カラスが夜中に鳴く理由は地震が来るから?鳴き声には意味があったの?

鳥は鳥目なので夜は活動しないと思われがちですが、カラスは夜に鳴くこもがあります。既成概念から、カラスが一鳴きするや、すわ! 天変地異の前触れかと、その真黒な容姿も相まって恐れを抱くこともあるでしょう。しかし、鳴くのにはカラスなりの理由があるのです。

カラスが夜中に鳴く理由は地震が来るから?鳴き声には意味があったの?のイメージ

目次

  1. 1カラスが夜鳴くのはなぜなの?
  2. 2カラスが夜中に鳴くのは地震の前兆と言われる理由
  3. 3カラスが夜中に鳴く理由は地震を予知してる?
  4. 4カラスが夜中に鳴く本当の理由
  5. 5夜中に鳴くカラスへの正しい対処法
  6. 6鳥目は鶏目
  7. 7ナマズからカラスへ

カラスが夜鳴くのはなぜなの?

実のところ、カラスは夜にも鳴きます。日常的ではありませんが、場合によっては鳴くのです。夜鳴きガラスに対するイメージとその由来を踏まえ、その常ならざる「鳴き声の意味」と「行動の理由」について迫っていきたいと思います。

カラスが夜中に鳴くのは地震の前兆と言われる理由

「カラスの鳴き声が地震を告げる」というウワサが、まことしやかに、巷に浸透しているます。地震予知の代表として、カラスが近年のオカルト業界や都市伝説にトレンドになってきているようです。いったいどこから、そのような見解が生まれてくるのか、虚実を踏まえ、みていきましょう。

1.「ぬばたま」のような黒さから

「ぬばたまの」といえば夜や黒にかかる枕詞ですが、それは植物の「ぬばたま」の実を意味します。烏羽玉、野干玉、夜干玉とも表記されます。つやのある、真黒で小粒の集まった形状をしているところからの連想でしょう。

不吉なもの破滅を意味するものとして、黒は最適色といえます。日本人なら、地震や台風などの自然災害は身近なもの。その前触れの使者・化身として、カラスの纏(まと)ったマントは申し分ありません。

むろん、本人らになんの咎(とが)もありませんが、その鳴き声と合わせると、理由にならない理由がみつからないほどのインパクトがあります。

2.SNSからの拡散

2018年6月18日7時58分、日本の大阪府北部を震源とした、「大阪府北部地震」が発生しました。 地震の規模はマグニチュード6.1、震源の深さ約13キロメートル 、最大震度6弱を観測しました。

既存のメディアを通さず、SNSを中心に「地震の前夜、カラス鳴きが騒いでいた」なる投稿が相次ぎました。他にも、18日の朝7時ごろからペットの猫が鳴いて家中を走り回った。いつもはゴミ集積所のまわりで鳴き騒ぐ、カラスとムクドリが静かだった。等があります。

また、6月上旬から瀬戸内海でイルカの群れの目撃情報が相次いでいたそうです。

3.たまたま繁殖期

カラスにとっての6月は繁殖期に当たります。春から夏にかけての、この時期は神経質にならざるを得ません。昼夜を問わず、ごくささいな異変でも大騒ぎするため、たまたま地震前夜に鳴いていてもおかしくないことになります。

カラスが夜中に鳴く理由は地震を予知してる?

ここからは具体的な話のみで運んでいきます。根拠のない理由を避け、鳴き声の実際面などを細かくみていきます。

地震との関係性はない

カラスの鳴き声と地震との関係性を証明した研究結果は、今のところ、まだ出ていません。端的にいって、カラスの予知の理由は、人間のつごうによるものです。

災害などなくとも、人は心の「ばんそうこう」を生成することがあります。不安や願望が事後と事前をランダムにつなぎ合わせ、良く知れば、あってもおかしくないことを殊更(ことさら)重要視するのです。

カラスに託した予知の真の理由は、理不尽な虚無を有意味化することで、瑕疵(かし)を塞ぐカサブタとするためでしょう。

鳴く回数には意味がある

カラスは鳴き声で仲間と情報をやりとりしています。その回数にも意味があるようです。厳密ではありませんが、以下の表が、夜を問わず鳴く声の回数と意味の相関関係となっています。
 

1回 あいさつ
2回 注意!、お腹が空いた、強調
3回 安全、満足、位置表示
4回 警戒が必要、危険が迫っている、威嚇(いかく)
5回 警戒!、逃げろ
6回 外敵がいるぞ
7回 リーダーの合図
8回 集合せよ、集団行動の合図

鳴き声のバリエーション

回数だけではなく、カラスの鳴き声には様々なトーンがあり、約40種類に対応した意味が措定しています。以下の表では、下にいくほど緊迫感が高まります。
 

「カァ~カァ~」 目的地へ飛行する際の、はぐれ防止。
「カカカカ」 エサの合図
「カァッカァッカァッ」 縄張り主張(主に朝方)
「カァァカァァ」 縄張りに近づくものへ向けて
(とくに繁殖期など)
「ガァッ!ガァッ!」 濁った声で攻撃する時
(とくに繁殖期など)

カラスが夜中に鳴く本当の理由

以下からは、カラスが夜に鳴く具体的理由を挙げていきます。理由は主に三つ、ライフスタイル、危機管理、生命の受け渡しなど、すべて生き物にとっての生存原理にかかわるものです。

1.早起き

元々、カラスはとても早起きです。中には午前0時頃に起きるハタ迷惑ものもいて 、もはや夜行性ではと苦言を呈したくなる、やからもいるのです。

とくに、夜間でも人の動きが活発な都市部では、エサとなるゴミの回収に合わせ、起床が前倒しされる傾向にあります。人間の生活様式の変化にともない、カラスもライフサイクルを変化させているようです。

2.緊急警報

知能の高いカラスは、鳴き声で複雑なコミュニケーションを取り合っています。通常、夜分に鳴かないカラスが鳴く場合、身近に危機が迫る、ひっ迫した状況化下であることが予想されます。

緊急事態とは、天敵の出現と襲来、強風で巣が壊れた、獲物の知らせ分配、などが挙げられます。いずれも仲間との連携を目的としています。天敵には夜行性のものが多く、フクロウやヘビ、ときには半ば野良化した家猫にすら襲われます。

カラスとて、自然の中にあっては儚(はかな)い存在。生存への危機管理こそ、夜中にカラスが騒ぐ主原因となっているのです。

3.繁殖期ゆえのピリピリ

上述しましたが、生存といえば繁殖は欠かせません。とくに、子育て期には、いつになく神経質となりがちです。カラスは春から初夏にかけ繁殖活動が盛んになります。カラスに限らず、どの生き物も繁殖期には神経質になるものです。

子供を守るために警戒心が高まり、巣の周囲に近づくものへ警戒心をあらわにします。警告として、大声で鳴く、周囲を旋回する、小枝を落とすなどの段階を踏んで分からせようとします。

それでも、敵とみなしたものが去らぬなら、背後から脚で蹴る直接攻撃に出ることがあります。

夜中に鳴くカラスへの正しい対処法

残念ながら、あなたが直接手をくだすことは出来ません。なぜなら、カラスは鳥獣保護法によって守られているからです。なので、せいぜい予防をするか専門家に任すしかないのです。

1.できる予防対策

ゴミの上に市販の防鳥ネットをかぶせる。また、黄色のゴミ袋はカラスにとって中が見えにくく効果ありとする説もあります。しかし、効力は一時的なもので、エサの存在に気づかれたおしまいです。

なので、「ゴミは決められた時間だけに出す」が鉄則となります。ようはゴミを漁るスキを与えず、常時ごみ置き場を空っぽににしておくことが肝要なのです。

他には、ベランダに飛来するカラスには釣り糸(テグス)が効果的とされます。畑のCDを見れば分かるよう、くるくる光るだけではダメなのです。手すりにテグスを空間的に渡しかけ、物理的に通り抜けられなくするのがポイントです。

2.専門業者への依頼

カラスの巣、卵、ヒナが農作物の生育に影響を及ぼす。追っ払っても防御対策をしても被害が減らないとなれば、「有害鳥獣捕獲の許可」を受けることもできます。その場合は、自治体の窓口に相談すると良いでしょう。

とはいえ、素人には限度があります。つまるところ、最終手段は駆除業者への依頼です。業者や料金についての詳細は「生活110番」の「ハト駆除」を参考にしてください。無料現地調査、最短30分を売り文句にする業者もいます。

鳥目は鶏目

俗にいう鳥目とは鶏目のことです。飼育されるニワトリや、その仲間で人里を徒歩でうろつく雉は、たまたま目の弱い種類です。しかし、多くの鳥類は視覚が発達しており昼行性なので、夜はねぐらでじっとしています。

夜行性の種として挙げられるのは、フクロウ類、ゴイサギ、ヨタカ、ミゾゴイ、ヤマシギ、タマシギなどです。また環境に因るものあり、人工光がある都市では、街灯の周囲を飛び回り採餌(さいじ)するツバメ、駅構内を歩き回ってエサをついばむドバトなどがいます。

一説に、鳥にはまとまった睡眠時間は無用とするものがあります。断続的かつ、浅い睡眠で疲労回復が可能とされています。北極圏における白夜の夏期には、鳥の睡眠時間は極端に短くなるそうです。

ナマズからカラスへ

日本の場合、近世まではナマズが地震を予知するものとしての代表格でした。しかし、さすがに地中に居る巨大ナマズ等のイメージは、現代人には無理があるようです。かといって、カラスがそれに取って代わったところで、現代人の賢さを意味するものでもありませんが。

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