了承を得るの意味とは?ビジネスでの使い方や了解を得るとの違い

ビジネスにおいて、欠かすことのできない敬語表現の中に「了承を得る」という言葉があります。了承を得るとは、具体的に何を得るのでしょうか。ビジネスで使う際に、使う相手や使う場面を間違えたくないと言う人のために、「了承を得る」の類語を含めて解説いたします。

了承を得るの意味とは?ビジネスでの使い方や了解を得るとの違いのイメージ

目次

  1. 1「了承を得る」を使う際のビジネスマナーとは?
  2. 2了承=分かった
  3. 3「了承を得る」の意味とは?
  4. 4「了承を得る」と「了解を得る」の違い
  5. 5「了承を得る」の使い方
  6. 6「了承を得る」の類語
  7. 7上司から了承を得たい時の敬語表現
  8. 8知っておきたいメールでの「了承」の使い方
  9. 9「了承を得る」の英語表現
  10. 10場面によって「了承」の意味が変わる英語表現
  11. 11何卒、ご了承ください

「了承を得る」を使う際のビジネスマナーとは?

「了承を得る」という言葉は、ビジネスシーンでとてもよく使われる言葉として知られています。メールでももちろんですが、口頭でも利用される言葉です。
 
ところが、気軽に使っている「了承を得る」ですが、実はビジネスシーンで使う際に、気を付けなければならないマナーがあります。
 
元々、「了承」も「得る」も、敬語ではありませんので、本来であればビジネスシーンで使うには適した言葉ではありません。なので、社外で使うのは控えた方が良い文言なのです。

了承=分かった

ビジネスにおいて、学生の時やプライベートの時のような砕けた言葉遣いはご法度です。会社には幅広い年齢層の方が働いており、その人たちに対してそれぞれ敬語を使い分けなければならないのがビジネスマンです。
 
了承を得るとは、ざっくりと言うと「分かったよ」の派生です。しかし、ビジネスにおいて相手からの要求に「分かったー」とは返しません。上司から言われたことに対しても、「分かりました」ではなく「承知しました」「かしこまりました」と返す方が丁寧です。
 
これから、例文を使って「了承を得る」を、カッコよく適切な場面で使用していきましょう。

「了承を得る」の意味とは?

では、そもそも「了承を得る」の言葉の意味をご紹介します。
 
「了承」とは、「よくわかる」という意味で、「了承を得る」は、相手の事情を汲み、鑑みる・納得する・受け入れるという意味になります。言うなれば、理解を示すと言うことです。
 
しかし、「了承」とは相手の事情を汲むことなので、本来は目上の人(上司やクライアント)から目下の人(部下や請負人)の事情を了承すると言った、上から目線な部分があります。

「了承を得る」と「了解を得る」の違い

ここで、「了承を得る」に良く似た言葉で、「了解を得る」についてもご紹介します。
 
「了解しました」を目上の方に使うべきではない、という見解はビジネスマンとしては一般的な知識かと思われます。
 
「了解」とは、物事の内容を理解して承認することという意味があります。つまり、「了承」は言われた人に対して理解を示し、「了解」は言われた物事に対して理解を示す際に使われる言葉なのです。

「了承を得る」の使い方

ここからは、「了承を得る」を使ったビジネスシーンをご紹介します。「了承を得る」を使う場合、ほとんどが状況を報告する際に利用するので、社内報告などによく使われます。

間違えてはいけないのは、「了承を得る」とはあくまでも状況説明のみに使われるので、相手の事情を汲んで納得したとは言え、相手に対して何の敬意も払っていない言葉だと言うことです。なので、状況を説明したい人とだけ使い、もし当人が目の前にいる場合では、絶対に使わないにしましょう。

「了承を得る」を使った例文

「了承」の後に続く言葉によって、多少のニュアンスが異なってきます。ただ、どの言葉もやはり目下の人が上司やクライアントから得た許可を、誰かに報告する際に利用することが多いので、微妙なニュアンスを使い分けながらご紹介します。

例文①了承を得たので

まずは、「了承を得たので」という言葉をビジネスシーンで使ってみましょう。
 
これは、どんなシーンが思い浮かぶかと言うと、例えば、クライアントにお願いしていた事項を汲んでいただき、それを上司に報告するとき
 
・先日○○様にお願いをしていた作業工程で了承を得たので、この内容で進めます。
 
と言ったように使われます。口頭ではこの使い方でも良いかもしれませんが、メールを使い場合は「了承を得られましたので」と丁寧に言い換えた方が、印象が良くなります。

例文②了承を得られるよう

今度は、「了承を得られるよう」という言葉です。こちらは、クライアントからお願いされたことが、自身では判断がつかない場合などに、「相談してみます」と言った意味合いでも使用します。
 
・○○企画の件でご連絡をいただいておりましたお値引きのお話は、上司から了承を得られるよう掛け合ってみます。
 
これは、上司がクライアントや先方にお願いしてみろと指示を受けた際も、「では先方から了承を得られるよう連絡してみます」などに使われます。「了承を得たので」と同様、口頭で使われやすい言葉です。

例文③了承を得ています

最後は、「了承を得ています」です。こちらは、既に許可をいただいている内容を上司や先方に報告する際に使用します。
 
例えば外部の会議室やホテルのミーティングルームなどを利用するにあたって、
 
・本日の○○時~○○時までは、部屋の利用の他にプロジェクターの利用についても了承を得ています
 
というような使い方です。こちらは、メールでの事前確認などでもそのまま使える文言ですので、ビジネスシーンではよく使われる言葉です。

「了承を得る」の類語

「了承を得る」には、先ほどの記述でご紹介したように「了解を得る」などの似た言葉が存在します。実は、それだけでなく、他にもいくつか「了承を得る」の類語は存在し、それぞれ使い方が異なります。
 

承諾を得る
了解を得る
承知くださる
 

承諾を得る

「了承を得る」の類語を調べた際に、真っ先に挙げられるのが「承諾を得る」です。「承諾」とは、相手の意見や要望・要求などを聞き、受け入れるという意味を持ちます。

了承が相手の状況を理解を示すと言う意味なら、承諾は相手の状況について理解を示し、行動に移すと言うことになります。
 
「了承を得る」とは違って、どんなやり取りの中でも使われるのではなく、取引や契約と言った正式な場面で使われることが多い言葉です。「承諾」は了承を得るよりも強い意思表示を意味しており、それゆえビジネスにおいては重要な約束事や手続きの際に使われるのです。

了解を得る

「了承を得る」と同じようによく使われる「了解を得る」も、相手から言われたことに対しての返答としてビジネスでは使われます。
 
ただし、この言葉は本来であれば目下の人から言われたことを目上の人が使う際に使われる言葉ですので、あまりビジネスに適しているとは言い難い言葉です。更に、カジュアルなイメージやニュアンスも含みますので、言葉に厳しい方や目上の方に使う際は注意が必要です。

承知くださる

了解を得るよりもよりビジネスに相応しい言葉が、「承知」を使った言葉です。「ご承知の通り」から始まり、「ご承知ください」や「ご承知おきください」など使い方も多様です。
 
「承知」という言葉には、要望・要求を聞き入れること、相手の事情を理解することなどの意味を持ちます。了解を得ると同じような意味合いがありますので、ビジネスでも多分に利用できます。また、上司にも社外の人にも使える便利な言葉でもあります。
 
ただし、「了承を得る」とは違って「承知」を使った言葉遣いに、「承知を得る」といった使い方はありません。相手への報告の言葉として「承知くださいました」とは使いません。報告に使用する場合は「ご承知くださっています」と言うのが無難です。

上司から了承を得たい時の敬語表現

「了承」はそもそも敬語ではありません。なので、目下の人が上司やクライアントに向かって自分の意を伝えたいときには、本来使わない言葉です。ただ、「了承」の後に続く丁寧語によっては、敬語表現として捉えることもできるので、一緒に覚えておくと良いかもしれません。

ご了承頂けますよう

「了承」に、尊敬語にあたる「ご~」や丁寧語の「ます」を使うことで、相手に対して非常に丁寧な印象を持たせられる表現となります。
 
口頭でも使えますが、メールでの表記でこうした文章が使えると、相手への印象がとてもよくなります。語尾の「よう」は、助動詞の「ようだ」の活用形に当たり、カジュアルな依頼内容などによく使われます。

・○月○日に、有給消化のため有給の申請をいたしました。ご了承いただけますよう、ご確認よろしくお願いします。

ご了承下さいますよう

上述のご了承いただけますようと同じく、ご了承くださいもカジュアルに使えて、とても便利な言葉です。尊敬語の「ご~ください」と丁寧語「ます」の組み合わせは、もちろん上司以外にもクライアントや不特定多数の方への注意喚起などに利用可能です。

・この度行われますゴルフコンペティションにおきまして、○月○日○時から開催を予定しております。どうぞ、ご了承くださいますよう、よろしくお願いします。

お含みおきくださいますよう

これまで出てきた言葉とちょっと変わっていますが、「お含みおきくださいますよう」は、心に留めておく・あらかじめ了解しておくと言った意味を持つ「含み置く」に、敬語の「お~ください」を組み合わせた言葉です。
 
こちらは、これから何かしらの事が起こる前の報告として使用します。「了承を得る」は現状既に起きてしまった事案についても使用しますが、「お含みおきください」は、今後起きる内容について理解してもらいたいときに使います。
 
また、どちらかと言うと口頭よりもきちんとした正式文書か、メールで利用される言葉です。

知っておきたいメールでの「了承」の使い方

相手から了承を得たい場合、伝える言葉は「ご了承ください」だけではなく、実に様々です。毎回同じ言葉や言い回しでは、明らかに定型文としての活用になってしまいますので、できればいくつかのパターンを使い分けて、相手や事案によって言葉を変え、印象良く持ってもらえるようにしましょう。

ご了承くださいますよう、お願いいたします。
どうかご了承いただけますよう、お願い申し曲げます。
何卒、ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。
ご了承いただけましたら、幸いでございます。

など、組み合わせて自分が使いやすい「了承」言葉を選んでください。今回ご紹介したフレーズは、相手が上司・クライアント・不特定多数のお客様全てに利用できますし、書面でもメールでも利用できる内容です。

「了承を得る」の英語表現

グローバル化社会が浸透してきて、海外の方々とのやり取りが増え、企業によっては英語が公用語になってきている企業も増えてきました。
 
英語は日本語よりも敬語の言い回しが少ないと言われたり、カジュアルなやり取りが多いと言われたりしていますが、やはりビジネスなので相手に対して丁寧なやり取りをするに越したことはありません。
 
「了承を得る」に関しても、ビジネスシーンでさらりと使えたらそれだけで話がスムーズに進みそうです。「事情を汲んで理解する」という発想は、日本人的なものなので、英語にぴったりの表現はありませんが、ビジネスシーンでも使える敬語をご紹介します。

1.Thank you for your understanding in advance.

日本語と違って、英語には「ご了承ください」などの漠然とお願いする敬語はありません。それよりも、「あなたのご理解に感謝します」と添える方が一般的です。
 
また、in advanceと付け加えることで、「これから」と言う意味も含まれます。「これからこの内容に理解していただくことを感謝します」と言った意味合いになります。
 
英語では、日本語のような“建前”がありませんので、こうした表現の方が好まれます。

2.please kindly note that~

お客様や不特定多数の方々に対して「~ご了承ください」と言った内容の案内をする際は、「Please note that~」もしくは、「Please kindly note that~」と表現します。これは、ネイティブの人もビジネスでよく使う、とても丁寧な「~について、ご了承ください」です。
 
チラシなどの一般的なただのお知らせというよりも、「申し訳ございませんが、どうぞご理解お願い致します。」というようなより丁寧さが求められる際に利用します。

場面によって「了承」の意味が変わる英語表現

上述でご紹介した「了承を得る」の英語表現は、実際にビジネスシーンでもよく使われるフレーズをご紹介しました。

英語では、単純に「ご了承ください」と日本語で一言添える文章に合致するものがありませんので、様々な言い回しが使われます。

また、「了承」についても、使いどころによっては使う単語が変化します。どの場面で、どんな了承が必要なのか間違えないように気を付けましょう。

「了承」の英語訳

ビジネス英語で使う「了承」そのものの英単語は「approval」です。これは名詞なので、この単語を使った表現では、

receive approval fromやhave approval fromを使い、「~から了承を得る、~の了承を得る」と訳します。

他にも、approvalではなくagreementを使った言い回しもあります。こちらは、gain greement withで「(人)の了承を得る」と訳せます。どちらを使っても問題ありませんが、ビジネスシーンではapprovalが多いようです。

何卒、ご了承ください

日本語は多くの敬語を使い分けることによって、ビジネスシーンでも物事を円滑に進められます。しかし、逆に言えばきちんとした敬語を使えないと、ビジネスでは相手と仕事のやり取りがし辛く、時には正当な評価や取引が行えないことも示唆しています。
 
言葉は自分がどれだけ年齢を重ねても使うものですが、年齢にあった言葉遣いがサラっと表現できるようになると、相手からも良い印象が持ってもらえそうです。
 
「了承を得る」の使いどころも、敬語表現でないことを念頭に、使う相手やシーンを選ぶようにしましょう。

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