クンダリーニの覚醒方法や兆候とは？覚醒後の症状も紹介！

まず、説明にあたって「クンダリーニ」は、日本語でクンダリニー、クンダリニとも表記されますが、本文では「クンダリーニ」に統一します。また、その覚醒にあたっては、クンダリニー・ヨーガからの説を取ります。

クンダリーニ覚醒は、それぞれの社会の歴史の中で、忌避、禁忌、禁止されてきました。それもそのはずで、大変危険なものだったからです。例えていうなら、恵ある覚醒剤といったところ。

最終的な叡智にまで辿り着くのは、常人ではとても無理でした。自己管理の極めて難しい、個人型原発を抱えているようなものだったからです。

伝統的なヒンドゥーの教えにおいて、クンダリーニは人体に内在する生命の根源的エネルギーを意味します。一方、宇宙にはプラーナと呼ばれる根源的エネルギーが遍満しています。クンダリーニとは、体内におけるプラーナの別称なのです。またそれは、シャクティとも呼ばれます。

クンダリーニはサンスクリット語で、螺旋(らせん)を有するもの、という意味の「kundalin」の女性形主格です。「kundalin」は、螺旋、コイル、巻き毛、環などを意味する「kundala」から派生しました。

19世紀後半にアメリカで組織された神秘思想団体『神智学協会』3代目会長ジョージアルンデール氏は、この螺旋の「kundala」と、焼く、燃えるの「kund」、皿、穴の「kunda」の三つが、クンダリーニ「Kundalini」の語根としています。

ヒンドゥーという言葉は、サンスクリット語でインダス川を意味する「sindhu」に対応するペルシア語です。ペルシア人はインダス川の名を呼ぶことで、その対岸に住む人々としていました。それが西欧に伝わり、インドに逆輸入されたのです。

ですから、ヒンドゥー教とは、伝統を含んだインド人の宗教といった茫洋とした意味しかありません。ヒンドゥー教は、BC5～4世紀ごろに顕われ始め、BC4～5世紀にかけて優勢であった仏教を凌駕しました。その後、民衆の支持を得てインドの民族宗教となり、今に至っています。

神々への信仰と同時に輪廻や解脱をも併せ持ち、近世の教義においては、三神一体であるところの、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァの三大神が教義の柱となっています。いずれも宇宙を象徴しますが、それぞれ宇宙における、存在、平安、破壊を司る大神なのです。

クンダリニーヨーガの立場では、一旦グンダリニーが覚醒すると、様々な神秘体験をもたらすとしています。完全に覚醒すれば、素となった性欲が昇華し解脱するとさえ説かれています。

しかし、技量の未熟や事故など、突発的にクンダリーニ覚醒が生じた場合、種々の快、不快の症状を呈し、最終的には死まで至ると、指導者は断言します。正しい方法に寄らず、心身の準備が整わない状態でのクンダリーニ覚醒は、とても危険であることを警告しているのです。

画像は、90年代のアメリカのバンド「ニルヴァーナ」(涅槃＝解脱の境地)のカートコベイン(萩原健太発音)氏です。

体内＝霊体には、「ナーディー」と呼ばれる3種類の気道があります。動的で男性的な性質の「ピンガラー・ナーディー」(太陽の回路)、静的で女性的な性質の「イダー・ナーディー」(月の回路)、そして、調和をもたらす「スシュムナー・ナーディー」です。「スシュムナー・ナーディー」は、脊髄に沿って身体を貫通しています。

「ピンガラー・ナーディー」と「イダー・ナーディー」は、「スシュムナー・ナーディー」を軸として4度螺旋を描き交差しています。異なる性質の「ピンガラー・ナーディー」と「イダー・ナーディー」が調和した状態、活性と浄化という条件の下、柱である「スシュムナー・ナーディー」内をクンダリーニが上昇します。

結果、サマーディ(仏教における三昧の境地)に入ることが可能になるのです。サマーディ後の、解脱の前段階は、ブッダが悪魔に誘惑されたように危険です。解脱＝悟りへ向かい、安全に高い霊性を維持していくためには、正しいクンダリーニ覚醒が必要なのです。

チャクラとはクンダリーニの出入り口ですが、背骨の基底部の第1チャクラ「ムーラーダーラ」から頭頂部上方の第7チャクラ「サハスラーラ」まで、人体内を縦に7つ配置されています。普段クンダリーニは、尾てい骨辺りにある第1チャクラ「ムーラーダーラ」に眠っています。

(クンダリーニは、体内における宇宙の根源的エネルギー「プラーナ」の体内における別称であり、「シャクティ―」ともいわれるとは上述の通りです)クンダリーニ覚醒の神話的解釈は以下の通り。

シヴァ神と離れ離れになってしまったシャクティ女神は、蛇の姿で3回半とぐろを巻き「ムーラーダーラ」に眠っています。彼女はある時目覚め、上昇していきます。頭頂部上方の「サハスラーラ」に鎮座ましますシヴァ神と再会を果たし結合するために。シヴァ神とシャクティ女神は、後で説明する高次のツインレイなのかもしれません。

クンダリーニの上昇とは、上述した通り、人体の柱の気道である「スシュムナー・ナーディー」内をクンダリーニが上昇することを意味し、それには異なる性質の気道の「ピンガラー・ナーディー」と「イダー・ナーディー」の調和が必須でした。

しかし、それ以外にも難関があります。「スシュムナー・ナーディー」の底にある「ムーラーダーラ」から頂点の「サハスラーラ」を結ぶ気道の間に、3箇所の「グランティ」と呼ばれる結節が控えているのです。クンダリーニ上昇には、それらを打破しなければなりません。

矛盾していますが、破壊によってこそ、安全なクンダリニー覚醒の下地となるのです。3つの結節「グランティ」はそれぞれ、ブラフマー結節、ヴィシュヌ結節、ルドラ(シヴァ)結節と呼ばれています。

クンダリーニ覚醒の兆候は、肉体と精神の両面で起きます。肉体的兆候は、頭頂部の芯や額が熱を帯びたようになってズムズしたり、心臓がドキドキしたり、前立腺が詰まったような症状を表します。

これらの兆候は、人体を貫通する気道「スシュムナー・ナーディー」をプラーナ＝クンダリーニが通った証に他なりません。その7つの門であるチャクラの扉が開かれたサインであり、それ故の心身の変調なのです。

一方、精神的兆候では、俄然気分が前向きになり、自信に溢れ、性が旺盛になると共に魅力が増し、博愛精神に目覚めます。本来、クンダリーニとは性欲＝性エネルギーのことですから当然です。クンダリーニを活用する宗派は、各時代の為政者に危険視され、民衆にも忌み嫌われ断絶してきました。その最大の原因が、性の放縦さだったのです。

感情が豊かになる兆候が現れるのは、魂が豊かになるからです。例えていうなら、魂の成金になったようなもの。宇宙には根源的エネルギーであるプラーナが遍満し、それを個人がクンダリーとして取り込むのに誰の許可も要りません。税金で間引かれることもなく、全き尽きることのない無尽蔵なエネルギーなのです。

使いきれぬ豊かさは持て余され、吐け口を求めます。それが、感情といった形で現れ、表さずにはいられなくなるのでしょう。

自信が湧いてくる兆候も、無尽蔵な宇宙の根源的エネルギーの所有者となった証です。自信家になるのは自然の成り行き、ならないと言えばウソになります。むしろ、自らに逆らわず謙虚に受け入れた方が良いでしょう。でなければ、却って覚醒後を拗らしかねませんから。

活力がみなぎる兆候も上述のとおりです。体内に宇宙の根源的エネルギー、プラーナ＝クンダリーニが漲っているのを実感しているのです。当たり前の事ですから、割り振り方に気をつければ良いだけです。

性的な魅力が増す兆候も、至極当然のこと。必然といっても構いません。クンダリーニは性欲＝性的エネルギーが素ですから、精力が増すとともに性的魅力が増しても、訝る(いぶかる)に及びません。

ただ、各国の歴史において、クンダリーニを活用する宗派は悉(ことごと)く弾圧され、民衆にも忌み嫌われ、断絶を繰り返してきました。性の無差別な放縦さ、肉体的博愛主義は、控えた方が賢明です。

無償の愛が理解できる兆候は、上の肉体的博愛主義と共に、心の「ゆとり」とも繋がります。無尽蔵な宇宙の根源的エネルギーの所有者となったからには、余裕が生まれ、人間の最終的欲望である名誉欲がもたげてきます。

見栄なのか利他的愛なのか、それは紙一重のもの。常に自己に対する評価と監督が求められます。この能力はクンダリーニには含まれません。叡智へと至っていないクンダリーニ自体は、ただの活力源でありエネルギーにすぎません。それは善でも悪でもないのです。

一つの悪い例として、U2の「ボノ」氏が挙げられます。自分はオフショアで脱税をしながら、片や国の税金を使って「アフリカを救え」という欺瞞。他者を出し抜き、自分をも欺きながら、自らの行いに陶酔する症状は病としかいえないでしょう。

クンダリーニを覚醒させる方法、それも安全に覚醒させるには、どうしたら良いのでしょうか。代表的な方法としては、ヨガと瞑想と呼吸法によるものがあります。

変わったところでは、アチューンメントと呼ばれるエネルギーの通り道を作るンダリーニレイキや、ツインレイとの出会いなどがあります。ただし、後述するようにツインレイとの出会いは危険を孕むものです。

二つ代表的な方法があります。アーサナという橋のポーズと火の呼吸と呼ばれる方法です。アーサナを用いる方法は文章より、上の動画をご覧ください。火の呼吸法もユーチューブで上がっています。

火の呼吸の方法は、胡坐(あぐら)をかいて座り、お腹をへこませながら素早く呼吸します。注意点としては、下腹部にエネルギーを集中させる感じで行います。

瞑想による方法は、キルタン・クリヤを採用します。両方の手の親指を人差し指から中指、中指から薬指、薬指から小指へと、順で合わせていきます。順番に、「Sa」、「Ta」、「Na」、「Ma」と唱えます。最低11分間行いましょう。

カリフォルニア大学精神科医のラブレツキー教授の報告によれば、この瞑想により、老化防止と若さの維持、ガンや認知症予防の鍵とされる「テロメア」を増加させる「テロメラーゼ」が、平均４３%増加したと発表されました。

この結果から、クンダリーニ・ヨガの「キルタン・クリヤ」瞑想は、テロメラーゼを増加させ、テロメアが短くなることを防ぎ、それを増加させることで、細胞と脳や皮膚を若々しく保ち、癌や認知症の予防に効果があることが実証されました。

ここでは、スワミ・ルドラナンダ(ルディ)が開発した、ダブルブレスという方法を紹介します。※上述したようにチャクラとは宇宙の根源的エネルギーの出入り口です。
 

思わぬツインレイとの邂逅(かいこう)が、クンダリーニを覚醒させてしまうことがあります。ツインレイとは、同じ魂から分離した男性と女性の対の魂のことです。ツインレイの二人が出会う、それだけでも大変狂おしいものですが、身体を触れ合う、つまり性行為をすることで、一気にクンダリーニが覚醒します。

突発的なことなので、ツインレイの出会いは悲劇的な別れや最期となることが多いようです。近松門左衛門の『曽根崎心中』や二ジャーミーの『ライラとマジュヌーン』などはフィクションですが、そうであるが故に、ツインレイとの出会いと別れの機微を良く捉えたものといえます。

また、ツインレイの出会いでなくとも、全て急性な覚醒は、心身共に様々な症状をもたらすのは言うまでもありません。

クンダリーニ覚醒後は、良い事ばかりで起きるのではありません。クンダリーニ自体は善悪を含みません。その覚醒は、心身におけるフリーエネルギー革命なのです。急性な改革は革命と同じ、ショックによる病としての症状を呈することも稀ではありません。

私たちは、エネルギーといえば燃料を連想してしまいがちです。しかし、クンダリーニはプラーナであり、それは宇宙の根源的エネルギーでした。

それが背骨の基底部の第1チャクラ「ムーラーダーラ」から頭頂部上方の第7チャクラ「サハスラーラ」まで、肛門もしくは性器から性欲として入り、駆け上って昇華され、頭頂部をも越えて叡智となるのです。

正しい手順を経たクンダリーニの最終覚醒後は、宇宙の根源と繋がった叡智が働くことになります。それが過去現在未来を包含していたとしても、おかしくはないでしょう。

クンダリーニ覚醒後は、運命や天を信じる心が強くなるといいます。しかし、それは方便かもしれません。根源的な叡智に触れた時、人はそれを言い表す言葉を知りません。運命、天、神、悟りなど、それぞれの持つ文化的パラダイムにより、例える他ないでしょう。

かく言うクンダリーニという言葉も、あくまで方便にすぎないのです。普遍に触れた実体験を、何かを確信したという言葉に託しているのでしよう。

エネルギーを取り込み心身とも活性化されれば、覚醒後の体が熱くなるのは自然の生理現象といえます。ふ平熱(ふだんの体温)が1度上がるだけでも、風邪や肺炎の症状が起きにくいという迷信もあるくらいです。叡智へと昇華した後も、それはエネルギーであることをやめる訳ではないのです。

クンダリーニ覚醒後に起きる悪しき変化は、クンダリニー症候群(Kundalini syndrome、走火入魔)、と呼ばれます。生理的クンダリニー症候群(略称・PKS)では、霊的、精神的、身体的な準備が整わずクンダリニーが中途半端に覚醒してしまったため起きる症状です。

故意にもよりますが、事故やツインレイなど突発的な出来事では顕著になります。患者は様々な快、不快の症状を訴えますが、それがPKSだと気づかない人もいます。

トランスパーソナル心理学や精神医学で研究が進められていますが、まだ研究途上のようです。科学的、客観的な根拠が乏しいため、研究者らによって考え方が錯綜しています。

覚醒後には、様々な変化と症状が起きます。人格と体の心身ともに変化や症状が現れ、時に別人のように変容してしまうこともあります。クンダリーニ覚醒とは、それくらいの衝撃を人に与えるものなのでしょう。

覚醒後の変化として、欲望の質が挙げられます。ブランドものや世間の流行、物質や世事に執着していた人は、興味の対象や質が変わります。一つのことに没頭し探求心が高まり、大勢でワイワイするより孤独を選ぶようになります。今まで見ていた世界像が変わり、異なる人生を生きざるを得なくなります。

覚醒後には、嗜好も変化します。肉や魚が好きだった人は、野菜や果物の方を好むようになります。添加物や化学物質にも過敏になり、体が拒絶するようになります。食生活が変わるため、体が内側から整えられ軽やかになるでしょう。

クンダリーニ覚醒について見て来ましたが、いかがだったでしょう。一つ注意してもらいたいのは、クンダリーニ覚醒とは、スーパーマンやスーパーサイヤ人になることではない、ということです。端的にいって、それは交信に他なりません。

宇宙の根源的エネルギーとの交信です。ベースである、あなたは何も変わらないのです。レギュラーガソリンからハイオクに代えても、車種は変わらないのと一緒です。その変化には、覚醒しようがしまいが、忍耐強い努力の積み重ねがあるだけです。