ニートになりたい!ニートになるには?なる方法を紹介!
国の定義はさておき、ニートと聞いて、「働かずに好きなことだけして生きている人」をイメージする人は多いでしょう。そうなれば、ニートになりたいという人がいても不思議はありません。ニートになりたい人にはどうしたらいいのでしょうか?ニートになる方法をご紹介します。
目次
ニートになりたいと思ったことある?
「ニート」というと、だらしない、根気がない、やる気がない、甘えているなど、マイナスのイメージを抱きがちなので、大きな声で「ニートになりたい」とは言いにくいですが、心のどこかで「ニートになりたい」と思ったことがある人は少なくないでしょう。
ただ何もしたくないという理由からだけでなく、やむなく、もしくは前向きに生きるために「ニートになる」ことを選択する人もいます。
勤労意識が高い日本では、ニートに対して否定的な意見多いですが、「ニートになる」のは、悪いことなのでしょうか。本心では「ニートになりたい」と思っている人は、意外と多いのかもしれません。
そもそも「ニート」とは?
「ニート」とは、1999年のイギリスのブレア政権下で認定された概念で、「not in education, employment or training」の頭文字を取って略した「NEET」が発祥です。
「ニート」という言葉が日本で使われるようになったのは2003年ごろで、翌2004年にマスコミで取り上げられると、瞬く間に認知度が高まりました。
本来の「NEET」は、教育を受けておらず、雇用されておらず、職業訓練も受けていない16~18歳の若年無職者を意味していましたが、日本では解釈が違います。
日本の厚生労働省におけるニートの定義は、「15~34歳までの非労働人口の中で、家事も通学もしていない単身者」となっています。わかりやすく言うと、「ニート」とは、15~34歳までの若者
ただし、 正社員や派遣社員での就労を希望している人は、具体的な就労活動をしていなくてもニートには含まれず、アルバイトやパートタイマーなど、非正規雇用での就労を希望しつつ、就労活動をしていない人はニート、就労活動をしていればフリーターに含まれます。
国の定義では、35歳以上は「ニート」とは呼びませんが、一般的には無職の人全体を「ニート」と呼ぶ風潮が広がっています。
「働かざる者食うべからず」という言葉が示すように、日本では無職者に対する偏見が強く、「ニート」にも侮蔑的なニュアンスが込められています。
また、マスコミの影響もあって、今の日本では、「ニート」とは、「働く意欲のない人、働く意思のない人」「親に依存するパラサイトシングル」と認知されています。しかし、ニートになる理由は人それぞれで、必ずしも怠惰や甘えが原因とは言い切れません。
「ニート」には、法的、環境的、精神的、身体的、その他の理由から就労が困難な人たちも含まれており、健康で働ける環境にありながら働かない無就労者と同一に括ることに異を唱える識者も多くいます。
ニートになりたい人の心理的特徴
「ニート」には、やむを得ない理由から無職にならざるを得ない人も含まれますが、彼らとは違い、働くことができるにもかかわらず、あえてニートになりたいと考えている人には、どのような特徴があるのでしょうか。
自分に自信がない
自分に自信がある人は、可能性に魅力を感じ、自分の能力を試してみたい、新しいことに挑戦したい、と積極的に社会に挑みます。そういう人は、ニートになりたい人の心理は全く理解できないでしょう。
「ニートになりたい」と思う人は、何事にも自信がなく、社会における自分の価値を見出すことができません。自分なんて、社会にとっていてもいなくてもいい存在だと卑下しているので、わざわざ社会に出ていく必要性を感じられません。
嫌なことはやりたくない
嫌なことをやりたい人はいないでしょうが、目的のためや、社会のため、嫌なことでもやらなくてはならないことは多いです。
普通は、その先にある成果や名誉、報酬などのために我慢したり、自分を励ましたりして頑張るものですが、ニートになりたい人は、嫌なことからはとことん逃げたいと思っています。
仮にどうしても逃げられないにしても、できる限り先延ばしにするのが、「ニートになりたい」人の特徴です。
人間関係が面倒くさい
ニートになりたい人が、全員コミュニケーション能力に欠けるかというと、必ずしもそうとは言い切れません。クラスで人気者だったり、交友関係が広かったりすることも珍しくありません。
でも、ニートになりたい人は、心の中では、人間関係なんて面倒くさいと思っています。どれほど多くの人に囲まれていても、心理的には孤独を愛し、本心をさらけ出すことはありません。
人当たりがよく、誰とでも仲良くなれますが、深い付き合いはしないのが、ニートになりたい人の特徴です。
依存性が高い
ニートになりたい人は、責任を負うことが苦手です。決断力に欠け、優柔不断な傾向が強いので、いつも誰かに依存しています。親が過保護、過干渉だった場合、大人になっても心理的に依存してしまい、ニートになる可能性が高くなります。
ニートになりたい人が望むことは、面倒を避け、平穏無事に時を過ごすことです。そのために何でも他人任せで、自己主張のない生き方を選択しようとします。
挫折を味わいたくない
ニートになるのは、ただ単に「働きたくない」という怠け心が原因のこともありますが、臆病で、打たれ弱い性格が原因で、ニートになりたいと思う人もいます。
社会に出れば、苦労や挫折はつきものです。一度も挫折を味わわずに済む人生は考えづらいです。精神的に弱い人は、、未来に待ち受けるかもしれない困難や失敗、挫折から早々に逃げるために、ニートになりたいと考えます。
また、以上にプライドが高い人も、些細なことが原因でニートになる可能性があります。プライドが傷つくことを恐れる心理が、社会性を失わせます。
ニートになりたい理由
ニートになりたい人には、心理的特徴がありますが、ニートになりたい理由は人それぞれです。男性、女性、社会人、学生、それぞれの立場から、どのような理由でニートになりたいと思うのかを見てみましょう。
男性の理由
男性の場合、人とコミュニケーションをとるにが苦手で、極力人付き合いを避けたいという理由でニートを選ぶ人が多いです。
社会に出ると、どうしても人とかかわらざるを得ませんが、職場での上下関係、取引先との付き合い、その他もろもろの対人関係が面倒で、「それならいっそニートのほうがまし」と思ってしまう人も多いようです。
また、会社であくせく働くより、自給自足で暮らすほうが人間らしく生きられると考える人もいるようです。趣味に時間を費やしたい、やりたいことがあるなど、目的を持ってニートの道を歩む人もいます。
女性の理由
ニートは、女性より圧倒的に男性が多いと言われていますが、日本でのニートの定義に、「家事手伝い」が含まれないのが原因で、実質的には男女比は半々です。女性の場合、「結婚準備のための家事手伝い」という大義名分がある分、ニートになるハードルは低いといえます。
女性がニートになる理由は、男性同様人付き合いが苦手というのもありますが、セクハラやパワハラなど、社会での理不尽な扱いが理由になることも少なくありません。失恋がきっかけになってニートになる人もいます。
女性がニートになる場合は、男性がニートになる場合と比べて、進んで選択するというよりは、外圧からくるストレスによって、やむを得ずニートになることを選択するほうが多いようです。
学生の理由
学生の場合は、モラトリアムからニートになることが多いです。いわゆるまだ社会に出る準備や覚悟ができていない状態です。
具体的には、やりたいことが見つからない、自分が何に向いているのかわからない、社会で活躍する自信がない、就職活動に失敗したなどが、学生がニートになることを選択する大きな理由です。
学費も生活費も親任せで、お金の苦労をしたことがない学生は、このままでも生きていけるのではないかと誤解しがちです。
社会人の理由
社会人の場合、一度は就労し、働くことの意味や大切さを知っているはずです。それでもニートになることを選ぶには、相当の理由があります。
違う場所で能力を発揮するため、充電期間が欲しいという前向きな理由で、ニートになることを選択することもあるかもしれません。得意分野を極めるため、時間が必要な人もいるでしょう。
一方、ブラック企業で酷使され、追い詰められた結果ニートになりたいと思う場合もあります。精神的、肉体的にスポイルされ、ボロボロになって、ニートにならざるを得なかった人も少なくありません。
ニートになるためには準備が必要
ニートという言葉が一般的になる以前、無職の若者に対して使われていた言葉は、「プータロウ(プー)」「すねかじり」「ごくつぶし」などです。「引きこもり」も類語として使われます。こうしてみると、ニートになること自体は、それほど大変ではありません。
ただし、何の準備もなくニートになると、たちまち行き詰り、生活に困ることになります。ニートは、その経緯や思想はどうあれ社会的には弱者ですから、公的にも私的にも支援が不可欠です。
意志を持ってニートになるなら、他人に迷惑をかけたり、野垂れ死にしたりしないだけの準備はしておきましょう。
各種手続きを済ませる
就労していなかったり、失業したりすると、国民健康保険に加入しなくてはなりません。健康保険は皆保険なので、加入は義務です。一部保険料を免除される人もいますが、保険料を請求された場合は、必ず払わなくてはなりません。
国民健康保険の保険料は人によって異なりますが、失業した場合、前年の収入によって保険料が算出されるので、数十万円の保険料を請求される場合もあります。
国民健康保険料を自己負担しない方法としては、家族の扶養に入るのが一番ですが、扶養してくれる家族がいない場合は、ニートになる前に自分の住んでいる地区の自治体に、保険料がいくらになるのか問い合わせておいたほうがいいでしょう。
国民健康保険への加入は国民の義務ですので、踏み倒そうとするなど論外ですが、万が一にも支払わなかった場合、保険証が交付されません。滞納した場合は、保険証の返還請求がなされます。
診療治療費はほとんどが保険でカバーされているので、負担割合は年齢や収入によって変わりますが、保険証があれば、窓口で支払うのは1~3割で済みます。ところが、保険証ないと、全額自費で払わなくてはなりません。
仮に3割負担の人が診療を受け、1200円の診療治療費を支払ったとします。この場合本来の診療報酬は4000円です。処方箋薬局でも同じことが起こります。ただの風邪程度でも、保険に加入していないと10000万円近い治療費がかかる場合もあります。
治療が長引いたり、手術が必要な病気にかかったり、虫歯の治療をしたりすれば、数万円、数十万円の治療費がかかることもざらです。
住む場所を確保する
実家に同居する人や持ち家がある人はいいですが、賃貸物件に住もうと思っている人は、ニートになる前に賃貸契約を結んでおきましょう。怪しげな物件以外は、入居時に審査があり、無職、無収入では認可が下りません。
家族の理解があり、保証人になってもらえるにしても、大手の不動産物件の多くは、成人した無職者には冷たいのが現実ですし、審査が甘い物件は、治安が悪かったり、築年数や設備が古く暮らしにくかったり、不便な場所にあったりと問題が多いのが相場です。
ニートは部屋で過ごす時間が長くなりがちなので、快適な生活空間は必須といえるでしょう。ニートになる前に、ぜひとも住みよい部屋か家を確保しておきましょう。
資産管理のシステムを作る
ニートは基本的に収入がありません。いきおい今ある資産で生活を維持することになります。ガードの引き落とし口座がバラバラ、貯蓄がいくらあるのか、生活費にいくらかかっているのかもよくわからないという状態では、早晩行き詰るのは目に見えています。
太っ腹な他人にたかって生きていくなら別ですが、精神的にも快適なニート暮らしをしたいなら、細かい資産管理と効率的な資産運用は避けて通れません。家計簿をつけるくらいの周到さが欲しいところです。ニートになるのは、意外と面倒くさいものなのです。
覚悟を決める
いろいろな事情でニートという生き方を選択せざるを得ない人もいるでしょうが、気楽に生きていけそうだという理由でニートになるのはお勧めしません。働けるのに働かないニートには、世間は厳しいです。
ニート暮らしが将来に影響するかもしれないという覚悟はしておきましょう。夢や目標があってニートになる人は、いずれはそこから脱却するという強い意志を持ちましょう。
お金に困らずにニートになる方法
嫌なことをやらずに好きなことだけやって暮らせるニートに憧れる人がいても不思議はありません。ただ、生きていく以上、お金はどうしても必要です。ニートになるにあたって、最大のネックがお金の問題でしょう。
お金に困ったニートは悲惨です。働かないにもかかわらず、お金に困らずニートになる方法を考えてみましょう。
親や恋人に養ってもらう
「いい歳をして」と言われるのを覚悟で、親に養ってもらうのが一番簡単な方法です。ヒモと呼ばれてもいいなら、稼ぎのよい恋人に養ってもらうのもいいでしょう。
親や恋人の説教や不機嫌さえ我慢できるなら、手っ取り早くニートになることができます。しかし、親や恋人の経済力によって、ニート暮らしの快適度は変わってきますし、援助を打ち切られた場合はにっちもさっちもいかなくなります。
親の遺産をもらう
これもかなり他力本願な方法ですが、親の遺産を当てにするのも方法の一つです。もし親が大富豪なら、一生お金に困ることはないかもしれません。
ただし、人ひとりが遊んで暮らせるほどの遺産を遺せる親は、そう多くはありません。ニートの子どもに遺すよりはと、生前に使ってしまったり、寄付したりするかもしれません。そして、もし兄弟姉妹がいた場合、遺産相続で骨肉の争いが生じないとも限りません。
親の遺産を当てにしてニートを決め込むのは危険な賭けといえます。
ニートになる前にお金を貯めておく
最も堅実な方法は、ニートになる前にちゃんとお金を貯めておくことです。自分の資産状況が把握できていれば、それに応じた堅実な暮らしを営むことができます。
計画と準備が大切なのは、仕事に限ったことではありません。もし、本気でニートになりたいなら、綿密な計画と準備は不可欠です。
不労所得を得る
社会に出て働かなくても、相応の収入が得られるニートのことを「ネオニート」と呼びますが、アパート経営、不動産投資、株取引などで、働かなくても一定の収入が得られるようにしておくのも、ニート生活を安定させるには有効な方法です。
初期投資とかなりの専門知識が必要なのが難点ですが、憧れのニート生活のためと思えば、勉強にも身が入るのではないでしょうか。
「生活保護があるじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、生活保護は最後の手段です。生活保護は本当に生活に窮した人を救う手段であって、楽して生きたい人のためにある制度ではありません。生活保護を安易に利用しようとするのは人として間違っています。
働けるのに働かない人が、生活保護に頼ってニートになろうとすると、人でなしのそしりは免れません。
田舎で暮らす
都会よりお金をかけずに生活できる田舎に引っ越すのも、お金に困らずニートになる方法の一つです。人口減少が著しい自治体には、移住者に住居や手当を支給してくれるところもあります。
家庭菜園で自給自足をすれば、生活費には困りません。ただ、お金には困らないかもしれませんが、人間関係には苦労するかもしれません。ニートではなく、引きこもりになりたい人には、田舎暮らしは向かないかもしれません。
ニートの将来
無職、無収入で独身。親が元気なうちは面倒を見てくれるかもしれませんが、多くの場合、将来は独りぼっちです。社会とかかわりを断って暮らす期間が長くなればなるほど、交友関係も狭く、希薄になります。ニートには孤独な未来が待っていると覚悟しておいたほうがいいでしょう。
夢や目標があったり、心や体を癒すためだったり、何らかの目的があってニートになった人でも、ずっとニートのままでは、未来に希望はありません。ニートの末に自分が何を手に入れようとしているのかを、決して忘れないようにしましょう。
ニートはそんなに甘くない
働けない人も、働かない人もひとくくりに「ニート」と断じてしまうのは乱暴すぎます。働きたくても働けない人は、ニートではあっても怠け者ではありません。彼らには、公的にも私的にも、様々な支援の手が差し伸べられます。
目的があってニートになっている人は、いずれはニートから脱却する、前向きなニートです。
働きたくないから働かないニートは、一見優雅で気楽なようですが、チャンス、信用、未来、いろいろな可能性を担保にしているということを忘れてはいけません。
差し迫った理由もなくニートになりたいと思っている人は、試しに2~3か月、ニートを体験してみるといいかもしれません。世間の目は冷たく、案外退屈だということに気付くでしょう。
親がいつまでも助けてくれるとは限りません。赤の他人の恋人や友人ならなおさらです。対人関係が苦手なら、今はネットでこなせる仕事もたくさんあります。会社に勤めなくても、自分の生活費ぐらい稼具ことが可能です。
ニートになるのも、ニートでいつづけるのも、思っているほど簡単ではないということは、肝に銘じておきましょう。