ダウナー系の意味とは？ダウナー系ファッションなども紹介

あなたはダウナー系という言葉、もしくはその反対であるアッパー系という言葉を聞いたことがあるでしょうか。コミュ障と略されるコミュニケーション障害に関わりがあると言われています。

今やネットや巷でその世界感や個性が認知されつつあるのがダウナー系ですが、ダウナー系の特徴とはどんなものでしょうか。

今回は「ダウナー系」のすべてについて紹介していこうと思います。ダウナー系とは？反対のアッパー系との違いは？から、そのファッションや音楽的特徴など、是非参考にしてください。

最近ではSNSでもよく見聞きする言葉となった「ダウナー系」ですが、実際にダウナー系とは？と聞かれ、ちゃんと答えられますか？なんとなく、のイメージで終わっていませんか？

言葉からくるイメージでは暗い感じ、たばこやアルコール、ピアスなどを連想する人もいるでしょう。

ダウナー系とは、「根暗」という意味を持ちます。性格や雰囲気が暗く、無表情で何を考えているかよくわからない、という感じの人をカテゴライズするのです。

ダウナー系が根暗なイメージ、常に周囲の人を暗くする人、もしくは暗い気分でいる人や様子を指すのに対し、反対を表す言葉は「アッパー系」です。

アッパー系は人を興奮させるイメージで正解です。どちらももともとは戦時中の薬物に関する用語でした。アヘンや麻薬などは人間の精神を暗く落ち着かせたり興奮させたりします。

ダウナー系は人を暗く落ち着かせる薬物、アッパー系は人を興奮させ、攻撃的にさせる薬物です。これから現代のファッションや音楽、小説などに使われるようになってきました。

ダウン系とアッパー系では、ダウンが根暗でアッパーが明るく闊達というわけではありません。ダウナー系もアッパー系もどちらもコミュニケーション障害はもっています。

ダウナー系は暗くて繊細、人一倍気を遣うので、人間関係に疲れて自ら関係を壊すこともありますが、アッパー系は自己中心的なふるまいで周囲を振り回し、周囲から離れていきます。

ダウン系は人と関わりを自ら避け、アッパー系は関わりたいのに周囲から避けられる、という傾向があります。どちらも非常にその性格に苦しんでいることが多いです。

ダウナー系とアッパー系のもともとを説明してきました。では、近年において一般的に言われるダウナー系とは、どのような特徴があるでしょうか。

勿論イメージは人によって違うのですが、広義的にこれがダウナー系だ、と思われている特徴を紹介していきます。

特徴を見れば、自分の周囲の人を思い出して「ああ、あの人はこんな感じ」とわかると思います。もしかして自分はダウン系、もしくはアッパー系か？と悩んでいる人は、参考にしてください。

ダウナー系の人々とは、その多くが暗く無表情で感情の起伏が少ない傾向にあります。いつも無表情で笑ったり泣いたりをあまりしないので、何を考えているのかわからない、という人です。

言葉も少ないので、ちょっとずつ不気味に感じてしまうようになり、周囲の人もどう付き合えばいいのかわからなくなるのです。彼らは自ら人の輪から離れますので、付き合いにくさもあります。

運動会や文化祭で盛り上がる周囲を無視して一人で無表情で座っているなど、かなり特徴的ですから、周囲にいればすぐに思い当たるでしょう。

ダウナー系と思われる人々の多くは、かなり消極的です。未来はいつでもバラ色で、自分は自分の好きなことをするんだ、といったような情熱は感じません。

物静かでおとなしく、自分に自信がない人も多いので他人とのかかわりを極力避けようとする傾向があります。

実は人に多大なる気の遣い方をするので、疲れ切ってしまうようです。他人が苦手でストレスを感じやすく、いつでも自分の殻に閉じこもろうとします。

ダウナー系と呼ばれる人たちの多くは、消極的で不安症をもっていて、繊細な人です。周囲の空気を読みまくってしまうのでいつでも人間関係に疲れ、できるだけ一人か小数人でいたいと願います。

元は嫌われるのを恐れるあまりに話せなくなっているのですから、コミュニケーション障害という意味の「コミュ障」のくくりに入れられています。

すでに気心が分かっている友人がいれば、新しい関係を作ろうとは考えません。むしろ自分から関係を壊してしまうことすらあります。そこがアッパー系とは大きな違いになります。

ダウナー系と呼ばれる人たちの性格的特徴を理解したところで、次はダウナー系ファッションについて紹介していきましょう。

ファッションでダウナー系とは、一体どのような恰好をさすのでしょうか。

自分はダウナー系ではないけれど、ファッション的には好きだ、という人も多いのがダウナー系ファッションです。参考にしてみてください。

ダウナー系のファッションを一言でいうなら、それは「地味」になります。使う色は暗めのものが多く、黒やグレーに近いトーンのもの、暗闇にいれば全く見えないような地味な色を選びます。

彼らが選ぶのは「粋なブラック」ではなく、「闇に隠れてしまうような、自分の存在を消してくれるようなブラック」です。

とにかく消極的な彼らは目立つことが嫌いですから、薄暗いところにいき、溶け込もうとするかのような服装をします。

デザインが派手なものは選ばず、いたってシンプルなものばかりチョイスします。色も地味ならデザインも地味で、全く目立ちません。

恐らくその目立たない状態が彼らにとって居心地が良いのでしょう。ファッション好きなお洒落な人でもダウナー系ファッションを好む人は、高価だけどとてもシンプルなTシャツを好みます。

あまりイラストや飾りがないものが好きですが、オタク気質がある方もたくさんいますので、アニメのプリントがあることは多いです。

清潔感がない、と書くとお風呂に入らないのか？と誤解する方もいるかもしれませんが、そういう意味ではありません。

白や明るい色を着ないので、肌も薄暗く感じさせ、何だか不潔に見えることがある、ということです。アイロンが必要な服装をすることもないので、パリッとしていません。

決して爽やかではない服装の好みですので、清潔感はほとんどないといえるでしょう。

ではここで、具体的にダウナー系ファッションはどういうものなのかを示すために、ファッションコーデを紹介してみます。

2つ紹介しますので、確認してみてください。ああ、なるほどと理解してもらえるでしょう。

黒地にボーダーが入ったオーバーサイズのシャツに、ダメージジーンズを合わせるスタイルです。ものは高価で全身のコーデ金額は高くても、清潔感はなく、暗くてだらだらした雰囲気です。

手の甲まで隠れそうなサイズのシャツやセーターを着ると、一気にダウナー系ファッションになるでしょう。

ダウナー系ファッションを好む方には、アメコミのヒーローTシャツをよく着ている人もいます。アメコミのヒーローは闇を背負っていることも多く、共感を得られるそうです。

基本的にはだぼついたシルエットで、体のラインをあまり出さない人が多いでしょう。

人だけでなくファッションにもダウナー系があるのと同じで、音楽にもダウナー系ミュージックと呼ばれるものがあります。

ダウナー系は元の薬物で使われていた意味では、落ち着く効用がありました。ダウナー系音楽はそれと同じで、人の心を落ち着かせるという意味で「アンビエント音楽」とも呼ばれています。

周囲の環境に溶け込むという意味の「アンビエント」で、環境音楽とも呼ばれます。これを聞くことで人は集中したり、リラックスしたりするのです。

ダウナー系音楽は2種類あり、聞く人の心を落ち着かせるようなヒーリングミュージック、そして聞くとトラウマを思い出して嫌な気持ちになったり、悲しみが溢れるような本来の意味の音楽があります。

ここでは特徴的なダウナー系音楽を2つ紹介しましょう。どちらもかなり有名な楽曲です。

もしかしたらあなたも知っているかもしれませんし、知らない方は是非一度聞いてみてください。

世界的にファンが多いアメリカのロックバンドが「ニルヴァーナ」です。聞いている人を別世界へと連れていくような、深い世界感が熱狂的なファンを生んでいるバンドです。

そのニルヴァーナのたくさんの楽曲の中でも「Smells Like Teen Spirit」はダウナー系の特徴的な音楽です。

多数のアーティストにカバーされている曲ですから知っている方も多いでしょう。自分の心の内側をじっくり覗くかのような音楽です。

邦楽では誰がダウナー系音楽か、と聞かれたら、最初に上がる名前は「Cocco」です。シンガーソングライターで絵本作家、小説家など多くの活動をされている沖縄出身の女性です。

彼女の書く世界感も非常に独特で、寂しさや辛さ、苦悩や一瞬だけの幸せなど、芸術的な曲調で見事に繊細な心を表現しています。

人を癒すと共に悲しくも辛くもさせるのが、Coccoの音楽です。中でも「強く儚い者たち」は大人気の曲です。彼女はテレビを嫌い、出ても無表情で目を見開いて歌う、ダウナー系の代表です。

アニメ大国ニッポンですが、アニメが大量にあるということはキャラクターも大量にいる、ということです。

特にダウナー系キャラはそのミステリアスさから人気が出やすいともいえるでしょう。アニメなので落ち着いて観察できる、ということもあるかもしれません。

では、次は不思議な魅力が人気のダウナー系アニメキャラを紹介していきます。

2000年代に大流行した「新世紀エヴァンゲリオン」に出てくる「綾波レイ」という少女は、ダウナー系の代表的アニメキャラクターです。

無表情無感情のうちに秘めた、壮絶な過去と傷、常識的なことをほとんど知らないといったミステリアスな面、不幸なキャラクターです。

主人公のシンジとかかわることで少しずつ人間らしさを持ち出しますが、基本的に不幸キャラで、アニメ開始当初から終わっている今でも根強い人気があります。

機動戦艦ナデシコは1996年から1997年にテレビアニメとして放送され、人気が出たアニメです。そのオペレーター役のホシノ・ルリというキャラクターはダウナー系キャラとして絶大な人気があります。

口癖は「バカばっか」で、周囲のドタバタを傍観しつつも巻き込まれていくキャラクターで、ずば抜けた頭脳を持った無表情キャラです。

周囲にいるダウナー系の人々と、何とか付き合おうと日々切磋琢磨している方も多いかもしれません。彼らは「コミュ障」で繊細、消極的なのでなかなか心を開いてくれません。

しかし、何事にも方法はちゃんとあるように、付き合い方はあります。是非仲良くしたいと思っている人がダウナー系の人であるなら、次のやり方を参考にしてトライしてみましょう。

そもそもダウナー系の人々が生まれた時からダウナー系であったわけではありません。大体が、小さな時などのトラウマなどでダウナー系へと移行します。

人一番人に気を使って疲弊している人が多いので、少しずつゆっくりと話していき、辛いことがあったのかなど、聞いてみましょう。

無理に聞き出すのは当然いけませんが、辛そうにしていたら理由を聞いてみる、離せなくてもそばにいる、など、やってみてください。相手が心を開くまではそっとそばにいるのが有効です。

彼らは人とのかかわりが必要な世界で、一人遊びが大好きかつ得意です。読書や音楽が好きな人は多いですし、個性的で、芸術面で花咲く人もたくさんいます。

ネガティブな世界はいけない、もっと明るくなろう！とばかりに無理やり光の世界へ出さないことです。ネガティブはネガティブでも悪いことばかりではない、と理解しましょう。

相手のことを知るためにはまず、相手のことを認めることが大切です。そんな世界もあるんだね、と理解する努力をしてください。あなたの「明るさ」の押し付けはいけません。

現代社会はストレス社会ともいわれますが、不況が長期間続いている日本においては、基本的に元気がありません。疲れた心身をいやすためにダウナー系にはまる人も増えています。

個性や個人の価値観を尊重する風潮になりつつありますので、今まではダサい・暗い・とバカにされてきたダウナー系も個性として認められるようになってきたのでしょう。

ファッションでも音楽でも、ダウナー系の人は一定数います。上手に付き合って、お互いに楽しめるのが一番ではないでしょうか。