アマリリスの花言葉は?種類や色別(白,ピンク,赤,黄,紫)の意味
アマリリスの花言葉をご存知でしょうか?赤、白、黄、ピンク、紫…色々な種類があるアマリリスには、面白い由来を持つ花言葉がつけられています。アマリリスの名前の由来や歴史、飾り方やアマリリスの品種などを交えながら紹介していきます。
アマリリスとはどんな花?
アマリリスとは、ヒガンバナ科ヒッペアストルム属に含まれる植物のことです。キレイで大輪の花を咲かせるアマリリスが、実はヒガンバナと近しい関係だと知るとびっくりするかもしれません。
現在原種は約90種ほどですが、園芸用に品種改良されたものを含めるとその数は膨大なものになります。基本的には横か下を向く花ですが、品種によっては上を向くアマリリスもあるようです。
アマリリスの名前の由来
アマリリスという名前は旧属名で、実は学名的にはヒッペアストラムという名前がつけられています。アマリリスは日本だけでなく海外でも通じる名称です。
響きがかわいいので女性は好きな名称かもしれません。そんなアマリリスは、名前がつけられた由来が興味深いことで知られています。
和名「アマリリス」の由来
アマリリスの由来は、神話の登場人物からきています。古代ローマやギリシャなどで知られるヴェルギリウスという詩人によって作られた詩文に登場する羊飼いに、アマリリスという少女がいました。
そのアマリリスという少女が詩の中で咲かせた花が赤く美しい花だったため、その花に少女の名前がつけられたと言われています。
学名「Hippeastrum」の由来
学名のヒッペアストラムは、ギリシャ語からきています。騎士を意味するヒッペオスと、星を意味するアストロンを合わせてできたのがヒッペアストラムです。
このアマリリスとヒッペアストラムの2つの名前を持っていることで、学問的には混乱を呼ぶ場合もあると言われています。
アマリリスの歴史
アマリリスが日本に来たのは江戸時代末期のことでした。3種類のアマリリスが渡来し、現在も畑や田んぼの沿道で見られるようです。
基本的な色は白や赤、ピンクで、黄色や紫は交配されて生まれた品種に多い色という傾向があります。黄色や紫は園芸用ではなく、観賞用やフラワーアレンジメント目的で用いられるようです。
アマリリスの特徴
アマリリスの特徴は、基本色である鮮やかな赤と、大きく開く花弁です。下向きや横向きの品種は百合にも似ていますが、目に止まるのはアマリリスのほうでしょう。
咲いている場所も特徴的で、人の手で花壇に植えられる以外は畑などの閑静な場所に咲いています。そういった場所に咲いている理由は昔の人が植えたからですが、それには意図がありました。
アマリリスは有毒?
アマリリスには球根などの部分に毒が含まれています。リコリンと呼ばれる催吐作用がある毒で、摂取しすぎると死亡するケースもあるほどです。
しかし、人に対する中毒量はそれほど高くありません。匂いを嗅いだり触ったりしただけで危険が及ぶことはないので安心してください。また、毒があるのはアマリリスだけではありません。
ヒガンバナ科植物
アマリリスの仲間であるヒガンバナには、毒があることで有名です。アマリリスもヒガンバナも、同じヒガンバナ科植物に属します。昔の人は、このヒガンバナ科植物の毒性を利用するためにある活用法を試しました。
それが畑や田んぼの害虫・害獣駆除を目的とした植えつけです。効果が発揮され、全国的に植えつけが行われたことにより、現在のような群生が見られるようになりました。
アマリリスの花言葉
アマリリスは見た目や歴史、由来によってつけられた花言葉があります。見事な咲きっぷりを見せるアマリリスだからこそ、ポジティブな花言葉があると思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。
アマリリスの日本での花言葉
アマリリスは和名で知られる通り、古くから日本の農家の間では馴染み深い花の一つでした。知っているからこそ、日本の花言葉には奥ゆかしい歴史を意味する由来があります。
輝くばかりの美しさ
アマリリスは同じ仲間であるヒガンバナと比べると、花弁の数も少なくシンプルな印象があります。しかし大きさはヒガンバナに勝り、咲き方の鮮やかさも印象的です。
このことから輝くばかりの美しさという花言葉がつけられました。また、前述したヒッペアストラムという学名に含まれる星の意味をくんだとも言われています。
おしゃべり
アマリリスはヒガンバナ科植物特有の群生をすることで知られています。そして、基本的には横向きで咲く花です。私たちも話すときは横を向いて誰かに向けてします。
横を向いて話すように咲いていることから、おしゃべりという花言葉がつけられたようです。確かに群れをなして横向きで咲くさまは、女性がおしゃべりをしているようにも見えます。
その他
その他にも内気、誇り、虚栄心といった、捉えようによってはマイナスイメージの花言葉があります。おしゃべりに対して内気だったり、誇りに対して虚栄心だったりと、矛盾に感じるかもしれません。
これはアマリリスの種類によって違いが生じることが由来だと言われています。上向きに咲けば誇りを持っているように見え、下向きに咲けば内気に見えるので、このような花言葉になったのです。
アマリリスの海外での花言葉
アマリリスは英名でナイツスターリリーとも言います。騎士のように誇り高く、星のように輝く百合のごとき美しさを持つアマリリスにつけられた海外の花言葉には、どんなものがあるでしょうか。
素晴らしい美しさ
日本にも「輝くばかりの美しさ」という花言葉がありました。海外でも翻訳の違いはあれど、同じ意味合いで「素晴らしい美しさ」という花言葉があります。
花言葉の意味もほとんど日本と変わりません。強いて言うなら、海外のほうが星に影響されている感じが強いです。
誇り
これも日本の花言葉に含まれていました。英名のナイツスターリリーのナイツとは「Knight's」、つまり騎士を意味します。騎士とは誇り高く、己の意志と職務を全うするために尽力する人のことです。
「誇り」という花言葉はそんな騎士の志から由来したと言われています。
アマリリスの花言葉と意味【色別】
アマリリス全体での花言葉は前述しましたが、それなら色別の花言葉も知りたいと思う人がいるかもしれません。
「そもそもアマリリスってどんな色があるの?」「赤白ピンクはあると知っているけど、黄色と紫色もあるって本当?」と疑問に感じている方向けに紹介したいのですが、実は驚きの事実があるのです。
アマリリスの色別の花言葉は存在しない?
なんとアマリリスには、明確に定められた色別の花言葉が存在しません。赤いバラには情熱、白いコスモスには優美といったように、大抵の花には色別の花言葉があるものです。
しかしアマリリスにはそういったものがないので、ここではアマリリス全般の花言葉の中から各色に合わせた花言葉をチョイスしていきます。
白いアマリリスの花言葉
白いアマリリスに合う花言葉は、「内気」「誇り」でしょう。学名の意味を考えるなら、「輝くばかりの美しさ」も当てはまるかもしれません。白は純潔や真実を意味する色なので、大人しいイメージの「内気」や他人の意図が混ざることのない「誇り」はぴったりではないでしょうか。
白いアマリリスの品種は天使みたい、アイスクイーンなどがあります。まさに天使のような輝きを放つ白は、「輝くばかりの美しさ」を体現しています。
ピンクのアマリリスの花言葉
ピンクのアマリリスには、「おしゃべり」がいいのではないでしょうか。ピンクは若者や女性に愛される色で、そのどちらにも当てはまるのがおしゃべり好きという点です。
優しいピンクの色合いが特徴のシロスジアマリリスなら「内気」も合いそうですが、ピンク色のアマリリスの中にはネオンのような発色をする品種もあるくらい、かなりピンクの主張が濃い傾向にあります。
全体的に見ると、やはりピンクのアマリリスは「おしゃべり」に見えるでしょう。
赤いアマリリスの花言葉
赤は愛情や情熱を表す色なので、「誇り」がいいかもしれません。誇りとは名誉、すなわち勝ち取り得るものです。何かを得るには、それに対する情熱がないと意志が働きません。
赤いアマリリスにはレッドライオン、ダブルドラゴンといった強さを象徴するような品種があります。ライオンといえば誇り高き百獣の王です。このことからも赤いアマリリスには「誇り」が合っていると言えるでしょう。
しかし、逆にいえば誇りとは強い「虚栄心」の元で成り立っているとも言えます。赤いアマリリスを送る際は、きちんとメッセージを添えておくのが安心かもしれません。
黄色いアマリリスの花言葉
黄色いアマリリスの数は少なく、発色もレモンライムのような緑に近い品種や、ヘリオスのような白よりの品種が大半です。だからこそキレイに黄色が発色したときは、「輝くばかりの美しさ」を持っていると感じるのではないでしょうか。
また、黄色は活発な印象を与える色でもあるので、「おしゃべり」も合うでしょう。これは捉えようによっては悪い意味にもなりますので、黄色いアマリリスをプレゼントするなら上記の「輝くばかりの美しさ」を持つと相手に知らせるほうが無難かもしれません。
紫のアマリリスの花言葉
紫とは赤と青が混ざり合ってできる色で、相対する意味を持つ色でもあります。高貴さやクリエイティブなイメージがある一方で、下品だったり不安定だったりというようなマイナスイメージの意味も紫は持っているのです。
そう考えると紫のアマリリスには「内気」「虚栄心」あたりが合うのかもしれません。紫色の上品さを汲むなら「輝くばかりの美しさ」も妖艶な感じがぴったりでしょう。
紫のアマリリスは非常に珍しく、名が知られているものだとブルーアマリリスしかありません。そういった希少性からも、「輝くばかりの美しさ」がそうそうないことを表しているといえます。
アマリリスの花言葉の由来
国内外の花言葉は前述しましたが、その花言葉の由来には神話が関わっています。名前の由来でもあるウェルギリウスの詩にでてくる少女のエピソードです。
アマリリスにまつわる神話
昔、アマリリスという内気な羊飼いの少女がいました。アマリリスはアルテオという花好きの少年に恋をしていました。
しかしアルテオはいつも花をくれる別の少女のことが好きだったため、アルテオを振り向かせるためにアマリリスは神様に頼ります。神様はアマリリスに矢を与え、その矢で自らを傷つけるようにと告げました。
お告げに従い傷つけたところ、その血が落ちた先に輝くばかりの美しさを持つ赤い花が咲いたのです。その花をプレゼントされたアルテオはアマリリスに恋をし、アマリリスはおしゃべり好きという本当の自分を出せるようになりました。
花言葉「誇り」の由来
詩にあるように、アマリリスはアルテオを振り向かせるために神様に頼っています。さらにお告げに従って自分を傷つけることも厭いません。これは恋をしたアルテオを振り向かせることを名誉に思っているからこそだと言えます。
誇りという花言葉は、アルテオにも自分に恋してほしい、そのためなら何だってするという、ある種の誇りを持って行動していることに由来しているのではないでしょうか。
花言葉「輝くばかりの美しさ」の由来
地面に落ちた血から生えた花が輝くばかりの美しさを持っていたことに由来します。その赤い花がアマリリスと名付けられたきっかけでもあるので、アマリリスの代表的花言葉といってもいいでしょう。
神様の力によるものもあったかもしれませんが、花を見ただけでアルテオがアマリリスに恋をするか疑問視する声もあります。実はアマリリス自身も勇気を持って花をプレゼントしたことで、内に秘めた輝くばかりの美しさが発揮されたのかもしれません。
花言葉「おしゃべり」の由来
内気な人は、慣れた相手や親しい相手にはおしゃべりな場合があります。アマリリスもそうだったのではないでしょうか。恋をしたアルテオと結ばれたことで、本当の自分の姿であるおしゃべりな面を見せられたのです。
アマリリスの花の由来は少女の名前からでした。その少女がおしゃべりなら、その血から生えてきた花もきっとおしゃべりだろうと、花言葉にしたのかもしれません。
アマリリスの種類
アマリリスは学術的に考えると混乱を招くということはすでに約説しましたが、本当の意味でのアマリリスが存在するのはご存知でしょうか。
アマリリスにはホンアマリリスという種類があり、現在では2種しか存在しないと言われています。ホンアマリリス属は南アフリカ原産で、他にもヒッペアストルム属とは違う点がたくさんあります。
ベラドンナリリー
ベラドンナリリーが日本に来たのは明治時代のことでした。芳香があり、花の中心に向かうにつれてピンクと白のグラデーションのようになっています。
大きめですが気品があり、堂々とした雰囲気がフラワーアレンジメントなどで重宝されるアマリリスです。
アマリリス・パラディシコラ
アマリリス・パラディシコラは希少種で、南アフリカのケープ地方にしか自生していません。それ以外は流通があまりないため、育て方なども確立されていないようです。
葉の形でアマリリスやベラドンナリリーとの見分けをつけます。基本的には赤色で、大きめな花びらが特徴的な花です。
アマリリスのお洒落な飾り方
アマリリスはその大きさから園芸用として親しまれがちですが、実は香りが強くないので食卓などでも活躍できる観賞用としても楽しめます。
赤や白、黄色などのカラーバリエーションと、色そのものの鮮やかさは他の花との相性も抜群です。次で紹介する画像で、それが実感できるのではないでしょうか。
赤いアマリリスは、同じ赤系統の花によく馴染みます。結婚式などのプレゼント用としていいかもしれません。
薄いピンクのアマリリスは上品で控えめな印象があるため、玄関先に数本飾っておくと雰囲気が変わります。また、黄色と並んで、アマリリスが持つ色の中では挑戦しやすい色です。
パピリオ種の特徴として、白地に赤の線が入っていることが挙げられるでしょう。この種は色は普通でも、花そのものに独特なエキゾチックさがあります。いつもと違う雰囲気にしたいときにおすすめです。
もし手に入れば、紫のアマリリスでもいいかもしれません。
アマリリスでメッセージを伝える
アマリリスは他の花に比べると、なかなかプレゼント用として選びづらいと考えられています。しかし、アマリリスの背景にある歴史や花言葉を見れば、それはもったいないことだとわかるはずです。
今年の大事な人へのプレゼントは、アマリリスを送って見てはいかがでしょうか。あなたは「輝くばかりの美しさ」を持っていると伝えられます。