不甲斐ないの意味や語源とは?不甲斐ない自分など使い方を解説

「不甲斐ない」という言葉の正しい意味や語源を、自信を持って答えることができる人は少ないでしょう。しかし、「不甲斐ない」は日常的によく使う言葉です。そこで、今回は「不甲斐ない」の語源や意味と共に、その正しい使い方も確認していきましょう。

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目次

  1. 1「不甲斐ない」を正しく使えてる?
  2. 2そもそも「不甲斐ない」の意味とは?
  3. 3「不甲斐ない」の語源
  4. 4「不甲斐ない」の類語とその意味
  5. 5「不甲斐ない」の使い方
  6. 6不甲斐ない人とはどんな人?
  7. 7不甲斐ないと思われてしまう上司や部下とは
  8. 8自分を不甲斐ないと感じた時の対処法!
  9. 9今回の例文を参考に「不甲斐ない」を実際に使ってみよう

「不甲斐ない」を正しく使えてる?

無力感を感じた時によく使う「不甲斐ない」という言葉。しかし、ふとした時に「不甲斐ない」という言葉を正しく使ているか、気になったことはないでしょうか?

そこで、今回は「不甲斐ない」の正しい意味や語源だけでなく、適切な使い方も例文を交えてながら取り上げたいと思います。「不甲斐ない」を正しく使えているか気になる人は、ぜひしっかり今回の内容を確認してみてください。

そもそも「不甲斐ない」の意味とは?

「不甲斐ない」とは「決断力が無い様子」や「情けない様子」を意味する言葉です。「不甲斐ない」は、勇気が無くで踏み出せないことがある時や、思ったような成果が得られなかった時に、相手や自分を形容する言葉として使われます。

ちなみに、「不甲斐ない」の「甲斐」とは「価値あるもの」や「効果があるもの」を意味する言葉です。「年甲斐」や「甲斐性」といった言葉の「甲斐」も、同じことを意味します。

「不甲斐ない」の語源

「不甲斐ない」の語源とは、価値や効果を意味する「甲斐」を否定した「不甲斐」という言葉とされています。当初は「不甲斐」という言葉だけで、「効果や結果が期待できないもの」や「価値の無いもの」を意味していました。

しかし、「不甲斐」に「無い」という否定形の言葉を付けた「不甲斐ない」という言い方が、だんだんと定着していったのです。

「不甲斐ない」の類語とその意味

「不甲斐ない」の類語としては以下の表にある5つの言葉が挙げられるでしょう。決断力が無かったり、気弱であったりする様子を意味する言葉が多い傾向にあります。以下では、より詳しく表にある類語の意味を見ていきましょう。
 

・女々しい
・意気地がない
・軟弱な
・小心者
・気概がない

優柔不断な様子を意味する「女々しい」

「不甲斐ない」の類語の1つである「女々しい」とは、優柔不断であったり未練がましかったりする様子を意味する言葉です。

平安時代より前には、女性全体を「女」(め)という言葉で表していたので、「女々しい」は主に女性のような言動を形容する言葉として使われていました。

しかし、平安時代以降に「女」(おんな)という言葉が女性全体を意味する言葉として定着したので、「女々しい」は現在のような意味になったそうです。

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気力やしまりがない様子を意味する「意気地がない」

「意気地がない」とは、成し遂げようとする気力や根性がない様子や、しまりのない様子を意味する言葉です。「意気地がない」は、主に大胆な行動が必要な場面で行動を起こせなかった場合に、自分や相手を形容する言葉として使われます。

意思や態度が定まらない様子を意味する「軟弱な」

「軟弱な」とは、意思や態度が揺らぎやすく、他人にコントロールされがちな様子を意味する言葉です。主に臆病で気が弱い人や、そのような自分を表現する言葉として使われます。

また、精神力や生命力に乏しい様子を意味する言葉として、使われることもあるでしょう。

「小心者」

「小心者」とは、気が小さく臆病な様子や細かいことを気にする様子を意味する言葉です。気が小さく臆病であると、大きな決断を迫られる場面で戸惑ってしまい、好機を逃してしまうことがあるでしょう。

その様子が「不甲斐ない」の意味と似ているために、「小心者」が「不甲斐ない」の類語になったとされています。

「気概がない」

まず「気概」とは、困難な問題に果敢に挑んでいく強い意志や気性を意味する言葉です。そのため、「気概がない」とは、困難な問題に目を背けたり、すぐに諦めたりする様子を意味する言葉として使われます。

チャレンジ精神に欠ける様子を意味する「気概がない」は、さまざまな場面で使える言葉なので、ぜひ日常的に使ってみてください。

「不甲斐ない」の使い方

「不甲斐ない」は主に、自分に責任がある失敗を謝罪する時に、「不甲斐ない結果になってしまってすまない」というように使います。さらに、「不甲斐ないやつだな」というように、だらしない言動をする人を形容する言葉としても使うのです。

以下では、そんな「不甲斐ない」の使い方を、例文で確認していきましょう。

「不甲斐ない」の例文

「不甲斐ない」はさまざまな場面で使える便利な言葉なので、その使い方のバリエーションも豊富です。しっかり正しい使い方をマスターできるように、「不甲斐ない」の例文も確認していきましょう。

例文①結果が出せなかった自分を情けなく思う時の使い方

「不甲斐ない」は期待されていたような結果が出せなかった自分を、情けなく思っていることを表現するように使うことが多いでしょう。そのように使うと、ネガティブな意味合いが強くなるので、多用しすぎないように注意してください。

「期待されていたのに、このような結果になってしまって、本当に我ながら不甲斐ないと思います」

「期待したほどの成果が出せず、自分の不甲斐なさを実感しました」

「結果が出た今では、不甲斐ない思いでいっぱいです」

例文②節度や根性のない行動をする他人を形容したい時の使い方

根性や節度が無い行動をする他人を、形容する時にも「不甲斐ない」は使えます。このような使い方では、「不甲斐ない」は相手を非難するようなニュアンスになるので、使う時は相手との関係性をよく考えてから使いましょう。例文は以下の通りです。

「友達に借りたお金の返済を忘れるなんて、あの人は本当に不甲斐ないな」

「あんなに注意したのにまた寝坊するなんて、不甲斐ない人だな」

「たった10分歩いただけなのに息が上がるなんて、不甲斐ない」

例文③目上の人に対して謝罪する時の使い方

「」は自分のミスの責任を認めて謝罪する時にも使える言葉です。目上の人に対して「不甲斐ない」を交えた謝罪の言葉を言う時は、「不甲斐ない」は「不徳のいたすところ」に変えるとより丁寧な印象になるでしょう。例文は以下の通りです。

「この度のトラブルは弊社の不徳のいたすところです。御社にご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした」

「不甲斐ない結果を出してしまい、深くお詫び申し上げます」

「このような事態を引き起こし、自分を不甲斐なく感じております。この度はご心配をおかけし、大変申し訳ございませんでした」

不甲斐ない人とはどんな人?

「不甲斐ない」の正しい意味や使い方を確認したら、不甲斐ない人の特徴もしっかり把握しておきましょう。以下では、不甲斐ない人の特徴をいくつか取り上げていきたいと思います。

意欲的に何かをするということが無い

不甲斐ない人の多くは、意欲的に何かをするということがありません。淡々と物事をこなしていきますが、自発的に何かをする意欲に欠けるので、自分なりの目標を決めてその目標に向かって頑張るということはしないのです。

そのため、学業や仕事ではそこそこの成績や結果は出せても、目立つ結果や成果は出せない傾向にあります。

また、不甲斐ない人は問題解決への意欲にも欠けるので、困難な問題が生じると解決をすぐに諦めて、問題自体を無視してしまいます。そのため、不甲斐ない人の中には小さな問題を放置して、後から大変な事態になってしまう人も多いのです。

バイタリティーが無く虚無的に生きている

不甲斐ない人の特徴としては、基本的にバイタリティーが無く虚無的に生きていることが挙げられます。不甲斐ない人のほとんどは、自分はこう生きたいという芯が無いので、ただ流されるままに生きているという雰囲気があるのです。

また、そのような不甲斐ない人には、あらゆる場面で他人に流されやすいという特徴もあります。そのため、支配的な人が身近にいると、その人の奴隷のような状態に陥ってしまう傾向が強いのです。

責任感が無く問題解決をすぐに諦める

責任感が感じられないということも、不甲斐ない人の特徴です。不甲斐ない人は困難な問題にぶつかると、その問題解決をすぐに諦めて逃げ出そうとしてしまいます。

自分が責任ある立場にあると分かっていても、問題解決を投げ出して、責任を誰かになすりつけたり、無関係を装ったりしてしまいがちなのです。そのため、周囲の人に呆れられたり怒られたりすることも多い傾向にあります。

不甲斐ないと思われてしまう上司や部下とは

職場で不甲斐ないと思ってしまう上司や部下はいませんか?そのような部下や上司を見ていると、自分も部下や上司から不甲斐ないと思われる言動を、無意識にしてしまっていないか気になる人もいるでしょう。

そこで、以下では不甲斐ないと思われてしまう部下や上司の特徴も、見ていきたいと思います。自分の職場での言動が、以下のようになってしまっていないか、よく確認しましょう。

不甲斐ない上司とは

部下から不甲斐ないと思われてしまう上司には、全体的に弱々しいという特徴があります。そのような上司は部下を率いていこうという意欲に欠けるので、部下を奮い立たせるような言葉を力強く言うことがありません。

部下に対する態度も、どこか自信無さげなので、部下から不安を抱かれたり弱々しいと評価されてしまいがちなのです。また、そのような上司は責任感も欠如しているので、潔く部下の失敗の責任をとるということもしません。

さらに、部下に対しては大きな態度を見せる一方で、目上に人に対しては気が弱くなってしまうということも、不甲斐ない上司の特徴です。そのため、不甲斐ないと思われる上司は、部下から信頼されにくくもあるでしょう。

不甲斐ない部下とは

上司から不甲斐ないと思われてしまう部下には、かなり打たれ弱いという特徴があります。一度失敗したり強く注意されたりすると、一気にネガティブになり意欲もなくなってしまうのです。

失敗を次に生かそうと思えないため、失敗や叱責に簡単に打ちのめされてしまいます。さらに、仕事に関する指導をしてくれている上司からのちょっとした叱責にも、酷く落ち込んでしまうので、上司から教育しにくいとも思われがちです。

不甲斐ないと思われる部下にならないためには、失敗した時にはネガティブになりすぎず、冷静に失敗の原因を探る癖をつけることが大切と言えます。

失敗を今後に生かして成長することができれば、周囲から高評価され、不甲斐ないとは思われないようになるでしょう。

自分を不甲斐ないと感じた時の対処法!

自分自身を不甲斐ないと感じると、どうしてもネガティブな気持ちになってしまいます。ネガティブな気持ちがさらに自分を不甲斐なくしてしまうこともあるでしょう。

そんな悪循環に陥らないために、自分を不甲斐ないと感じた時は、正しい対処法をすることをおすすめします。以下では、その対処法を3つ紹介していきましょう。

生活習慣を改善してみる

生活習慣の乱れが精神的な不調を招き、結果的に自分を不甲斐ないと思う状態になっていることも多々あります。そのため、暴飲暴食を避けたり早寝早起きを心がけたりして、生活習慣を正してみるということは不甲斐ないときの対処法の1つなのです。

生活習慣を改善することで前向きな気分になり、生き方そのものがよい方向に変わることもあるので、自分を不甲斐ないと感じている人は、ぜひ実践してみてください。

小さな成功体験を積み重ねる

小さなことからでも、成功したと感じることを積み重ねていく方法も、自分を不甲斐ないと感じた時の対処法の1つと言えます。

不甲斐ない人の多くは、困難からすぐ逃げ出してしまう傾向にあるので、成功体験が少ないのです。そのため、ずっと確固たる自信がなく、ますます困難から逃げやすくなってしまいます。

しかし、自分の力で成し遂げたと感じる小さな経験を、こつこつ積み重ねていくと、自然と自信が生まれてくるでしょう。その結果、困難に立ち向かおうという意欲が湧くこともあるのです。

いつも困難から逃げ出して、自分を不甲斐ないと思ってしまっている人は、ぜひ小さな成功体験を積み重ねてみてください。例えば、自分なりの目標を定めて趣味に真剣に取り組んでみることでも、成功体験の積み重ねになります。

一度休憩して心身のエネルギーを蓄える

自分を不甲斐ないと思ってしまう時は、自分のエネルギーが枯渇している状態であることが多いでしょう。エネルギーが枯渇しているのにも関わらず、頑張ろうとしてしまうと、思ったような結果や成果がでず、自分を不甲斐ないと思ってしまいがちなのです。

エネルギーが枯渇した状態で頑張り続けていると、深刻な精神の病にかかってしまうこともあります。そのため、自分を不甲斐ないと思った時の適切な対処法としては、しばらく休憩してみるということも挙げられるのです。

友人や家族と旅行に行ったり、趣味に没頭したりして、心身のエネルギーを蓄えることで、不甲斐ない状態から抜け出せやすくなるでしょう。

今回の例文を参考に「不甲斐ない」を実際に使ってみよう

今回は「不甲斐ない」の意味や語源、その正しい使い方や自分を不甲斐ないと思った時の対処法を紹介しました。「不甲斐ない」の意味や語源を把握することで、自信をもって「不甲斐ない」を会話や文章の中で使えるようになるでしょう。

また、今回は「不甲斐ない」の例文も取り上げたので、ぜひその例文を参考にして実際に「不甲斐ない」を使ってみてください。

さらに、自分を不甲斐ないと感じてしまう時は、今回確認してきた対処法を試してみることをおすすめします。

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