北海道でオーロラが見える場所はどこ?観測できる時期やスポットを紹介

北海道でオーロラが見える!ビックリしてしまいますが事実上ウソではありません。ただ、あの広い北海道です。オーロラは時と場所を選びません。観測には、よほどの運も必要なのです。北海道特有の赤いオーロラの次なる出現はいつなのか。そのための準備をまとめてみました。

北海道でオーロラが見える場所はどこ?観測できる時期やスポットを紹介のイメージ

目次

  1. 1北海道にオーロラを見に行こう!
  2. 2北海道でオーロラが見られるの?
  3. 3北海道でオーロラが見れる可能性がある場所7選
  4. 4北海道でオーロラを観測しやすくするコツ
  5. 5北海道でオーロラ観測する際の注意点
  6. 6イエローナイフ
  7. 7最終手段は引っ越し

北海道にオーロラを見に行こう!

オーロラといえば海外と思いがちですが、実は日本でも観測することができます。カナダのイエローナイフ、スウェーデンのラップランドなどが特に有名ですが、ちかくでは2004年と2015年に、国内でも観測されました。

冬空の天空ににかかった荘厳なカーテン、女神アウロラのゆったりとした裳裾のドレープ、そんなオーロラの景色を見るための条件のそろった、おすすめの場所7選などを紹介していきます。

北海道でオーロラが見られるの?

オーロラの発生の原則は星の極であること。つまり地球の高緯度であることが絶対条件です。日本で最も緯度の高いのは北海道ですが、本州の新潟や富山県でも観測されています。もちろん、すべて稀中の稀にですが。

なので、確率でいえば国内でも見ることができます。北海道はオーロラ発生条件から見れば低緯度に位置しており、いわゆる「オーロラゾーン」には含まれません。ただし、条件さえ揃えばオーロラを見ることができるのです。ちなみに、画像は南極の石 。

そもそもオーロラとは

オーロラ:auroraは、星の極域に見られる大気の発光現象です。極光(きょっこう)ともいいます。極域の場所により、北極光、南極光ともいいます。その名はローマ神話に女神アウロラに由来しますが、なぜか科学術語になったいきさつについては定説がないそうです。

オーロラは古代から、世界中の古文書や伝承に記され、日本にもその記録が残されています。令和二年で1300年の歴史を誇る日本書紀には、当時の人々が赤いオーロラを雉の尾羽に例えて記録したものがみられます。日本における最古の天文記録として考えられるその文章は以下の通り。
 

「十二月の庚寅の朔に、天に赤気有り。長さ一丈余なり。形雉尾に似れり」620年(推古天皇二十八年)

北海道と海外のオーロラの違い

北海道のオーロラは低緯度オーロラと呼ばれるもので、主に赤色です。オーロラにおける本場、アラスカ、カナダ、フィンランドといったオーロラゾーンに発生するような、エメラルドグリーンやブルーの壮麗な夜空のカーテンは拝めません。

北海道は日本最北端ですが、地球儀上では極に近い高緯度地域ではありません。低緯度地域では、宇宙から降り注ぐ電子が弱まってしまうので、目に鮮やかな緑色、青色にならないのが原因です。

北海道のオーロラ発生頻度

予め覚悟しなければならないのは、オーロラを見ることができるのは10年に1回あるかないか、ということです。といっても、赤いオーロラの素となる磁気嵐は頻繁に起こっています。実際、低緯度であっても微弱なオーロラ光は頻繁に発生しているのです。 ただ、人間の可視領域を超えているため、印象として非常にまれな現象となっているのです。

余談ですが、モンシロチョウの雌雄の羽には色の違いがあります。人間には、赤から紫までの色しか見えませんが、モンシロチョウには紫外線による色が見えるのです。メスの羽は光を反射し、オスの羽は紫外線を吸収します。

想像するに、モンシロチョウの目には、メスは我々同様白っぽく見え、オスは我々の知り得ないX色に見えているのでしょう。

北海道でオーロラが見れる可能性がある場所7選

より美しいオーロラの発生条件として望まれれるのは、無風にちかく、空気が乾燥し、かつ澄み、放射冷却が起きやすい状態です。北海道におけるオーロラ発生の観測データから考えて最も発生しやすい場所は、上川郡、陸別町、名寄市、幌延町、網走市、紋別郡、稚内市などが挙げられます。

銀河の森天文台(陸別町)

陸別町では、2001~2003年にかけオーロラが観測されました。市街地の緑町にあるアメダスの計測によれば、1月平均最低気温-20.2°C、平均気温-11.4°Cとなっています。これは日本全国の気象官署で最も低くいもので、町では「日本一寒い町・陸別」を観光の標語としています。

オーロラで町おこしをしている陸別には、銀河の森天文台があります。その内部には、115cm反射望遠鏡、30cmクラスの小型望遠鏡、4連太陽望遠鏡などが鎮座しています。大型モニターを使った体験学習、オーロラや宇宙関連のパネル展示があり、併設の研究所ではオーロラの研究も行われています。「オーロラウィーク」が毎年開催されます。

なよろ市立天文台きたすばる(名寄市)

2004年、2015年と、オーロラの観測された名寄市。その名寄には「なよろ市立天文台きたすばる」があります。ピリカ望遠鏡という名で親しまれる日本最大級の1.6m反射望遠や、50cm反射望遠鏡が設置され、日時限定つきの公開ですが星空観測ができます。

プラネタリウムもあり、様々なオーロラが見られる音楽と映像によるプログラムが上映されています。

網走市大空町

オーロラ観測が期待される観測候補地として、網走市大空町(旧称は女満別町)があります。1958年2月11日にオーロラが観測されており、期待度が高い場所といえます。

また、女満別観測施設があり、1967年には北半球地磁気活動度指数を求める地磁気観測所(世界12カ所)に指定されました。国際的にも重要な観測所の一つとなっています。

令和2年2月8、9日「道の駅メルヘンの丘めまんべつ」ではアイスキャンドルが灯されました。

稚内市

稚内市は、日本最北端に位置し、北は宗谷海峡、東はオホーツク海、西は日本海に面しています。海に囲まれているため、冬は内陸部に比べ比較的温暖です。1月下旬~2月にかけては流氷の季節、オホーツク海から流氷が押し寄せ、宗谷海峡に接岸する景色を眺められます。

海風が強く、最大風速が10 m/s以上となる日が年間を通し83.8日あります。2003年、稚内市でも低緯度オーロラが観測されました。稚内市青少年科学館のホームページに、宗谷岬で観測された赤いオーロラの写真が公開されています。同プラネタリウムでは「南極の夜空 オーロラ」が投影されます。

稚内市では2003年以降も、2015年に2回、低緯度オーロラが観測されています。

上士幌町(かみしほろちょう)

上士幌町(かみしほろちょう)は、北海道中央部にある日本最大面積の国立公園、大雪山国立公園の東側に位置し、十勝平野北端にあります。町の面積の7割以上が森林で占められます。

北海道ならではですが、札幌市からおよそ210㎞もあり、車で3時間30分もかかります。夏期の最高気温は32℃、冬期の最低気温は-20℃であり、寒暖差の激しい土地柄です。じゃがいも、ビート、大豆などの栽培が盛んです。

旧国鉄士幌線、コンクリートアーチ橋梁群が有名で、とくにタウシュベツ川橋梁が町のシンボルとなっています。1月のダムの水位が下がる時期に限り、凍結した湖面にその姿を現します。水嵩の増える8月~10月には湖底に沈むため、幻の橋と言われています。2015年3月18日、上士幌町でも低緯度オーロラが観測されました。

西興部村(にしおこっぺむら)

西興部村(にしおこっぺむら)は、北海道北見山脈の北東にあります。地形は平らな場所が少なく、村の大部分は丘陵山地です。オホーツク海高気圧の影響を受け、夏には濃霧が発生するので気温の低い土地柄です。

2003年10月29日、西興部村の瀬戸牛峠で低緯度オーロラが撮影されました。あんまりあてにせず、気長にオーロラの出現を待つのなら、村唯一の宿泊施設「ホテル森夢(リム)」がよいでしょう。ちなみに、画像のキャンプ場の森林公園の開園期間は、4月下旬から10月中旬までです、あしからず。

上川町

上川町は2003年10月31日、低緯度オーロラが撮影されました。この時のオーロラですが、肉眼で見るのは難しく特別な観測カメラが必要でした。上川町は大雪山国立公園の北部に位置し、大雪山連峰にかこまれ石狩川の最上流地です。

寒さが厳しく、平均最低気温は-14.1℃であり、特別豪雪地帯に指定されています。上川町は北海道有数の温泉街、層雲峡温泉があります。1月下旬~3月にかけて石狩川の河川敷に氷のオブジェやステージが作られ、夜にはライトアップされます。「層雲峡氷瀑まつり」には多くの観光客が訪れ賑わいます。
 

北海道でオーロラを観測しやすくするコツ

2015年3月18日未明、11年ぶりに北海道でオーロラが観測されました。名寄市立天文台のとらえた画像には、低緯度オーロラ特有の赤い光りの広がりが映っています。北海道陸別町で観測を行った名古屋大学太陽地球環境研究所の報告によれば、オーロラは非常に淡く、計測値から鑑みても肉眼では見られなかったとのこと。

ことほどさように、国内でのオーロラ遭遇は困難というより、その希少性から幸運がものをいう現象といえます。とはいえ、明快なコツはなくとも、遭遇の確率を多少上げることはできるかもしれません。また、極寒であることが前提なので寒さ対策も必要でしょう。

観測しやすい時期は?

オーロラのメッカであるカナダや北欧では、8月中ごろ~9月末、それに11月~3月の時期にオーロラが表れます。 北海道では9月~4月にかけて、よく観測されているようです。

季節に関係なく、低緯度地帯の北海道でオーロラが見られるとするなら、その絶好のチャンスは太陽が握っています。太陽活動の活発化で磁気嵐が起こり、プラズマが膨大に増えることでオーロラが発生しやすくなるからです。太陽のご機嫌待ちでもあるのです。

観測しやすい時間帯は?

寒い季節には空気が乾燥し、日の入りが早まり日の出が遅くなります。夜が長くなり空気もクリアーなら、その分だけで単純に遭遇の確率が上がります。そんな乾いた冬の晴れた夜の8時9時~未明の4時ごろまでが勝負所。はやい話が夜通し、オールということです。

事前に情報を収集する

アラスカ、カナダ、シベリア、北欧、チリ、ニュージーランド南部、北極、南極など、高緯度でしか、しっかりとした緑色のオーロラは拝めません。しかし、磁気嵐による地磁気擾乱が起きた時に限り、ほのような低緯度の場所でも見られる確率が高まります。

その場合、ほとんどオーロラは赤みがかって見えます。本場のものは緑や青みの強いものですが、過去、北海道では、赤い空を見た人が通報して消防車が出動した事もありました。磁気嵐は太陽フレアの爆風が地球に当たった時に起こる現象です。

太陽活動については、天文サイトを事前にチェックしておくことをお勧めします。

運も大切

運も大切というより、運しかないといっても過言ではありません。なにしろ北海道で肉眼で見え目るのは、ざっくりいって11年に一度ぐらいなのですから。気長に待つしかありません。

北海道でオーロラ観測する際の注意点

オーロラにはカーテンやスジのような形状などがあり、輝度の強さもあって、白い雲のような色相から薄緑色が一般的です。また、稀に赤く光ることもあり、それ見れたらラッキーだとか。というより、低緯度の北海道では、それしか見えそうにありませんが。

もっとつっこんでいえば、写真で見る強い緑のオーロラは、長時間露光によって可能なのです。それによって強調された色味だったりします。実物は肉眼で見るのとは違うので、海外まで出かけようする方は、あまりがっかりしないようにお願いします。

場所選び

時間のみならず広さの問題もあります。北海道の面積は東北6県+北関東に匹敵するので、空港から道内を移動するだけで大変。場所選びもまた難題です。

標高が高ければ平野では見えないものが見えるので、冬の登山なら、赤く色づいた空と出会えることもありえます。

具体的な方策としては、昼間に下見しておくと要らぬ事故にあわずに済むでしょう。見る方角は北、オーロラは北から少しずつ南下します。とりあえず、北へ目を向けましょう。

肉眼よりカメラ

北海道の低緯度オーロラ、その光は見えたとしても弱いはずです。そんな時には、レンズを通して見るのも手です。カメラは人間の目よりも色域が広く、微弱な光をうまく拾ってくれるかも。三脚はマスト、カメラは長時間露光で、5秒以上あけて撮影を試みましょう。

イエローナイフ

より確実性を求めるなら、思い切って海外へ行ってみたらいかがでしょうか。そんな候補地として、カナダのイエローナイフをおすすめします。出会いのチャンスは高確率ですが、あくまでギャンブルであることはお忘れなく

もちろん旅費はそれ相応ですが、国内で機会をうかがっているよりは手っ取り早く、現実的といえます。日本からのツアーもあり、オーロラに全振りしないカナダ旅行として計画してみてはいかがでしょう。

最終手段は引っ越し

冬の寒い時期の数か月間、オーロラの見えやすい場所、稚内や陸別町などに長期滞在するのはどうでしょうか。オーロラを見るためなら何も厭わない覚悟をお持ちなら、引っ越しという手もあります。10年ほど、じっくり腰を据えて待ちましょう。くどいようですが、これはギャンブルです。その時あなたが爆睡していても自己責任でお願いします。

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