愛媛県の方言(伊予弁・今治弁・松山弁)がかわいい!四国の方言を紹介
「方言のかわいらしさが自慢」ランキングで四国・愛媛県の方言は全国第8位。映画やドラマの舞台で使われることも多い愛媛弁を、耳にしたことがある方もいると思います。男性にも女性にもかわいいと人気の愛媛弁とはどのような方言なのかを、詳しくご紹介します。

目次
語尾がかわいい四国・愛媛県の方言を習得したい!
愛媛県は四国の左上に位置し、横に長い形をしています。特産はやはりみかんが有名ではないでしょうか。生命保険が行った、47都道府県別意識調査2015の「方言のかわいらしさが自慢」ランキングで、四国・愛媛弁は全国第8位にはいりました。
旅行などでまだ行ったことは無いけれど、映画の中で見たことがある方もいるかもしれません。映画「書道ガールズ!!わたしたちの甲子園」は愛媛県四国中央市が舞台となり、映画「がんばっていきまっしょい」は、愛媛県松山市を舞台にした映画です。
「~やけん」など、愛媛県の方言をどこかで聞いた覚えがある方も多いでしょう。愛媛弁には2つの種類があります。これから愛媛弁である、伊予弁(松山弁)と今治弁についてご紹介します。
愛媛県の方言の種類と特徴
四国・愛媛県の方言には、伊予弁(松山弁)と今治弁があります。県庁所在地である松山市の近郊で使われている伊予弁(松山弁)が愛媛弁で一番よく使われている方言です。
松山市の右隣にあるタオルが有名な今治市近郊では、「今治弁」が使われています。
「方言のかわいさが自慢」ランキングの上位になった愛媛弁。これから伊予弁(松山弁)と今治弁について、それぞれの特徴や使い方などをご説明していきます。
伊予弁(松山弁)の特徴
全国の中でもかわいいと人気の方言、伊予弁(松山弁)。思わず真似してみたくなる伊予弁とは、どんな方言なのでしょうか。かわいいと言われる理由を、ご説明します。
伊予弁(松山弁)の特徴はかわいらしさ
伊予弁(松山弁)は古い京言葉が多めに残っており、特徴としては、ふんわりと優しい言い回しが多いです。伊予弁を話す女性は言葉の印象がやわらかいので、かわいらしく感じると言われ、人気が高い方言です。
伊予弁(松山弁)の特徴は語尾がやさしい
伊予弁(松山弁)は、語尾の言い回しが特徴的です。最後に「~やけん」や「~わい」を付けたり、疑問文にするときは「~とん?」「~るん?」「~よん?」が付いたりと、思わず場が和みそうなやさしい言い回しが多いです。
今治弁の特徴
伊予弁が愛媛県では主に使われていて、かわいいと人気の高い方言なのは分かりました。では、「今治弁」はどんな方言なのでしょうか。語尾の特徴も見ていきましょう。
今治弁の特徴は語尾が強め
今治弁は伊予弁に比べるとおっとりとはしていません。特徴として少し強めな言い回しをします。関東の人が今治弁を耳にすると、関西弁に思われることも多いです。
今治弁も語尾が特徴で、「~で?(~ですか?)」「~何言よんぞ。(~何をいってるの)」「どしてぞ~(どうして)」のように濁音がつく言葉や強いイントネーションが特徴です。強い響きばかりでなく、伊予弁と同じく「~やけん」も使います。
今治弁を話すゆるキャラ「いまばりバリィさん」
2012年の全国ゆるキャラグランプリのランキング1位に輝いた今治市のご当地ゆるキャラ「いまばりバリィさん」は焼き鳥の町、今治市生まれの今治市育ちです。「優しい性格にもかかわらず、今治弁を話すためちょっときついイメージあり。」と自己紹介。
ホームページで教えてくれる今治弁講座では、「なんでもきいとん、おしえてあげるけん。(なんでも聞いてね、おしえてあげるよ。)」とやさしく言い、自前の今治産タオルでできた腹巻を伸ばしながら一言。
「よーのびるんやけん。(すごくのびます。)」と今治弁を披露。かわいらしくやさしそうな人柄(鳥柄?)です。姿はとてもかわいらしいけれど、今治弁でちょっときつめに見られてしまう「いまばりバリィさん」なのでした。
「いまばりバリィさん」については、こちらのホームページをご参照ください。
愛媛県で日常よく使う方言①けん
「~けん」と言う方言は、愛媛弁以外でも、九州地方、四国地方でも使われています。語尾に「~けん」がつくと、可愛らしい素朴な雰囲気に感じます。後にでてくる「愛媛県のかわいい方言ランキングTOP5」のところでご紹介しますが、「~やけん」と言うことも多いです。
愛媛県の方言「けん」の意味
四国・愛媛県で使う「~けん」の意味をご紹介します。標準語の「~です」や「~だよ」の意味です。伊予弁と同じく、今治弁でも「~けん」を使うようです。
愛媛県の方言「けん」の使い方≪例文紹介≫
愛媛弁で「~けん」は、言葉の最後につけて強調したい時に使うのが特徴です。その他に挨拶として使う、ちょっと違う言い方もあります。「いんでくるけん。」は「帰ろう。」という意味です。
《「~けん」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
がんばるけん! | がんばるよ! |
ほうじゃけん。 | そうなんだよ。 |
愛媛県で日常よく使う方言②「くらす」
四国・愛媛県松山市の秋祭りでは、「道後鉢合わせ喧嘩御輿」をやります。それぞれの御輿の頂には2人の男たちが上ってにらみ合い、時にはののしり、気合じゅうぶんで御輿と御輿をがつんとぶつけあいます。その下の方々では小競り合いも起こったりと、迫力があるお祭りです。
お祭りの時は分かりませんが、喧嘩の時に出やすい言葉、愛媛弁の「くらす」についてご紹介します。
愛媛県の方言「くらす」の意味
伊予弁(松山弁)で「くらす」は「殴る」と言う意味です。「おまえ、くらすぞ」はプロポーズの言葉ではありません。そんな時はかわして、逃げる必要ありです。ご注意を!
ちなみに、今治弁で「殴る」は、「はりまわすぞ」、「強く殴る」は「ぶちまわすぞ」です。伊予弁(松山弁)に比べると、今治弁の方が響きがより荒っぽく、凄みを感じます。
愛媛県の方言「くらす」の使い方《例文紹介》
伊予弁(松山弁)の「くらす」の使い方をご紹介します。
《「くらす」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
あんた、くらしたろか。 | お前、殴ってやろうか。 |
おらー、くらすぞ! | おらー、殴るぞ! |
愛媛県で日常よく使う方言③「~わい」
愛媛県の方言で、語尾に「~わい」をつけることも多いです。「もーねよわい。」は「そろそろ寝るね。」と言う意味です。
愛媛県の方言「~わい」の意味
「~わい」事体にはあまり意味はありません。前につく文章に付属して方言がつくことが特徴で、やわらかい印象になります。
愛媛県の方言「~わい」の使い方《例文紹介》
それでは、愛媛弁の「~わい」の例文をご紹介します。
《「~わい」の使いかた・例文》
例文 | 標準語訳 |
その箱とってこよわい | その箱とってこよう |
覚えとこわい | 覚えておこう |
愛媛県で日常よく使う方言④「へっちょ」
「へっちょ」と聞いて、何を連想しますか?「くしゃみを我慢している音?」、なんて言ったら、愛媛県の人に笑われるかもしれません。かわいらしい響きで聞きなれない言葉ですが、愛媛県で「へっちょ」と言ったらこれです。
愛媛県の方言「へっちょ」の意味
標準語で「見当違いの方向」を意味し、愛媛弁で「へっちょ」、または「へっち」と言うこともあります。道に迷って誰かに道をたずねた時、「へっちょ」という言葉が出てきたら、どこが正しい道かをよく教えてもらいましょう。
また「へっちょ」に関連して、「へっちょむくれ」という言葉もあります。かわいい響きではありますが、意味としては「見当違いなことをする人」、へそ曲がりに近い意味になります。
愛媛県の方言「へっちょ」の使い方《例文紹介》
愛媛弁の「へっちょ」の使い方をご紹介します。
《「へっちょ」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
へっちょ見とらんと。 | よそ見しないで。 |
へっちょに飛んでった。 | 見当違いのところに飛んでいった。 |
愛媛県で日常よく使う方言⑤「かく」
愛媛県の人は「かく」を標準語だと思っていた、という話しを聞いたことがあります。伊予弁(松山弁)で使われる「かく」は、標準語の「字を書く」とか、「痒くてかく」とはまったく違う意味をさします。詳しくご説明しましょう。
愛媛県の方言「かく」の意味
伊予弁の「かく」は運ぶという意味の方言です。特に学校ではよく使っている言葉かもしれません。掃除の時間などに、机やイスを持ち上げて後ろの方に持って行ったりする時に「机(イス)をかく」と言います。
他に、お神輿やだんじりも「かく」と言います。「かつぐ」が語源だと思うのですが、詳細は不明です。
愛媛県の方言「かく」の使い方《例文紹介》
伊予弁の「かく」の使い方をご紹介します。学生の時は、ほぼ毎日この言葉を耳にすることでしょう。
《「かく」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
男子~、これかいといて。 | 男子~、これ運んでおいて。 |
机、さっさとかいて、掃除~。 | 机、さっさと運んで、掃除~。 |
愛媛県で日常よく使う方言⑥「かるう」
小学生の頃からランドセルやリュックは毎日背負って通うもの。じゃんけんで負けた人が皆のランドセルを背負って、電信柱まで持っていくゲームをやったりしましたよね。愛媛県民にとって、「かるう」は小さい頃からの身近な動詞であり、方言だとは認識していない方も多いとか。
愛媛県に近い九州地方や中国地方でも、「かるう」という言葉を使っている為、気が付きにくいのかもしれません。
愛媛県の方言「かるう」の意味
「かるう」とは、「背負う」、「しょう」と言う意味です。「登園のリュックをかるう」、「ランドセルをかるう」と、愛媛県民は言います。
小さい時から頻繁に使っていた言葉ですから、大人になって関東へ転勤になってから標準語で言おうとしても、なかなか抜けにくいところがあります。「えっ?」と聞き返されて、焦る人もいるとか。
愛媛県の方言「かるう」の使い方《例文紹介》
愛媛弁の「かるう」の使い方をご紹介します。「かるう」と言えばランドセルやリュックが多いでしょうか。小学生の会話を例文に使ってみました。
《「かるう」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
じゃんけんで負けた人が、みんなのランドセルかるうんよ~。 | じゃんけんで負けた人が、みんなのランドセルを背負うよ。 |
リュック、かるってくるのわすれた~。 | リュック、しょってくるのわすれた~。 |
愛媛県で日常よく使う方言⑦「むつこい」
伊予弁(松山弁)の「むつこい」も、標準語だと思っている愛媛県民が多いです。特徴として、食事の味に物申したいときに出てくるこの言葉。
手軽に食べられるファーストフードにジャンクフード、大好きだったケーキや甘いお菓子。歳をとるに連れて段々と味覚が変わり、お腹がデリケートになる人も。「むつこい」についてご紹介します。
愛媛県の方言「むつこい」の意味
「むつこい」とは、「胸焼けがするような」とか「味が濃い」とかいう意味の方言です。脂っこい、しつこい、もたれる、など標準語で色々とありますが、愛媛県民は「むつこい」の一言が一番しっくりとくるそうです。
愛媛県の方言「むつこい」の使い方《例文紹介》
《「むつこい」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
この煮物、ちょっとむつこいね。 | この煮物、ちょっと味が濃いね。 |
むつこぉて、もう食べれん。 | 胸焼けがして、もう食べられない。 |
愛媛県で日常よく使う方言⑧「おっとろしい」
「おっとろしい」と聞くと、「おそろしい」と勘違いしませんか?おそろしいと言えば、愛媛県のゆるキャラ「鬼王丸」が気になる存在です。2015年に愛媛県鬼北町で誕生したゆるキャラの「鬼王丸」は2018年のゆるキャラグランプリ、ランキング第190位。
ゆるキャラとは思えない、泣く子も黙るおそろしい様相。自称ゆるキャラで、本人がゆるいと言っているので、ゆるキャラグランプリに応募したとか。YouTubeには「鬼王丸 ゆるキャラグランプリエントリー記者会見」の動画がアップされています。
ランキング上位を目指すべく、町一丸となって盛り上げ中。ゆるキャラ「鬼王丸」のように、「おそろしい」とは違う意味で考えていただけると、覚えやすいかもしれません。(参考・・・http://yurugp.jp/vote/detail.php?id=00003755)
愛媛県の方言「おっとろしい」の意味
愛媛弁で「おっとろしい」とは、「びっくりした」と言う意味です。相手が大きな声で、「おっとろしい!!」と言っても、危ないことはないと思って、冷静にお話を聞くのが良いでしょう。
愛媛県の方言「おっとろしい」の使い方《例文紹介》
それでは、愛媛弁の「おっとろしい」の使い方をご紹介します。
《「おっとろしい」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
おっとろしいことがあって・・・。 | びっくりしたことがあって・・・。 |
わー、おっとろしい。大声やめて~。 | わー、びっくりした。大声やめて~。 |
愛媛県で日常よく使う方言⑨「だんだん」
2008年の連続テレビ小説に「だんだん」という四国・島根県を舞台としたドラマがありました。ドラマの説明を見ると、「だんだん」は島根県の出雲言葉で「ありがとう」と言う意味です。
「産んでくれたこと、育ててくれたこと、出会えたこと」への感謝の気持ちを込めてタイトルにしたそうです。「だんだん」は西日本各地で、「ありがとう」という意味の方言として用いられています。愛媛弁でも同じ意味で使われています。
「だんだん」については、詳しく下記の記事でもご紹介していますので、こちらもどうぞ併せてご覧いただけたら、より分かりやすいと思います。

愛媛県の方言「だんだん」の意味
愛媛弁で「だんだん」は「ありがとう」と言う意味です。初めて耳にする人は、何を言っているのか分からないかもしれませんが、言葉の意味合いからすると、おそらく丁寧な口調だったり、お辞儀をされながらとか、嬉しそうな表情で伝えられることが多いです。
「だんだん」とゆったりと言われると、心が温まりそうですね。
愛媛県の方言「だんだん」の使い方《例文紹介》
愛媛弁の「だんだん」の使い方はシンプルに使うことが多いようです。
《「だんだん」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
だんだん、またおいでんか。 | ありがとうございます、またお越しください。 |
いやー、だんだん、だんだん。 | いやー、ありがとう、ありがとう。 |
愛媛県で日常よく使う方言⑩「けつまげる」
「けつまげる」と聞くと、「けつ?」「まげる?」と聞き覚えのない言葉に喜ぶ子どももいるかもしれません。冬の雪道や段差など、気を抜くと「けつまげる」ことになりそう。足元には、どうぞご注意を。
愛媛弁以外に、高知県の土佐弁でも同じ意味で使われています。
愛媛県の方言「けつまげる」の意味
愛媛弁で「けつまげる」は、「つまずく」と言う意味です。「けつまずく(蹴躓く)」が語源になっているようです。
最初の「けつ」だけ聞いて思わず笑顔になってはいけません。つまずいて相手は痛い思いをしているかもしれないので、やさしくいたわってあげてください。
愛媛県の方言「けつまげる」の使い方《例文紹介》
愛媛弁の「けつまげる」の使い方をご紹介します。
《「けつまげる」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
こんな物ここにおいて、けつまげるわ。 | こんな物ここにおいて、つまづくわ。 |
雪道を歩いたら、けつまげた・・・。 | 雪道を歩いたら、つまづいた・・・。 |
愛媛県のかわいい方言ランキングTOP5
「方言のかわいらしさが自慢」ランキングで、四国・愛媛県は全国第8位。男子をキュンとさせたり、女子が聞いてもかわいいと人気の高い愛媛弁。若い時は恋愛ばなしに花を咲かせ、歳をとってからも甘く淡い思い出を胸にしまって生きていく。
かわいい方言を知ってると、ついつい真似したくなるかもしれません。そんな愛媛のかわいい方言ランキングTOP5を集めました。
愛媛県のかわいい方言第5位「ほーよ」
愛媛弁の特に伊予弁ででてくる「ほーよ」とは、標準語で「そうです」の意味です。肯定するときに会話でよく使います。
「ほーよ、ほーよ。」と2回重ねて使うことが多いとか。
「そうよ」よりも「ほーよ」と言われた方がやわらかい響きで、かわいい方言だと思いませんか。
《「ほーよ」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
ほーよ、ほーよ、そのとおり(頷く)。 | そうだよ、そうだよ、そのとおり(頷く)。 |
愛媛県のかわいい方言第4位「みとん」
「見て」のことを、愛媛弁では「みとん」と言います。「みとって」という言い方もしますが、こちらは関西でも同じような方言を使うので、耳にしてもわりと理解しやすい方言です。
「みとん」は、日常会話でもよく出てくる言葉。特に、女子から「これ、みとん。」、「どこみとん?」と言われると、とてもかわいい方言に聞こえませんか?
《「みとん」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
なにみとん? | なに見てるの? |
愛媛県のかわいい方言第3位「かまん」
日常生活でお願いしたり、相談することはわりとよくある事ですね。愛媛弁の伊予弁(松山弁)で出てくる「かまん」は、「かまわない」や「問題ない」と言う意味です。温厚な愛媛県民の方は「かまんよ!」の一言で、軽い相談は請け負ってくれることも。
「かまん」と言われると、大きく頷いて許容されているようで安心感を感じます。ア行の言葉が多いのでやわらかく優しい響きです。恋愛がらみの言葉で使うと、さらにかわいく、グッとくる言葉に感じます。
《「かまん」の使い方・例文紹介》
例文 | 標準語訳 |
〇〇のこと、好きになってもかまん? | 〇〇のこと、好きになってもかまわない? |
愛媛県のかわいい方言第2位「~んよ」
愛媛県のかわいい方言ランキング第2位は、「~んよ」です。愛媛弁の伊予弁(松山弁)で出てくる「~んよ」も、語尾につけるのが特徴です。意味は、標準語の「~ですよ」とか「~だよ」の意味です。
ニュアンスのやわらかい語尾「~んよ」が付くことで、関西弁や京都弁とはまた少し違って、聞いている人にとって可愛らしくなめらかに聞こえます。ただ「~なのですよ」と言われるよりも、「~んよ」や「~なんよ」の方が、よりやさしくかわいい響きに感じます。
《「~んよ」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
好きなんよね、あなたの優しいところが。 | 好きなんだよね、あなたの優しいところが。 |
愛媛県のかわいい方言第1位「~やけん」
今回の愛媛県かわいい方言ランキング第1位は、「~やけん」です。愛媛弁では「~やけん」という言い方をよくします。最初に出てきた「~けん」と同じで、語尾につけるのが特徴です。「~やけん」の意味は、標準語の「~です」や「~だよ」です。
「~やけん」は告白の時に使われるのを聞くと、他県の人から、方言がかわいらしく胸がキュンとなる言い方に聞こえるようです。愛媛弁で告白されたら、さらにグッときそうですね。
《「~やけん」の使い方・例文》
例文 | 標準語訳 |
それでも、ずっと好きやけん。 | それでも、ずっと好きだから。 |
愛媛県のまだまだ覚えたい方言一覧
愛媛弁には、まだまだ聞きなれない方言がたくさんあります。方言だけ聞いても、ピンときませんが、使用例を見てみるとなんとなく分かりますでしょうか?では、一気にまとめて15個、ご紹介しましょう。
方言 | 訳 | 使用例 |
ラーフル | 黒板消し、黒板拭き | ラーフルで消しておいて。 |
とりのこようし | 模造紙 | とりのこようしとマッキー、取ってきて。 |
まがる | 触る(触れる) | まがるなや |
かやす | こぼす、ひっくり返す | コップ、かやしたらいけんよ。 |
ひやい | 冷たい | ひやいビール、はよ持ってきて。 |
うさした | 無くした | 鍵、うさした・・・。 |
いぬ | 帰る | 一回家にいんでくるわ。 |
~せんけん | ~したらどうですか | もう、勝手にせんけん! |
けんびき | 口内炎 | けんびきが痛くて、食べられんよ。 |
いなげな | おかしな、風変わりな | いなげな建物がある。 |
やおい | やわらかい | 今日のお米、やおいね。 |
つむ | 切る | 爪をつむ。 |
もせつく | まとわりつく | こんなに暑いのにもせついてくるな。 |
こす | ずるい、いじわる | お前、こすいな。 |
しゃがれる | (車などに)轢かれる | 車にしゃがれんけん、危ないよ! |
話し方を人は案外よく見ている
普段何気なく生活で使っている言葉ですが、他人は案外よく聞いて、話し方を見ています。「~やけん」など、やさしい響きの方言は、印象をやさしい雰囲気にするし、強い響きの方言はちょっときつそうな性格に勘違いされてしまったりします。
愛媛弁の二つの種類、「~んよ」「~わい」などのやさしい響きの語尾を使う伊予弁と、「~で」「~ぞ」などの濁音を使うことが多い松山弁。語尾のたった2,3文字の響きのイメージだけで、聞いている側の印象は大きく変わってしまうことが分かりました。
「方言のかわいさが自慢」ランキングで第8位と上位だった愛媛弁。伊予弁の語尾のやさしい響きや、愛媛弁全体のやわらかい響きの方言が、順位を高くしたカギだったようです。言葉の選び方や話し方を大切に、かわいい印象づくりができると良いですね。