生え抜きの意味や語源とは?生え抜きの社員などの使い方も紹介
「生え抜きの社員」という言葉をよく耳にします。しかし「生え抜き」とはどのような意味なのでしょうか。語源や類語なども含めて、「生え抜き」ということ言葉の意味について詳しく説明します。さらに例文も多数紹介しているので、この記事をぜひ参考にしてください。
目次
「生え抜き」ってどういうこと?
よく「生え抜き社員」といった言葉を耳にしますが、とても不思議な言葉です。「生え抜き」とは一体どのような意味なのでしょうか。
よく聞く言葉ですが、「生え抜き」の意味を正確に理解していますか?この記事では意味や類語、例文を交えて解説していきます。
「生え抜き」の意味や語源について詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「生え抜き」の意味とは?
よく聞く「生え抜き」とはどのような意味かご存知でしょうか。「生え抜き」とはある土地で生まれ、その土地で成長した人のことを意味します。
また、「生え抜きの社員」という言葉もよく耳にします。これも同じように、新卒で入社してからずっとその会社・組織に所属していることを意味します。出生のことではなく社歴のことですが、このようにある期間ずっと同じ場所にいる人のことも指すのです。
「生え抜き」の意味は以上です。意味を理解したら、次は読み方や語源についても学んでいきましょう。
「生え抜き」の読み方
ここでは「生え抜き」の読み方について解説します。「生え抜き」は「はえぬき」と読みます。
「生え抜き」の「生える」は「草が生える」「歯が生える」などと同じ意味で「はえる」と読みます。「生える」は少々読みにくいですが、読み方を間違えないよう、覚えておきましょう。
「生え抜き」の語源
「語源」というと、少々難しく感じられるかもしれません。「生え抜き」という言葉がどうやって生まれたか、易しく解説していきます。ます、「生え抜き」の「生え」についてです。これは先ほども説明したように「草が生える」などと同じ「生える」です。つまり、「生まれる・成長する」といった意味です。
次に、「生え抜き」の「抜き」を見ていきましょう。「抜き」という言葉は、たとえば「草を抜く」といった文でよく使われます。しかし、「抜き」には「貫く」といった意味もあります。つまり、「一貫している」といった意味もあるのです。
このように「生え」と「抜き」の意味を調べて合わせると、「生まれた場所に一巻して留まり、成長していく」という意味の言葉ができます。これが「生え抜き」の語源です。
「生え抜き」と「生粋」の違い
「生え抜き」の類語を調べると、真っ先に出てくるのが「生粋」です。つまり、「生粋」は「生え抜き」に最も意味が似ている類語ということです。
「生え抜き」の意味は上で解説したとおりですが、「生粋」とは「まじりけが無い」「純粋な」といった意味です。「生粋の日本人」「生粋の江戸っ子」など、出身にまじりけが無い様子を「生粋」と言います。
そのため、「生え抜き」と「生粋」はほとんど同じ意味で使われますが、「生え抜きの社員」という言葉はあっても、「生粋の社員」という言葉はありません。
「生え抜き」の類語・言い換え
サラブレッド |
たたき上げ |
生まれも育ちも |
チャキチャキ |
類語①「サラブレッド」の意味
「サラブレッド」とは、イギリスで改良された競走馬の優良種のことです。つまり、人間が意図的に育てた競馬に強い馬のことです。
「サラブレッド」は競馬に強い両親から生まれる子馬でなければなりません。ここから意味が転じて、血統や家柄の良い人のことをたとえて「サラブレッド」と呼びます。
「生え抜き」も1つの環境で生まれ育った人のことを指しますので、「サラブレッド」が類語となります。
「生え抜き」という単語は競馬の用語とも相性が良く、競走馬に対して使われることが多いです。これも豆知識として覚えておきましょう。
類語②「たたき上げ」の意味
「たたき上げ」とは、師匠や親方に弟子入りし、下積みしながら仕事を覚え、実力をつけた人のことです。「たたき上げの社員」という言葉もあるので、「生え抜き」にとてもよく似た言葉です。
「たたき上げ」とはもともと職人の世界の言葉でしたが、他の分野でも使われるようになりました。エリートの世界でも「たたき上げ」はよく使われ、入社以来ずっと1つの会社で経験を積み、出世していく社員のことを指します。
この意味でも、「たたき上げ」は「生え抜き」にとても近い類語です。特に「たたき上げの刑事」という表現は刑事ドラマでもよく使われます。「生え抜き」よりも「たたき上げ」の方がよく知っているという人もいるでしょう。
類語③「生まれも育ちも」の意味
「生まれも育ちも」もよく聞く言葉です。よく考えると不思議な言葉ですが、これも「生え抜き」とよく似た類語です。
「生まれも育ちも」は、例えば「生まれも育ちも大阪」などのように使う言葉です。ある1つの土地で生まれ、育ったことを意味しています。この言葉はよくテレビのバラエティ番組などでよく聞くので、耳なじみのある人も多いでしょう。
このことからも、「生まれも育ちも」は「生え抜き」という言葉にとてもよく似ていることが分かります。しかし、「生え抜き社員」という言葉は「生まれも育ちも」では言い換えられないので、注意しましょう。
類語④「チャキチャキ」の意味
「チャキチャキ」とはどのような意味かご存知でしょうか。よく「チャキチャキの江戸っ子」という風に使われる言葉ですが、意味がよく分からずに聞き流している人も多いでしょう。
オノマトペのような不思議な言葉ですが、辞書にも載っている単語です。血筋が純粋でまじりけがないことを指しています。この点では、生粋ともよく似た言葉です。
「チャキチャキの江戸っ子」という例文以外にはあまり使われない言葉ですが、あまり使われないため、よく覚えておく必要があるでしょう。今初めて「チャキチャキ」の意味を知ったという人も多いと思いますので、この機会にぜひ覚えてみてください。
大見出し:「生え抜き」の使い方《例文紹介》
「生え抜き」とはどのような文章で使われる単語なのでしょうか。これから例文を4つ紹介するので、言葉の使い方を詳しく見ていきましょう。
「生え抜き」という言葉は、主に人に対して使われます。次に見ていくように「生え抜きの社員」という言葉が代表的な例です。会社でよく耳にする言葉なのは、「生え抜きの社員」「生え抜きの部下」といったような使い方が多いからです。
例文①生え抜きの社員
「生え抜きの社員」または「生え抜き社員」という言葉があります。会社員の人はこのような言葉をよく耳にすることでしょう。
例文としては「あの人は生え抜きの社員だから出世が早いのよ」などという使い方をされます。このような言い方を聞いたことがある人も多いはずです。
「生え抜きの社員」とは新卒で入社してからずっと1つの会社に勤めている社員のことで、ベテラン社員に対してよく使います。入社以来同じ会社に勤めていたとしても、若い人にはあまり使われません。会社での経歴が長い人に対して、よく「生え抜きの社員」という言葉を使います。
例文②生え抜きの選手
「生え抜き」とはスポーツの世界でもよく使われる言葉です。「生え抜きの選手」という言葉をニュースのスポーツ特集などでよく耳にするでしょう。
「生え抜きの選手」とは、例えば野球ならある球団に入団して以来、ずっとその球団でプレイする選手のことを指します。野球でもサッカーでもよく使われる言葉です。
「昨日の試合では生え抜きの選手の誰々が大活躍でした」などのようにスポーツニュースで使われることが多いです。また、一般のファンがこのような言葉を使うと、ファン歴が長いという印象を相手に与えます。
例文③生え抜きの部下
「生え抜きの社員」に似た意味の言葉に「生え抜きの部下」という言葉があります。これはドラマなどでよく耳にする言葉です。
1つの会社にずっと務めるのが「生え抜きの社員」ですが、「生え抜きの部下」とは、その中でも話し手にとって部下にあたる人のことです。
例文としては、「出世枠はあっても生え抜きの部下がいない」といった風に使います。転職組ではなく、同じ会社で長く働いてきた部下を優遇する場合などに使う言葉です。
例文④生え抜きの競走馬
先ほど「生え抜き」の類語として「サラブレッド」という言葉を紹介しました。このことからも分かるとおり、「生え抜き」は競馬の用語とも親和性が高いです。
「生え抜きの競走馬」は、例文としては「今日のレースでは生え抜きの競走馬が大活躍しました」などのようにニュースで使われます。
ここでいう「生え抜きの競走馬」とは同じ場所で育てられた馬であることを指します。他の地域に移ったことがなく、ある地域で育った馬のことです。
「サラブレッド」の意味については上の項目を参照してください。
「生え抜きの社員」とはどんな社員?
「生え抜きの社員」とはどのような社員なのでしょうか。ここでは似たような言葉である「プロパー社員」という言葉と比べて、見ていきましょう。
「プロパー社員」という言葉も、よく耳にする言葉なので、聞いたことがあるという人も多いでしょう。「生え抜き社員」とセットで覚えておいてほしい言葉です。次の項目はぜひよく読んでみてください。
「生え抜き社員」と「プロパー社員」の違い
「プロパー社員」という言葉をご存知でしょうか。この言葉は「生え抜きの社員」とほとんど同じ意味の言葉です。「生え抜きの社員」と同じく、新卒で入社してからずっと1つの会社に勤めている人のことを指します。
そのため、「生え抜き社員」と「プロパー社員」のことは同じ意味だと考えておきましょう。
「生え抜き社員」の出世のしやすさは?
「生え抜き社員」の意味についてはこれまでも説明してきました。「生え抜き社員」がいるということは、生え抜きではない社員もいます。具体的には他の会社から転職してきた人のことで、「転職組」といった言い方がされます。
さて、「生え抜き社員」と「転職組」とでは、どちらの方が出世しやすいのでしょうか。一般的な日本の企業では、圧倒的に「生え抜き社員」の方が出世しやすいです。社長や役員など会社の幹部になれるのは、生え抜き社員であることがほとんどです。
一方で、転職組には転職するたびに厳しい給与交渉を勝ち抜いてきた猛者もいます。外資系の企業には、転職で給与をアップさせてきた人が多く見られます。ただし、役員クラスにまで上り詰めるのは一握りです。
生え抜き社員は出世がしやすく、日系企業では重宝される人材です。そのため、生え抜き社員というと好印象を持たれることが多いです。
スポーツの世界で使われる「生え抜き」の意味
スポーツ界で使われる「生え抜き」とは、あるチームに入ってからずっと同じチームに在籍する選手のことです。「生え抜きの選手」という風に使われることは、上で説明したとおりです。
ここでは、特に野球とサッカーにおける生え抜き選手について見ていきましょう。また、「生え抜きの馬」という言葉もよく使われます。「生え抜き」という言葉は人間に対して使われることがとても多いのですが、例外的に競走馬にも使います。
動物に対して「生え抜き」を使う例は競走馬のみと言えます。「生え抜きの馬」の意味についても紹介していきます。
生え抜きのプロ野球選手
生え抜きのプロ野球選手にはどのような人がいるか、ご存知でしょうか。
例えば、ソフトバンクの明石健志、城所龍磨です。この2人はソフトバンクに入団してから14年間ずっとソフトバンクでプレイしています。
ともに生え抜き最年長であり、チームに欠かせないスーパーサブ的なポジションです。
生え抜きのサッカー選手
生え抜き選手が多いJリーグのチームといえば、川崎フロンターレです。川崎フロンターレは大卒の生え抜き選手が多数活躍しています。
最も有名な大卒生え抜き選手といえば、中村憲剛でしょう。日本代表にも多数回選出されました。中村憲剛は中央大学を卒業してから16年も川崎フロンターレでプレイしています。
また、同じ川崎フロンターレの小林悠も大卒生え抜き選手として有名です。拓殖大学を卒業してから川崎フロンターレでプレイし、また日本代表にも選出されています。
生え抜きの馬とは?
「生え抜きの馬」は競走馬に対して使われる言葉です。ある地域で生まれ育った馬のことを指します。
これに対し、他の地域から移ってきた馬を「転入馬」と呼びます。いずれも競馬の世界で使われる言葉です。
「生え抜き」という言葉を使ってみましょう
この記事では「生え抜き」という言葉の意味や類語、例文などを紹介してきました。「生え抜き」という言葉に親近感を持っていただけたことでしょう。
特に「生え抜きの社員」といった会社で使える言葉は、明日にでも使えそうです。また、よく耳にする言葉ですので、会社の上司や同僚が使っているときに意味が分からなくて困るといったことが無いよう、覚えておきましょう。
この記事では類語もたくさん紹介しました。類語もあわせて使っていくことで、多様な表現ができるはずです。ぜひ「生え抜き」という言葉や類語を覚えておいてください。