2019年06月21日公開
2019年06月21日更新
常紋トンネルは北海道の心霊スポット?タコ部屋労働で人柱ががある?
北海道で人柱伝説やタコ部屋労働など、暗い噂のある常紋トンネルは、恐ろしい心霊現象が頻発するスポットとして、オカルトファン達から注目されています。今回は、その常紋トンネルについて、悲惨な歴史や伝説などと共に詳しく取り上げていきましょう。

目次
有名な北海道の心霊スポット「常紋トンネル」
広大な北海道には、のどかな牧場地帯から繁華街まで様々なタイプの観光スポットがあります。そんな北海道には、心霊スポットとして全国的に有名な場所もあるのです。その1つが、石北本線上にあるとされる「常紋トンネル」です。
大正時代に開通してから電化されていないものの、2017年まで使用されていました。この常紋トンネルには、所謂タコ部屋に押し込められ、強制労働を強いられた人々によって工事が進められたという歴史があるのです。
人柱として労働者が埋められたという衝撃的な噂もあり、実際に様々な心霊現象が起きていることから、北海道の心霊スポットとして注目を集めています。
今回は、そんな常紋トンネルの心霊現象や恐ろしい歴史について、詳しく紹介していきましょう。特にオカルト話やトンネルに興味がある人は、ぜひ注目してみてください。
常紋トンネルとは?
「常紋トンネル」とは、現在でも石北本線上にあるトンネルで、大正3年に開通しました。トンネルを作っていた労働者達は、劣悪な状況下での過酷な労働を強制されていたのです。
食事も粗末であったために、病気や過労、事故などで100人ほどの労働者が工事中に亡くなったとされています。
トンネルの周辺では人骨が度々見つかっており、労働者達が人柱として埋められたという説の信憑性が増しているのです。1980年には、悲惨な最期を遂げた労働者達への慰霊碑が建てられています。
そんな悲しい過去があることから、常紋トンネルには労働者の地縛霊が出るという噂があり、現在では北海道でも有名な心霊スポットとなっているのです。以下では、常紋トンネルの場所についてより詳しく取り上げていきます。
常紋トンネルの場所
常紋トンネルは石北本線にある金華駅と生田原駅の中間にあるトンネルです。2017年に廃止されたトンネルで、周辺の駅の列車の本数は少なく、油断していると帰りの電車を逃してしまいやすいでしょう。
周辺には観光地も少ないため、観光客はかなり少なくなっています。しかし、石北本線の列車は鉄道ファンの間で人気があるので、鉄道ファンの方が最寄り駅付近に集まることがあります。
トンネルを近くで見ることは可能ですが、特別な許可が無ければ接近することはできないので注意しましょう。また、暗くなると熊が出没することもある地域なので、熊との遭遇を避ける対策も忘れないようにしてください。


常紋トンネルはタコ部屋労働で造られた?
北海道でも特に恐れられている心霊スポットである常紋トンネルは、タコ部屋に集められ労働を強制された人々によって建設されたと考えられています。タコ部屋という言葉に聞き馴染みが無い人もいるでしょう。
そこで、以下では常紋トンネルの暗い歴史であるタコ部屋労働について、詳しく解説していきたいと思います。
タコ部屋労働の実態
常紋トンネルは明治期から大正初期に、大勢の労働者によって作られました。当時は大規模な土木工事を短期間でかつ確実に完遂させるために、大勢の労働者を粗末で狭い宿舎に押し込め、労働者達に監視させ合いながらきつい労働を強いることが多々あったのです。
労働者達は「タコ」と呼ばれていたことや、狭く劣悪な環境の宿舎はタコ壺のようであったことから、宿舎は「タコ部屋」と呼ばれていました。そのため、このような非人道的な労働は「タコ部屋労働」と言われていたのです。
常紋トンネルの工事でも、このタコ部屋労働が行われており、労働者に十分栄養のある食事や休息が与えられないこともあったそうです。また、工事監督者からの暴力や仲間同士でのリンチなどもあり、命を落とす労働者も多くいました。
常紋トンネルには人柱が埋められている?
常紋トンネル建設の際の酷いタコ部屋労働によって、栄養不足による脚気や工事中の事故、過労などによって何と約100人もの労働者が命を落としています。そして、トンネル開通後から現在までに、トンネル内では人骨が見つかる事件が多々起きていたのです。
そのため、常紋トンネルの工事中に、建物の安全祈願のために人の生贄(人柱)を捧げるという行為が実際に行われていたのではという噂が流れています。
死者もたくさん出たとされる過酷な労働の歴史や、人骨発見の事件の多さを考えると、人柱の噂の信憑性が増すでしょう。
また、1968年に十勝沖で起きた震度8という大きな地震、十勝沖地震によって、トンネルは大きなダメージを負います。その際にトンネルから大量の人骨が見つかったのです。以下では、この事件について詳しく解説していきましょう。
十勝沖地震で発見された人骨
当時常紋トンネルの工事を請け負っていた企業は、悲惨なタコ部屋労働を隠すために、工事中に亡くなった労働者の遺体を、何とトンネルの壁や地面に埋めたそうです。
この事実は1968年に発生した十勝沖地震によって、一部が崩れたトンネルから大量の人骨が見つかるまで、気付かれることはありませんでした。
人骨の中には激しい損傷が見られる骨もあり、工事監督者や同僚達から理不尽な暴行を受けて亡くなった労働者もいたと思われます。1980年には工事で亡くなった約100人もの労働者達のために、慰霊碑が建てられました。
このようなタコ部屋労働の悲惨な実態が、人柱があったという噂やトンネル内で起こる様々な心霊現象に真実味を与えています。
常紋トンネルで問題になった人柱とは?
現代では、人柱という言葉に馴染みがない人が多いでしょう。建築技術や科学技術があまり進んでいなかった頃、トンネルや橋といった大きな建物の工事の安全を祈るために、人間を生贄として捧げるという行為が日本各地で行われていました。
日本以外の国々でも同じようなことが行われていたようです。生贄に選ばれた人は人柱と呼ばれ、生贄として犠牲になった後は周辺の人々に崇め祀られる存在になります。
人柱は直立の体勢のまま犠牲になることが多いそうです。68年の十勝沖地震による損壊で、常紋トンネルの壁からは直立した体勢の人骨がたくさん発見されています。
このことから、常紋トンネルでは、人柱として生きたまま壁に埋め込まれた人もいたのではと囁かれているのです。人柱となった労働者達は、68年の地震で発見されるまで周囲の人々からも忘れ去られていました。
トンネルを完全に崩さない限りは人骨の総数は不明なので、現在でもトンネルの中には人骨が埋まっていると考えられます。強制的に人柱にされた上に、長い間供養もされなかった労働者達の苦しみは想像を絶するでしょう。
常紋トンネルでの怖い話
劣悪な環境の下で、きつい肉体労働を強制され続けた挙句亡くなってしまった労働者達。亡くなった後もトンネルの壁や地面に埋められ、長い間供養もされなかった労働者の霊が、常紋トンネル内にはたくさん漂っているそうです。
実際に常紋トンネルに関する怖い噂話がたくさん流れています。以下では、常紋トンネルに関する怖い噂話を、3つ解説していきましょう。
怖い話①
心霊スポット巡りで訪れた人だけでなく、ほぼ毎日のようにトンネルを通る運転手の中にも、常紋トンネル内で怖い体験をした人が多くいます。
例えば、とある運転手は、いつものように常紋トンネルを通ろうとした際に、線路上に仁王立ちする人の姿を目撃しています。慌てて列車を止めてあたりを見渡してみても、人の姿は無かったようです。
運転席に戻り再発車しようとすると、線路上の人影を再び目撃します。人影をよく見ると、痩せこけた労働者の身なりの男性であり、血にまみれた姿で睨んでいたそうです。トンネル工事の過酷な労働によって命を奪われた労働者の霊である可能性が高いでしょう。
怖い話②
常紋トンネルの怖い噂話には、骸骨の手に足を掴まれるという話も挙げられます。常紋トンネルの付近では、山菜が豊富に収穫できるので、地元の人が山菜採りに訪れることはよくあるそうです。
地元の女性は、常紋トンネル近くで山菜を採り、いつものように家に帰ろうとしました。しかし、立ち上がったものの右足が何かに引っかかってしまったかのように動きません。
不思議に思い右足をみると、何と地面から伸びた骸骨の手が足首をしっかり掴んでいたそうです。
驚いた女性は走って逃げますが、途中で転んでしまいます。転んだ場所の周りには、バラバラの人骨が散乱していたそうです。実際に常紋トンネルの付近からも人骨が見つかっており、トンネル付近にも哀れな労働者達の死体が埋めれていたことが発覚しました。
怖い話③
常紋トンネルの怖い噂話には、夜行列車に乗っていた男性が体験した話も挙げれます。夜行列車に乗っていたとある男性は、列車が深夜に常紋トンネルを走行している時に、血や汗などが混ざったような異臭を感じたそうです。
さらに、その直後列車の通路から、細かい陶器の破片が入っている袋を引きずるような音が聞こえてきます。男性はが恐る恐る廊下を覗くと、そこには揺れる不思議な人型の黒い影が漂っていたそうです。
トンネルを超えるとその影は消えました。車掌や他の乗客も同じ影を目撃していたことから、男性はとても怖くなったそうです。工事で犠牲になった労働者の霊が、まだ工事をしていると思い込んだまま、列車に乗ってしまったのかもしれません。
心霊写真・心霊現象は?常紋トンネルに関する動画
常紋トンネル付近では様々な心霊現象が起こっており、その心霊現象を記録した写真や動画も残っているのです。そこで、以下では常紋トンネルの心霊現象に関する動画を、2つ紹介していきましょう。
まず1つ目の動画は、常紋トンネルの歴史を分かりやすくまとめた動画です。常紋トンネルの工事で行われていたタコ部屋労働や、人柱の噂が流れた経緯などが詳しく説明されています。
常紋トンネルでは、十勝沖地震がきっかけとなり、壁から直立したままの格好で発見された人骨もありました。このことから、建物の安全祈願のために捧げられる人柱として、生きたまま埋められた労働者も板のではと囁かれています。
もう1つの動画は、実際に常紋トンネル付近に赴き、謎のうめき声を聞くという動画です。常紋トンネルに近づいていく途中で、2回ほどうめき声が聞こえています。
明るい日中に撮られた動画で、うめき声の大きさは小さいので、怖すぎる動画が苦手な人も観やすいでしょう。
前半部分では常紋トンネルの心霊現象に関する説明が字幕で入っています。特に常紋トンネルの怪奇現象に関心がある人は、ぜひ以下の動画に注目してみてください。
常紋トンネルの霊が頻出するという金華堂駅とは
常紋トンネルから最も近い位置にある金華堂駅も、常紋トンネルの労働者の霊がよく出没する心霊スポットとされています。昔懐かしい雰囲気がある東北の小さな駅で、現在でも利用されているのです。
現在は無人駅となっており、暗くなると心霊スポットらしい雰囲気になります。暗い時間帯に電車が駅に停車すると、高頻度で労働者の霊が出るという噂が、鉄道関係者の間で流れているのです。
付近では熊が出没するという噂もあるので、夜には軽々しく近寄らないようにしましょう。しかし、日中はほのぼのとしたレトロな雰囲気のある駅なので、ぜひ近くの常紋トンネルの慰霊碑を見るために訪れてみてください。
常紋トンネルの現在は?
2017年に廃止された常紋トンネルには、まだ多くの労働者の骨が埋まっていると考えられています。そのため、常紋トンネルの最寄り駅である金華堂駅に、1980年に大きな慰霊碑が建てられました。
赤レンガ製の重厚感のある綺麗な慰霊碑で、この慰霊碑を見るために訪れる人もいます。
慰霊碑が建てられるまではトンネル内での列車事故が度々あったそうですが、慰霊碑が建てられた以降はその事故は減ったそうです。慰霊碑が建てられて以降は、毎年6月にJRの元職員や労働者達の家族などによって供養祭が催されています。
現在は静かな自然の中にある常紋トンネル。慰霊碑や供養祭によって、悲惨な最期を迎えてしまった労働者達の魂が救われるように祈らずにはいられません。
悲惨な労働の歴史から心霊スポット化してしまった常紋トンネル
今回は北海道でも指折りの心霊スポットとされている常紋トンネルについて、詳しく取り上げていきました。悲惨なタコ部屋労働や人柱など、常紋トンネルの工事では現在では耳を疑うようなことが行われていたようです。
悲しく苦しい最期を遂げてしまった労働者達はトンネルの中に埋められ、トンネル内部でも恐ろしい怪奇現象が起きるようになってしまいました。
1980年に慰霊碑が建てられて以降は、ある程度心霊現象が収まったそうですが、リアリティーのある怖い噂話は今も飛び交っています。
現在でもトンネル内部には人骨が埋まっている可能性が高いため、常紋トンネルを見に行く時には十分注意しましょう。また、トンネルを見学する前に、慰霊碑に手を合わせておくことも忘れないようにしてください。

