ひよるとはどういう意味?ひよってる・ひよったなどの使い方
「ひよってる」などという使い方をされる「ひよる」という言葉。最近出てきた若者言葉の一つです。今回はこの「ひよる」という若者言葉について、その言葉の意味や使い方、「若者言葉ひよるとはどういうことなのか?」を徹底解明していきます!
目次
若者言葉「ひよる」を正しく使おう
「ひよる」という言葉をご存知でしょうか?現在若者たちの間でよく使われているので、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。若者言葉は常に新しいものが生み出されていっています。
今回はこの「ひよる」という言葉の意味や由来、使い方など、若者言葉「ひよる」についてご紹介いたします。
ひよるをただしく理解して、ただしい若者言葉でついていきましょう。
「ひよる」とはどんな言葉なの?
言葉は意味がわからないと使い方がわかりません。まずは「ひよる」という言葉の意味について、ご紹介させていただきます。
ひよるとはいったいどういう意味なのでしょうか?どういう漢字を書くのか、由来はどんなものなのかなど、詳しくご見ていきましょう!
「ひよる」の漢字
ひよるという言葉には実は漢字が存在します。それがお日様の日に和と書いて、「日和る」。
「今日はいい洗濯日和(びより)だ」などと天気のことを指すときに、口にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
こうしてみると天気の言葉なのかな?と思ってしまう漢字です。
「ひよる」の由来
ひよるが「日和」と書くように、もとは天気のことを指す言葉でした。船頭が天気の具合を見て、それから船を出すか出さないか決める…というのがひよるの由来です。
また、由来とは違いますが、洞ヶ峠(ほらがとうげ)もよく「ひよる」の説明に出されます。こちらは戦国時代の戦いで助けを呼ばれたものの、有利な方に味方をしようと戦況を傍観していた…という誤報があった場所の名前です。
どちらも同じ意味なので、覚えておくといいでしょう。ただ、洞ヶ峠のエピソードはあくまで「誤報」なので注意です。
「ひよる」の本来の意味
ひよるの本来の意味は、船頭の由来のように「様子を見て自分の意志とは関係なく、妥協してでもとにかく自分が有利な方につく」というものです。
例えば友人同士が喧嘩していた際、しばらく様子を見て、自分はどちらが正しいかという意思とは関係なく、自分が得をしそうな方に味方をする。これがひよるの語源、「日和見する」の意味です。
あまりいい使われ方はしませんが、若者言葉の「ひよる」は少し意味が違った使い方をします。
「ひよる」の現代の意味
それでは、現代の「ひよる」について意味を調べていきましょう。現代ではどのように使われているのでしょうか。
現代では「様子見をする」という意味とは大きく離れて、「おびえる、ひるむ」という意味になっています。どちらかというと本来の「日和見」よりも、「ビビる」という言葉が近いです。
様子見をしてよりよい方につく…という本来の意味合いを考えると、かなり意味が違っていますね。
「ひよる」の使い方
ひよるの意味はわかりましたが、ではどういう使い方をすればいいのでしょうか。今度はひよるの使い方についてご紹介します。
「ひよる」を使った例文
まずはわかりやすいように、「ひよる」を使った例文からご紹介します。ひよるは実際にはどういう使われ方をしているのでしょうか?
例文①ひよる
「お化け屋敷に行きたいんだけどいけなくて…」「ひよるなよー」などという風に使います。この例文ですと、「怖がるな」という意味ですね。
また、「お化け屋敷が怖すぎてひよる」と自分でも使うことができます。この場合ですと、お化け屋敷が怖いので、おびえていくことができない、という意味になります。
例文②ひよってる
「相手に勝てるかわからない…」「相手がひよってるから大丈夫」などという風に使います。ひよってる、という言葉は「怖がっている」「おびえている」などという意味となります。
つまり、この場合ですと「相手に勝てるかどうかわからない」に対し、「相手は怖がってるよ!大丈夫!」と、勇気づけている、ということになります。
逆に、「ひよってるの?」と聞くことで、「怖気づいてるの?」と聞くこともできますが、少し茶化しているようにも聞こえます。
例文③ひよった
「怒られるの怖かったひよったー」という風に使います。この場合のひよったは、「ビビった」という意味合いで使います。
ひよるを使わないで言いかえると、怖くておびえた、という言い方がしっくりきます。つまり、「怒られるの怖かった、怯えた」ということです。
「ひよる」の類語表現
・ひるむ |
・怖気づく |
・ひ弱になる |
若者言葉であるひよるは、普通の言葉にいいかえるとどのような意味なのでしょうか?一つ一つご紹介していきます。
ひるむ
ひよるの類義語には「ひるむ」があります。「ひるむ」とは、恐れてしまって気力がなくなってしまうさま、縮こまってしまうさまを指します。
「ひよる」も思いがけない恐怖などによって行動できない状態になる、という使い方もします。ひるむ、ひよる、どちらにせよ怯えて行動ができていません。
怖気づく
「怖気づく」とは、怖くなってしまって敵わないという気持ちになったり、ひるんでしまうさまのことを指します。使い方としてはひるむ、と同じようなものであり、ひよると似ています。
「先生があまりに怖くて怖気づいてしまった」という使い方をします。ひよる、の場合ですと、「先生があまりに怖くてひよってしまった」という使い方になります。
ひ弱になる
「ひ弱」とは弱弱しい、虚弱であるという使い方をします。ひよるも怖気づいて行動できない、弱弱しい姿を指します。腰が引けているような状態です。
「ひよる」の対義語
・勇気づく |
・即断する |
怯える、ひるむ、怖気づく、弱弱しい…と、どちらかというとか弱いイメージの使い方をする「ひよる」という言葉。その対義語は力強いイメージの言葉になっています。
勇気付く
物事に対する勇気がでるという意味の言葉、「勇気づく」。似たような言葉では元気づくなどがあり、とにかく明るいポジティブな活力に満ちた言葉です。
勇気がなくて怖がってしまう、その末ひるんでしまうという意味のひよるとは反対の意味となっています。
即断する
一方、本来の意味の「ひよる」の対義語は、即断する…つまりすぐに決断するということです。本来の意味のひよるは、様子を見て有利な方につこうとします。
なので、その反対は様子を見ることなく、その場ですぐに決断するということになります。
また、この即断の場合、あまり自分の利益などを考えていません。
ひよる人の特徴
次に、ひよる人の特徴をご紹介します。どんな人がひよってしまうのでしょうか?
繊細な人
すぐに傷ついてしまうような繊細な人は、ひよってしまいがちです。小さなことですら敏感に気付いてしまい、傷ついてしまうせいで、ちょっとしたことでも怖くなってしまいます。
怖くなってしまい、それでも行動できるのならばいのですが、繊細な人は行動することができません。なので、結果的にひよってしまい、行動できないまま終わってしまいます。
とはいえ、自分を守るためにひよっているだけなので、傷つくのが嫌な人は賢い選択です。
あまり物事を経験したことがない
まだ人生における経験値が低い人も、すぐにひよってしまいがちです。
経験値が低いので、ちょっとしたことでも未経験です。人は誰しも初めての経験というものは怖く感じてしまうもの。経験値が低い人は、いろいろな物事にひよってしまいます。
ただ、こちらのケースは経験が少ないだけなので、どんどんいろんな経験を積み重ねるとひよることはなくなっていきます。
あまり計画を練らない人
あまり計画を練って行動をしない人もひよってしまいがちです。
計画を練らないということは、予想外の出来事がたくさん起こるということ。何も用意していないアクシデントが起こるせいで、ひよってしまいます。
性格の問題というより、ひよるような出来事がたくさん起こってしまうということです。こうならないために、計画はきちんと立てましょう。
感受性が豊か
感受性が豊かというのは、感動するような映画ですぐ泣いてしまったり、何かを感じ取ることに長けていることを指します。
こういった人はただ普通に過ごしていても、感受性が豊かなので「恐怖」といった感情も過敏に感じ取ってしまいます。
その結果、他人からしたらちょっとしたことでも、「ちょっと怖いな」と感じ怯えてしまい、ひよってしまうのです。
完璧主義者
完璧主義者すぎることもひよりやすい人の特徴です。完璧主義者すぎるので、自分の失敗を許すことができません。
なので、自分ができるかどうかわからないことに対してや、自分が初めてやることに対しては、ついつい弱腰になりひよってしまいます。
ただし、このタイプの人は最初はひよってしまっていても、しっかり予習をして再チャレンジをするタイプです。
プライドが高すぎる
プライドが高すぎる人も、ひよりやすい特徴の一つです。プライドが高すぎるので、とにかく自分が傷つくことを恐れます。
結果、新しい物事に挑戦することに対してひよってしまいがちです。新しいことに挑戦してもしも失敗した場合、自分のプライドが傷ついてしまいます。「
プライドが高い人は、自分のプライドを守ることが最優先なので、保守的になってしまいます。
ひよらないためにはどうしたらいいの?
怯える、怖がる、腰が引ける…ひよるはあまりいい意味でつかわれる言葉ではありません。では、ひよることをしないためにはどうすればいいのでしょうか?
図太い神経でいる
図太いというと聞こえが悪いかもしれませんが、何かにつけて気にするよりもそんなこと気にしない!と跳ね返すくらいの神経でいることで、細かいことが気にならなくなります。
周りを気にすることがなくなるので、あまり周りに対してひよることがありません。自分は自分、他人は他人と強く思うことが、ひよらないための第一歩です。
計画立てて行動をする
どんなに図太い神経の持ち主であっても、予想外のアクシデントにはひよってしまうもの。予想外のことが起こらないように、何かをするときは計画立てて行動しましょう。
また、この時、起こりうるアクシデントをシミュレートしておくのもいいですね。最初にこういうことがあるかもと用意をしていれば、いざという時にひよることがありません。
備えあれば憂いなしといいますし、準備はしっかりしていきましょう。
ネガティブなことばかりを考えない
ネガティブなことばかりを考えてしまうと、これから起こる物事が全部悪いことのように思えてしまいます。怖いことが起こると思うと、自然にひよってしまいます。
そうならないために、ネガティブな未来はあまり考えないようにしましょう。きっといいことがあるとポジティブになることで、ひよらずに前を歩くことができます。
自分に自信を持つ
自分に自信を持つことも、ひよらなくなる方法です。ひよるということは、何か自分に自信がないので、敵わないと思ってしまうこと。
自分に自信を持つことによって、これから何があっても大丈夫と、どっしり構えることができます。そうすると、自然とひよることは減っていきます。
失敗を恐れない
物事に対してひよってしまう理由の一つに、「失敗が怖いから」というものがあります。失敗することを恐れて、弱腰になってしまっているのです。
失敗をすることは悪いことではなく、自分の経験値につながることだと考えましょう。そうすることで失敗をただ恐れるだけではなくなり、必要な経験だと割り切ることができます。
そうすることで、チャレンジをすることが怖くなくなり、ひよらなくなります。
「ひよる」は方言なの?
日和見という言葉が語源となっているように、ひよるは方言ではありません。日和見するという言葉の意味や響きが現代の若者に違った意味でとらえられ、作られた若者言葉です。
本来の日和とも意味が大きく変わっていますし、これはこれで一つの言葉になっていますね。
ひよると似た言葉ちきるとは
「ひよる」と似た言葉に「ちきる」というものがあります。これは「チキン」が語源の言葉であり、英語で「チキン」は「臆病者」を指します。
怖がってしまうひよる、とはまた別に、臆病でそもそも行動を起こす気がないことを「ちきる」と言います。どちらもあまりいい言葉とは言えません。
ぴよるとひよるの違い
もう一つ似た言葉に「ぴよる」というものがあります。このぴよるというものはひよると大きく意味が違っており、「気絶してふらふらしている」状態のことを指します。
ゲームやアニメの表現で、ふらふらしているときに頭の上にひよこが回っている表現があります。これが語源となっており、ひよるとは全く意味が違っています。
半濁点がつくだけでかなり意味合いが違ってきますので、使う時は注意して使っていきましょう。
若者言葉ひよるは正しく!
ひよこのようなかわいらしい響きの言葉、「ひよる」。その意味はあまり使われていいものではありませんが、もともとの言葉とは大きく意味が離れているにも関わらず、独立してできている立派な若者言葉です。
ひよるの意味を正しく理解し、もともとの「日和見する」と使い分けて使っていきましょう。
若者言葉は常に発信され続け、変化していくもの。アンテナを伸ばしてしっかり理解していきたいです。