感化とは？感化される・触発されるなどの使い方を例文を用いて紹介

「人や何かに影響を受ける感化」ということで、こちらでも「感化」の意味とは？というところをご紹介していきます。

「感化の意味とは？」というところ以外にも「感化の使い方」や「感化を使った例文」などもお伝えしています。その後には、感化の類語やその例文、非常に似ている言葉の「触発」との違いが使い方の違いなどもお伝えします。

さらに、感化されることが多い、感化されやすい人の心理の部分やその特徴についても解説していますので、詳しくチェックしてみてください。

まず、そもそもの「感化の意味」とはどのような意味になっているのでしょうか。これは、モノや人が影響を与えることによって、その行動などを変化させることを言います。

また、「感化される」などの受け身の場合には、「モノや人に影響を受けて、その行動などが変化すること」と言い換えることができます。

「感化」の使い方にはどのようなものがあるのかいくつかご紹介していきます。まずさきほども使ったものになりますが、「感化される」という使い方があります。

他の使い方としては、「感化を受ける」や「感化を与える」などの使い方もできます。何かに影響を受けて行動や態度が変わったときなどは、「○○に感化されて考え直した」などのように使います。

感化の意味や使い方をさらにわかりやすくするために「例文」をいくつかご紹介します。「感化」という言葉をどのような場面で使うのかというのが例文があったほうがより明確にわかるでしょう。

さきほどの「感化の使い方」でご紹介した「感化される」「感化を受ける」「感化を与える」の3語を使っての例文をご紹介しますので、使い方の参考にしてみてください。

「栄養士さんから聞いた話に感化されて、日々の食事の見直しと、栄養面について考えるようになった」

「感化される」を「感化されて」というように言い換えていますが、「感化される」の使い方の例文の1つになります。栄養士さんから食事方法や栄養面でバランスのいい食事の話などを聞いてそれに「感化される」ことで見直すという内容です。

のちにもご紹介しますが、この内容ですと、「～聞いた話に影響を受けて、～」と言い換えることもでき、感化の類語には色々なものがあり、それらも当てはめることができます。

「子ども好きな彼女に感化を受けて、段々と自分自身も子どもが好きになってきた」

こちらについても、「受け身」の使い方なので「感化される」の使い方とそれほど大きな差はありません。「受ける」という言葉を使うとより「受け身」感が強くなるので、それを表現したい場合には「感化を受ける」という使い方をすると良いでしょう。

「10代の頃、悪いことばかりをしていた自分が感化を与えてしまい、友人たちも悪さをするようになってしまった」

こちらは受け身ではなく能動的に「感化を与える」場合の使い方の例文になります。今回の例文はあまり良い意味ではありませんが、「与える」場合には悪い意味になるということではありません。

逆に「10代の頃に悪いことばかりしていた友人に真面目な自分が感化を与えることで更生させた」というような使い方をすることもできます。

「感化」の類語で「触発」とはどのような意味でしょうか。これは「感化」に近い意味もありますが、その漢字を読んだままの意味で「触れることで爆発する」ような物理的な意味もあります。

そちらの物理的な意味を除いて、感化に近い意味になると、「モノや人に影響を受けて感情などが動き出すこと」を言います。

例文としては、「テレビ映像で見たひどい惨状に触発されて彼は立ち上がった」というような使い方ができます。「感化される」に非常に近い使い方です。

「感化」の類語には「刺激」というものもあります。この「刺激」についても「触発」と同様に物理的な意味があり、生物の感覚器官に触れることで、変化や興奮を及ぼすようなことを「刺激」と言います。

そのような「刺激」の意味を除いた感化に近い使い方になると、「精神を興奮させること」というような意味になり、精神や心の部分を「刺激する」ことの意味になります。

「先日見た映画に強い刺激を受けて、生活環境を見直すことにした」、「あの映画は刺激が強すぎる」などの使い方ができます。

「影響」という言葉も「感化」を説明するところでもたびたび使っているように、「感化」の類語として挙げられます。「影響を受ける」「影響を与える」な受動的、能動的どちらの使い方もできる言葉です。

「母親のひたむきな行動が彼女に行動にも影響を与えた」、「父親の影響を受けて、自分も法曹界に進むこととなった」などの使い方ができる言葉です。

どちらの例文も「感化」に言い換えることができますが、例文のままに単語を入れ替えるだけでは多少の違和感は残るかもしれない、程度には使い方に差がある部分もあります。

「感化」の類語表現としては、「誘発」という言葉も挙げることができます。「触発」に近い言葉としても考えられるもので、やはり物理的な意味も含まれています。

ただ、物理的な意味でも精神的な意味でも「何か1つの事柄が、他の何かにも影響を与えて誘い起こすこと」と表現できるので、どちらにしても同じような意味合いで考えることができます。

「イベントで大勢の人が1箇所に集まることで、怪我や事故を誘発することになった」というような使い方をします。誘発はどちらかと言えば「悪いことを」誘い起こすというような使い方が多くなります。

「煽動」という言葉も「感化」の類語表現として挙げることができます。「煽動＝せんどう」と読み、「煽る」というのは「あおる」という漢字なので、その漢字の意味が分かると使い方も見えてくるでしょう。

「人の心を煽り立てて動かすこと」を「煽動」と言います。ですから「感化」のようにどちらかというと「自然な形で」影響を与えるというよりは、「そのように仕向ける」時に使うのが「煽動」という言葉です。

「大衆を煽動して、暴動を起こさせた」という例文のような使い方ができる言葉になります。「大衆を感化して、暴動を起こさせた」というよりも、より「そのように仕向けた」意味合いを強く感じるものとなります。

類語表現の中に挙げた「触発」という言葉は、とても「感化」と似ているものとなっていて、その違いというのがどのようなものなのかをご紹介します。

他に挙げた「感化」の類語表現の中にも非常に使い方が似ているものもありますが、今回は「感化」と「触発」を比べて解説しますので、確認してみてください。

「感化」と「触発」の意味の違いはどのようなものになっているでしょうか。これは意味合いとしてはそれほど変わらず、どちらも何かに影響を与え、もしくは与えるというモノになっています。

ただ、「触発」のほうは、その影響が衝撃的であったり、影響を受けたあとに衝動的に動き出したりという意味合いがあり、「感化」はそのように衝動的ではなく「自然に」影響を受けていくというような意味の違いがあります。

「感化」と「触発」の使い方の違いですが、これは「意味の違い」から考えていくことで分かってくるものとなります。衝動的か自然な流れか、という部分で使い分けていく考え方が良いでしょう。

たとえば、「今朝の講演に感化を受けて、彼は友人の元に走り出した」というよりは、「今朝の講演に触発されて、彼は友人の元に走り出した」のほうが意味合いが通じやすいです。

前者の「感化」を使っても間違っている使い方ではないとも言えますが、感化のほうが少し時間をかけてゆっくり影響されていく意味合いがあるので、「今朝」と「走り出した」という語句があることで、触発のほうが合うということになります。

また、「感化される」という言葉は、悪い意味にも使われるケースもありますが、「触発される」というのは、それほど悪い意味での使われ方はしません。

「悪い占い師に触発されて友人を裏切った」というよりは、「悪い占い師に感化されて友人を裏切った」という使い方のほうが意味合いが通じやすいです。

「感化」について、そもそもの意味や使い方、例文などを見てきました。また、それに近い「類語表現」についてもご紹介しましたが、その意味を踏まえて「感化されやすい人」についても見ていきましょう。

「感化されやすい人」というのは、どのような人のことを言うのか、その「心理」や「特徴」から確認してきます。これらの心理や特徴が多く当てはまる人ほど、より「感化されやすい人」と言えるでしょう。

「感化されやすい人」というのは、「素直な性格」を持っている人が多いです。素直に何でも受け止めるので、自然に感化されていくケースも多くなります。

「素直な性格の人」というのは「学ぶ力」も強いので、良い指導者や良い情報に影響を受ければ、非常に良い行動を起こせるのですが、あまり良くないものからも影響を受けやすいので、悪い道にも行きやすいです。

「感化されやすい人」の心理や特徴としては、「争いごとや競争が苦手」というものが挙げられます。争いごとや競争をしたくないから、人に流され、感化されやすいということです。

感化されずに人の意見や態度に立ち向かうことは、争いごとや競争の火種になりますから、強い人の意見には逆らわずに、流れのままに「感化されたほうが」争いになりません。

ですから、「感化される」ことを良しとしているわけではないのですが、「争いごと」のほうが避けたい重要度が高いので、感化されるほうを取るということも言えます。

感化されやすい人の心理や特徴では、「人や物事を疑わない」というものも挙げられます。これは「素直な性格」に非常に似ている特徴となります。

人が言っていることや、何かの本に書いてあったことなど、それらの情報を「疑う」ということをしないので、「良いと言われたらそれをやる」「悪いと言われたらそれをやめる」と疑わないので簡単に感化されることとなります。

「本当に良いのか？」「なぜ良いのか？」という「思考を放棄」しているので、もしそれで騙されても自業自得なのですが、「疑わない」というのは長所とも言えるので、簡単には直しづらい特徴と言えます。

「感化されやすい人」というのは、「自分自身や自分の意見に自信がない」という心理や特徴があります。自分に自信がないから人に流されますし、自分の意見に自信がないから人の意見に従います。

自分自身や自分の意見に自信を持っていれば、たとえ他人の意見のほうに従ったとしても、それは「感化された」のではなく、自分で考え、自分で良しと判断したからの「意見替え」なので、感化ではありません。

「感化されやすい人」の心理や特徴には、「決断力がない」というものもあります。「決断力がない」というだけではなく、「決断したくない」という心理を持っているケースも多いです。

「決断」には「責任」が伴うので、それを避けているケースも多く、「決断力がある人」の意見に乗って、自分には責任がない状況を作り出しているという場合もあるのです。

ただ、どちらにしても、他人の決断や意見、言動に「感化されて」そちらになびいていくので、決断力がない人というのも感化されやすい人と言えます。

感化されるというのは、特別に「悪い意味」ということはありませんが、「良い意味のみ」の言葉でもありません。また、その感化されたものが「何」かによっても、良いのか悪いのかというのが変わってきます。

ですから、感化されやすい人というのも、その感化されるような影響を与えてくる周りの人の良し悪しによって感化された結果が変わってきます。

特に感化されやすい人でなくとも、影響力が強い人に感化されることはありますので、その物事や人をしっかりと判断することが大切です。

ここまでに例文や類語なども見てわかるように、感化されるという言葉やそれに近い言葉というのは、使い方やその場面によっても意味が変わってきます。

ケース・バイ・ケースで言葉の使い方や意味が変わるのは他の言葉でも同じで、1つの言葉には1つの意味しかないというほうが珍しいとも言えます。

ですから、「相手の捉え方」によっても良い意味で言ったつもりが悪い意味で捉えられてしまうということもあるので、ここでお伝えした例文なども参考に、場面や使い方をしっかりと確認しておきましょう。