房中術とは？房中術のやり方や方法7選と得られる効果

中国には、古来から伝わる房中術という養生法があります。房とは中国語で部屋のことなので、部屋の中で行う技法、という意味です。

セックスの時に房中術を行うことによって、幸せなセックスができるだけでなく、健康効果があり、長生きできるようになるとされています。

房中術とはどのような技法なのか、解説していきます。

房中術は、現在では男女の性生活を満たしたり、男性の射精をコントロールしたりすることによって、健康で長寿になるための方法として行われていますが、もともとは皇帝など王族の養生法として研究されていた東洋医学の総称のことです。

後にさまざまな房中術の流派が生まれ、一般大衆の間にも広がっていきました。

房中術は中国三大宗教のひとつである道教を中心に受け継がれてきたもので、さまざまな書物にその奥義が記されています。道教は仙人になることを目的としてあらゆる方法や思想を取り入れていった宗教です。

道教の人たちにとって仙人になることが最終目標だったので、房中術も不老長寿と精神の成長を目的に進化していきました。

中国の皇帝は多くの女性と頻繁にセックスをすることが多かったので、体力の消耗が激しく、寿命を縮めてしまう結果となりました。また、一晩に何度も性行為をするために、射精のコントロールが必要でした。

そのため、さまざまな健康法や養生の方法が研究され、房中術としてまとめられていったのです。その後、仙人を目指す道教の人たちによって房中術は研究され続け、さらに進化していきました。

このような経緯があるため、房中術は不老長寿になれる養生法として道教を中心に伝えられるようになりました。

房中術は現代のカップルや夫婦のセックスにおいても重要な考え方だと見直され、あらためて注目されています。

セックスレスや離婚が増えている現代。中国古来の養生法がなぜ今注目されているのでしょうか。

古来中国では、セックスは男女の気を交換し循環させる大事な行為だと考えられていました。

中国には陰陽という思想があります。世の中の全てのものは陰と陽という対立する性質に分けることができるというものです。光と影、火と水、善と悪などと同じように、男性と女性も対立する性質を持っています。

陰と陽は、どちらかが欠けると存在はできません。また、どちらかの気が弱っているともう片方の気も弱くなります。陰と陽は、お互いが気を交換しあいながらバランスをとることによってエネルギーが高まるのです。

男性と女性にとって、お互いの気を交換しあい、エネルギーを高める方法がセックスなのです。

現代では男性も女性も忙しい毎日を送っています。仕事のストレスで疲れ切っていて、セックスなんてする気にもならないというカップルや夫婦も多くなっています。近年は男性の精子量が減る傾向にありますが、これもストレスが主な原因だと言われています。

しかし、実は忙しくてストレスだらけだからこそ、セックスが重要になるのです。房中術のような養生法を正しく用いることによって、疲れるどころか気力がみなぎるセックスができるようになります。

房中術は古来より中国の道教によって長い間研究されてきました。房中術の中には多くの技法があります。そのため、房中術を行うことによってあらゆる効果が期待できます。

房中術によって得られる効果をいくつかご紹介していきます。

房中術には、お互いがセックスを最大限に楽しめるような方法が盛り込まれています。

房中術が効果を発揮するのは、2人の気が満ちていて、お互いに気を交換しながら巡らせている時です。そのためには、2人がリラックスして愛情に満ちている必要があります。

房中術を使って愛のあるセックスをすることによって、心も体も満たされ幸せになることができます。

セックスをすると疲れるというのは間違いで、正しいセックスの方法を実践すれば疲れを感じるどころか、疲れが取れて元気になれるというのが房中術の教えです。

セックスをしながらお互いの体に気を巡らせることで、エネルギーに満ちた状態になり、ストレスも疲れも吹き飛んでいきます。精神的にストレスを感じるような仕事をした後の嫌なかんじではなく、楽しくスポーツをした後のような心地よい感じになります。

現代の心理学でも、疲れやストレスは、その人の受け止め方次第で心や体に良い効果をもたらすということがわかっています。房中術ではセックスをすることによって、疲れやストレスを良い方向にもっていくことができるのです。

「病は気から」という言葉があるように、東洋医学では、病気は気が流れなくなることによって起きるものという考え方があります。

例えば、胃の病気になるのは、胃の周りに流れている気が流れなくなっているからです。房中術を使ったセックスを行えば、気の流れが活発になるので、体は健康になっていきます。

また、房中術では、病気になってから治すのではなく、病気になるのを未然に防ぐことを大事にしています。そのため、房中術を実践することによって、病気になりにくい体を作ることができます。

東洋医学では毒素を体から出すことを重視します。毒素は徐々に体の中にたまっていって、やがて病気を引き起こします。その毒素を、病気になる前に出してしまおうという考え方です。

お肌にも同じことが言えます。吹き出物は毒素が顔の表面に出てきたもののことを言います。

房中術を行うことによって、気はお互いの体を巡り、気のバランスが整っていきます。いわゆる「気が合う」状態になるのです。波長が合うようになるとも言えます。

房中術を行うことで、体の相性が良くなるだけではなく、心の相性まで良くなります。前よりも考え方や趣味が合うようになったり、相手の考えていることがわかる、ということが起きるようになってきます。

房中術を行うことによって、お肌の表面に出てきた毒素も流し出すことができると考えられています。

ちなみに、ストレスや負の感情も、精神にたまった毒素という捉え方をするので、ため込むのではなく流し出してやろうというのが房中術を使ったセックス方法です。

中国に古来から伝わる養生法と聞くと、実践するのは難しそうな気がしてしまいます。

しかしそんなことはありません。中国の奥義として極めようというのであれば、かなりの修行が必要ですが、2人の愛を深め、健康長寿になり幸せを目指すという段階であれば、少しの努力で誰にでもできます。

房中術を行う上で欠かせない導引について説明をしながら、房中術の正しいやり方をご紹介していきます。

導引とは、中国5000年の歴史の中で受け継がれてきた、気を練り上げる道教の鍛錬法です。気功やヨガと似ていますが、日常の幸福度を上げる程度であれば、そこまで本格的にやる必要はありません。軽いストレッチをしながら深呼吸をするだけで十分です。

呼吸は、7秒かけて吸って、11秒かけて吐くようにします。吸う時は、口から吸うと悪い気も吸い込んでしまうので、鼻から吸います。胸ではなくおなかを動かすイメージで呼吸をしましょう。

吸う時は良い気が体の中に入ってくるイメージ、吐くときは悪い気が体の中から出ていくイメージで呼吸すると、より効果的です。

セックスの前に導引を行うだけでも効果がありますが、深呼吸は、現代の脳科学でも多くの効果が実証されています。道教の人たちも、毎日何時間も導引を実践していました。

毎日気が付いたときに導引を行うと、短期間でさまざまな効果を得られるので、できるのであれば日々導引を実践することをおすすめします。

導引は房中術を行う上でベースになる技法です。導引を行うだけで房中術の効果は大きく変わります。

房中術では食事がとても重視されています。東洋医学では医食同源と言われるくらい、食事は健康の源です。中国の王族も、食事にはたくさんのお金と人員を割いていました。

しかし、いくら食事が大事と言っても、中国の王族のように完璧な食事を追求していてはきりがありません。

そこで最も重視したいのが、タンパク質です。まずは良質なタンパク質を摂ることを考えます。特に良質な大豆製品や乳製品を摂るようにします。良質な大豆製品や乳製品は、体の健康だけでなく、精神の安定にも効果がある事がわかっています。

ただし、摂りすぎると体に悪い影響もあるので、ほどほどに摂るようにしましょう。

男性も女性も、普段は自慰をしないようにします。房中術では、自慰をすると気が出ていってしまうとされています。自慰をしすぎると体力も奪われてしまうので、良いセックスができなくなってしまいます。

人によってはかなり大変かもしれませんが、最高のセックスをするためだと思って耐えましょう。

房中術では、セックスが始まるまでの準備をとても大事にしています。素敵な映画を観る、公園や森林の中を散歩する、雰囲気の良い音楽を聴くなど、五感の全てを心地よく刺激するような雰囲気作りを徹底して行います。

これは五感を刺激するためだけではなく、どうしたら相手が喜んでくれるかを考えることにもなるので、2人の愛を育むこともできます。

房中術では導引のように、心と体の両方を満たす方法を用います。

房中術では、前戯にたっぷりと時間をかけます。前戯に時間をかけることで、2人の愛は深まっていきます。前戯はゆっくり、優しく行います。激しいセックスや自分勝手なセックスはしないようにします。

房中術では、射精することやイクことを目的とはしません。前戯だけでお互いの愛情が満ちたならば、それでセックスを終えてもいいくらいの気持ちで臨みます。

特に男性は射精したくて我慢できなくなるかもしれませんが、その時は導引を行うなどの方法で気持ちを穏やかに保ちましょう。

房中術では、セックスの前にお酒を飲まないようにします。お酒を飲むと理性の力が弱くなるので、欲望に任せたセックスになりがちです。

房中術は愛を育み養生するための方法なので、欲望はなるべく高まらないようにします。

房中術はどちらか1人だけが実践してもうまくはいきません。2人で協力して行うからこそ愛が深まりますし、養生できます。

そのためにも、普段から房中術について話し合い、どのような方法で実践していくか決めておく必要があります。

房中術を行う時の注意点があります。

房中術が、ハニートラップのために作られたものだと勘違いしている人がいます。実際にハニートラップを目的として使われていたこともありますが、それは後世になってからのことです。

道教はもともと仙人を目指すためにさまざまな思想や実践法が合わさってできあがったものです。そこから生まれた房中術なので、欲望を満たすために使うものではないのです。

このような勘違いから、房中術を使うことによってセックスで最高の快楽が得られたり、相手を自分から離れられなくするための洗脳のようなものだと思っている人もいます。

房中術は健康で長生きするための養生術であり、2人の愛を深めるためのものですので、間違ったやり方をしても効果はありませんし、結果的に相手も自分も不幸にしてしまいます。

仙人になることを最終目標とした道教。そこから生まれた房中術を行うことによって、2人の体と心は大きく成長できます。大きく成長した2人が行うセックスは、肉体的な快楽とは違った精神的な満足感を得られます。

肉体的な快楽だけを目的としたセックスは、いずれ飽きてしまいます。2人の関係も冷めたものになってしまう可能性が高くなります。脳科学では、恋愛感情を生み出すホルモンは約3年でほとんど出なくなると言われています。

ところが長く続くカップルでは、恋愛感情を生み出すホルモンが消える代わりに、愛を生み出すホルモンが出るようになることがわかっています。

房中術を行うことによって2人の関係を精神的に深め、恋愛ホルモンが消えてしまった後も愛を深めることができます。

今日本ではセックスレスの夫婦が多くなっています。離婚率も高く、愛が満たされていないカップルの多いことがわかります。

房中術は大昔の中国で王族の不老長寿法として生まれ、仙人を目指す道教の人たちによって養生法として進化していきました。そんな房中術が今、2人の愛が不足して幸せが感じられなくなっている人たちを救う方法としてあらためて注目されています。

ぜひ房中術を実践して、2人の愛を深めていってください。