ラテン語のかっこいい単語一覧!おしゃれな言葉の意味を紹介
今回はラテン語について紹介します。ラテン語はみたことも聞いたこともないという人もいるかもしれません。でもラテン語かっこいいと思えるような単語もあるのです。またラテン語かっこいいと感じるような、身近なところでラテン語を聞いている機会もあるかもしれません。
目次
かっこいいラテン語を覚えよう!
今回はラテン語について紹介していきます。ラテン語というとどんな言葉を思い浮かべるでしょうかなんとなく難しい単語や言葉が並ぶというイメージを持っているのではないでしょうか。
日本語ではないので、もちろん聞いたことがない単語や言葉が多いですが、中には「知っているかも?」というような単語や言葉もあります。
日本で販売されている商品の中にも、ラテン語の単語や言葉が使われているものもあるのです。実は身近にあるラテン語についてみていきましょう。
そもそもラテン語とは?
そもそもラテン語とはどんな単語や言葉だったのでしょうか。もともとはイタリア半島に住んでいたラテン人の言語であったと言われています。イタリア半島をローマ帝国の拡大で地中海全域に広がっていくことになります。
ラテン語がさらに広域の国に広がった背景には、キリスト教の存在があります。キリスト教徒が持っている聖書がラテン語に翻訳されたことで、そのまま世界中に広がっていきました。世界中に広がったラテン語から、フランス語やイタリア語、スペイン語が生まれています。
ラテン語はその後、衰退をしていくことになります。しかしカール大帝の時代、ローマ帝国でラテン語の復興が図られています。そのため法律や外交文書ではラテン語が使われていました。
ラテン語を今でも使う国はある?
衰退してしまったラテン語はその後どうなってしまったのか、今でもラテン語を使う国はあるのでしょうか。
現在でもラテン語をつかっているのはラテン語が公用語となっているのは、バチカン市国です。ヨーロッパの大学ではラテン語が必修となっているところはあるものの、日常会話としてラテン語を使うということはほとんどないと考えられています。
ローマ帝国の公用語であったラテン語が、今ではほとんど使われていないというのは残念なことかもしれません。しかし日本でも、江戸時代の言葉を日常で使うことがほとんどなくなったように、ラテン語も時代とともに使われ方が変わってきたのかもしれません。
ヨーロッパではラテン語を学ぶ小中高生が多い
日常会話としてラテン語を使うことはほとんどありませんが、先ほども書いたようにヨーロッパの大学でラテン語が必修となっているなど、今でもラテン語を学ぶ小中校生は多くいます。日常会話で使われない言葉を学ぶのはどんな理由からなのでしょうか。
これも日本語の古文と同じような理由からになります。学問の世界では、ラテン語で書かれてある文献が多いのです。歴史を勉強していく上ではラテン語を話せないまでも、読めるようにしておくことは必要になっています。
文学の世界だけではなく、医学の世界でもラテン語は医学用語の中で生きています。例えば「ウイルス」というのもラテン語の1つなのです。
フランスの学校では、ラテン語を学ぶのかどうかという選択をするタイミングがあるのだそうです。ほとんど使うことがないラテン語を選択するべきかどうかと尋ねられた歴史家のジャック=ル・ゴフさんはその質問にこう答えています。
「もしもあなたが、文系の職業につきたいなら、ラテン語は学んでおいたほうがいいでしょう。理系の職業につくつもりであったとしても、全く学ばないということには賛成できません。」
世界のいくつかの国にラテン語が広がったということを考えると、ラテン語を全く学ばないというのは知識を少なくすることに繋がるというような意味が込められていたようです。
かっこいいラテン語の単語・言葉一覧
それではかっこいいラテン語の単語や言葉をみていきましょう。知っている言葉はあるでしょうか。
ラテン語・単語 | 読み方 | 意味 |
fortuna | フォルトゥーナ | 幸運 |
nexus | ネクサス | 絆・繋がり |
brave | ブレイヴ | 勇者 |
arcanum | アルカナム | 神秘・奥義 |
victor | ヴィクトゥル | 勝者 |
omnipotens | オムニポテンス | 全能 |
sedo | セイド | 穏やかな |
spes | スペース | 希望 |
ラテン語の中でもかっこいいと言われている単語や言葉です。それではそれぞれの意味についてもみていきましょう。
fortuna
fortunaは、名詞で幸運という意味の他にも運や運命、繁栄という意味もあり、さらに反対語でもある不運という意味も持っているかっこいい上に面白い言葉です。複数形にすることで、富や財産という意味にもなります。
同じ綴りで同じ意味を持つのがイタリア語とタルーニャ語、スペイン語にポルトガル語があります。エスペラントにも同じfortunaという言葉がありますが、エスペラントでは幸運なという形容詞で使われている言葉です。
nexus
nexusは絆や繋がり、関連性という意味の他に中枢というような意味があるかっこいいラテン語です。
ラテン語の語源はわかりませんが、絆や繋がりというかっこいい良い意味がある言葉なので、企業名に使われたり、コンピューター関連の名前に使われることも多いようです。
brave
braveには勇者という意味があります。同じ単語ではドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、ノルマン語(後期ラテン語)があります。
勇者という単語はかっこいい名詞になりますが、形容詞の言葉として使われていることが多いようです。またイタリア語では女性を褒め称える時に使う言葉として使われるということもあるようです。
arcanum
arcanumとは神秘や奥義、秘薬などの意味があるかっこいいラテン語の単語です。名詞として使われることが多い言葉で聖書などに使われていた古典ラテン語になるようです。
アルカナムという読み方は、ローマ字を読んでいるようで読みやすい単語とも言えるでしょう。
victor
victorもかっこいいラテン語の単語です。勝者や征服者という意味がある名詞になっています。同じ言葉は英語にも存在します。英語もラテン語と同じ、勝者や征服者という意味がありラテン語が語源のかっこいい単語です。
victorはなんとなく聞き覚えがある、馴染みがあるような言葉だと感じた人も多いのではないでしょうか。
omnipotens
omnipotensは全能という意味のかっこいいラテン語です。omnipotensは聖書によく登場する言葉としても有名です。omnipotens Deus、全能の神というような使われ方もするかっこいい言葉です。
全能という言葉だけでも、かっこいいおしゃれなイメージがある単語です。
sedo
sedoというのは穏やかなという意味のかっこいいラテン語です。ローマ字読みをするとセドですがセイドと読むようです。
sedoは同じような単語で、英語などで使われることがないようです。ちなみに英語では穏やかなというのはgentleになります。
spes
spesもかっこいいラテン語の言葉です。意味は希望になります。スペースという読み方を聞くと英語のspaceを思い浮かべるかもしれません。英語とラテン語では大きく意味が違う読み方のものもあるようです。
おしゃれなラテン語の単語・言葉一覧
次はかっこいいだけではなくおしゃれなラテン語をチェックしていきましょう。何かのネーミングにも使えるかもしれません。
ラテン語・単語 | 読み方 | 意味 |
stella | ステラ | 星 |
aeternum | アエタルヌマ | 永遠に |
aurora | アウローラ | 夜明け・日の出 |
perficio | ペルフィキオ | 実現する・実行する |
memoria | メモリア | 記憶 |
clarus | クラルス | 明るい・澄んだ |
felix | フェリクス | 幸福 |
nox | ノックス | 闇、夜 |
かっこいいだけではなくおしゃれなラテン語を紹介させていただきました。それでは1つずつ単語をみていってみましょう。
stella
stellaはかっこいいだけではなくおしゃれなラテン語の単語です。stellaには星という意味や惑星という意味があります。同じ単語にはイタリア語もあります。イタリア語でも星や天体というような意味の言葉になっています。
ステラというのも、日本でもよくお店の名前に使われる言葉の1つです。馴染みがあると感じる人も多いでしょう。
aeternum
aeternumとは永遠にというおしゃれでかっこいいラテン語です。イタリア語やスペイン語、ポルトガル語でも同じような単語があるようです。aeternumはaeternusの中性(男性にも女性にも使える言葉)になるようです。
aurora
auroraは夜明けや日の出という意味がある、おしゃれでかっこいいラテン語です。かっこいいラテン語なので、他の言葉でも使われるようです。イタリア語や英語、スペイン語やポルトガル語、ルーマニア語もあります。
英語ではオーロラや極光という意味で使われる言葉になっています。
perficio
perficioもおしゃれでかっこいいラテン語の単語です。perficioには実現するとか、実行するという意味があります。ちょっと強い意味がある言葉だということがわかります。
memoria
memoriaとは記憶という意味があるかっこいいおしゃれなラテン語です。メモリアという読み方は日本でも馴染みがあるようなイメージがある単語になっています。
clarus
clarusは古典ラテン語で、明るいとか澄んだという意味の他にもはっきりしたとか、明瞭なという意味や有名なという意味があるおしゃれでかっこいいラテン語です。英語のclearの語源になっています。
felix
おしゃれでかっこいいラテン語のfelixは、幸せなとか裕福なという意味があるラテン語です。イタリア語のfeliceの語源になっている言葉です。
nox
noxは闇や夜という意味があるおしゃれでかっこいいラテン語です。かっこいいラテン語ではありますが、noxが語源になっている言葉はないようです。短い単語なのでアレンジができなかったのかもしれません。
偉人達のかっこいいラテン語の名言3選
おしゃれでかっこいい単語や言葉をみてきましたが、ラテン語は単語や言葉だけではなく、名言にもおしゃれでかっこいいものがあります。偉人達が残したおしゃれでかっこいい名言をみていきましょう。
1.ジュリアス・シーザーの言葉
名言 | Alea iacta est |
読み方 | アーレア・ヤクタ・エスト |
意味 | 賽は投げられた |
ジュリアス・シーザーはウィリアム・シェイクスピアによって書かれた政治劇で、alea iacta estと言ったのはガイウス・ユリウス・カエサルという政治家であり軍人でもある人です。有名な言葉には「et tu, Brute?(ブルータス、お前もか )」というものがあります。
「賽は投げられた」というのは、もう物事は始まってしまったのだから考えても仕方がない、前に進むだけだというような意味がある言葉です。
2.マルクス・トゥッリウス・キケロの言葉
名言 | Accipere quam facere injuriam praestat. |
読み方 | アッキペレ・クァム・ファケレ・インユーリアム・プラエスタト |
意味 | 不正を行うより不正を受けるほうがよい |
マルクス・トゥッリウス・キケロは政治家であり哲学者でもあった人です。ラテン語でギリシア哲学を教えた人でもありました。
「トゥスクルムでの論議」で「不正を行うより不正を受けるほうがよい」という言葉が出てきます。悪いことをするくらいなら、悪いことをされたほうがまだましであるという意味です。
3.ガイウス・プリニウス・カエキリウス・セクンドゥスの言葉
名言 | Amor magister est optimus. |
読み方 | アモル・マギステル・エスト・オプティムス |
意味 | 愛は最良の教師である |
ガイウス・プリニウス・カエキリウス・セクンドゥスは古代ローマの生物学者で政治家でもあり軍人でした。大プリニウスと呼ばれています。
Amor magister est optimus.は、「愛は最良の教師である」という意味になりますが、解釈として「教師は最良の愛である」と訳すこともできるおしゃれでかっこいい名言なのです。
ラテン語のあいさつ
ラテン語のおしゃれでかっこいい単語と名言をみてきたので、ラテン語のあいさつについてもチェックしておきましょう。
ラテン語・単語 | 読み方 | 意味 |
salve | サルウェー | こんにちは |
gratias tibi ago | グラーティアース・ティビ・アゴー | ありがとう |
vale | ワレー | さようなら |
mihi ignoscas | ミヒ・イーグノースカース | ごめんなさい |
ラテン語のあいさつの「おはよう」は、こんにちはと同じになるようです。それでは1つ1つ言葉の意味などをみていきましょう。
salve
ラテン語でこんにちはやおはようにあたるのが、salveです。大勢の人に挨拶をする時には「salvete(サルウェーテ)」になります。とりあえず初めて会った人には「salve」と挨拶をすれば間違いはないようです。
gratias tibi ago
「gratias tibi ago」はラテン語でありがとうを意味するおしゃれな言葉です。親切にしてもらったことがあったら「gratias tibi ago」と言うことになります。
ご親切にという意味の言葉に「benigne(ベニーグネー)」という言葉もありますが、結構ですという意味になることもあるので使う時には注意が必要です。
vale
さようならという意味のかっこいいラテン語が「vale」です。たくさんの人に挨拶をする時には「valete(ワレーテ)」を使うようにするといいでしょう。
mihi ignoscas
ごめんなさいやすみませんという意味があるのが「mihi ignoscas」です。大勢の人に謝らなくてはいけない時には「mihi ignoscatis(ミヒ・イーグノースカーティス)」を使います。
あのブランド名も実はラテン語
かっこいいラテン語やおしゃれなラテン語をみてきましたが、ラテン語は本当に身近なところにもあります。あなたがよく知っているブランド名も、実はラテン語が由来になっているものがあるのです。ラテン語が由来のブランド名をいくつかみていきましょう。
ニベア
ニベア青缶などで有名な花王株式会社のニベアも、ラテン語の言葉が由来になっているブランド名です。
ニベアとは「雪のように白い」という意味がある、niveusやniveaに由来しているブランド名です。クリーム自体が雪のように白かったことから名付けられたと言われています。
いまでは日本人の肌を、雪のように白く保ってくれるクリームにもなっています。
ボルボ
車のメーカーであるボルボ社のボルボも、VOLVOというラテン語が由来になっています。ラテン語では「私は廻る」という意味があるのだそうです。
「私は廻る」という表現が、自動車メーカーの名称としてぴったりだと思ったことが、創業者達が社名にボルボを選んだ理由なのだそうです。
アウディ
フォルクスワーゲングループに属しているドイツの自動車メーカーアウディもラテン語の「Audi」が由来になっています。Audiはラテン語で「聞け」という意味なのだそうです。
アウディの創始者の名前はアウグスト・ホルヒで、ホルヒというのがドイツ語で「聞け」という意味だったことから、ラテン語の聞けという意味がある「Audi」を社名にしたのだそうです。
「トリビア」もラテン語?
日本でも有名なブランドの名前がラテン語からきていることがわかりましたが、日本語のように使っている言葉の中にも、実はラテン語だったという言葉がいくつかあります。
例えば「etc.」です。英語の略だと思っている人もいますが、もともとはラテン語の「et cetera」を略した言葉です。また「トリビア」という言葉もラテン語であるということを知っているでしょうか?
トリビアという言葉はショセウありますが、もともとはラテン語の「trivium」だと言われています。triviumの本来の意味は、三叉路というような意味でした。街角とか公共の場というような意味もあったようです。
どこにでもあるありふれた場所という意味から、「取るに足らない」とか「些細なこと」という言葉になっていったと言われています。
ちなみにtriviaというのは、古代ローマでは人名に付けられる添え名として使われていたこともあったようです。添え名とは第四の名前で、第一の名前が個人名、第二の名前が氏族名、第三の名前が家族名とされていました。
ガイウス・プリニウス・カエキリウス・セクンドゥスの場合は第一の名前がガイウス、第二の名前がプリニウス、第三の名前がカエキリウスで第四の名前がセクンドゥスということになります。
ラテン語は面白い!
今回はラテン語のかっこいい単語やおしゃれな言葉などについて紹介させていただきました。ラテン語はいまは日常会話として使われることはありませんが、日本でも見かけることがある馴染みのある言葉であることがわかりました。
言葉の歴史を追ってみると、意外な発見があることもあります。「この名前にはどんな由来があるのだろう?」と調べていったら、思いもかけない由来があるかもしれません。
ラテン語だけではなく、興味がある言葉があれば、自分なりに調べてみるのも楽しいでしょう。言葉の魅力を知って、色々な人にも伝えていけるようにしましょう。