方言「だべ」の意味！地域ごとの使い方｜神奈川/北海道/東北地方

方言の語尾の「だべ」は、東北の田舎のおじいちゃん、おばあちゃんが使っているイメージがありますが実は東北だけではないんです。

「だべ」は関東でも普通に使われています。みんながみんな「だべ」を使っている訳ではないですが、関東に住んでいる方は思い出してください。知り合いに「〜だべ！」と使う人いませんか？

方言の語尾「だべ」は東北、関東、そして北海道でも使われていて、意外と広範囲。ですが「だべ」の使い方はみんな同じ意味ではなく、地域によって「だべ」のアクセントや使い方が違うそうです。はたして「だべ」の意味とは？そして、「だべ」の由来とは何なのでしょうか？

方言「だべ」の意味は、「多分〜でしょう」「〜だろう」などで、若干地域によって違いがあります。また、語尾を言い切る形にしたり、語尾を変化させたり変化がみられたりと、広範囲でつかわれている方言だけに、変化も様々です。

もともと「だべ」は関東・東北の伝統的な方言で、関東の方言だったことから「だべ」は広範囲の地域に影響を与えました。

明治維新以降、日本の首都が京都から東京になったことで、東京方言は標準語として位置づけられました。第二次世界大戦後、共通語が整備されていく中で、東京では「だべ」などの方言が衰退していったようです。

しかし、1980年代に大ヒットして実写化までされた暴走族の漫画「湘南暴走族」の湘南の不良が話していたこともあり、不良言葉として一時期流行り、「だべ」などの方言が復活したようです。

親や友達の方言の影響などから、東京でも「だべ」は今でも使われています。

神奈川は横浜、鎌倉、湘南、箱根など、都心に近くて人気の観光名所がたくさんありますが、神奈川でも「だべ」を使う人が多いようです。

横浜出身の人で、東京に来てから方言だったことに気がついたという人もいるようです。上で紹介した「湘南暴走族」を読んでいた世代の方や、昔から使い続けている年配の方などから方言は伝えられ、根強く残っているようです。

他にも、都会的でオシャレな横浜の人が方言を使うのは逆にオシャレだという考えもあるそうで、今では使わなくなった方言も、オシャレ言葉として復活させている人もいるようです。

東京でも方言があるというのが驚きですが、「だべ」は今でも少数派ながら存在します。東京都下の八王子と横浜はシルクロード（絹の道）で結びつきがあったり、八王子は明治時代、神奈川だったりと方言を共有する機会は存分にありました。

そんな背景もあり、東京の八王子は「だべ」は、神奈川方言とほぼ同じ意味で使われているそうです。

都心からアクセスが良く、東京ディズニーリーゾートや水族館もあり親子連れにも人気な千葉も、語尾が「だべ」の千葉方言があります。

千葉方言（房総弁）には３種類あり、房総半島南部の房州弁、北東部で使われていて房州弁と茨城弁の中間のような東総弁、野田市周辺で無アクセントの野田弁があります。

北西部では、都心への通勤者や移住者が多いので、千葉方言を話す人はますますいなくなっているそうです。

水戸納豆で有名な茨城の茨城弁は、栃木と一緒に東関東方言に分類され、栃木や東京（江戸言葉）、東北との共通点が多いです。

茨城弁の特徴というのは”カ行・タ行が濁音化する”こと。そして、もう一つは”エとイの区別がなく、エとイの中間を発音して話している”という茨城弁。茨城に移住した人は、茨城弁のインパクトが強く毎日方言を聞いているうちに移ってしまう人もいるようです。

草津温泉に伊香保温泉、赤城山にスキー場と自然と観光のイメージが強い群馬。群馬弁は上州弁とも呼ばれています。

茨城弁や栃木弁（足利市周辺は除く）は東関東方言ですが、群馬弁は房総弁や埼玉弁、多摩弁に神奈川弁といった西関東方言に属します。

群馬県内でも地域によって変化があり、北部西部の山間部・中部の平野部・東南部の3つに分けられます。

なまはげや、きりたんぽが有名な秋田ですが、乳頭温泉に十和田湖、安の滝など観光名所もたくさん！そんな秋田は独自の方言をもっています。

それでも秋田県内でも方言の地域差があったり、地元の仲間同士でも聞きづらかったり、わからなかったりするようです。発音も母音が6つもあったり、イとウの発音も近く発しているなど独特な秋田弁。

雪がたくさん降る秋田では、口を大きく開けると口の中に雪が入ってしまうので、入らないように口を窄めて話をしていて独自の発音ができたという考えもあるようです。

山形といえば、さくらんぼやラ・フランスなどの食べ物の他に、最上川やクラゲの展示数が世界一の鶴岡市立加茂水族館もあります。

そんな山形の方言は東北方言に属していますが、県内共通の山形弁はなく、地域によって新庄弁・村山弁・置賜弁などに分けられます。ですが、山形独自の言い回しに微妙な特徴があって、山形ならではの独特な会話が成立しているようです。

北海道といえば、札幌雪まつりに旭山動物園、ジンギスカンにラーメン、そしてカニなど魚介類や牛肉が美味しく、見所食べ所満載な観光地ナンバー1な場所です！

そんな北海道の方言は、東北方言を基盤にした東日本方言ですが、関西や西日本の方言にも影響されています。

ちなみに、平成28年平昌オリンピックに出場し、銅メダルを獲得したカーリング女子が頻繁に口にしていた「そだねー（そうだね）」は北海道弁で、可愛いと話題になりました。「そだねー」は友人間で使う言葉で、身内や目上の人に対しては「だっけさ」を使うそうです。

ウケ狙いのように「だべ！」を頻繁に使う元スマップの中居君。よくネタにされるので、ウケ狙いに思われるかも知れませんが、中居君の「だべ」は方言でした。

中居君の出身は、神奈川県にある横浜市の隣の藤沢市で、湘南や江ノ島がある場所。上でも紹介した通り神奈川にも「だべ」の方言があります。

そして、湘南暴走族が流行った影響かはわかりませんが、中居君は元々ヤンキーだったので、「だべ」が仲間内で流行っていたのではないかと思います。

他にも語尾に「じゃん」を使ったり、それもやはり神奈川弁。標準語に直すことなく、「だべ」を使い続ける中居君に地元愛を感じます。

方言の「だべ」は、田舎臭いとも言われていますが、可愛い語尾の方言もあります。東北弁では、カエルのような「けろ」がついて「まかせてけろ！」と使ったり、「っぺ」の語尾がついたり。上で紹介した「にゃ」の語尾も可愛いと人気があります。

いかがでしたでしょうか？方言は東北など都心から離れた場所だけではなく、関東だって方言があることがわかりました。今では標準語ばかり広がってますが、可愛い方言はたくさんあります。

その土地ならではの方言はその土地に行けないと聞けない貴重なもの。減少しつつある呪文のような方言も、意味がわかれば愛着がわいてきませんか？標準語も都会的でカッコイイですが、地元の言葉も大事にしましょう。