2018年11月26日公開
2018年11月26日更新
神妙な面持ちの意味や類語とは?神妙な顔・表情などの使い方も紹介
「神妙な面持ち」という言葉を知っていますか?シリアスな場面で耳にすることが多い表現でしょう。しかし、実際にどんな顔の表情なのか、どんな意味の言葉なのか、しっかり理解している人は少ないようです。「神妙な面持ち」とはどんな意味なのか、使い方と合わせてご紹介します。
目次
「神妙な面持ち」の使い方をマスターしよう
「神妙な面持ち」という言葉は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?しかし、いざ使おうとすると、使う場面が合っているのか、正確にはどんな意味なのか分からないという方も多いようです。
「神妙な面持ち」とはどんな顔のことなのか、どういう表情なのか、きちんと説明できる人は少ないでしょう。
今回は「神妙な面持ち」という言葉についてまとめてみました。意味や使い方をしっかり学びましょう。使い方をマスターすると、ちょっと賢くなった気分になれるでしょう。
「神妙な面持ち」とはどういう意味なの?
「神妙(しんみょう)」とは、人知を超えた不思議なこと、殊勝なこと、心がけや行いが立派ですぐれていること、態度がおとなしく素直なこと、という意味です。
そして「神妙な面持ち」とは、おとなしくかしこまった表情や、通常とは違う、なにかを抱えているような表情という意味があります。
神妙だけだと、不思議なことという意味がありますが、神妙な面持ちには「不思議な」という意味はありません。「神妙な面持ち」は不思議がっている顔や表情のことではないのです。
「神妙な面持ち」は「申し訳なさそう」という意味ではない
「神妙な面持ち」という言葉は、謝罪会見などで耳にすることが多い方もいるのではないでしょうか?記事などでも「神妙な面持ちで謝罪会見に臨んだ○○さん」などの見出しを見る機会もあるでしょう。
しかしさきほどの意味の説明に「申し訳なさそうな表情」という表現が使われていなかったように、「神妙な面持ち」には「申し訳なさそうに」という意味は含まれていません。
謝罪などで使われるときは「かしこまった表情」という意味でしかないのです。間違いないように注意しましょう。
「神妙な面持ち」の使い方
「神妙な面持ち」の意味が分かったところで、実際にどのように使えばいいのでしょうか?意味を知っていても、なんとなく難しい表現に思えて、実際使うとなるとためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、「神妙な面持ち」という言葉は、意外と使える場面が多いのです。例えば、重要な会議での出席者の様子を「神妙な面持ちで会議に臨んでいた」と表現したり、相手の態度や表情に対して使います。自分に対して使うことはあまりないでしょう。
また、普段からの顔つきに対してでなく、その時起こった出来事に影響された表情などに使います。普段から大人しい表情の人に「いつも神妙な面持ち」という使い方はしません。
何かトラブルが起こったときや、緊張する場面など、特別なシーンで使うことが多いでしょう。また、ただ表情に対して使うというよりは、本人の内面に影響されて出た表情に対して使う言葉でもあります。
「神妙な面持ち」という言葉を使うときには、いつもと違う感情が本人の中にあるときなのです。
「神妙な面持ち」を使った例文
「神妙な面持ち」を使った例文を3つ挙げてみました。例文を参考にすると、実際に使う時もスムーズに言葉が出てくるでしょう。例文を元に、「神妙な面持ち」という言葉は、どんな使い方ができるのか、詳しく見ていきましょう。
使う場面によって、少し意味が変わってくるので、注意して見てみましょう。
例文①彼は神妙な面持ちで話を聞いていた
「神妙な面持ち」を、大人しくかしこまった様子、という意味で使っている例文です。決して、叱られているときのように「申し訳なさそう」や「小さく縮こまって」いるという意味ではありません。他の意味の言葉と混同しないように注意しましょう。
例文②明るい雰囲気の中で一人だけ神妙な面持ちをしていた
こちらは「神妙な面持ち」を、何かを抱えているような表情、という意味で使った例文です。こちらはよく使われている表現ではないでしょうか。何かを隠しているのか、一人だけ周りとは違った表情をしている様子です。
例文③神妙な面持ちから彼女の内面がうかがえる
こちらも「神妙な面持ち」を、何かを抱えているような表情という意味の例文です。例えば仕事でミスをしてしまったときや、人間関係でなにかトラブルが起きてしまった時などに、使えるでしょう。
「神妙な面持ち」という言葉は、状況以上に本人の内面を表す表現と言えるでしょう。
「神妙な面持ち」の類語表現
・神妙な顔 |
・神妙な顔つき |
・神妙な表情 |
・しおらしい顔つき |
神妙な面持ちという言葉には、上記のような類語表現があります。「面持ち」という言葉を、「表情」や「顔つき」などと言い換えています。ひとつずつ、使い方やニュアンスの違いなどを見ていきましょう。
神妙な顔
「神妙な面持ち」とほとんど同じ意味の類語表現です。神妙な面持ちよりも、少し軽いくだけた表現になっています。例文としては「神妙な顔で相手の話を聞いていた」などと使います。
「面持ち」は普段あまり使わない表現ですし、口にすると言いにくい発音でもあります。軽い表現をしたいときや、人前で話すときに使うと、意味も伝わりやすく言いやすいでしょう。
神妙な顔つき
「顔つき」には、「顔のようす」や「容貌」という意味があります。「表情」という意味もあるので、「神妙な面持ち」の類語表現として「神妙な顔つき」という表現もできます。例文としては「彼は悩みでもあるのか神妙な顔つきだった」などと使います。
また、「何かしらの感情や考えなどを表したような表情」という意味もあります。そのため、大人しい様子というよりは「何かを抱えているような表情」という意味で使うと良いでしょう。
「顔つき」というと、生まれつきの顔のことを思い浮かべる人もいますが、その時の表情という意味でも使える言葉なのです。
神妙な表情
「神妙な表情」という表現も、「神妙な面持ち」とほぼ同義語として使える言葉でしょう。どちらかというと、「何かを抱えているような表情」よりも「大人しく素直な表情」を連想させることが多いようです。
例文としては「彼は会議の間中、神妙な表情を崩さなかった」などと使います。
しかし、表情とは「心の中の感情が顔など外部に現れたもの」という意味なので、どちらの使い方でも問題はありません。状況に応じて、意味合いが少し変わってくる表現でしょう。
しおらしい顔つき
大人しい様子のときに使える類語表現でしょう。相手に叱られたときや、喧嘩になってしまった時などに使うとぴったりです。例文としては「彼女はすっかりしおらしい顔つきになってしまった」などと使います。
「しおらしい」には「可憐」や「けなげ」などの意味も含まれています。そういう意味で「しおらしい」という言葉を使うことも多いので、女性に対して使うことが多い表現です。
ただし、「何かを抱えているような表情」とは意味が違ってくるので、注意が必要です。
「神妙な面持ち」に近い表現
「神妙な面持ち」の類語表現には「神妙な顔つき」や「しおらしい顔つき」などの言葉が挙がりましたが、類語よりも少し遠いけれど、「神妙な面持ち」に近い表現もあります。
例えば「意味深な」は、「何かを抱えている表情」という意味で使われています。「意味深」とは「意味深長」の略です。意味は、「意味に深み・含みがあって複雑なこと」であり、「神妙な面持ち」と近い言葉ではあるものの、よりポピュラーで軽い表現になっています。
面持ちと表情の違いとは?
「神妙な面持ち」の類語表現には、「神妙な表情」という言葉が出てきましたが、「面持ち」と「表情」はどういった違いがあるのでしょうか。
「面持ち」とは「ある感情や心理の表れた顔つき」ですが、そのほとんどが「不満」などマイナスな感情に対して使われる表現なのです。
「神妙な面持ち」が「何かを抱えている表情」という意味で使われるときも、わくわくした気持ちのようなプラスの感情ではなく、不安感などマイナスの感情を自然と思い浮かべるのではないでしょうか。
「表情」とは「顔や身振りに表れた内部の感情」を意味しますが、その感情はプラスの感情・マイナスの感情どちらにも使われます。つまり「表情」の方が、より幅広い表現になるのです。
「神妙な」は、大人しいなど決してマイナスとも言い切れない場面でも使われますが、プラスの感情とは違います。それゆえに、元々の表現として「神妙な表情」ではなく「神妙な面持ち」という言葉が出来たのでしょう。
「神妙な面持ち」とは、かしこまった顔や、何かを抱えている表情のこと
「神妙な面持ち」の意味や使い方は、しっかり理解できたでしょうか。「表情」と「面持ち」の微妙なニュアンスの違いなど、細かく調べてみると、より意味を理解しやすいです。
「神妙な面持ち」というと、特別な状況でしか使えないようなイメージがありましたが、仕事でミスをした場面や、真剣に話を聞いている場面など、実は日常で使えるシーンが沢山あるのです。
日本語は元々の意味から、派生した表現方法や、新しく付け加えられるようになった意味など、どんどん変化していきます。時代の流れも見つつ、元の意味をしっかり理解することで、より高い表現力が身につくでしょう。