矜持の意味や語源とは?矜持を持つなどの使い方を例文で紹介

矜持の意味や語源とは?矜持の意味や語源を様々な視点から解説していきます。そもそもの矜持意味とは?というところから、語源、類語、さらには例文を交えた「使い方」まで広くご紹介しますので、「矜持」の意味だけではなく実際の使い方も理解できるので、ぜひ確認してください。

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目次

  1. 1「矜持」の使い方を覚えよう!
  2. 2「矜持」の意味とは?
  3. 3「矜持」の語源
  4. 4「矜持」と「矜恃」の違い
  5. 5「矜持」の類語
  6. 6「矜持」の使い方《例文紹介》
  7. 7「矜持」を使う際の注意点
  8. 8矜持の対義語を知って意味をより深く知ろう
  9. 9言葉は使い方と捉え方次第

「矜持」の使い方を覚えよう!

「矜持」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。かしこまった場やあらたまった場面、厳格な場面などで使われることが多いこの「矜持」ですが、この言葉の持っている意味を正しく理解できていないという人は少なくありません。

普段の日常会話の中ではあまり使われることのない言葉になっているので、「聞いたことはある」という程度の認識か、「おおよその意味は理解できている」という程度の理解の場合が多くなります。

ただし、それほど使われないとは言え、使われる場面や聞く場面、自分自身が使うべき場面がくることも十分に考えられる言葉ですので、意味や語源、使い方などを確認して覚えておきましょう。

「矜持」の意味とは?

「矜持」とは、先にもお伝えしたとおり、あまり日常的に使う言葉ではありません。社会人になり「それ相応の場」に出ることがあれば使う機会や耳にする機会はあるものの、普通の社会人経験者でも詳しい意味を知らない人は多いでしょう。

また、社会人ではなくとも新聞を読んだり、書籍を読んで「活字」に触れることが多い人であれば、意味や読み方を理解している人は多くなります。

そんな「矜持」の意味とは、さきにお伝えするような『類語』で表せる意味を持っています。「誇り」や「自信」など、近年でよく使われる言葉では、「プライド」という言葉が矜持の意味として表すことができるものとなります。

他にも、「自分を抑える」、「つつしんで行動する」、「自分をコントロールする」というような意味もありますし、「誇り」などの意味が現実と重なって「傲り」や「うぬぼれ」のような意味にもなります。

「矜持」の読み方

「矜持」とは、「きょうじ」と読みます。これはたびたび「きんじ」と読まれることもありますが、それは読み誤ったものが広まってしまった例の1つで、正確には「きょうじ」と読みますので、間違いのないよう覚えておきましょう。

ただ近年では、このように読み誤りの語句がそのまま「慣用読み」として定着している例もあり、たとえば「重複(ちょうふく)」を「じゅうふく」と読んでも、慣用読みとして通る、というようなものもあります。

ですので、たとえ他人が「きんじ」と読んでいることがあっても、あまり強く否定するトラブルの原因になりかねないので、「きんじ」は慣用読みで、正しくは「きょうじ」と読むと軽く伝える程度が良いでしょう。

「矜持」の語源

「矜持」の語源とはどのようなものでしょうか。矜持という字の「矜」とは、「矛の柄」というものが語源になっていると言われているものです。

漢字が生まれた国、中国の古代の武士にとって、「矛の柄」を持つことは誇りでだったと言われています。つまり、「矜」の字そのものが「誇りあるものを表している漢字」と言えます。

そして、矜持の「持」という字は「もつ」、「維持する」、「保つ」というような意味があり、この「矜」と「持」をあわせることで、「誇りを持つ」という意味や、「プライドを保つ」などの意味になるということです。

「矜持」と「矜恃」の違い

非常に漢字が似ていて一見しただけでは同じものに見えるような、「矜持」と「矜恃」には何か違いがあるのでしょうか。あるとしたらどのようなところに違いがあるのでしょうか。

これらはどちらも「きょうじ」と読むので『読み』に違いはありませんが、よく見ると「持」と「恃」の違いがあります。そして、「恃」には「依頼する」とか「たのむ」と言った意味があるので、「矜恃」については「自信と誇りを持って依頼する」というような意味になります。

「矜持」と「矜恃」はほとんど意味も同じですが若干に違いがあり、「矜持」は自信と誇りを持っている様、「矜恃」は自信と誇りを持って振る舞っている様、というようなニュアンスの違いがあります。

「矜持」の類語

「矜持」という言葉の意味をより深く、正確に理解するためには、「類語」を把握しておくことが非常に役立ちます。他の聞き慣れた言葉で理解すると頭に入りやすくなるからです。いくつか類語はありますが、代表的なものを次に詳しく説明します。
 

誇り
傲り
自負
うぬぼれ
慢心

誇り

「矜持」の類語として、「誇り」というものがあります。これは「矜持」の意味を説明するときにも使われるような言葉なので、矜持と意味もほとんど同じようなものとなります。

「誇り」とは、自信や地位などを自らもそれを「名誉」とすることで、それを名誉とする感情を持っている様を言うときに使う言葉です。「○○の誇りにかけて絶対に成功させる」などは、自信や地位などを振りかざして自らを奮起させるために使う言葉です。

また、たとえば自身の家族の中に名誉ある賞をもらったとか、地位を築いた人などがいる場合に、「息子を誇りに思う」など、自身のみならず身近な存在自体を誇りとする使い方などもされます。

傲り

「矜持」という言葉の類語には、「傲り」というものも挙げることができます。こちらについては、自信や地位などがあることをいいことに、「偉そう」にしたり、「油断」するようなことを指します。

たとえば、スポーツの世界などで、実力があり優勝経験もあるような人が、「格下」だと思いこんで油断して勝負に負けたようなときに、「前回優勝したことで傲りが出たな」などと言われるような使い方をします。

または、そうならないために「前回優勝したからと言って傲ってはならない」というように、自信や地位などが逆に足かせとならないよう戒めのために使ったりもします。

自負

「矜持」という言葉の類語には、「自負」という言葉も挙げられます。これは、自分で行なうことのできる仕事や作業、行動や発言などに自信を持っている、そしてそれを誇りに思うことを指します。

分かりやすいようにスポーツで例えると、サッカー選手が他のことは他人に負けるとしても、「パスの精度だけは誰にも負けないと自負している」というように使います。

日本人はあまり自分自身の実力や技術などを良しとして全面に押し出さないようなところがありますが、その中でも「ここだけは譲れない」というような時に「自負している」という言葉を使って相手や周りに伝えたりする時に使うケースが多いです。

「矜持」の使い方《例文紹介》

矜持の意味や語源、さらに類語などをお伝えしてきましたが、実際に「矜持」というのはどのように使うのでしょうか。例文を交えながらご紹介していきます。

基本的な使い方としては、矜持の意味を表すことのできる言葉や類語をそのまま使えるような使い方で、「誇りを持つ」なら、「矜持を持つ」とも使えますし、「プライドが許さない」なら「矜持が許さない」というような使い方もできます。

それぞれ、「矜持を持つ」、「矜持を保つ」、「矜持が許さない」の3つを例文を交えながら使い方の紹介をしますので、チェックしてみてください。

例文①矜持を持つ

「彼は自分自身の技術に矜持を持っている」

これはある男性が自分の技術に自信やプライドを持っているということを表す使い方にあります。技術とは幅が広いですが、スポーツでもそうですし、料理の腕だったり、楽器の演奏だったりと、どのようなものでも「矜持を持つ」は使えます。

実力があるのに、緊張や自信のなさから本来の力が発揮できない人に対して、「自分の技術にもっと矜持を持ちなさい」という言い方の使い方もできます。

例文②矜持を保つ

「周りの人の目や勝手な噂話などにまどわされず矜持を保ってほしい」

自分の技術や実力に自信や誇りを持って活動していた人が、何かの事情で周りの人からの非難などの視線にさらされたり、有る事無い事でっち上げられて噂話の的にされたりしている場合に、このような使い方もできます。

人は周りの人に支えられて力を発揮することもありますが、周りの人に足を引っ張られて実力が発揮しきれないこともあります。そして、そうならないように「自信と誇りを保って頑張ってほしい」という意味でこの使い方ができるということになります。

例文③矜持が許さない

「ほとんど新人のような後輩に記録を抜かれたままでは矜持が許さない」

自信と誇り、プライドを持ってやっていたものに対して、ほとんど新人のような後輩がその記録を抜いてしまったら、「プライドが傷ついたり」しますから、それが許されないというときに、このような使い方をします。

一般的によく目にするのは「プライドが許さない」という使い方になりますので、普通に使う場合はそちらでも良いのですが、プライドという「カタカナ」や「横文字」が似つかわしくない場面では、矜持という言葉が使われます。

「矜持」を使う際の注意点

「矜持」という言葉について、意味や語源、さらに類語や実際の例文を交えた使い方などもご紹介してきましたが、少々扱いの難しい言葉であることも理解できたことでしょう。

扱いの難しい言葉である「矜持」について、実際にその言葉を使う際にはどのようなところに注意したら良いのか、という部分をご紹介していきます。

実際にここで紹介するもの以外にも「言葉の使い方」には注意が必要ですが、特に「矜持」については、以下の部分により注意の意識を向けるようにすることが大切です。

本当の実力が不可欠

矜持には「傲り」や「うぬぼれ」という類語もあるように、「本当の実力を伴わない」状態で、矜持を持ったり、矜持という言葉を使うと、単なる『虚勢』のように見えてしまうのです。

また、「誇り」や「自負」などの類語からも分かるように、矜持とは自分に自信を持つこと、という意味が込められているので、実力がなければ、周りから見たときに「自信だけで何もできない人」という見え方になってしまいます。

「矜持を持つ」ことや、矜持という言葉を使う際には、それ相応の『実力』を持った状態が必要不可欠だということを理解しておきましょう。

文脈次第で意味が変わってしまう

矜持という言葉の類語でもご紹介したように、矜持という言葉の意味には「傲り」や「うぬぼれ」、「慢心」という言葉があります。つまり、矜持には「偉そうにする」という意味も含まれていることになります。

ただし、「含まれている」というだけで、「誇り」や「自負」というような、相手に関わらない自分の意思の表れでもある言葉なので、『文脈次第』という部分があるのです。

文脈次第で大きく意味が変わってしまうというのは厄介な言葉と言えるので、矜持を使う際には、文脈を見返して「偉そうにする」というような意味に見えないかどうかを再度確認するようにしましょう。

矜持の対義語を知って意味をより深く知ろう

ここまでにお伝えしてきた内容で、矜持の意味や使い方などはある程度理解できるものとなっていますが、より深く理解するために『対義語』もご紹介しておきます。

「へりくだる」という言葉や、「卑下(ひげ)」、「謙遜(けんそん)」という言葉があります。これらはすべて、「相手よりも自分を下に見る」、「相手のほうを上に見る」というような意味があります。

つまり、矜持とは使い方によって、「相手を自分よりも下に見る」ということになるので、対義語とセットに考えて、伝わり方に注意しつつ矜持という言葉を使うようにしましょう。

へりくだる

「へりくだる」という言葉は、矜持の対義語にあたるものですから、自信や誇りを持って「堂々とした立ち居振る舞い」をするのではなく、他人にそのような位置にいてもらい、自分は控えめに、一歩下がった立ち位置にいることを指します。

卑下

卑下とは(ひげ)と読みますが、これもへりくだるに似ていますが、卑下の場合は、ニュアンスとしてへりくだるよりも更に下に下に自分を引き下げて、現代でいうところの「自虐」にも似たような「自分なんて…」というような立ち位置になることを言います。

謙遜

「謙遜」は(けんそん)と読み、こちらについてもへりくだるや卑下とは少々ニュアンスが違い、本当は実力があるのに、それを隠したり、表に出さず実力がないように振る舞ったり、そう言ったりするようなものも含まれます。

よく使われる「ご謙遜を…」というような使い方は、相手の実力が分かっている人が、「そうは言ってるけど本当はもっとすごい実力を持っていますよね?」というような意味で使う言葉になります。

言葉は使い方と捉え方次第

ここまで矜持の意味や語源、類語、さらには使い方や注意点などをお伝えしていきました。言葉というのは「矜持」に限らず、「使い方」と「相手の捉え方」次第で意味が変わってくるということも理解できたでしょう。

特に「矜持」というのは、ある程度、公式の場や厳格な場など「普段使い」というよりは、あらたまった場面で使う言葉なので、相手に意味が通じづらかったり、使う側も使い方を勘違いしているというケースもあり得ます。

自分自身が使い方に注意するのはもちろんのことですが、相手がどう捉えているのかということもしっかりと意識して、自分が意図している使い方、捉え方になっているのか、というところにも意識を向けるようにしましょう。

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