「端緒」の読み方や意味とは?端緒に就くなど使い方を例文で紹介

社会人なら知っておいて損はない言葉、「端緒」の読み方や意味とは? 「端緒」の意味、その全ての類語、もともとの語源、使い方、それから例文に至るまで、詳しくご説明します。記事を読んですぐ実際に使えるよう、使い方の例文は五つご紹介していきます。

「端緒」の読み方や意味とは?端緒に就くなど使い方を例文で紹介のイメージ

目次

  1. 1「端緒」を正しく使おう!
  2. 2「端緒」の正しい読み方
  3. 3「端緒」の意味とは?
  4. 4「端緒」の類語
  5. 5「端緒」の使い方《例文紹介》
  6. 6「端緒」とは、始まり、きっかけを意味する言葉

「端緒」を正しく使おう!

見たことはあるけれど、そういえばちゃんと意味を知らない......そんな言葉、けっこうありますよね。しかしそうした言葉を知っておくと、社会できちんとした人に見られたり、目上の人にいい印象を持たれるなど、多くのメリットが得られるものです。

今回はそんな言葉の一つ「端緒」について、この記事を読めばすぐに使用できるよう、詳しくご紹介したいと思います。まずは読み方や意味をおさえたあと、語源、類語、例文に至るまでご説明していきます。
 

「端緒」の正しい読み方

「端緒」には、正しい読み方が二つあります。一つ目は「たんしょ」、二つ目は「たんちょ」です。緒を「しょ」と読むのは漢音読みといい、随唐時代に遣唐使などによって中国から日本に伝えられた読み方です。平安時代に正規の音として定められたため、「正音」ともいいます。

これに対して、「ちょ」と読むのは慣用読みといわれます。もともとの漢字が生まれた中国での読み方にはない、日本で広まった読み方です。「情緒」の「ちょ」などもこれに当たります。

1870年代の新聞では、「たんちょ」とルビの振られた記事が確認されています。どちらも間違いではありませんが、現在では「たんしょ」と読むことが多いようです。

「端緒」の意味とは?

それでは、「端緒」という言葉にはどんな意味があるのでしょうか?

「端緒」という言葉には、ざっくりいうと「物事の手がかり」、「始まり」という意味があります。糸口やきっかけと同じ意味合いになります。詳しく紐解いていくと、以下の五つの意味で使われています。

1.わずかな暗示 
2.問題を解決するための糸口 
3.なにか物事を起こすための原因となるもの
4.物事の始まり 
5.発案のきっかけとなった物事

「端緒」の語源

ではなぜ、「端緒」は物事の始まりやきっかけを意味するのでしょうか。「端緒」という言葉の語源もみていきましょう。

まず、「端緒」という言葉を構成している漢字には、四つの成り立ちがあります。
 

象形文字 目に見える物の形や様子を描いた絵を簡略化してできたもの。
指事文字 具体的な形をしていないもの、すなわち概念などを点や線で表したもの。「上」や「下」など
会意文字 象形文字や指事文字など二つ以上の漢字を組み合わせ、もともとの漢字とは別の意味を表すもの。
形声文字 音を示す漢字と意味を表す漢字を組み合わせたもの。例:「晴」日が意味、青がセイという発音を表す。

このように、どの漢字もそれ自体に意味を持っているのです。では、「端緒」の「端」と「緒」にはどのような意味があるのでしょうか。

「端」という漢字には、大きく分けて五つの意味があります。
 
1 はし。はじ。へり。末。ふち。
2 正しい。正直。まっすぐ。きちんとしている。
3 はした。半端。
4 始め。起こり。きっかけ。糸口。兆し。もと。
5 物事そのもの。

「緒」という漢字には、以下のような意味があります。
 
1 いとぐち。糸のはし。糸の先端。
2 物事の起こり。発端。はじめ。
3 すじ。つづき。つながり。系統。
4 こころ。
5 ひも。長く続くもの。

確認すると、両方の漢字ともまず「はし」、「物事の始まり」という意味を持っています。 そして「長く続くもの」、「物事そのもの」の始まりという意味から、わずかな暗示、問題を解決するための糸口、発案のきっかけといった意味合いも持った言葉となっているのです。

「端緒」の類語

ここまでで、「端緒」という言葉の意味はわかったかと思います。しかし書き言葉の文章は、同じ単語を何度も使用するよりも、類語に言い換えて読みやすく良い印象を持たれるものです。

そこで、「端緒」という言葉にある主な五つの意味に対応する類語を全て、ご紹介したいと思います。
 

1.わずかな暗示 手蔓、たつき、暗示、キー、ほのめかし、諷示、ヒント、手がかり、示唆、糸口
2..問題を解決するための糸口  手蔓、取っ掛かり、きっかけ、手がかり、足がかり、ヒント、小口、傍証
3.なにか物事を起こすための原因となるもの 起爆剤、きっかけ、契機、引き金、トリガー、発端、呼び水、事の初め、事の起こり、理由、要因、起こり、元
4.物事の始まり  初め、最初、始まり、スタート、開始、初回、初日、先頭、初、第一回目、ファーストステップ、初歩、取っ付き、黎明、序、発端、糸口、小口
5.発案のきっかけとなった物事 手がかり、糸口、とっかかり、ヒント、ポイント、キーポイント、突破口、足がかり、食い付き、切り口

「わずかな暗示」を意味する類語は?

わずかな暗示を意味する言葉は以下の十個です。手蔓、たつき、暗示、キー、ほのめか、諷示、ヒント、手がかり、示唆、糸口。この中で馴染みのない「手蔓」と「たつき」という言葉について、簡単にご説明します。

「手蔓」とは、物事を行う上で頼りになる人やものを指します。特に、依頼や交渉などで手がかりになる縁故をいうことが多いです。頼り、つて、手がかり、糸口といった意味もあるので、そちらの類語としても使えます。

「たつき」は大阪弁で、手がかり、手段、方法、よるべといった意味がある言葉です。様子などを知る手段や見当を指すこともあります。「諷示」は「ふうじ」、もしくは「ふうし」と読み、遠回しに暗示する事、ほのめかすことを意味する言葉です。

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「問題を解決するための糸口」という意味の類語は?

「問題を解決するための糸口」という意味における類語は、手蔓、たつき、取っ掛かり、きっかけ、手がかり、足がかり、ヒント、小口、傍証、切り口の九つです。

「小口」には数量の金額という意味もありますが、切ったところ、つまり切断面、切り口という意味も持った言葉です。「〜を切り口として〜」という言い方があるように、そこから事の始まり、糸口を意味する単語としても使用されます。

「傍証」は、直接の証明にはならないけれども、間接的に証明を助けるもののことを言います。

「物事を起こすための原因となるもの」という意味の類語は?

「物事を起こすための原因となるもの」という意味の類語は多く、以下の十三個になります。起爆剤,きっかけ、契機、引き金、トリガー、発端、呼び水、事の初め、事の起こり、理由、要因、起こり、元。

この中の「呼び水」とは、ある事柄を引き起こすきっかけを意味する単語です。ポンプの水が出ないとき、またはポンプで揚げ水するときに、水を導くために外部から入れてポンプの胴内を満たす水からそうした意味を持つようになりました。誘い水とも言われます。

「物事の始まり」という意味の類語は?

この意味の類語も多く、以下の十八個になります。初め、最初、始まり、スタート、開始、初回、初日、先頭、初、第一回目、ファーストステップ、初歩、取っ付き、黎明、序、発端、糸口、小口。

「序」という言葉は、本の序論くらいでしか見ないかもしれませんが、物事の始まり、発端、初めの部分、糸口といった意味合いがあります。

「黎明」は「れいめい」と読み、夜明け、明け方を指す単語です。そこから転じて、新しい事柄が始まろうとすること。また、その時そのものを指す言葉でもあります。

「発案のきっかけとなった物事」を意味する類語は?

最後に、「発案のきっかけとなった物事」を意味する類語は、以下の十個です。手がかり、糸口、とっかかり、ヒント、ポイント、キーポイント、突破口、足がかり、食い付き、切り口。

この中の「食い付き」は、きっかけ、機会を意味する言葉です。「を食い付きとして連想していった」、「を端緒として連想していった」といったように言い換えて使用することができます。

「端緒」の使い方《例文紹介》

それでは最後に、良く使われる例文を五つご紹介いたします。ぜひここで確認して、普段のビジネスメールなどに取り入れてみてください。

例文①「端緒に就く」

物事に取り掛かる、物事が順調に進み出す、という意味のある言葉です。

「このプロジェクトはいまだ端緒に就いたばかりだ」
「やっとプロジェクトの端緒に就いた」
といった言い方で使用することができます。

「緒に就く」と言った言い方もされます。

例文②「端緒を開く」

「端緒を開く」という言い回しには、細く二つの意味合いがあります。

一つ目は物事が進行するきっかけを作ること。
足掛かりを作る、取っ掛かりを作る、糸口をつかむといった意味合いで使われます。

二つ目は上手くいくような筋道を立てること。
展望を開く、活路を開く、打開策を見出す、突破口を開くといった意味です。

「〜の論文が国際政治学における実証研究の端緒を開いた」といった使い方をすることができます。

例文③「端緒となる」

ある物事が始まる理由や契機となること、を意味する言い回しです。

「プロジェクト発起の端緒となる」
「問題解決の端緒となる」
といった言い方でよく使用されます。

この例文は、きっかけとなる、原因となる、契機となる、といった類語で言い換えることができます。

例文④「端緒をつかむ」

これは、物事のきっかけ、糸口をおさえることを意味する表現です。証拠をつかむことなども意味します。

例えば交渉成立の兆しがみえたときに、「交渉成立の端緒をつかむ」と表現することができます。

反対に、物事のはじまりから失敗してしまった場合は、「端緒を逃す」「端緒を取り逃がす」「端緒をつかみ損ねる」と表します。

「端緒」とは、始まり、きっかけを意味する言葉

いかがでしたか?「端緒」は一見むずかしそうに見える単語ですが、まずは物事の始まり、きっかけといった意味さえ押さえておけば大丈夫です。

ぜひこれから、目上の人との会話やビジネスメールなどに取り入れてみてください!

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