機微の意味とは?心の機微・感情の機微などの言葉の使い方を用いて解説

「機微」という言葉やその意味をご存じですか?あまり聞きなれないという人も少なくないこの言葉。ここでは、「機微」という言葉の持つ意味や、「機微」の使い方を例文とともにご紹介するとともに、『機微を感じられる人』になるための方法をご紹介していきます。

機微の意味とは?心の機微・感情の機微などの言葉の使い方を用いて解説のイメージ

目次

  1. 1あまり聞き慣れない「機微」という言葉を紹介
  2. 2「機微」の読み方と意味とは?
  3. 3「機微」がよく使われる言葉
  4. 4「機微」の使い方
  5. 5「機微」の類語
  6. 6機微を感じられる人になるには?
  7. 7「機微」の英語表現
  8. 8機微という言葉をうまく使おう

あまり聞き慣れない「機微」という言葉を紹介

「機微」という言葉を聞いたり、日常会話の中で使ったことはありますか?その答えがNOという人は少なくないでしょう。「機微」という言葉自体は知っていても、使ったことはなかったり、その意味が良く分かっていないという人は多いのです。

あまり聞きなれない「機微」という言葉。ここでは、「機微」とはどういった意味を持つ言葉で、どのような使い方をするのか、例文とともに解説していきます。

「機微」の読み方と意味とは?

まずは「機微」とはどのような読み方をし、どのような意味を持つ言葉なのかを見てみましょう。

「機微」の読み方

聞き慣れない人も多い、機械や機嫌の「機」に、微妙や微生物の「微」と言う漢字を使った「機微」という言葉、その読み方は「きび」です。

「機微」の意味

「機微」の「機」は『働きや動き』、「微」は『微々たるものやわずかなこと』を表し、「機微」とは、はっきりと目に見える表面的な情報のみでは知ることの出来ない、見えにくい物事の微妙な事情やおもむきを意味します。

「機微」の分かりやすいイメージとしては感動したり、怒ったり、悲しかったり、嬉しかったりといった『人の感情』で、自分以外の人の気持ちの揺れ動き、全ての感情を理解するというのは難しいというイメージです。

「機微」がよく使われる言葉

表面には分かりにくいわずかな動きを表す機微という言葉が良く使われる言葉があります。

感情が揺れ動く様子を表す『心の機微』、状況の変化を表す『物事の機微』、取り扱いに注意が必要な情報を表す『情報の機微』の3つです。

「機微」の使い方

「機微」の読み方や意味が分かっても、機微という言葉はなかなか日常的に耳に入ってくる言葉ではありませんから、機微がよく使われる言葉を聞いてもピンとこないという人は多いのではないでしょうか。

例えば、相手の考えていることがよく分からないという時に、相手に対して「機微だね」なんて使い方はしません。ではどういった場面で、どのような使い方をするのか、機微の使い方を見てみましょう。

「機微」を使った例文

「機微」とは、主にその単語のみでは使われず、他の言葉とともに『熟語』として使われます。例文とともに、「機微」の使い方を見てみましょう。

例文①感情の機微

「感情の機微」は、「機微」という言葉を使う上でよく使われる表現で、人の繊細な感情の変化を表す言葉として使われます。

『この映画は、ヒロインの感情の機微を手に取るように感じることが出来る』などといった使い方をします。

例文②機微に聡い

『機微に聡い(さとい)』は物事の変化や人の気持ちや表情の変化に対して敏感で感覚がとても鋭い事、ほんの些細な変化も見落とさずに感じ取る様を指します。『相手の言いたいことがよく分かる、機微に聡い人だ』というような使い方をします。

また、『機微に疎い(うとい)』は『機微に聡い』の反対の意味を持ちます。

例文③心の機微

「心の機微」は「感情の機微」と同じく、機微という言葉を使う上でよく使われる表現で、人の繊細な心の変化や揺れ動きを表す言葉として使われます。
 

例文④機微な情報

機微な情報とは、『他人にはあまり知られたくないような情報』を意味し、『機微な個人情報を扱う』などの使い方がなされます。

例文⑤機微に触れる

「機微に触れる」は、目に見えてわかるものではない、表面には分かりにくい微妙な部分を知るということを表します。(機微に触れるの触れるというのは、触るのではなく、知るという意味で使われます。)

感動したり、感銘を受けたりと置き換えた方が馴染みのある感覚かもしれません。機微に触れるは、『心のこもった対応に、人情の機微に触れた』などの使い方がなされます。

例文⑥機微に疎い

「機微に疎い(うとい)」は「機微に聡い(さとい)」と反対の意味を持つ使い方です。『あの人が事業に失敗した一番の要因は、機微の疎さだ』といった使い方をします。

例文⑦機微を穿つ(うがつ)

「穿つ(うがつ)」という言葉には、物事の本質を的確な言葉にして伝えるという意味があり、「機微を穿つ(うがつ)」とは、人情の機微を的確に言葉として表現できることを言います。『今年の流行語大賞は、この1年の機微を穿った言葉だった』などの使い方がなされます。

「機微」の類語

  • 微妙
  • 陰影(いんえい)
  • 隠微(いんび)

「機微」と同じような意味を持つ言葉には微妙、陰影、隠微などが挙げられます。機微とは多少異なる点もあるのですが、それぞれの言葉について解説していきます。

微妙

ある物事においてはっきりとは差が分からないくらいその状態が細かくて複雑・差が小さいなどの意味をもつ「微妙」という言葉は「機微」の類語とされていますが、その違いは「機微」は対象となる物事状態に変化が含まれ、「微妙」は、変化を含まない言葉とされていることです。

機微と同じように使う時には「微妙」のあとに「変化」という言葉を付け、『相手の表情の微妙な変化を読み取るのが苦手だ』などといった使い方をします。

陰影

表向きには分からないこと・光の当たらない部分のことを指す「陰影」も機微の類語とされています。

隠微(いんび)

「顕著」の反対語であり、表面にはほんの少し表れているだけでわかりにくいことを表す「隠微(いんび)」も「機微」の類語です。「機微」と「隠微」の意味にほとんど差は認められないのですが、「機微」は隠れているもの、隠微はわざと隠されているものといった使い方をされることが多いそうです。

『彼女には隠微なところがあって、考えていることが全く分からない時がある』に対して、機微を使った場合『彼女の機微は捉えにくいので、考えが全く読めないことが多くある』というように、前者は故意で考えを悟られないようにしていて、後者は故意ではなく考えが分かりにくいといった解釈がなされます。

機微を感じられる人になるには?

機微を感じられる人になるために大切なことは、決して難しいことではありません。あなたのちょっとした思いやりや、相手のことを知りたいと思う気持ちから、表面だけでは分かりづらい微妙な感情の動きを察知できるようになります。

機微を感じられる人になるために、会話をする上で大切な2つの方法をご紹介します。

相手の顔をしっかり見て話す

相手と話す時、相手のことをしっかり見ていると相手のしぐさや表情の変化、声のトーンなどから相手の本当の想いが見えてくることがあります。

相手と話す時は、自分が話す側であっても、聞く側であっても、相手の顔をよく見て、そっと観察し、言葉という情報だけに頼らず相手の気持ちを知ろうとする気持ちが大切です。

機微を感じられる人になるために特別な能力は必要ありません。まずは目の前で話している相手を思いやる気持を持つことを心がけましょう。

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相手の話を最後まで聞く

自分の想いをしっかり聞いてくれる人は信頼することが出来、誰にでも話すことができるわけではない心の内も言葉にして伝えやすくなるものですが、これを相手に対してすることが機微を感じられる人になるための第一歩なのです。

相手の気持ちをより理解するためには、相手の話を決して遮らず、ゆっくり、しっかりと最後まで聞くことが大切です。

「機微」の英語表現

表面には分かりづらい微妙な物事の変化である「機微」は、日本特有の言葉というわけではなく、英語で表すこともできるようです。「機微」の英語表現を、例文とともに見てみましょう。

心の機微や感情の機微の英語表現

「機微」を表す英語表現には、「subtlety」を使います。この単語は、「隠された細部」という意味を持っています。

心の機微は『subtleties [nicety] of feeling』、人間関係の機微は『the subtleties of human interaction』です。

微妙な違いを表す機微の英語表現

他にも、微妙な違いを表す「nuance」という単語も機微の英語表現として使えます。日本語でも使われる「ニュアンス」です。

機微を相手に伝えることが出来るほど日本語が得意ではないと伝えたい時には『I am not fluent in Japanese enough to express detailed nuances.』といった表現をすることができます。

機微という言葉をうまく使おう

表現からは分かりにくい物事の微妙な動きを表す「機微」という言葉について解説しましたが、参考になりましたか?

機微という言葉自体は日常生活であまり耳にすることはありませんが、この言葉は人との関わりの中で大切にしたい事を教えてくれる言葉でもあります。

「機微」の意味を知るとともに、機微を感じられる人へと、自身の心を育んで行きましょう。

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