ディノポネラ(ディノハリアリ)とは？世界最大で最強の軍隊アリを紹介

恐ろしいアリとして有名なものには、「軍隊アリ」や「パラポネラ」などがいますが、実はそれらをも凌ぐ世界最大最強のアリと言われているのが「ディノポネラ」です。

ディノポネラは南アメリカの奥地、熱帯雨林に生息しているため人間の目に触れることも少なく、接触する機会もほとんどないため、その生態は未だ解明されていない部分も多いと言われています。

ですので、「世界最大最強」と言っても聞き慣れない名前だという人も多いですが、今回はそんなディノポネラの特徴や生態を判明している範囲でご紹介していきます。

先にもご紹介したとおりディノポネラというのは「世界最大最強」と言われており、生息地域としては南アメリカの熱帯雨林の奥深くとされています。

また、ディノポネラは「ディノハリアリ」や「オソレハリアリ」と呼ばれることもありますので、それらはディノポネラのことを指していると考えて良いでしょう。

南アメリカの熱帯雨林の奥地に生息しているということで、なかなか研究が進まず、これまでに判明している部分だけではまだまだ「研究途中」と言わざるを得ないようなものになっています。

ディノポネラは「世界最大最強」と言われるくらいなので、その大きさは日本で慣れ親しんでいる「普通のアリ」とは大きく違います。その体長は働きアリでも2.5cmほど、女王アリになると4cmほどもある大きな個体です。

日本に生息している中でも大きいものがオオクロアリですが、これが約1cmほどなので、それを考えるとディノポネラの大きさがどれだけ大きいかが分かるでしょう。ディノポネラの働きアリでもオオクロアリの2.5倍です。

大きな体は真っ黒で、腹部に金色の毛が生えているのが特徴で、大きさだけではなく色についても「強そう」なイメージのあるものとなっています。

ディノポネラの生態はすべて判明しているわけではありませんが、ディノポネラというのはハチ目アリ科ハリアリ亜科の属名のことを指しています。通常では先にお伝えしたように「ディノハリアリ」や「オソレハリアリ」のことを言います。

ディノポネラの種類にはディノハリアリやオソレハリアリを含めて8種類ほどが確認されています。その中でも特に大きく強いのはディノハリアリなので、これが世界最大最強と言われるディノポネラを指していることが多いです。

先にもお伝えしているとおり南アメリカの熱帯雨林奥地に生息していて、巣は木の中や木の根本に作られて、日本で通常知られているようなアリと同じく女王アリを中心とした社会構成となっています。

ディノポネラが世界最大最強と言われるのは、何もその大きさや見た目だけではありません。もちろん「アリ」という生物の中でも働きアリで2.5cmというのはとても大きなものですし、大きさも強さに関わるのは確かです。

ただ、それだけではなくディノポネラは非常に攻撃的で、その攻撃性にプラスして強靭な顎を持っているのと強力な毒針を持っているのです。攻撃的な性格だけではなく、それに見合った武器も持ち合わせていることになります。

アリの中でも非常に大きく、そして攻撃的、それに合わせたように強力な武器も持っているので、「世界最大最強」と言われるのです。以下ではそれらをさらに詳しく見ていきます。

ディノポネラが持っている強力な武器の1つに「強靭な顎」があります。この強靭な顎は大きくギザギザとしたノコギリ状になっていて、形状が鋭いだけではなくその力も非常に強くなっています。

普通のアリに噛まれた程度であれば「チクっとして痛い」というレベルのものですが、ディノポネラに噛まれるとその顎が皮膚に深く食い込み肉を引きちぎられ出血を伴うほどになることもあります。

確かにアリというのは自分よりも大きな獲物を運んでいることで「力持ち」という印象はあるものの、人間の皮膚、肉を引きちぎるほどの顎の力というのは「アリとは思えない」ようなパワフルさと言えます。

そして、ディノポネラが最強と言われるもう1つの武器には「強力な毒針」の存在も欠かせません。胴体の末端、つまり尾の部分に毒針を持っているのですが、体が大きいぶんその毒針も非常に大きく強力です。

そして、毒針から出てくる毒量も多いためディノポネラに刺されると「スズメバチ」に刺されたのと同等の痛みがあります。痛みだけではなくその症状もスズメバチと同様なものがあります。

全身の痛みや患部の腫れ、発熱や倦怠感、嘔吐です。そして人によってはアナフィラキシーショックを起こしてしまい最悪の場合、命にかかわるほどの症状を引き起こします。

さらにディノポネラの武器としては強靭な顎と強力な毒針とともに「攻撃性」も挙げられるでしょう。ディノポネラは肉食で、狩りは集団ではなく単独で行なうほど「強いアリ」なのです。

そして、その狩りの標的としては昆虫だけではなくカエルなどの爬虫類をも捕らえて食べてしまうほどです。

さらに同じ熱帯雨林でも少し生息地域がずれているためそれほど頻繁に接触はないようですが、他の大型で強力なアリとして知られる「パラポネラ」ですらも襲って捕食してしまうこともあるのです。

ディノポネラは日本には生息していませんし、基本的には販売されているようなことはありません。基本的には外国のアリなどで毒性の強いものは輸入禁止になっていますし、取り扱いをしているところも細心の注意を払っています。

ですが、昆虫なども扱うようなペットショップで同じように大きな体と毒性を持つ「パラポネラ」は販売されているとも言われていますので、絶対にないとは言い切れません。

また、直接的な輸入ではなくとも、「ヒアリ」のように日本にはいないはずの危険なものが「荷物に紛れて」付いてきてしまう可能性もゼロではないため「基本的にはいないはず」としか言えません。

月刊ガンガンJOKER（スクウェア・エニックス）の2009年12月号から2016年1月号まで連載されていた「アラクニド」という漫画に巨針蟻（ディノポネラ）としてディノポネラが題材にされています。

巨針蟻はキャラクターとしては褐色肌に白い髪をした少女で、タイ北部でミャンマー軍に両親を殺され孤児となっていたところを殺し屋組織に属する人物に拾われて育てられたという設定の生い立ちがあります。

その育ての親にあたる人物が針蟻（パラポネラ）というコードネームであり、組織の人物がみな「蜘蛛」や「雀蜂」のように虫や昆虫となっています。

日本にも色々な種類のアリがいますが、やはりその中には「危険なアリ」も存在しています。ディノポネラのように巨大なアリは存在しませんが、危険性は十分なのでそれらについてご紹介していきましょう。

日本にいる危険なアリには「ヒアリ」がいます。テレビの報道などで一時期非常に話題となっていた種類なので聞き覚えがあるという人もいるでしょう。

いわゆる「外来種」のアリでもともとは日本にいませんでしたが、輸入された荷物などにくっついていて日本に来てしまった種類です。

その毒性は強く、めまいや吐き気、呼吸困難などを引き起こします。また人によってはアナフィラキシーショックもありますので、注意が必要です。

日本にもいる危険なアリには「アカカミアリ」も挙げられます。こちらのアカカミアリは世界各地の熱帯から亜熱帯に移入分布している種類で、日本では小笠原諸島や沖縄の在日米軍施設周辺に定着していると言われます。

アナフィラキシーショックを起こすほどの毒性はあるものの、ヒアリほどの強さはないとされていて、アカカミアリに刺されたことによっての死亡例は確認されていません。

世界最大最強と言われるディノポネラは自分より大きな昆虫などにも立ち向かって倒してしまうような強いアリですが、やはり天敵は存在します。それが「ノミバエ」と呼ばれるハエの一種です。

このノミバエはアリの体内に卵を産み付けてアリの体内で幼虫がありの栄養を奪い取って成長していくというものになっています。

ディノポネラも必死に抵抗はしますが、卵を産み付けるのは一瞬の出来事なので、弱っているときや一瞬の油断で卵を産み付けられてしまいます。

ここまでにお伝えしてきたようにディノポネラは世界最大最強と言われるほどのアリというのに間違いはないようです。天敵こそいますが、「戦って負ける」のとは少し違いますし、相手はアリではありません。

また、「軍隊アリ」にも勝てないこともあるとされていますが、軍隊アリは集団で襲ってくるのが強いのであって、単独での勝負であればディノポネラの圧勝でしょう。

日本ではなかなかお目にかかることはないでしょうし、現地にいっても簡単には出会えないですが、最大最強のアリは確かに存在していることがわかります。