天使の階級表一覧!主要な天使の名前や役割も含めて紹介

天使にはそれぞれ、上位・中位・下位の三種類に階級が分類されていることをご存知でしょうか。天使の階級によって、天使の役割はそれぞれ異なります。どの天使がどの階級に属して、どのような役割を務めているのか。天使の名前とともに、ご紹介していきましょう。

天使の階級表一覧!主要な天使の名前や役割も含めて紹介のイメージ

目次

  1. 1天使の階級・名前を一覧で紹介!
  2. 2そもそも「天使」とは?
  3. 3第1階級・熾天使(セラフィム)
  4. 4第2階級・智天使(ケルビム)
  5. 5第3階級・座天使(スローン)
  6. 6第4階級・主天使(ドミニオン)
  7. 7第5階級・力天使(ヴァーチュー)
  8. 8第6階級・能天使(パワー)
  9. 9第7階級・権天使(プリンシパリティ)
  10. 10第8階級・大天使(アークエンジェル)
  11. 11第9階級・守護天使(ガーディアンエンジェル)
  12. 12「堕天使」とは?
  13. 13天使の階級によって役割はそれぞれ異なる

天使の階級・名前を一覧で紹介!

さまざまな伝承により、それぞれの天使の名前だけが独り歩きしてしまっていることがありますが、各天使にきちんとした階級があるのはご存知でしょうか。

天使の階級は「上位」「中位」「下位」の三つに分けられており、それぞれの階級にさらに三つの階級がある三隊となっています。第9階級まで存在しており、第9階級から第1階級に向けて、その天使は神に近しい神聖な存在となっていきます。

そもそも「天使」とは?

背中に翼を持ち、人の形に近い体を持っている姿として絵画で描かれることが多い天使ですが、そもそも天使とは一体、どのような存在なのでしょうか。

一般的には、天使とは人々に幸福をもたらすイメージとして定着しています。日本語での「天使」という名前は、「天から神に遣わされた者」という意味を持っています。

そのため、天使は人間に対して幸福をもたらすだけではなく、神からのお告げを人に伝えるために現れていることもあります。場合に応じては、その人に恩恵だけではなく、警告や処罰を施す天使も存在しています。

宗教別の天使の特徴

神からのメッセンジャー的存在や、人類への幸福や警告の証として描かれることの多い天使ですが、宗教によって天使の特徴がそれぞれ異なる点があることをご存知でしょうか。

それぞれの宗教ごとによって、伝承上にある天使の解釈は異なります。どのように天使が解釈されているのか、一つずつ紐解いてみましょう。

キリスト教の天使

キリスト教の天使は、神のお告げを人類に伝えるために人間界に訪れる、いわゆるメッセンジャー的存在です。また、人類を災厄などから守り、正しく導くための役割も持っています。

基本的には、天使は伝言役として活動していますが、天使の中には悪魔と戦う天使や、ラッパを吹いて災いを呼び寄せるような天使も存在しています。

現在では背中に翼を持った姿で描かれていますが、初期のキリスト教の天使には翼は存在していませんでした。その上、天使は肉体を持たない霊的な存在だと認識されていたため、たとえ肉体を持っていたとしても、中性的な存在だと考えられています。

ユダヤ教の天使

現在のように天使の存在を強く認識し、天使も神と同じく信仰の対象でもあるとの考えを広めたのは、このユダヤ教です。ユダヤ教の天使は他の宗教の天使と異なり、それぞれの天使が異様なほどに巨大であることが特徴的です。

特にユダヤ教の双子の天使、「サンダルフォン」と「メタトロン」は、世界の半分に匹敵するほどの、体の巨大さを持っているといわれています。また、ユダヤ教の天使もキリスト教の天使と同じく、神の使いであると同時に、悪魔と戦う役割も持っています。

また、ユダヤ教の天使は、罪を犯した同族の天使を直接裁いたり、みずからの指示に背いた者を処刑したりと、天使という名前を持ちながらも残虐的な一面ものぞかせています。

イスラム教の天使

イスラム教の天使は、キリスト教の天使と同じく、神からのお告げを人類に伝えるために遣わされる、メッセンジャー的存在です。こちらも物質的な存在ではなく、神と人間の中間に位置する霊的な存在だと認識されています。

イスラム教の天使は人類のみならず、神をサポートする役割も持っています。中には、みずから死をつかさどり、生物から魂を引き離す天使も存在しています。死者の魂を裁くため、死者の生前の行いを記録するのも天使の役割です。

キリスト教の天使と同じく、終末の審判では天使がラッパを吹き、それにより世界に災いが訪れるといわれています。また、この災いを呼ぶ天使は他の天使と異なり、空にまで届くほどの巨体を持っているとされています。

仏教の天使

仏教の天使と言われると、どこかピンとこないところがあるかもしれませんが、仏教にも天使のような役割を持つ存在がいます。仏教での天使は「天使」という名前ではなく、それぞれ「天部」や「童子」と呼ばれています。

仏教の天使である「天部」や「童子」は、神とされる菩薩や明王に仕える従者として描かれています。また、他の天使が霊的な存在であることに対し、仏教の天使はより人間に近い存在として考えられてもいます。

しかし、それぞれの伝承は他の宗教と同じく、共通している点が多く見受けられるため、キリスト教の天使や精霊などの考えを、仏教の中に取り入れた形であると認識されています。

第1階級・熾天使(セラフィム)

熾天使は天使の中で一番階級の高い最高位に位置しており、神様に最も近い存在ともされています。神の次に清らかで聖なる存在とされているため、一介の天使でさえ神と同様に、熾天使に接触することが許可されていません。

熾天使は神のために激しい情熱と愛を燃やし、その勢いは体が炎に包まれるほどの激しい情熱を持っています。

熾天使の姿

熾天使の「熾」という名前は「燃え盛る炎」を意味しており、その名の通り、熾天使の全身が炎に包まれている姿で描かれることが多くあります。

また、通常の天使の翼は一対だけの二枚となっていますが、熾天使の翼は全部で六枚あり、そのうちの二枚で天を駆け、残りの四枚で熾天使の顔と脚を隠しているといわれています。

第2階級・智天使(ケルビム)

智天使は二番目に階級が高い天使です。アダムとエバを追放した後、神は炎の剣とともに智天使をエデンの園の番人として配置しています。

また、伝承では、智天使はエデンの園にある禁断の果実を食べた、「アダム」と「エバ」を追放した天使ともされています。その他にも、サムエル記などでは、智天使は神の乗り物としての役割も持っていました。

智天使の姿

智天使の「智」という名前は「知識」を表しており、天使の中でも優れた知識を持っています。

また、智天使の姿は他の天使と異なり、半人半獣として描かれています。顔はそれぞれ「人間」「獅子」「牛」「鷲」の四つの顔を持ち、そして四つの翼を持っているのが特徴的です。

第3階級・座天使(スローン)

座天使は三番目に高い階級を持つ天使です。みずから戦車となって、神を乗せる役割を持っています。また、肉体を持つ天使の中では、一番階級の高い天使となっています。聖戦では、座天使がいくども活躍する姿が描かれています。

座天使の姿

座天使の名前は「玉座」や「車輪」という意味を持っています。その名の通り、座天使の姿は通常の天使と大きく異なり、人の形を成していません。座天使の外見は、複数の目を持つ燃え盛る車輪の姿として描かれています。

第4階級・主天使(ドミニオン)

主天使は四番目に階級が高い天使です。神の威厳を知らしめるために人間界へ訪れたり、また、ヨハネ文字録では、最後の審判で裁かれた人類を滅亡させるために、主天使が人間界に訪れたとも伝えられています。

主天使はおもに下位の天使たちを監視する役割を持っており、それぞれの天使が神の行為を背かないか、悪魔の誘いに乗って堕落してしまわないかを、厳しい目で監視しています。

主天使の姿

主天使の名前は「統治」や「支配」などの意味を持っています。神の威光を人類に知らせる役目や、下位の天使の監視役を務めているので、威厳を表すために手に笏を持った姿で描かれることが多くあります。

第5階級・力天使(ヴァーチュー)

力天使は、五番目に階級が高い天使となっています。力天使の「力」とは、物理的な力のことではなく、「奇跡を起こす力」のことを指しています。力天使は自然法則を自由自在に操り、人間界における奇跡などの事象を起こす役割を持っています。

また、アダムとエバの息子カインの見守り役や、処刑されて天国へと昇天するキリストを、天まで共にしたという役目を務めていました。

力天使の姿

力天使の名前は「高潔」「美徳」を意味しています。自然法則を自由に操り奇跡を起こすことから、力天使は周囲や体に自然物をまとわせている姿として描かれていることがあります。

第6階級・能天使(パワー)

能天使は、六番目に階級が高い天使となっています。伝承では、天地創造にも関わった天使とされているため、能天使は神により初めて作られた天使という一説もあります。

主に第一線で悪魔と戦い、天界を守る役割を持っています。最も悪魔との接触する機会が多い天使でもあるため、堕天する天使が多い階級でもあります。

能天使の姿

能天使の「能」とは、神に背かず忠実に実行する能力のことを指しています。能天使は、悪魔と戦うことが主要な役割となっているため、能天使の姿は手に剣を持った天使として描かれていることが多くあります。

第7階級・権天使(プリンシパリティ)

権天使は、七番目の階級にいる天使です。人間界に訪れ、国家の指導者や統治者、権力者などが悪魔の誘いに乗ってしまわないように、守護する役割を持っています。

基本的には直接的な干渉をすることはありませんが、ときには他国を侵略する際に、一方に権天使が力を貸して、統治に加担することもあります。

権天使の姿

権天使の「権」は、そのまま権力のことを表しています。権天使は、指導者や統治者などの権力者を守護して力を貸すことから、王様のような冠と、笏を持った姿で描かれることが多くあります。

第8階級・大天使(アークエンジェル)

大天使は天使の階級では下から二番目となっていますが、人間にとって一番身近な存在となっていると同時に、人間に接触する多くの天使がこの大天使となっています。

神のお告げは、上位の天使から中位の天使、中位の天使から下位の天使、そして下位の天使から人類へと伝達されていくため、下位の階級に位置する大天使は必然的に人類との接触が多くなります。

大天使の中でもさまざまな大天使がいますが、その中でも伝承に強く名が残されている、四人の大天使をご紹介します。

ミカエル

ミカエルは、あらゆる恐怖や恐れを退けることができる大天使です。甲冑を身に纏い、切っ先の燃えている剣を持った戦士の姿をしています。新約聖書では、悪魔の王サタンの化身と戦って勝利したという伝承や、神が最初に作った戦士ともいわれています。

ミカエルは戦士としての役割だけではなく、審判者としての役割も持っており、死者の魂が天国行きか地獄行きかを決める役割も務めています。そのため、剣だけではなく、秤を持った姿として描かれることもあります。

ミカエルは戦いの天使としての伝承が色濃く残っているため、中世時代では特に騎士たちからの信仰が厚く、崇拝することで戦いの勝利を収めることができるともいわれていました。

ガブリエル

大天使ガブリエルは、主に神のお告げを人々に伝える役割を持っています。伝承の中では、ガブリエルは聖母マリアに対し、キリストの命が宿ったと受胎告知をしたといわれています。

本来、天使の性別は中性であるのに対し、ガブリエルの姿は絵画により、男であったり女であったりと、天使の中でも性別がどちらかに分かれて描かれていることが最も多くあります。そのどちらの姿のガブリエルも、柔和で美しい顔立ちで描かれています。

 

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ラファエル

大天使ラファエルは、癒しと安らぎを与える役割を持っています。ラファエルは怪我や病気などの身体的なものだけではなく、魂や心などの精神を治療する力も持っています。

トビト記では、ラファエルは水筒や杖を持った姿で現れ、旅人を災いから守ったといった伝承が残されています。

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ウリエル

大天使ウリエルは、あらゆる困難な状況を打開する力を持っています。ウリエルはその力を使い、人類を地球上に起きる自然災害から、守護する役割を持つといわれています。また、大天使の中でも一番の聡明であることから、一部の地域では智天使として扱われることもありました。

伝承の中では、ノアの大洪水を予言し、危険が迫っていることを警告して、方舟の作り方をノアに教えたとされています。その英知を持つことから、ウリエルは書物を手に持った姿として描かれていることが多くあります。

第9階級・守護天使(ガーディアンエンジェル)

天使の階級の中で最も低い階級に位置しているのが、この守護天使です。「天使」とイメージして思い描く、翼を持った可愛らしい幼児の姿は、この守護天使のことを指しています。

守護天使は人前に姿を現すことはありませんが、一人一人の側に寄り添い、常に見守っています。守護天使は悪を退ける力を持っていると同時に、ときには人間の行いによっては、間接的に罰を与えることもあります。

「堕天使」とは?

天使の階級や名前、それぞれの役割はわかりましたが、それでは「堕天使」とは一体なんなのでしょうか。キリスト教では堕天使は悪魔とされており、本来、神に対して清く忠実である天使が、高慢さや嫉妬心を持つことで堕落し、堕天使になります。

その堕天使の中で最も有名なのは、悪魔の王サタンとなった「ルシファー」です。ルシファーは元々、天使の階級の中でも最も高い熾天使で、十二枚の翼を持ち、一番美しく、知恵のある模範生として存在していました。

しかし、そんなルシファーが神に反逆行為を行ったことにより、堕落し、堕天使となったのです。神への反逆行為や堕落により堕天使になる天使は他にも多くいましたが、熾天使で、なおかつ自由意思により堕天使になったのはルシファーが初めてでした。

最上位の階級を持っていた熾天使ルシファーが悪魔として堕天してしまったとき、ルシファーとともに堕天して悪魔になった天使も多く存在しました。

天使の階級によって役割はそれぞれ異なる

さまざまな天使の階級がありますが、それぞれ役割が異なることを理解できたでしょうか。伝承に残った個々の名前を持つ天使はまだまだ多く、その階級も天使によってさまざまです。

階級や役割を知ることで、その天使に対する親しみも大きく変わることでしょう。もしも、天使の名前だけしか知らない場合は、ぜひともその天使がどの階級や役割を務めているのかを調べ、より天使の見識を深めていきましょう。

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