共依存親子(母娘など)の特徴と克服する方法とは?

共依存親子は、自立した人格が確立できないまま、互いに依存しています。『必要とされることで自分の存在を確かめている』気持ちがベースにあり、毒親のような行き過ぎた行動に走ったり、精神的に病んだりするリスクがあります。共依存親子の見極め方や克服法方をお伝えします。

共依存親子(母娘など)の特徴と克服する方法とは?のイメージ

目次

  1. 1親子の共依存は行き過ぎた家族愛
  2. 2共依存とは?
  3. 3共依存の親子の特徴
  4. 4共依存の親子の原因は過干渉
  5. 5共依存であるが故の親子の問題
  6. 6親子の共依存の克服方法
  7. 7共依存チェック!もしかしたらあなたも共依存?
  8. 8自分の人生は自分の足で歩んでいきたい

親子の共依存は行き過ぎた家族愛

毒親やモンスターペアレンツなど、親子関係の変化が話題になることが増えています。親は子供のためだと思って行動しているのですが、子供が経験すべき自立のチャンスを奪っている特徴が見られます。

人はトラブルを経験しながら自己を確立し、社会生活に適応できる大人に成長していきます。しかし、共依存親子の場合、親が先回りして問題を解決したり、行動をコントロールしようとする過干渉があり、成長に必要な経験を不足させてしまいます。

反抗期が激しく現れたり登校拒否になる、反抗期がなく大人になって精神的に不安定になったり引きこもりになるなど、共依存親子の影響は大きいですから、共依存になっていないか特徴となるチェックポイントを知って、家族関係を見直しておきたいものです。

共依存とは?

アルコールやギャンブルの依存症というのは良く耳にします。アルコール依存症治療では、家族の協力が不可欠ですが、中には治療を拒否するケースがあります。家族が介護に依存し他状態になっていて協力的ではないことがあるのです。

依存症から立ち直ろうとする患者に尽くす介護に生きがいを感じた家族の場合、心のそこでは全快を望んでいない歪んだ精神状態になっていることがあるのです。このとき、介護を続けて献身的な家族を演じたい、介護に依存した状態になっています。

この関係を共依存とよんだところから、特定の人との人間関係に縛られ、自立できない状態を指す言葉として使われるようになりました。介護したいがために回復を望まないなど普通の感覚では考えられませんが、共依存では起こる事例です。

共依存になる人はトラブルメーカー

お酒に溺れるように人間関係に依存する状態は、恋人や夫婦、親子など密接な間柄で起こりやすく、多くの人の悩みの原因となっています。自分に自信がないことが原因で、特定の人に必要とされることで自分の存在を認識する特徴があります。

本来、人につくすことは、喜びを感じる美しい行動です。しかし、恋人や家族など特定の人に尽くすことに夢中になると、視野が狭まり、相手本人が解決すべき問題にも口をだして、大変な思いを周りにねぎらってもらうことが目的になってきます。

度を超えた献身は、お互いがお互いに依存しあう『共依存』の関係に落ち入りやすくなります。トラブルの渦中にいて注目されることを好むので、常に周囲に問題が起こっている状態になりやすい特徴があります。

共依存になるとなにが問題なのか

恋人の場合ならラブラブカップル、親子関係の場合なら仲良し親子に見え、問題ないようにも思えますが、共依存になると、狭い人間関係の中で歪んだ価値観が作られ、人格を否定しあうような行動が現れてきます。

束縛しあうことで自由を奪い合う、一方的に相手をコントロールしようとする、苦しみを引き受けて満たされようとする、本当の気持ちはどこにあるかわからない…などです。親子間でもしばしばみられる悩みの原因となります。

『DVを受けても離れなれない』、『自己犠牲に満足感を求める』、『子の自立を無視して過干渉する』、『指示どおりに過ごすのがラクでいつも言いなり』といった行動は、自立した個人としてお互いを尊重していません。

自立や自己愛の不足が精神的を不安定にする

恋人や家族などとの共依存の関係に気づかず行動がエスカレートすると、精神的に不安定になったり、共依存の相手との関係が大きなストレスになりうつ病になることもあります。

共依存の相手との関係が思い通りにいかないと、幸福感や満足感が得られず、人生の目的を見失ってしまうでしょう。

共依存の親子の特徴

親子で共依存の関係にハマると、子どもの自立を邪魔してしまいます。共依存の母娘・息子は、あとで家族の悩みを抱える原因になります。

社会問題になったニートや引きこもり、うつ病になる子ども、子どもが成人する頃に喪失感からうつ病になる母親。母娘・息子、お互いが思い描いた幸せが実現されず、家族が壊れていく一方です。

自分を必要とされる手応えと、周りからの評価・同情を得るため、病気介護に熱心になるケースもあり、アルコール依存症患者の事例と似ています。

少子化で子どもに手をかけられる家庭が多い、家族のかたちが変化しているなど、共依存の関係になっていることに気づかない要因も増えています。親子関係の悩みが大きくなりがちな『共依存の親子』の特徴についてみていきましょう。

母の発言権が大きく自立のための経験が積めない

子どもは、親に守られて育って行きますが、たくさんの経験を積む中で自信をつけ自立する日のための準備を進めていきます。

幼い頃の失敗経験は、大人になって笑い話になるものも多いですし、子どもが持っている全能感が失われないまま成長すると、心が折れやすくうつ病になりやすい特徴があります。必要な経験が不足していることが、自立できない原因になります。

共依存になると、母が子どもをコントロールしようとする特徴が見られ、行動を先回りして苦労させない、痛みを避けて過ごさせてしまう傾向があり、共依存の特徴といえます。

小中学校で挫折なく過ごしたものの、社会に出て自立しなければならない時がきたときに、耐えられる準備ができていないので、落ち込み、うつ病になってしまうこともあるのです。
 

お互いなしで生きられない~自立できない母娘

娘に理想の自分を投影している母娘は多く、自立のチャンスを奪っていることがあります。娘自身が経験の中から、生き方を選択していくことが、独立した人格を持った個人として当たり前なことで、本人が満足を感じられる人生になります。

しかし、娘が自分の考えで選んだ道がいつも安全とは限りません。母親の言うなりになっていれば安全と娘が信じてしまうと、親なしでは生きられない人間になります。共依存で育つと、年を取ってから自分探しに苦しむ特徴があります。

共依存の母娘は、社会と良い関係を作れない生きにくさを抱えうつ病になることもあります。娘の幸せを考えると独立した一人の人間として生きる力が持てるよう支援できているかチェックしておきたいものです。

夫婦の役割分担が上手く行っていない

夫婦で子育てや家事を分担しようという雰囲気が高まり、オムツ替えやお散歩、家事を積極的にする男性が増えています。しかし、幼児の期間に限らず、家族が助け合って子育てに関わることが大切です。

日常的に、夫婦で子どもの将来や自立について話していれば、子どもとの関わり方をチェックできますし、共依存を克服しやすくなります。登校拒否やうつ病のサインが出ている場合にも早めのチェックができます。

夫婦の会話がなく、母親が頑張りすぎて母娘が共依存、息子が自立できずに荒れるといったケースはよくあることです。夫婦を中心に、色々な目で子供との関わりをチェックできる環境に乏しいと、共依存が起こりやすくなります。

共依存の親子の原因は過干渉

共依存に陥る母娘・息子に共通しているのが、親の過干渉です。本来子どもが自分でするべきことを親が肩代わりし続けると、苦労や痛みの経験が少なく、自立の準備が進みません。

子離れに苦労する母娘・息子が多いように、意識していないと、過干渉から抜け出せないケースが増えています。親が子どもに関わりすぎ依存していると、子どもは自立できず親に依存します。過干渉が母娘・息子の共依存の原因になるのです。

自分の存在意義を子育てに感じているケース

子どもと一緒に過ごすのは楽しいものですし、「成長を感じ取れたときの喜びはすべてを癒してくれる」と多くの親は感じています。しかし、自分の気持を満足させるためだけに子育てに手をかけていないか、振り返りやチェックが必要です。

子どもの気持ちが置いてけぼりなったままスパルタ教育に走る、本来自分で考えるべき友人関係のトラブルに親が出ていく、モンスターペアレント化して学校に要求ばかりする…など、過干渉がエスカレートしていく原因が共依存のことがあります。

甘やかしと愛情の区別がわからないケース

子どもは親を離れて精神的に自立しなければなりません。同居していても、自力で社会生活を送るために必要な力を身に着けてほしいものです。

甘やかしと愛情の違いがわからずに接していると、子どもの成長とともに変化していくべき関わり方を変えられず、過干渉になってしまうでしょう。自分の選択にダメ出しされるくらいなら、したがっていたほうがラクだと子どもも依存し共依存になってしまいます。

子どもを自分の気分で可愛がったり、かまったりするのは本当の愛情ではありません。共依存の親は、自分の気持を満たしてくれる子供との関係に生きがいを感じ、見通しを持たずに介入します。共依存に陥っていないかチェックし、お互いの自立をはかりましょう。

共依存であるが故の親子の問題

アルコール依存症の治療では、自立したいけれどできずに苦しむ患者に、心を鬼にしなければならない場面が出てきます。しかし、家族や配偶者が、患者を介護したり世話をする自分に満足してしまうと、依存症を克服することができません。

患者を介護することに生きがいや、自分の存在意義を見出してしまうと、アルコール依存症を治すよりも、苦労していることで同情されたり、評価されることを望んでしまうのです。

この好ましくない相互依存関係を共依存と呼ぶように、親子関係の共依存も、それぞれの自立が出来ず苦しむ結果となります。自分を責めて不幸を嘆いたり、自分の不幸の責任が相手にあるように振る舞います。

共依存の親子では、子ども自身で解決しなければならない問題に親が介入してきます。お酒をやめたくてもやめられないアルコール依存症患者と家族のように、自立したいのに出来ずにもがくこととなり、精神的に参ったり、家族関係がギクシャクしてきます。

共依存によるうつ病

共依存になっている親子は、母娘や、母息子というパターンが多く見られます。母性は無条件の愛を子に注ぐものですが、度を超えてしまい、自立のチャンスを奪われたことが原因で共依存になってしまいます。

子どもは、何も出来ない無力な自分でいつづけることに精神のバランスを崩し、うつ病を発症することがあります。無気力になり、引きこもりになる場合に、自分の現状を自分が解決すべき問題として受け止めず、周囲の環境が原因だと考えています。

子どもが自分の問題として受け止め、自立しようと気持ちが点火されない限り、共依存が原因のうつ病は良くならないでしょう。一生懸命子育てしたのにうつ病になってしまったという場合、親子関係が原因の場合もあるのです。

共依存による介護

共依存になっている母娘・息子の場合、親は病気の子どもを介護することに自分の存在価値を見出しているケースがあります。

映画『シックスセンス』のなかで、母親に食事にワックス洗剤を混ぜ続けられ、亡くなってしまう女の子のエピソードがありましたが、共依存によって心が歪んでしまった場合の極端な例と言えます。献身的に介護しながら、心の底では回復を望んでいないのです。

子どもが病気で献身的に介護する母親として、周囲の同情などで注目を集められますし、病で弱った娘は絶対に母親を必要とする依存相手となります。

親子の共依存の克服方法

共依存は子どもに寄り添う時間が長い母親が陥りやすいですが、母娘・息子だけでなく、父親との関係で共依存が問題になる場合もあります。親子が共依存の関係に落らないためにできる克服方法をみていきましょう。

共依存に陥っていることを受け止める

共依存の特徴を書き出してみると、当事者がなぜ気づかないのだろうと思うかもしれません。しかし、具体的なチェック項目で振り返っても、認めたくない気持ちがはたらいて、共依存をやめられないことがあります。

心のスキマを誰かとの特別な関係で埋めていたり、必要とされることが生きがいだと感じている場合には、当事者にとって当たり前の心地よい関係を壊す痛みを経験しなければなりませんから、共依存を認めること自体が難しいことです。

共依存を認め、受け止めることが、克服のための第一歩になります。

自分のことを客観視するクセをつける

共依存に陥っているときには、自分の孤独感、空虚感、喪失感といった気持ちから目をそらし、他人との関係に目を向けています。こうした気持ちを埋めるには、自己を確立出来ていることが条件になります。

誰も、自分の問題を解決してくれませんし、自分の人生を生きるのは自分ですから、なんのために生きているんだろう、自分の存在価値はなんだろう、やりがいのあることが見つからないといった不安は、自分で解決すべきものなのです。

共依存を克服するには、共依存になろうとする自分をコントロールして、自己の確立に向けた行動を起こすことが大事なのです。

今までの当たり前から抜け出すことを強く思う

共依存によって、やりがいや充実感を持てた人は、自分が共依存だと認めて、克服したいと思っていても、感情に流されてしまう事が多いものです。今までの当たり前だと思っていた感覚を一度捨てて、これでいいのかと自問自答することが必要です。

頭でわかっていても、行動を律し、克服するのは難しいものです。親子の共依存では母娘・息子が多いですが、当事者だけでなく、夫婦関係、親子関係まで影響を及ぼして、悩みを深くしてしまいます。

本当に依存体質から変わりたいと、強く心に思うことが克服に繋がります。

共依存チェック!もしかしたらあなたも共依存?

共依存は、当事者だけでなく周りまで不幸にしてしまうことがあります。共依存度チェックで、気づかないうちに共依存になっていないかチェックしてみましょう。5つ以上当てはまるようなら共依存に陥っているかも知れません。

   自分を犠牲にしてまで子どもを世話したり助けたりしたいと思う
  子どもの行動や感情、考え方、状態、結果をコントロールしようとする
  人間関係のトラブルに巻き込まれる事が多い
  一人では不安で、やっていける気がしない
  一つのことにこだわりだすと頭がいっぱいになり、他のことが考えられない
   自分自身で解決すべき問題から目をそらしたり、問題をすり替えることが多い
  子どもや他人の感情に流され一緒に落ち込んだり、相手との境界線が曖昧だ
  子どもや他人の問題にのめり込んで、相手からの依存を許してしまう
  相手の問題が自分に原因があると思って罪悪感を持ちやすい
  過去の人間関係での失敗から学習出来ず、同じ失敗を繰り返してしまう
  自分が被害者だと感じやすく同情をひこうとする
  問題が起こりそうだと思っても波風を立てないためそっとしておく
  子どもに必要以上に関わることを愛情だと思いこんでいる
  自分自身の心のなかに価値観の拠り所がなく社会通念などにとらわれやすい
  相手の表情や仕草に敏感に反応し、常に空気を読んで気配りをしている
  はっきり断ることが出来ず何でも引き受けて疲れてしまう
  責任感が強く無理してでもやり遂げてしまう

自分の人生は自分の足で歩んでいきたい

共依存の中で育ち、子どもが成長の過程で依存関係を拒絶せずに大人になってしまうと、うつ病を発症したり引きこもりなどの悩みを抱えるケースが多いものです。こうした悩みを感じているなら、共依存になっていないかチェックしてみてはいかがでしょうか。

共依存が原因だとわかれば、自己の確立を目指すことで母娘・息子との関係での悩みが克服できるケースは多いものです。

今までの価値観を手放して、それぞれが自分のための人生を、自分の問題と向き合いながら過ごして行くことで、新しい道が開かれるでしょう。

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