています。そのため、事件の被害者や加害者の証言に重きが置かれる裁判となることが多かったようです。

裁判では、痴漢冤罪などでは特に顕著ですが、事件によっては女性が被害にあったときに男性側は非常に不利な立場になることも多いようです。御殿場事件も例にもれず、そういった性差別的な判断が下されてしまったのかもしれません。

御殿場事件の犯行が行われた日付を変えたことにより、新たな矛盾が発生しました。当日は、台風の影響で御殿場市一帯では大雨が降っていました。強姦未遂事件は公園で行われたとの証言がありましたが、大雨のなかそのような行為が行われることは不自然です。

また、井上さゆりさんは御殿場事件当日に雨は降っていなかったと証言しましたが、御殿場市の事件現場から550メートル離れた雨量計では確かに降水量を記録していました。

にもかかわらず、事件の証言を次々と変える井上さゆりさんに対し検事や裁判官側は特に言及することなく井上さゆりさんの証言のみを証拠として御殿場事件の裁判を続けていきました。

御殿場事件裁判は異質であると、当時報道などで情報を得た世間の人々は感じたようです。確実性に欠けた証言の上でのみ成り立つこの強姦未遂事件は、果たして本当に行われたものなのでしょうか。

一般の人でさえ、御殿場事件の異質さに気づく一方で、御殿場事件を担当した裁判官は一貫してまるで井上さゆりさんを擁護するかのような裁判を続けました。

事件や裁判は、人の人生を大きく変えてしまうこともあります。裁判官には公正で確実な判断が求められます。しかしながら、この裁判を担当した裁判官にはそれを感じることができないという意見が多かったです。この御殿場事件裁判で、多くの人が司法について不信感を抱くこととなりました。

御殿場事件後に裁判官へのインタビューなどが行われたようですが、御殿場事件を担当した裁判官は自分に責任はないとの考えをしめしました。

御殿場事件は冤罪が確定しているわけではないですが、その可能性が十分に考えられる裁判であることは事実です。御殿場事件を担当する裁判官としてこのような態度をとるのはあまり適切ではないという意見が多くみられました。

御殿場事件の大まかな流れをまとめてきましたが、実際に御殿場事件にはどのような判決が下されたのかを以下で詳しく見ていきましょう。

高橋祥子裁判官は2005年10月27日に御殿場事件の加害者らへ懲役2年の実刑判決をくだしました。事件の被害者である井上さゆりの証言については、部分的に嘘が見られたものの、その理由は了解できるものであるとして、信用に足るものであると支持しました。

御殿場事件当時雨が降っていたことに関しては、第一審の裁判の中で大きく取り上げられることはなかったようです。

御殿場事件の第一審を被告人側は即日告訴し、東京高裁にて第二審が開かれました。第二審では、第一審ではあまり触れられなかった事件中の雨について大きく取り上げられることとなりました。

井上さゆりさんは、天候ははっきりと覚えておらず、事件が起きた前後では雨が顔にかかったような気がしたとの供述をしています。

御殿場事件当時、御殿場市の降水量は夜の間最高で3ミリメートルの降水量を記録しており、30分を超える雨のやみ間があったとは考えにくいと弁護側は発言しましたが、事件現場から700メートルほどのところへ設置された雨量計では0.00ミリメートルが記録されていると被告人側の主張を退けました。

結果、その後2007年8月22日の判決では第一審での判決が破棄され、御殿場事件裁判は軽減された懲役1年6か月という結果になりました。

雨の件は、事件現場から近い2か所の計測機で0.00ミリメートルが記録されているということから、井上さゆりさんの証言に誤りはないとしました。

御殿場事件裁判の第二審を終え、被告人らは1年6か月もの間懲役刑となりました。

その後彼らは井上さゆりさんに対し2000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしましたが、棄却されてしまいました。

第二審の判決の結果、加害者らは1年6か月の懲役刑となりました。果たして、この事件に対する判決は正しいものだったのでしょうか。御殿場事件の真相についてみていきましょう。

御殿場事件は冤罪だったのか、そうでなかったのかどちらだったのでしょうか。

真相は、当事者のみが知るためわかりません。井上さゆりさんの証言は犯行日時が変わったり、天候などの現場環境の不自然さが注目されましたが、加害者らの証言が嘘であった場合は正しい証言であるといえるでしょう。

事件当日の雨についても、現場付近の降水量の記録などから一概にもありえないことであるとはいえません。しかし、容疑者らが実際に事件の犯行へ及んでいた場合、アリバイを証言した人たちの発言に疑問が残ります。

一方で、事件が冤罪だった場合は井上さゆりさんの動機や、検察や裁判官側の対応などが疑問に残ります。多くの証拠を握りつぶし罪のない人へ懲役刑が下されたとしたら大きな問題となります。

容疑者らが負った罪は、今後の人生にも大きくかかわることです。正しい裁判が行われなかったことにより、多くの不幸を生み出してしまったこととなります。

また、井上さゆりさんは弟についてどう思っていたのかも気になる点です。井上さゆりさんの弟は事件によって精神的に追い込まれてしまい自殺をしてしまいました。もしも冤罪だとしたら、井上さゆりさんのついた嘘によって弟は自殺してしまったということになります。井上さゆりさんの弟について考えると、この事件の闇の深さを感じることでしょう。

第三者である一般人では、その真実を知ることはできません。多くの謎や不信な出来事があり、この事件は非常に不透明でした。

第三者から見て、今後の裁判では文句のつけようがなく納得できる判決となるようにしてほしいと願う人が多く、御殿場事件は日本の司法制度について大きな見直しが必要なのではないかと考えさせられた事件でした。

裁判中井上さゆりさんの事件に対する証言が変わったことについて、そうせざるを得なかった理由があったとして深くは言及されませんでした。よって、偽証罪とはなりませんでした。

偽証罪には物的証拠が伴いにくく、その判断は難しいとされます。たとえ真実であっても、場合によっては検察と反対の意見を述べたことによって偽証罪に当たってしまうケースも考えられます。

御殿場事件の裁判は、証拠が出にくい罪をどう判断していくべきか、司法制度の様々な問題が露見された事件でした。

様々な波紋が広がった御殿場事件でしたが、関係者の事件のその後はどのようになったのでしょうか？井上さゆりさんやその家族、容疑者たちの事件のその後にせまります。

井上さゆりさんの現在については詳しい情報は明らかになっていはいませんが、御殿場事件があったことによって地元には住めなくなってしまったようで、事件後は別の土地で現在生活をしているようです。

また、御殿場事件についてのインタビューを試みたテレビ局もありましたが、一切の発言をせず何かを隠しているような一面も見られます。

井上さゆりさんの弟は御殿場事件をきっかけに自殺をしてしまいました。その因果関係は不明ですが、裁判を起こしてしまったことによるなんらかの圧力があったとみて間違いないでしょう。

御殿場事件が冤罪事件ではないかといわれているのは、井上さゆりさんの弟の自殺も大きな要因となっています。自責の念に駆られた井上さゆりさんの弟が、自殺してしまったのではないかという考えです。

この事件が冤罪かどうかはさておき、事件に関わった被害者の弟が自殺してしまった事実は、報道や裁判の方法に問題があったのではないかという疑問がわきます。適切な報道や裁判が行われていれば、被害者の弟は自殺せずに住んだかも知れません。御殿場事件は、被害者本人とその容疑者だけでなく、被害者の弟までを不幸にしてしまった事件でした。

御殿場事件の容疑者となった少年たちは、少年審判によって装置されなかったものは前科がつかずに住んだものもおりました。そういったものたちは結婚をしたり、仕事にいそしんでいたりとごく普通の生活を送っています。

しかし、中には高校を卒業できなかったものや大学進学をあきらめたものもおりました。そういった彼らは井上さゆりさんに対し、損害賠償請求を求める民事訴訟を起こしました。しかし、その訴訟は却下され、その後再審を行うことはありませんでした。

御殿場事件から10年以上たつ現在では、容疑者となった少年たちは社会人となっています。しかし、決して本人たちが望んだ仕事や地位につけているかというと、そうではありません。前科が残ってしまった以上、それは様々な事柄へ大きな影響を与えます。

しかしながら、損害賠償請求が却下されて以降は、その家族も大きな動きを見せることはありませんでした。変わることのない現実に、あきらめてしまったのかもしれません。

御殿場事件のように冤罪が疑われる事件は少なくありません。以下で代表的な事件を紹介していきます。

被害者は当時6歳の女の子でした。母親と長男と長女の4人でアパートを借りて暮らしていましたが、2010年11月28日の午前5時に火災が発生してしまいました。長男と長女がとなりに住む男性へ助けを求め、火事は収まりましたが次女が行方不明でした。

119番通報され到着した消防隊と警察菅が捜査したところ、発見されたのはアパートの近くの側溝からでした。次女は息をしておらず、急いで病院へ搬送されましたが1時間半後に死亡が確認されました。

事件が起きた時間帯に、アパート周辺で怪しい人物の目撃情報がありました。犯人は次女を呼び出し殺害、家に火を付け闘争したと考えられました。容疑者として母の元交際相手である男性が逮捕されました。

決めてとなった証拠は、次女に衣類についていた男性のDNAでした。しかし、事件現場と考えられているアパート室内には、その男性の諮問や髪の毛などは発見されておりませんでした。さらに、身元不明の第3者の諮問や毛髪が発見されました。

そのことから、次女を殺害した犯人は母の元交際相手ではなく別にいるのではないかとの見解もあります。しかし、以前から母へ暴行や嫌がらせを行っていたため、動機は十分あると判断され、母の元交際相手が逮捕されるという形になりました。

2009年6月12日に滋賀県米原氏のし尿処理タンクから女性の死体が発見されました。女性は6月10日に退社後、行方不明となっていたそうです。死亡推定時刻は6月11日で死因はタンク内の汚泥を吸い込んだことによる窒息死でした。

しかし、頭部には強く殴られたような跡がありました。警察はこの事件を他殺であるとし、捜査を始めました。

容疑者とされたのは不倫関係だった男性で、以前から被害者は暴力を受けていたようです。また、容疑者は11日のアリバイがなく、動機も十分であるということで懲役17年の判決が下されました。

有罪判決となるまでに、証拠となるような様々な情報が報道されましたが、実はこれらのほとんどが誤報だったようです。

また、被害者は頭部を何度もたたかれており、加害者には返り血が浴びせられるような状態であったにもかかわらず、犯行に使われてたとされる車には血痕が確認されませんでした。

容疑者は無実を主張し最高裁まで上告しましたが、結果は却下されてしまいました。

2008年10月1日、大阪府大阪市にある個室ビデオ店で放火事件が発生しました。事件発生時に店内にいた人へ捜査が入り、3人の身元不明人が発見されました。

火元となった部屋にいた男性も、そのうちの一人で、事件発生時には生活保護を受け多額の借金がある状態でした。

男性ははじめ、自分が火をつけたと供述していましたが、のちに無実を主張しました。取り調べで警察官に怒られ怖くなったため、嘘をついてしまったようでした。

現場は火災が起きたにもかかわらず対処が遅く、防火システムも一度管理人の勘違いで止められてしまったことから、被害が大きくなってしまいました。結果、15人が死亡、10人が重軽傷を負うこととなりました。

御殿場事件のように冤罪と思われる事件は多数存在します。冤罪をなくすためにはどのようにしたらよいのでしょうか。

冤罪となるような事件には、物的証拠がなかったり、それが十分な証拠となりえないとみなされることが多いです。

そういった事件では、自白による供述が判決の内容へ大きく影響します。冤罪と思われる事件では、一度犯行を認めたあと、それを嘘だと供述する傾向が強いですが、これは適切な取り調べが行われていないことに起因するケースがみられます。

そのようなあやふやな供述が判決へ最も影響を与えるという問題点、それが御殿場事件からみえた大きな冤罪事件をなくすための大きな課題でした。

また、被害者の弟が自殺してしまったことから、事件を取り上げる報道や裁判の仕方についても問題があるという見方もあります。被害者の弟など、関係者が不幸にならないような報道や裁判を行う必要性についての問題点もこの事件にはありました。

TBS系の日曜劇場で2016年5月17日から放送されていた「99.9 -刑事専門弁護士-」というドラマがありました。このドラマは、冤罪事件などに主眼をおいて作られたドラマでした。中にはこの御殿場事件そっくりの事件を扱ったこともあります。

残念ながら報道から得られる情報には限りがあります。容疑者や被害者の人物像や、それに伴う裁判官の心証はわかりにくい事件も多く見られます。しかし、事件の性質によってはそれらが重要な情報であるとして判断されることもあります。

限られた情報から、人物像などを想像するのはときに真実からは離れてしまうこともあり、いささか危険な行為ではあります。しかし、事件を報道された情報だけでなく様々な観点からみることも必要なことです。

「99.9 -刑事顧問弁護士-」のような重大事件を取り扱ったドラマは、事件を報道とはまた違う方向から見ることができます。冤罪事件をなくすためにも、今一度事件や報道にたいしての向き合い方を変えてみることも大切かも知れません。

冤罪を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。第一は、適切な取り調べを行い正確な情報を集めることでしょう。また、被害者の弟の自殺といったような悲劇を起こしてはいけません。被害者の弟が自殺まで追い込まれることのないよう、報道や裁判が行われるべきでした。

また、取り調べや判決には世間からの意見も作用します。事件が報道されたときに、メディアの情報をうのみにするのではなく、きちんとすべてを整理したうえで発言をするべきでしょう。

そのためには、冤罪事件についてもっと世間へ注目を集める必要があります。本記事でも、いくつかの冤罪事件を取り上げました。様々な事件へ関心を高め、冤罪の無い世の中を作っていきましょう。