2018年10月12日公開
2019年07月31日更新
アドバンテージの意味や類語とは?使い方を例文を用いて紹介!
アドバンテージとはどういう意味なのかご存知の方もいるでしょうか?仕事やスポーツの場面でこのアドバンテージという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。今回はアドバンテージとはどのように使えばいいのか、意味や類語も紹介しながら解説します。
目次
アドバンテージの意味とは?
日本語には外国から入ってきた言葉がたくさんあります。普段知らず知らずに使っている言葉も、もしかしたら外来語の可能性もあります。そこで、たくさんあるカタカナ語の中で、今回はアドバンテージという言葉に注目してみます。
アドバンテージとはどのような意味があるのか、日本ではどのような場面で使われているのか、その使い方や類語、そして例文を紹介しながら解説します。
アドバンテージの意味
アドバンテージとは、英語で「advantage」表記します。高校生くらいになると英語の教科書にも出てくる英単語で、大学受験で英語のテストを受ける時には必ず暗記しておくべき言葉でもあります。
advantageは名詞で、意味は「利点」「利益」「好都合」「長所」です。また、スポーツのテニスで「deuce(ジュース、もしくはデュース)の後の1点の得点」という意味があります。
アドバンテージの語源
次に、アドバンテージの語源について説明します。advantageはラテン語のante(前)という意味からできています。また、ageには(こと)という意味があるため、「前へいくこと」という基本的な意味を表しています。
さらに、advantageは古期のフランス語であるadvanceと同じ語源と言われているため、やはり「前進」「先行」という意味となります。
アドバンテージの類語
言葉には、それぞれ類語という、その言葉によく似た意味を持つ言葉がいくつかあります。ただ、類語であるため、全く同じ意味ということはありません。書かれている言葉の意味は同じでもニュアンスが違うことが多いのが特徴です。
それでは、アドバンテージにはどのような類語があるのか3つ紹介します。同じように聞こえるかもしれませんが、ニュアンスや使う場面を詳しく解説します。
メリット
まずは、1つ目の類語はメリットです。メリットは英語でmeritと表記します。メリットとは、そのものの長所や利点を意味します。例えば、化粧品を例に挙げると、保湿化粧水のメリットは潤い成分があることです。
防音窓のメリットは音を遮断することです。クレジットカードのメリットは現金が不要なことです。このようにメリットとは、それぞれの物やサービスが持つ利点であることが理解できます。
ベネフィット
2つ目の類語はベネフィットです。ベネフィットは英語で「benefit」と表記します。ベネフィットとは名詞の意味で「利益」や「恩恵」、動詞では「利益を得る」「得をする」という意味になります。
すると、先ほど述べたメリットと同じ意味ではないかと思われるかもしれませんが、使い方が全く異なります。ベネフィットは「恩恵」という意味が強いため、メリットのおかげで得ることができる利益なのです。
例えば、保湿化粧水には潤い成分というメリットがある、そのメリットのおかげで肌が乾燥しないというベネフィットがあるというように使います。
商品やサービスが持つ利点の効果によって、受けることができる得なことや恩恵がベネフィットなのです。よって、この2つの言葉も類語ですが、意味は違うことが分かります。さらにアドバンテージとも違うので、最後に説明します。
プロフィット
3つ目の類語はプロフィットです。プロフィットは英語でprofitと表記します。このプロフィットの意味は金銭的な利益や得を指しています。例えば、物やサービスを売ることでお金を稼ぐことができますが、それによって、得た金銭的な利益のことです。
では、ベネフィットとはどのように違うのかというと、これも全くニュアンスが異なります。プロフィットはお金だけの利益であることに対して、ベネフィットは効果や体験など形が見えない得の意味が含まれているのです。
アドバンテージとどのように違うのか
それでは、アドバンテージの類語である3つの言葉は、アドバンテージと根本的に何が違うのか説明します。それは、アドバンテージは他者や他のものとの比較をした時に、それらより利点があるというニュアンスがあることです。
例えば、2つの化粧水があったとします。一方は普通の化粧水で、もう一方は保湿化粧水とします。その時、「保湿化粧水を使うアドバンテージは保湿力が優れていることだ」というような使い方をします。
このように、メリットやベネフィット、プロフィットはアドバンテージの類語ではありますが、これらの3つの言葉には他者との比較はしていない利益や利点のことなのです。
アドバンテージの対義語
さて、言葉には類義語の他に、対義語という言葉があります。対義語は反対の意味の言葉のことです。それでは、アドバンテージの対義語を紹介します。
スポーツで使う言葉は「ビハインド」
まずは、ビハインドです。ビハインドは英語でbehindを表記します。behindの用法は前置詞と副詞があり、両方とも「後ろへ」「遅れて」という意味があります。
このビハインドはスポーツの時によく使われる言葉で、例えば、AチームがBチームに3点負けていると、「3点ビハインド」というような使い方をします。
英語の意味も「後ろへ」「遅れて」という意味があることから、3点後ろにいるというニュアンスで使われるのです。
不利を意味する「ディスアドバンテージ」
アドバンテージの対義語にディズアドバンテージという言葉があります。ディズアドバンテージとは、英語でdisadvantageと書き、意味は「不利を与える」、「損害」です。
英語ではdisという接頭語が付くことで、否定の意味を表します。よって、advantageを否定する意味になるため、advantageと真逆の意味になります。
不利や足かせを意味する「ハンデ」
もう1つの対義語はハンデです。ハンデは英語でhandicapと表記して、意味は、「不利な立場に置く」「身体、精神上の障害」などです。
日本では、このハンデという言葉はスポーツの場面でよく使われています。例えば、AさんとBさんの実力に差があり、そのままの状態でプレイをすると圧倒的にAさんが強いと判断されると、Aさんは不利な条件として何らかのハンデを背負うことになるのです。
アドバンテージという言葉の使い方を例文を用いて紹介
それでは、実際にアドバンテージという言葉を日常生活でどのように使えばよいのか、その使い方を例文を挙げながら紹介します。
アドバンテージを使った例文①アドバンテージが高い
1つ目の例文は人の能力を比較する場合です。「Aさんは英語の能力が高いので就職の際アドバンテージ高い」「海外留学経験がある人の方がこの職種ではアドバンテージが高い」というような使い方をします。
例文から見ても分かるように、人と比べて、自分の方が何か高い能力を持っていることで、状況が自分の方に有利になるという意味になります。他人と比べて有益な立場にある際には「アドバンテージ高い」という使い方ができます。
アドバンテージを使った例文②アドバンテージがある
2つ目の使い方は「アドバンテージがある」です。では、例文を見ていきましょう。「彼の容姿はそれほど良いとは言えないけれども経済力というアドバンテージがある」「A空港はB空港に比べてアクセスが良いというアドバンテージある」という使い方をします。
アドバンテージがあるとは、他の人や物に比べて、何か利点があるということを言いたい時に使える表現です。そして、アドバンテージがあることで、何かしらの得をしているというニュアンスも伝えることができます。
アドバンテージを使った例文③アドバンテージを得る
3つ目の例文は「アドバンテージを得る」です。それでは、その使い方を紹介します。例えば、就職をする際のような場面では、「英語の資格を取得しておくと、他者よりもアドバンテージを得ることができる」というように使います。
また、学生が留学する時には、「留学をすることで多くの経験ができるアドバンテージを得ることができるが、大学を1年留年しなければならないという事実に直面する」のような使い方ができます。
アドバンテージを使った例文④アドバンテージを取る
4つ目は「アドバンテージを取る」です。何らかの利益や有益を他者から取るという意味で使うことができます。
例えば、会社で、「この企画に関しては、彼女の企画よりも一歩アドバンテージを取っている」というように、商品開発などで企画を出している際に使うことができます。
さて、先ほど述べた「アドバンテージを得る」も「アドバンテージを取る」と同じだと思われるかもしれません。確かに、「得る」は「取る」と類語ですが、ニュアンスが異なります。
「得る」の方が自然に何かを獲得している状態にあることを意味していますが、「取る」の方は自分から取りにいくという意味が強く含まれており、故意的なニュアンスを含んでいることを覚えておくと良いでしょう。
アドバンテージのスポーツの場面でも使い方
アドバンテージという言葉は、よくスポーツの場面で使われます。スポーツは相手と競って勝ち負けを決めるものであるため、相手より優位に立つという意味のアドバンテージは便利な言葉なのです。
それでは、どのようなスポーツでアドバンテージという言葉が使われているのか、また、それぞれの競技でのアドバンテージの意味とは何なのか解説します。
テニスや卓球の場合
まずは、テニスや卓球で使われるアドバンテージの意味を紹介します。テニスや卓球では同点になり、あと1点でそのゲームを勝てる状態になると、デュース(ジュース)となります。
そして、そのゲームを勝つためには、先に2点連続して得点を取る必要があります。テニスや卓球において、デュース状態になった後に、先に1点を獲得した場合にアドバンテージと表現されます。
先に1点を取った方は、あともう1点取ればそのゲームに勝つことができます。よって、対戦相手よりも勝利に一歩近づいていることから、有利な立場になっているので、この言葉が使われます。
テニスでは審判が「アドバンテージ」と宣言します。ただ、実は、卓球に関しては、テニスのようにルール上のデュースはなく、審判も「アドバンテージ」とコールすることはありません。
しかし、現場では、「デュース」「アドバンテージ」という言葉は頻繁に選手やコーチの間で使われています。それは、一言で、相手より優位に立ったと表現できる言葉なので便利であるからだと考えれられます。
サッカーやラグビーの場合
次は、サッカーとラグビーの場合を説明します。サッカーやラグビーのアドバンテージはテニスや卓球と違って1点リードしているという意味ではありません。
サッカーやラグビーのアドバンテージとは、攻撃している側がファウルを受けたのにも関わらず、審判がファウルを取らないで、そのまま試合が続行されることを意味しています。サッカーやラグビーでは、そこでファウルを取って試合を中断してしまうと、攻撃のチャンスを無駄にしてしまうと審判が判断する場合があるのです。
このように試合の流れを重要視するスポーツでは、審判がファウルを取らないで、試合を進めることをアドバンテージと表現します。
野球の場合
野球のアドバンテージとは、これまでのスポーツと違って試合中に使われる言葉ではありません。野球のアドバンテージとは、クライマックスシリーズにおいて、リーグで優勝したチームに与えられる1点のことを指しています。
ちなみに、クライマックスシリーズとは、セリーグとパリーグの上位3チームが日本シリーズの出場権をかけて戦う試合のことです。
ファイナルステージにで3チームが戦うのですが、4勝すれば優勝になります。しかし、リーグで1位になったチームにはすでに1勝が与えられるのです。すると、1位のチームは残り3勝で勝てますが、2位と3位のチームは4勝必要になります。これが、アドバンテージと言われます。
カタカナ語の使い方について
さて、最後にカタカナ語の使い方について考えてみましょう。日本には多くのカタカナ語があります。ただ、知っている人にとっては便利かもしれませんが、知らない人にとっては意味がわからないので嫌がられることもあります。
アドバンテージという言葉も含めて、カタカナ語を使う時は、場の状況や、話す相手などを考慮して使うことが大切です。
アドバンテージの乱用に注意
アドバンテージという言葉は、人より有利な状況にある時に使ったり、サッカーやテニスなどのスポーツの場面でも使うことができるので、大変便利な単語です。
スポーツの場面なら、アドバンテージという単語は定着しており、スポーツ用語として認識されていますが、日常のシーンではそれほど定着していないこともあります。
「私にはアドバンテージある」「この資格を持ってたらアドバンテージを得れる」などと、あまりにも乱用をしすぎると、聞いている人によっては鬱陶しいと感じることもあるので注意が必要です。
アドバンテージの意味を知って賢く使おう
アドバンテージという言葉には、利点や優位に立つという意味があります。類義語として、ベネフィットやプロフィット、メリットなどがありますが、ニュアンスが違うので、使い方に注意することが大切です。
日常の場面だけでなく、スポーツの場面でもよく使われるアドバンテージですが、意味をしっかり理解して、時と場合を考えて適切に使うようにしましょう。