自尊心の意味とは?自尊心が低い人の特徴と自尊心がない人が高める方法

最近は自尊心が低い方が増えていると言われています。皆さんは自尊心とは何か、その意味を知っていますか?ここでは自尊心の意味や自尊心が低い人の特徴、その原因などを探っていきます。また、自尊心がない人が自尊心を高める方法や診断方法も紹介します。

自尊心の意味とは?自尊心が低い人の特徴と自尊心がない人が高める方法のイメージ

目次

  1. 1現代には自尊心が低い人が多い?
  2. 2自尊心の言葉の意味を再認識
  3. 3自尊心が低い人の特徴
  4. 4自尊心とプライドの違い
  5. 5自尊心が低くなった原因とは?
  6. 6自尊心の低さを診断
  7. 7自尊心がないが自尊心を高める方法
  8. 8適度な自尊感情(自己肯定感)の持ち方
  9. 9自尊心を持つことがなぜ必要なのか?
  10. 10自尊心の低さは日本の国民性が原因?!

現代には自尊心が低い人が多い?

現代の日本人は自尊心がない、もしくは低下している人が男女問わず多くなったと言われています。

2016年に大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で星野源さんが演じた津崎平匡さんも、その自尊心の低さが話題になりました。そして、多くの人が自尊心の低い平匡さんに共感を覚えたのではないでしょうか。

現在人の自尊心が低い原因は明らかにされていませんが、長年の不景気により将来を不安に思う人が増えたからではないかとのも考えられています。

また、日本では「自尊心が高い」ことは「プライドが高い」という意味にとられ、ネガティブな印象をもたれることがあります。

プライドが高い、つまり自尊心が高いと思われるよりは低い方が好ましいとされる風潮も、自尊心の低下につながっているのかもしれません。

しかしながら、実際は自尊心とプライドは違います。この違いについては後ほど説明いたします。

自尊心の低さが意味すること

では、自尊心が低い状態とはどのようなことを意味するのでしょうか。

それは、自分に自信がなく、自分は価値がない存在だと否定的にとらえてしまっている状態のことをさします。

自分に自尊心がないことを自覚している人もいれば無意識な人もいますが、いずれにせよ自尊心の低下はその人にとって様々な弊害を引き起こす原因になってしまいます。

自尊心の言葉の意味を再認識

自尊心が低下する原因や低い人の特徴をお話する前に、まずは自尊心の言葉の意味をおさらいしていきましょう。

ここでは自尊心そのものの意味に加えて、自尊心への理解をより深めるために、類義語や対義語も交えてご紹介していきます。

自尊心の意味を再認識することで、皆さんもご自身に自尊心がないことに気づくことができるか、ひとつの診断基準になるかもしれません。

自尊心の意味

自尊心の意味を広辞苑で調べてみると、「自尊の気持ち。特に自分の尊厳を意識・主張して、他人の干渉を排除しようとする心理・態度」と出てきます。

つまり、自分自身を尊い存在だと思う気持ちや、他人に流されることなく自分の意思を尊重できる気持ちや態度のことを意味します。

また、自尊心とは自分の良い点も悪い点もすべて認めて、自分自身を受け入れられている状態を意味します。

完璧な人間なんてこの世にはいません。そのことを本当の意味で理解し、自分には悪いところもあるけどそこも含めて自分という存在は尊いものだと、自らが感じられていることが大切です。

そのため、自尊心がない人は自分を受け入れることができない、言い換えると自分は価値がない存在だと認識している状態です。

自尊心の類義語の意味

自尊心の類義語には「自負心」があります。

自負心とは自分の才能・知識・業績などに自信と誇りを持つことを意味しており、類義語と定義されている通り自尊心と同じような意味合いになります。

営業に関しては自分が一番売り上げを上げていると自負している、というように使われます。

自尊心の対義語の意味

残念ながら、自尊心の対義語としてはっきりした単語はありません。

しかし、反対の意味合いをもつ単語としては劣等感、自虐、卑下、謙遜などがあげられます。それぞれの意味は下記の通りです。

劣等感:自分が他人に劣っていると感じること
自虐:自分で自分のことを苦しめるさま。自らを責め立てるさま。
卑下: 自分を劣ったものとしていやしめること。へりくだること。
謙遜:へりくだること。控え目な態度をとること。

英語で自尊心を意味する単語とは?

自尊心を意味する英語は「self-respect」になります。直訳すると「自分を尊敬する」という意味で、日本語の自尊心の意味がそのまま英語になっています。

もう少し専門的な話をすると、心理学では「self-esteem」と呼ばれています。esteemとは「尊敬する、尊重する」という意味で、respectと同義です。

いずれにせよ、self-respectでもself-esteemでもさほど違いはありません。

自尊心が低い人の特徴

次に、自尊心が低下している人の特徴をいくつか例をあげてお話します。

これを読んであなたやあなたの周りに人に同じような人がいないか診断してみてください。

また、自尊心の低い人と高い人の違いについて考えながら読んでみてください。違いを意識することで、自尊心の低さの原因を探ることができるかもしれません。

自尊心が低い人の特徴①自分に自信がない

自尊心がない、もしくは低下している人は、自分自身に嫌悪感を感じるなど否定的な見方をする特徴があります。自己否定感があると、自分は価値のない人間だと思うようになり、次第に自身をなくしてしまいます。

自分で自分は価値のない人間だと思う事ほど、辛いことはありません。自尊心がないと常にネガティブな考えになりがちです。また、それが原因で周囲の人からもさけられてしまう、という悪循環にもなりかねません。

自尊心が低い人の特徴②「自分には無理」とあきらめる

自尊心の低下から自分に自信が持てないため、何事にも「自分にはできない、無理だ」と思いがちです。本当はやればできるかもしれない事でも、自尊心がないことが原因ですぐに否定から入ってしまいます。

一方、自尊心の高い人はチャレンジ精神が高いため、何事にも果敢に挑戦することができます。例えそこで失敗しても、失敗した原因を自分の能力が低いこととしてとらえず、きちんと原因分析して次に進むことができるのが特徴です。

まだ何もやっていもいない、もしくは何も起こっていない時から「どうせ自分は失敗する」と考えてしまう傾向にある方は自尊心が低下しているというひとつの診断基準になるかもしれません。

自尊心が低い人の特徴③承認欲求が強い

自尊心の高い人は自分で自分のことを認めているため、他人の評価を気にしません。あくまで、「自分は自分、他人は他人」というスタンスでいます。

一方、自尊心の低い人は自分に自信がもてません。そのことが原因で、周りの人から「褒められたい」「認められたい」という気持ちが強い傾向にあります。

また、自尊心が低下すると周わりの人からの反応に敏感になる特徴もあります。承認欲求が強いあまり、周囲のちょっとした言動に傷ついたり、過剰反応してしまいます。

自尊心が低い人の特徴④他人に流されやすい

自尊心が低い人は他人の意見や行動に流されやすい特徴があります。

自分に自信がないことが原因で自分の意見や考えにも自信を持つことができません。そのため、自分ではなく他の人の考え方に価値を置いてしまい、結果として他人に流されてしまいます。

また、自尊心が高い人は自分の考えや意見をしっかり持っています。そして、その考えを周囲に発信し、実際に行動にうつすことができます。

一方、自尊心が低下していると、例え自分の考えをぼんやり持っていたとしてもそれを主張することができません。自分の意見を発信できないため、他人の意見が自分の意見と正反対だったとしても流されるしかないのです。

自尊心が低い人の特徴⑤他人と自分を比較する

自尊心が低下すると自分で自分を認められなくなるため、評価基準が他人と比較することでしか得られなくなります。

自信のなさから他人と比較する点はプライドが高い人と同じですが、自尊心が低下している人は自分のことを認められていないので、他人の方に良い評価をしてしまう傾向にあります。

そして、ますます自分に自信が持てなくなることが原因で自分に疲れてしまいます。自分を高める方法が分からず他人と自分との違いに嫌気がさし、時には他人を嫉妬したりしてしまいます。

自尊心が低い人の特徴⑥自分の殻に閉じこもる

自尊心が低下している人は自分に自信がないため、積極的に他人に話しかけることができません、さらに、自分は他人から好かれないと思い込み、人間関係を深く築くことができない特徴があります。

常に消極的な言動を取ってしまいがちなため、実際問題周囲の人も自尊心の低下している人と関わり合いを持とうとしなくなります。

そういった背景が原因となり、自尊心が低下している人はどんどん自分の殻に閉じこもってしまう傾向にあります。

自尊心が低い人の特徴⑦精神的に不安定

精神的に不安定なことも、自尊心が低い人の特徴としてあげられます。

前述した通り、自尊心が低下している人は他人と自分を比較してしまいます。そして他人との違いに嫌気がさしたり、逆に他人に対して嫉妬してしまったりと、ネガティブな感情に揺れ動いてしまいます。

また、そういった時でも相談したり頼れる相手が少ないため、原因を探ったり、解決する方法をなかなか見出すことができず、負のスパイラルに陥ってしまいます。

自尊心とプライドの違い

自尊心の意味を辞書で調べてみるとプライドと訳されることがありますが、心理学上では自尊心とプライドには違いがあり、別のものとして考えられています。

そのため、自尊心が高いことはプライドが高いこととは違いがあります。

では、自尊心とプライドの違いとは何なのでしょうか。その違いを探っていきたいと思います。

プライドの意味

先ほどもお伝えした通り自尊心の英語は「self-respect、もしくは、self-esteem」ですが、プライドの英語は「Pride」になり、それぞれ違う意味のものとして考えられています。

プライドについて調べてみると「自分と他人を比較し、自分のほうが上であると思うことで得られる感情」と出てきます。

つまり、他人が自分よりも劣っている点を見つけると優越感を感じたり、他人を低く評価することで自分を高く見せようとしたりする特徴があります。

自尊心とプライドの違い

自尊心が高い人は、自分の良いところも悪いところも全部ひっくるめて自分を受け入れられている人のことを言います。自分で自分を認められているため、自然と自分に対して自信が持てる人が多いです。

一方、プライドが高い人は自分の悪い点を受け入れることができません。自分のことを良い評価ができずに自信が持てないため、他人を低く見ることで自分を保とうとします。

また、プライドが高い人は自分への劣等感が原因でそれを隠そうとしたり、逆に他人を蹴落として自分の評価を高める傾向にあります。

自尊心とプライドの違いの見分け方

自尊心とプライドの違いは説明した通りですが、その違いの診断基準となるのは「他人と比較しているかどうか」、「他人と自分との違いを受け入れられるどうか」です。

自尊心の高い人は他人と比較せずに自分に自信が持てるのに対し、プライドが高い人は他人と比較して自分に自信を持とうとする人です。

また、自尊心の高い人は他人の良さを認められるのに対し、プライドが高い人は他人の評価を低下させて自分を高めるため、他人の良さを受け入れることができません。

自尊心が低くなった原因とは?

もともと自尊心が低い人が近くにいると、その影響を受けて周囲の人も自尊心が低下する傾向にあることが知られていますが、そもそも人が自尊心を失ったり低下したりする原因はなんでしょうか。

その理由を探ってみましょう。

自尊心が低い人は他人から認められて来なかった

自尊心が低い人は、今まで親や教師、友人などの周囲の人から評価されてこなかった人が多いようです。

学力や容姿、自分の家庭環境などに対して他人と比較し劣っていると指摘され、それがコンプレックスとして心の中に残ってしまうのが、自尊心の低下の原因となっているのではないかと考えられます。

特に、自分は評価されていないのに、兄弟姉妹など近くの他人が評価されている環境にあった方はその傾向が強く出るようです。「あの人より自分は価値のない存在なんだ」と思い込むようになり、次第に自尊心の低下へとつながっていきます。

承認欲求を正しい方法で満たすことの意味

自尊心の低さの原因が今まで他人から評価されなかったからと言って、無理に他人からの評価を得ようとする必要はありません。他人からの評価はあくまで一時的なものに過ぎないからです。

自尊心を高める方法のひとつとして承認欲求を満たすことは必要ですが、それは他人からではなく自分から得られることが大切です。

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSで無理やり「いいね」をもらおうとしたり、お金を払ってフォロワーを増やしても一時的な承認欲求は満たされますが、それで満足できずに繰り返し欲しくなるのと同じです。まずは自分自身で自分を認めてあげる必要があります。

自尊心の低さを診断

自尊心の低さは自覚出来ている人もいれば、そうでない人もいます。

そこで、ここではあなたやあなたの周りの人の自尊心の低さをチェックできるよう、診断テストを用意しました。

下記の項目を確認して、自分の自尊心の低さを診断してみてください。

診断チェック

下記の診断項目にいくつ当てはまるか、チェックしてみてください。

診断1:否定されると落ち込んだり怒ったりする。
診断2:他人の悪口を言う。
診断3:自分の性格で直したいところが複数ある。
診断4:自分は他人に好かれるタイプだと思う。
診断5:新しいことに慣れるまでに時間がかかる。
診断6:自分のことよりも他人を優先してしまう。
診断7:自分の意見を貫くのは苦手だ。
診断8:常に不安に感じている。
診断9:親や教師からあまり目をかけてもらえずに育った。
診断10:他人の目が気になる。

診断結果

0~3個:自尊心が高いと言えるでしょう。今のままで十分です。
4~5個:自尊心が少し低いようです。もう少し自分を信じるように、日ごろから意識してみてください。
6~7個:自尊心が低いようです。自尊心を高めないと、どんどん自尊心が低くなってしまいます。
8~10個:自尊心がない、もしくはかなり低いと言えます。今すぐに自尊心を高めるリハビリをする必要があります。

自尊心が低かった方は、次の項目で自尊心を高める方法をご紹介いたしますので、ぜひ実践してみてください。

自尊心がないが自尊心を高める方法

先ほど、自尊心を高める方法のひとつとして「自分で自分を認めてあげること」とご紹介しましたが、具体的にどのように認めていけばよいのでしょうか。

また、「自分で自分を認めてあげること」以外にも自尊心を高める方法がいくつかあります。

ここでは、自尊心を高める方法を5つご紹介していきます。

自尊心を高める方法①自分の気持ちに向き合い、それをそのまま受け止める

自尊心の低い人は、自分の気持ちに向き合うことをさけていたり、軽視している傾向にあります。自尊心を高める第一歩として、まずは自分の気持ちに素直に向き合うことが大切です。

自分の本当の気持ちに気が付くことができたら、その気持ちの良し悪しに関わらず、その気持ちをそのまま受け入れ、「これでいいんだ」と認めてあげることが重要です。

世間体を気にする必要はありません。良いところも悪いところも全てひっくるめて自分なんだと思うことが、自尊心を高める方法となります。

自尊心を高める方法②自分の気持ちを表に出す

自分の気持ちに気がついたら、次はその気持ちを何らかの形で表に出していきます。

他人に自分の気持ちを伝えることに抵抗がある人は、まずはSNSやブログなどで文字にして自分の考えを発信することから始めてみるのも良いかもしれません。

自分の気持ちを文字に起こすことに慣れてきたら、周囲の人に自分の気持ちを伝えるようにしていきます。ここで大切なことは、自分の気持ちを相手が受け入れるか受け入れないかは気にしないようにすることです。例え受け入れられなかったとしても、自分は自分と割り切ることが重要です。

自尊心を高める方法③自分のやりたい事をする

自尊心の低い人は、何か物事をやる前から「自分にはどうせ無理だ」と決めつけてやろうとしない傾向にあることは、すでにお話させて頂きました。

つまり、これと逆のことをすることで自尊心を高めることに繋がります。

自分が少しでも気になったことに対しては、積極的にチャレンジします。結果はどうであれ、ますはチャレンジをする経験を増やしていくことが自尊心を高めることに繋がります。

また、失敗して更に自分を非難する傾向にあるのが自尊心の低い人の特徴です。失敗を恐れ、リスクを回避するために挑戦することをさけてしまいます。

自尊心を高めるためには、失敗を恐れないことが大切です。チャレンジして失敗したとしても、それを自分のせいだと非難しないようにしましょう。

自尊心を高める方法④他人と比較しないようにする

周囲の人と自分を比べないように意識することも、自尊心を高める方法のひとつです。

自尊心を高めるためには、まず自分と向き合うことが大切です。そこに他人を基準に考えたり、他人の評価を入れる必要は一切ありません。

また、他人よりも自分を優位に立たせるために行っていることがあれば今すぐやめるようにしてください。判断基準はあくまで自分であり、他人は必要ありません。

自尊心を高める方法⑤環境や付き合う人を変える

人は環境に影響を受ける生き物です。

例えば、ポジティブ思考な人と一緒にいると自分もポジティブな考え方をするようになっていきます。それと同じで、自尊心が高い人と付き合うようにすれば自然と自尊心を高めることができます。

また、学校や職場の環境を変えることもひとつの方法です。好きなことや得意なことは積極的にチャレンジできるし、成功する確率もあがります。また、そのような経験を少しずつ積み重ねていくことで、自分に自信がつくようになっていきます。

適度な自尊感情(自己肯定感)の持ち方

自尊心が高すぎると、自分勝手な人になってしまいます。

自分の気持ちや意見を尊重することと、優先することは違います。自分ばかりに気を取られると、他人をおろそかにしてしまいます。

自分の意見や考えをしっかり持ち、他人の考えも尊重することが大切です。

自尊心を持つことがなぜ必要なのか?

自尊心が低い状態は、精神的に辛いことばかりです。自分を否定的にとらえると、自分のことが嫌いになりがちです。嫌いな自分でいることほど、辛いことはありません。

極端な話をすると、自尊心の低い人は他人の意見を優先するあまり他人に依存したり、詐欺のカモにされるという悪循環に陥ってしまう可能性もあります。

また、自尊心の低さは周囲の人にも良い影響を与えません。そういった観点からも、生きるうえで自尊心を持つことの必要性が分かってきます。

自尊心の低さは日本の国民性が原因?!

日本は謙虚さを重んじる文化があります。また、「空気を読む」ことが当たり前とされています。そのため、日本人の方は比較的自尊心が低い方が多いようです。

謙虚さを重んじる文化が悪いわけではありませんが、過度になると自分を軽視したりおろそかになり、他人を優先させてしまうことが問題だと考えます。

自分の人生は自分のものです。自尊心は幸せな人生を送るためには必要不可欠な心のありか方です。他人の目ばかりにとらわれず、自分も他人も尊重して生きていくことが大切ではないでしょうか。

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