シュッとしてるの意味とは?関西人が言うシュッとしたとは?
関西弁でよく耳にする「シュッとしている」とは、共通語で「すらりとしている」など訳される褒め言葉です。関西では、モデルのようにすらりとした体形の人や、鼻筋が通った端正な顔立ちに清潔感ある髪型をした男性を「シュッとしている人」に例えられます。
目次
関西弁の「シュッとしてる」の意味を理解しよう
関西弁の「シュッとしている」とは、「細身でスタイルの良い」「清潔感ある」「無駄がなく細い・長い」など、主に女性が男性に対して発言される褒め言葉です。
「シュッとしている」は、共通語の「すらっとしてる」と似たような意味を持っていますが、「シュッとしている人」「あのシュッとしている道をまっすぐ」のように、人だけでなく、物に対しても使用することができる便利な関西弁です。
「シュッとしている人」の意味とは?
関西弁で聞かれる「シュッとしてる人」とは、共通語の「すらっとしている人」つまり、細身でほどよく引き締まったスタイルの良い人を指した言葉です。
シュッとしてる人は、モデル体型と呼ばれる単にやせ細った体形ではなく、ほどよい筋肉質や、顔がほっそりして鼻筋が通っている、清潔感あふれる髪型や服装を褒める場合に用いられる関西弁です。
シュッとしてる人の特徴
単に痩せている体形を指すだけでなく、髪型や服装を褒める場合にも使用される関西弁の「シュッとしてる人」には、男性だけでなく、女性に対しても用いられる褒め言葉です。
以下では、関西弁で発せられる「シュッとしてる人」の特徴を、体形・スタイル・関西人好みのイケメン・服装に着目して紹介します。
体形が細い
関西弁で使用される「シュッとしてる人」は、共通語で「すらっとしてる人」と同じ意味を持ち、文字通りモデルのように細身の体形であることが、1つめの特徴です。
また、シュッとしてる人は、細身の体形だけでなく、男性であれば鼻筋が通っていることや、女性であれば手の指が細長くきれいなことを例える場合にも用いられる関西弁です。
スタイルがいい
細身の体形を表現した「シュッとしてる人」には、単にやせ細っていることを強調するだけでなく、ほどよく引き締まった筋肉質も指し、健康的でスタイルがいいことが「シュッとしている人」の2つめの特徴です。
このように、引き締まった体形を表現する方言である「シュッとしてる人」は、主に女性が男性に対して使われる言葉ですが、シェパードのように細身でがっちりした体形の犬種にも使うことができる関西弁です。
イケメン
ぜい肉のない引き締まったボディラインに加え、細身で彫りの浅い顔つき、筋の通った鼻、清潔感ある髪型のように、爽やかな顔立ちの男性にも投げかけられます。
このように、しょう油顔・塩顔などと呼ばれる日本人らしい顔立ちに、きれいに整えられた髪型をした爽やかイケメンを指す時にも、「シュッとしてる人」と呼ばれる場合があります。
服装がスタイリッシュ
ここまで、関西弁の「シュッとしてる人」の特徴を3つ紹介しましたが、どんなにスタイルや顔が良くても、服装がだらしなかったら、本当の意味で「シュッとしてる人」には、当てはまりません。
「シュッとしてる人」4つめの特徴は、自身のボディラインに沿うように着こなされたスタイリッシュな姿、例えば、スーツをきっちり着こなして颯爽と歩くサラリーマンのように、無駄のないシンプルな出で立ちが似合う姿も特徴の1つです。
「シュッとしている」は人だけではない
主に男性の出で立ちを褒める言葉として使用される関西弁「シュッとしている」には、モデルのようにスレンダーな姿の女性や、シェパードや馬のように、ぜい肉のない筋肉質な体形の動物に対して用いられることもあります。
また、細長いことを意味する関西弁の「シュッとしている」には、生き物だけでなく、高層ビルをはじめとする建造物や一本道も表す時にも使用される言葉です。
例えば、1ミリの歪みなく、まっすぐそびえたつ高層ビルの姿や、東京スカイツリーのように細く長く、高い建造物を比喩する表現として「シュッとしている」が使用されています。
また、どこまでも続く真っすぐな一本道を、関西弁では「シュッとした道」と表現され、日常生活でも「あのシュッとした道をまっすぐ進む」というように使用されます。
「シュッとしてる」の共通語は?
関西弁でよく聞かれる「シュッとしている」とは、「先が細く締まった、無駄のない形」を指した擬音語で、人だけでなく、物に対しても使用することができる便利な関西弁です。
よって、人を指して「シュッとしている」という場合は、共通語の「すらっとしてる」を意味し、高層ビルや道など人以外の物を指す場合は共通語の「細長い」「無駄のない」「シンプルな」「まっすぐな」など、様々な意味が含まれています。
「シュッとしてる」以外のよく聞く関西弁
関西を舞台にしたドラマやバラエティ番組を通じて、関西へ居住経験がない人でもつい関西弁を口ずさんでしまうほど馴染み深い方言・関西弁についてもっと知ってみませんか。
そこで、「シュッとしてる」以外の関西弁で、聞く機会の多い言葉「あかん」「知らんがな」「けったいなやつ」「けったくそわるい」の意味を、以下で知ってみませんか。
あかん
関西弁でもっとも聞かれる「あかん」は、共通語で「ダメ」「やってはいけない」というように、相手に注意を促したり、「やってしまった」と軽い後悔を表現するなど、様々な場面で見聞きする方言です。
関西に馴染みのない方でも「あかん」の認知度は高く、イントネーションによって使い分けができる便利な関西弁でしょう。
知らんがな
よく耳にする関西弁のうち「知らん」「知らんがな」、一見同じようなニュアンスに聞こえてしまいますが、実は、語尾に「がな」が付く場合と付かない場合では、意味が異なります。
関西弁で「知らんがな」と言われた場合は、「自分には関係ない、興味がない」というニュアンスを含めており、「知らんがな」の裏には、面倒事に巻き込まないで欲しいという意味も込められています。
「知らん」との違い
無関心さを装う「知らんがな」と混同されることも多い「知らん」は、文字通り共通語の「知らない」と同じ意味で使用される関西弁です。
しかし、何か腹立だしい出来事がきっかけで、相手が本気で怒っている場合は、言葉を強調する意味を込めて「知らんがな」と発せられることもあります。
けったいなやつ
まず、関西弁でいう「けったい」とは、共通語で「変」「妙」を意味し、何を考えているのか分からない「変わり者」という意味で使用されます。
しかし、「けったいなやつ」とは、本当の意味で「変わり者」と言っているだけでなく、場合やイントネーションによって「不思議な人」という意味を込めて発せられることもあり、愛情表現の1つとして使用される、大阪府ならではの方言です。
けったくそわるい
関西弁に聞きなれない方でも、言われたら気分を悪くしそうな「けったくそわるい」という関西弁は、共通語の「腹ただしい」「ムカつく」のように、怒りを表現する方言です。
「けったくそわるい」は、相手が本気で怒っている場合に発せられる関西弁であり、この言葉が飛び交う時は、よっぽど気に入らないことが起こったことを示唆させる発言です。
エセ関西弁について知ってみよう
上記で説明した関西弁の「シュッとしてる」のように、関西弁は全国でもっとも親しまれている方言ですが、近年の方言ブームに便乗し、自分の出身以外の方言を交えて会話するエセ弁も出回っています。
エセ弁の代表格であるエセ関西弁とは、テレビなどで覚えた関西弁を無理やり使用した話し方を指し、ネイティブ側から見ると「アクセントが違う」「そのような使い方はしない」ように、関西弁に聞き慣れている本場の人にとって、違和感を覚えずにいられない方言モドキです。
エセ関西弁はわざとらしい
近年の方言ブームで、言い回しが可愛いとの理由から関西弁を交えて会話をする人が増える一方で、本場からは「エセ弁」と厳しい意見も飛び交っています。
例えば、関西弁の定番「なんでやねん」のように、語尾に「-やねん」と付けた会話は、本場から見て、イントネーションが違う、わざとらしさを感じるとの意見が挙げられています。
また、エセ関西弁だと見抜かれる最大の特徴は、本場・関西人が日常生活で用いらない言葉や語尾を、頻繁に使うことです。
そして、本場・関西人にとって、見よう見真似で覚えたエセ関西弁は違和感を覚えると同時に、関西以外の地域の人が聞いても、人をばかにしたような言い回しであることが指摘され、周囲の人間に不快を与えかねないエセ弁でしょう。
正しい意味を理解して関西弁に親しもう
テレビやラジオ番組などを通じて関西弁に親しむ機会が多くなった一方、近年の方言ブームに便乗し「エセ関西弁」と呼ばれる、本場とはかけ離れた関西弁を用いる会話も多く耳にします。
そこで、今回紹介した関西弁の「シュッとしている」の意味をはじめ、関西弁の正しい意味や用いられ方も理解しながら、親しんでみませんか。