仕事の段取り力を高める方法とは?

仕事で段取り力が高い人と、そうでない人とは何が違うのでしょうか?どのようにすれば段取り力はアップするのでしょうか?今回はビジネスマンにとっては必須の段取り力にスポットを当てて、段取り力を高めるトレーニング方法や、段取り力の自己診断も併せて紹介します。

仕事の段取り力を高める方法とは?のイメージ

目次

  1. 1段取り力を高めたい!
  2. 2そもそも「段取り力」の意味とは?
  3. 3段取り力がある人の特徴
  4. 4段取り力が仕事で活かせるのはこんなとき
  5. 5仕事の段取り力を高める方法
  6. 6段取り力を高めるトレーニング方法
  7. 7段取り力テスト!あなたの段取り力を診断!
  8. 8瞬発力と持続力

段取り力を高めたい!

現代社会に生きる人にとって、段取り力は必須のスキルと言えます。逆に、たった一人で、あり余る時間の中で生きる人にとっては、段取り力は無意味です。

仕事も家庭もサークルも、一人では何も出来ません。仲間やパートナーとの良好な協力関係の中で、何かを成し遂げようとするならば、やっぱり、段取り力が高い方が良いのです。段取り力の低い人との共同作業は疲れます。

段取り力の必要性

段取り力を高めることによるメリットは、仕事の生産性を上げることに止まりません。自分自身に時間的余裕と精神的余裕が生まれます。そして、間違いなく仲間に好かれます。

自分自身に時間的・精神的余裕が出来れば、仕事以外の自分の好きなことを楽しめ、人生が豊かになります。勿論、彼氏・彼女さん達との時間もたっぷり取れるようになりますので、いい恋愛が出来ることでしょう。

段取り力の高い人はチーム全体のパフォーマンスを高めますので、チームの成果そのものも上がります。その人はチームになくてはならない人になり、頼られ、好かれるのです。

そもそも「段取り力」の意味とは?

「段取り」の語源は歌舞伎にあると言われています。歌舞伎では、ある演目の中が、一段目、二段目という具合に、段に分かれています。この段をスムースに演出し、進めていくことを「段を取る」と言い、「段取り」という言葉が生まれたのです。

したがって、段取り力には調整力のようなニュアンスがあります。大げさな言い方をすればマネジメント力と言っても良いかもしれません。

「段取り力」とは、「ある目的を達成するための準備や手順を決定し、これを円滑に進めるために調整を行い、目的達成を可能にする能力」で、決して単なる計画力とかスケジューリング力のことではないことを理解しましょう。

「段取り力」と似た言葉

「段取り力」と似た言葉に、「事前準備力」、「計画力」、「スケジューリング力」、「調整力(根回し力)」、「コミュニケーション力」などがあります。

実は「段取り力」というのは、これら全てを包含したスキルなのです。要は総合調整力なのです。そこには、成果への貢献というマネジメント的発想が含まれています。

どちらかと言えば、「采配(さいはい)力」とか、「案配(あんばい)力」のような言葉がニュアンス的には近いでしょう。

段取り力がある人の特徴

会社の同僚の中には、段取り力がある人と、そうでない人が必ずいます。段取り力は総合力なので、何か一つのスキルだけで、段取り力が上がったり、下がったりすることはありませんが、段取り力がある人には一定の特徴があります。

段取り力のある人の特徴を見抜いて、自分のものにしましょう。明日から仕事の生産性が見違えるように上がるかしれません。

1.情報に敏感

事前リサーチなくして物事の成功はあり得ません。誰しも真っ暗闇の中を突っ走ることは危険なのです。情報不足のために、戦に敗れた例は枚挙にいとまがありません。歴史が明確に証明しています。

段取り力のある人は、間違いなく情報に敏感です。いつもアンテナを高く掲げ、情報収集に熱心です。事前の情報の蓄積が良い計画を生み、成果につながるのです。

スキルには努力しても身につけることが難しい先天的なスキルと、努力次第でいくらでもブラッシュアップできる後天的なスキルがありますが、情報に敏感であることは、後者の後天的に身につけうるスキルです。常いに情報に敏感でありたいものです。

2.目配り・気配り・心配りができる

相手の立場に立って物事を考えられる人は段取り力の高い人です。

そうです。作業は一人ででもできますが、仕事は一人ではできません。周囲の協力を得て、チーム力を結集できなければ、段取りよく物事を進めることができませんし、良い成果を上げることもできないのです。

周囲に目を配り、誰が何を考えているのか、誰が疲れていて、誰が余裕があるのか。これらに、目配り、気配り、心配りができる人は、トラブルなく、みんなの力を借りながら段取りよく仕事を進めることができるのです。

3.先を読みして自分でシナリオを描くことができる

事前に到達点を想定することは、それほど簡単ではありません。どうしても目先の問題解決に目がいってしまうのです。段取り力の高い人は、間違いなく先読みできる人です。行動する前に結果を予測し、「こうすれば、こうなる」という因果関係を理解しましょう。

そして、段取り力の高い人は、到達点だけではなく、そこに至る道筋(シナリオ)を自分で描くことができます。登山の場合、頂上にたどり着く道には幾つもルートがあります。全てのルートを検討し、最適なルートを探すことが重要なのです。

仕事も同じです。何事も前例どおりやるのではなく、自分で着地点を想定して、自分オリジナルなシナリオを描いて仕事に着手することが、段取り力を高める要諦(ようてい)なのです。

4.柔軟な思考を持ちで臨機応変に行動できる

段取り力とスケジューリング力がよく混同されます。スケジューリング力はスケジュールを立案し、そのスケジュールどおりに行動することを求めます。

でも、本当に段取り力のある人は、決してマニュアル人間ではないのです。何事にも例外はあり、計画どおりに物事が進むことは滅多にありません。

突発事件に柔軟に対応し、時には計画を無視して行動できる人が段取り力のある人なのです。勿論、目的や目標を見失ってはいけません。計画が持つ真の意図(本質)を見抜き、臨機応変に対応することが重要です。

段取り力が仕事で活かせるのはこんなとき

ビジネスの世界にいると、段取り力の出番は、ほぼ毎日のようにあります。

ここでは、代表的なシーンを例示しますが、これら以外にも、段取り力が求められる場面は無数にあります。場合によってはビジネス以外のプライベートなイベントの場面においても段取り力がものを言うことがあります。

トラブルが派生したとき

仕事にはトラブルがつきものです。仕事には解決すべき何かがあり、それは必ず他者を巻き込みます。他者の行動は自分自身ではどうにもなりません。予想外のことが起こるのです。このようなとき、段取り力の差が勝敗を分けます。

来るべき人が来ない。届くはずの資材が届かない。このようなことは、仕事をしていれば、日常茶飯事です。

段取り力の高い人は、可能な限り先読みをしています。代理の人や別の資材納入会社を頭に入れているはずです。

新事業の企画立案を任されたとき

さあ、上司から新事業の企画立案を依頼されてしまいました。Aさんは、必死で企画を練りに練って、2週間後に企画案を提出しました。少し時間がかかっても、質の良い企画を出したかったからです。

一方、Bさんは、翌日、粗いアイデアだけを口頭で上司に伝え、感触を探った上で、企画を考え1週間後に企画を提出しました。スピード感を重視したのです。

段取り力の高いのはBさんです。段取り力には、スピード感やリズムも重要なのです。テニスを考えてください。幾らコースを付いたボールでも、スピードが無ければ打ち返されますが、コースが甘くても超スピードボールであれば打ち返すことは難しいのです。

大勢を巻き込むビッグプロジェクトを任されたとき

ビッグプロジェクトのコントロールは段取り力の見せ場です。通常の仕事よりも複雑で高度なオペーレーションが求められます。準備作業、周到な計画立案、人員の配置と監督、トラブル対応などなど、考えることや、やることが山積です。

このようなとき、頭だけで考えていると、漏れが生じますし、なにより精神衛生上よろしくありません。段取り力がどんどん低下してしまいます。

紙に書きましょう。全体の流れ、留意事項などを思いつくままに随時メモに残すのです。紙に書くことによって、堂々巡りの思考から解放されますし、漏れのチェックもできます。なにより、書きながら頭を整理することが可能になります。

仕事の段取り力を高める方法

段取り力なんかどうでもいい、というビジネスマンはほぼ皆無と言っていいでしょう。みんな段取り力を高めたいのです。段取り力があって悪いことは一つもないからです。

では、どのようにすれば段取り力は高まるのでしょうか。

段取り力が高まることによる成果は目を見張るものがありますが、そのスキルを獲得するための方策は、実は地味な努力の積み重ねであることを理解しましょう。

基本的な基礎スキルを磨く

何事にも基本的な基礎スキルは重要です。段取り力を高めるためには、情報収集力とコミュニケーション力を磨くことが特に重要です。

直感的な判断力やカリスマ的な指導力なども重要ですが、こちらは、後天的に身につけるのは非常に困難です。一方、情報収集力やコミュニケーション力は努力次第で幾らでも磨くことが可能です。

常にアンテナを高くし、情報に対する感度を高めれば情報収集力は身につきますし、コミュニケーション力の方はもっと簡単で、周囲の人たちとの接触を密にすることを心がければよいのです。

目的と目標を明確にする

目的と目標は違います。両者はよく混同されますが、どちらも重要です。段取り力を高めるためには両者をキチンと区別して、頭を整理しておきましょう。

目的は、「何のためにやるのか」です。直近の売り上げを伸ばすのか。人材を育成するのか。マーケットの動向を探るのか。見た目には同じようなことをやっているようでも、目的の違いによって段取りは異なってくるのです。

目標は、「何を成し遂げるのか」です。普通は達成すべき数値目標が掲げられます。この目標を達成するために、バックキャストで、なすべきことや必要なことを段取っていくのです。

やりたいことと・やるべきことを区別する

これは、簡単なようで実際は結構難しいです。分かっていても、自分自身をごまかして、やるべきことから逃げてしまうことが多いのです。屁理屈を付けて、自分のやりたいことに流れて行きやすいのです。これでは段取り力を高めることなど、できるわけがありません。

やりたいことは、仕事の成果と共有できる場合のみやればよいのですが、実際はそのようなケースは以外と少ないものなのです。やりたいことは、プライベートで実現するのがよいでしょう

今やらなくてもよいことを今すぐ止める

無駄は段取り力の最大の敵です。今やらなくてもよいことは、今すぐ止めましょう。自分の仕事を見回してください。今どうしてもやらなくてもよいことを、惰性でやっていませんか。

段取り力を高めるためには、最小限のリソースで最大の成果を上げることを常に心がける必要があります。今やらなくてもよいことをやるような余裕は、何処の会社にもないはずです。

ただ、今は無駄なように見えても、中長期にはやっておいた方がよいこともあります。この辺りのジャッジは非常に難しいのですが、真に段取り力のある人は、いつ、何を、どの程度やっておいた方が良いのか、総合的に判断する能力を持っているものなのです。

常に優先順位を考える

会社では、単独で問題が発生することは希(まれ)です。通常は、幾つもの問題が同時に発生し、複雑で高度なオペーレーションが求められます。このようなときは、ともすれば混乱しがちで、段取りが無茶苦茶になりがちです。

優先順位を付けて、問題に一つずつ取り組みましょう。簡単なできることから手を付けることが問題解決の近道です。いきなり難しいことに手を付けると、そこで行き詰まってしまい、泥沼に入って、抜け出せなくなってしまうことが多いのです。

失敗こそが段取り力を高めるチャンス

会社で仕事に失敗することは日常的にあります。問題はそのときどのように考えるのかです。「仕方がない」、これは最低です。運に逃げてはいけません。何事も生産的なことが生じないからです。

「誰々が悪いのだ」、「私はこう言ったのに」と、人のせいにすることも結構あります。これでは職場の人間関係も悪くなりますし、責任の押し付け合いに発展する可能性が高くなります。

失敗したということは、何か段取りが悪かったのです。最初から段取りを見直しましょう。必ず何か原因が見つかるはずです。多くは事前の想定が甘かったことが失敗を生む原因なのです。一つ失敗する毎に一つ段取り力が高まるようにしましょう。

段取り力を高めるトレーニング方法

スポーツ以外でもトレーニングは重要です。継続は力なのです。

日々のトレーニングの差がビジネスシーンでの勝ち組と負け組を分けるのです。段取り力についても、これはあてはまります。段取り力は先天的なスキルではなく、後天的に幾らでもブラッシュアップできるスキルなのだということを理解しましょう。

トレーニング①シミュレーションする

アクションを起こす前に、頭の中で一度段取りの全体をシミュレーションする習慣をつけましょう。何度か頭の中でシミュレーションすると、結構穴が見つかるものです。

これを繰り返すことによって、段取りそのもののレビューもできますし、より高度な段取り力を身につけることができます。

事前に穴を潰すためのトレーニングを積みましょう。

トレーニング②1週間後、1ヶ月後をイメージする

今後どうなるかを常に考える習慣をつけましょう。そんなに遠い将来を考える必要はありません。1週間後、1ヶ月後でよいのです。

会社で仕事をしていると、どうしても目先のことに気持ちがいってしまいます。段取り力は先読みできるかどうかで、その差が出てくるのです。

日常的に、一歩先のことをイメージする習慣ができれば、自然と先読みのできる、段取り力の高い人になれるのです。

トレーニング③人が考えないことを考える

当たり前のことを当たり前にやるのは、実は結構大変なのですが、段取り力の場合は、通常起こりえないことを、どれ位想定できるかが、一つの分かれ目になります。要は頭の柔軟性です。

柔軟性を身につけるのは後天的には難しいという論調を見かけることがありますが、そんなことはありません。常に人が考えなさそうなことを考える習慣をつければ、自然と頭の柔軟性は鍛えられます。

頭が柔軟になってくれば、段取り力のレベルは1ステージ上がること間違いありません。

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段取り力テスト!あなたの段取り力を診断!

段取り力について本質的な理解を進め、段取り力を高めるための方策について見てきました。

それでは、貴方の段取り力がどの程度なのか診断して見ましょう。自分では気がつかない意外な面が見つかるかもしれません。

段取り力をチェックしてみよう

□ 合コンを任せるなら、よく気の付く人より、異性の友達が多い人だ
□ ドライブに連れて行ってもらうなら、あまり運転が上手でなくても慎重な人だ
□ 野球(ソフトビール)をやるなら、ライトを守りたい
□ 海外旅行に行くなら、やっぱりハワイだ
□ やばい人に絡まれたら、とにかく逃げる
□ 料理が好きだ
□ 段取りが悪い人を見たらその原因を考えてしまう
□ 無人島にはナイフは絶対に持って行く
□ クレヨンしんちゃんが好きだ
□ 社会より数学が好きだ

診断結果

【0から3チェック】
やばい!段取り力に赤信号がともっています。この記事にあるトレーニング方法などを参考にもっと段取り力を磨きましょう。

【4から6チェック】
黄色信号です。まだまだ段取り力を高める努力が必要です。

【7から9チェック】
通常求められる段取り力は身についています。さらに磨きをかけましょう。

【10チェック】
パーフェクトです。論理的に物事を考え、柔軟な対応もできます。

瞬発力と持続力

ビジネスには、突発的な事態に対して瞬時に物事を判断して実行に移す「瞬発力」と、地味であっても日々黙々と途絶えることなく取り組む「持続力」の両方が求められます。

段取り力は、この瞬発力と持続力を総合的に組み合わした、ビジネスマンに求められる代表的なスキルです。小さなことから大きなことまで、段取り力の出番は日々無数にあります。

何か全てが上手く回らないと感じたときは、自分やリーダーの段取りを見直してみましょう。ちょっとした工夫で組織全体の段取り力を高めることができるかもしれません。

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