経験を積むの意味とは?経験を積むにはどうしたらいい?

経験を積むのは大事だと、よく言われますが、「経験を積む」とはどういう意味なのでしょうか。どうすれば経験を積むことができるのでしょうか。「経験を積む」の意味や使い方、経験を積む方法を、経験を積むと同じ意味の言葉などを交えながらご紹介します。

経験を積むの意味とは?経験を積むにはどうしたらいい?のイメージ

目次

  1. 1経験を積みたい!どうしたらいいの?
  2. 2「経験を積む」の意味とは?
  3. 3経験と体験の違い
  4. 4「経験を積む」の使い方
  5. 5「経験を積む」の言い換え
  6. 6「経験を積む」と同じ意味のことわざ
  7. 7経験を積むには?経験を積む方法
  8. 8「経験を積む」の敬語表現
  9. 9経験は積めるだけ積もう

経験を積みたい!どうしたらいいの?

何かで失敗したり、思ったような結果が出せなかったりしたとき、上司や先輩、親などから、「経験不足だ」と言われたことはありませんか?新人が伸び悩んだときも、「経験を積めば大丈夫だ」と励ましたりもします。

「経験を積む」ことの大切さはよくわかりますが、ぼんやりしていて経験が積めるとも思えません。どうすれば経験を積むことができるのでしょうか。

「経験を積む」の意味とは?

「経験を積む」という言葉を聞いたことがない人はいないでしょう。それほど頻繁に使われる言葉ですが、「経験を積む」という言葉の意味を、深く考えたことがある人は少ないかもしれません。

あらためて「経験」とはどういう意味なのかと聞かれると、戸惑う人も多いのではないでしょうか。「経験」の「経」には、「かつて」「今まで」という意味があり、「験」には、「ためす」「てがら」という意味があります。

つまり、「経験」とは、今までに実際にやってみたこと、実際にやってみた結果、得た知識や技術のことです。

「積む」とは、物を上に重ねて置くことですが、「ある行為を繰り返し行う」という意味もあり、「経験を積む」といった場合の、「積む」の意味は後者です。

「経験を積む」とは、実際に何度も繰り返しやってみることを意味すると同時に、実際にやって身につけた知識や技術に磨きをかけることをも意味します。

「経験を積む」というと、とりあえずやってみさえすればいいという意味にとる人もいますが、漫然とやっただけでは「経験を積んだ」ことにはなりません。「経験を積む」とは、「やった結果何かを得る」という意味で、この「学び」の部分が大切です。

経験と体験の違い

「経験」とよく似た言葉に、「体験」がありますが、両者には違いがあります。「体験」は「経験」の一部ではありますが、「経験」が何度も繰り返し行われたり、長期間にわたっていたりするのに対し、「体験」は、一回、もしくは数回の、特に印象的な出来事です。

また、「経験」は、実際にやってみて身につけた知識や技術という意味を持ちますが、「体験」は、「経験」の中でもとくに、身を持って体感した出来事という意味です。

「体験」とはあくまで「経験」の一部であり、「経験」の持つ「学び」の意味を、必ずしも含んではいません。ですから「体験」をいくら積んでも、「経験」を積んだことにはなりません。

「経験を積む」の使い方

「経験を積む」とは、ただ繰り返すという意味ではないということが理解できたでしょうか。「経験を積む」ということは、やったことが糧となって次のステップにつながるということです。

では、「経験を積む」とは、どんなときに、どのような使い方をするのでしょうか。実際にやってみて得た知識や技術をさらに広げ、積み重ねることが、「経験を積む」ということです。ですから、「経験を積む」の使い方のポイントは「成長」です。

「経験を積む」という言葉は、まだ伸びしろがある場合に使います。上司や先輩、教師、親など、経験豊富な年長者が、未熟な人にアドバイスとして、その大切さを伝える場合もありますし、何かを成し遂げようとするときに、心構えや決意として胸に刻むこともあります。

「経験を積む」を使った例文

年長者から年少者へ、経験者から未経験者へ、熟練者から未熟者へ、自分自身へなど、「経験を積む」は、いろいろなシチュエーションで使えます。「経験を積む」を使った例文を見てみましょう。

例文①「舞台の経験を積むことで役者としての幅が広がった」

舞台はテレビや映画とは違い、やり直しがきかないうえ、観客の反応がダイレクトに伝わってくるので、同じ役者の仕事でも緊張感や高揚感が桁違いです。

可愛いだけのアイドルが、舞台を務めてから急に魅力が増すことがあります。繰り返し舞台に立つことで、役者としてのスキルを身につけた証です。同じように舞台に出ても、相変わらずパッとしない人は、「経験を積んだ」とはいえません。

役者に限らず、会社員でも学生でも、大人でも子どもでも、何度も繰り返してやってみて、それを糧として成長するのが、「経験を積む」ということです。

例文②「バイトのおかげで貴重な経験を積むことができた」

「学生時代のアルバイトで経験を積みました」というフレーズは、会社の面接で自己アピールをするときによく使われます。アルバイトを通して、知識や技術を習得したというアピールは、仕事にも粘り強く取り組み、そこから何かを学び成長するだろうと連想させます。

実際、いろいろなアルバイトで培った能力を仕事や日常生活に生かしている人は多いです。アルバイトの他、部活動やボランティア活動で、経験を積む人もいます。

しかし、お金のためにアルバイトをした、どこかに所属しなくてはいけないから部活をやった、内申書のためにボランティアに参加したというのでは、「経験を積みました」とはいえません。

例文③「経験を積んだから成功することができた」

「成功の秘訣は?」と質問されて、「経験のおかげです」と答える人も多いです。経験は自信を生みます。自信を持つためには、経験を積む以外方法はないといえるかもしれません。

ところで、経験から得た知識や技術によって成功に近づくこともあれば、経験による反省から、成功を手に入れることもあります。

「失敗は成功の母」ということわざがありますが、「失敗」も「経験」の一つです。やってみたことを無駄にしないということも、「経験を積む」ということです。

「経験を積む」の言い換え

「経験を積む」とは、やったことから学ぶということで、他の言葉に言い換えることもできます。「経験を積む」を、他の言葉で言い換えるとどのようになるでしょうか。

まず思い浮かぶのが、「経験を重ねる」「経験を培う」「経験を蓄積する」「経験値を得る」「経験値を上げる」経験値を溜める」「経験則を手に入れる」「経験知を得る」など、「経験」を使った言葉です。

他には、「場数を踏む」「場数を重ねる」「やってみる」「一歩一歩進む」「鍛錬する」「研鑽を重ねる」「繰り返し復習する」などと言い換えることができます。

「経験を積む」と同じ意味のことわざ

「経験を積む」ことが、いかに大切かということわざは世界中にあります。昔から人は、経験の大切さを知っていたという証拠です。「経験を積む」ことの大切さや、「経験」の大切さをあらわしたことわざをご紹介します。

老いたる馬は道を忘れず

「老いたる馬は道を忘れず」とは、年老いた馬は道をよく知っており、道に迷うことがないことから転じて、年長者の経験から知恵や能力を疎かにしてはいけないという教えです。「老馬の智」ともいいます。

出典は『韓非子・説林上』で、斉の管仲らが道に迷ったとき、連れていた老馬を放ってその後についていったところ、正しい道が見つかったという故事に由来します。

医者と坊主は年寄りがよい

「医者と坊主は古いほどよい」とは、経験がものをいう医者や坊主は、年寄りのほうが価値がある、信頼できるという意味です。医者にかかるなら経験豊富なベテランのほうが安心できますし、人生経験を積んだ坊主の説教には説得力があります。

同じような意味で、「医者と味噌は古いほどよい」ということわざもあります。医者は経験を積むことで腕が上がり、味噌は時間が経つほど味がなじんで美味しくなるという意味です。

経験は学問に勝る

「経験は学問に勝る」とは、もともとは、「学問なき経験は、経験なき学問に勝る(Experience without learning is better than learning without experience.)」というイギリスのことわざです。

机にかじりついて知識だけ詰め込んでも、実際にやってみて得た知識にはかなわないという意味です。「百聞は一見に如かず」も同じような意味です。

Thumb人生山あり谷ありの意味とは?ことわざの使い方を例文を用いて紹介
皆さんは、人生山あり谷ありという言葉の意味を知っていますか?この「人生山あり谷あり」という言...

経験を積むには?経験を積む方法

「経験を積む」とは、ただ繰り返し何かをやるという意味ではありません。何も感じず、何も学ばず、何の成長もみられなければ、経験を積んだことにはなりません。それはただの時間の無駄です。

では、どうすれば、やったことを無駄にせず、経験を積むことができるでしょうか。経験を積む方法をご紹介します。

何事にもチャレンジする

経験を積むために一番大切なのは、「やってやるぞ」という意気込み、意欲、好奇心です。貪欲に知識を吸収しようとする気持ちが、経験をただやったことがあるという状態ではなく、学びの場に変えます。

一つのことを繰り返し行うことも経験を積むことですが、いろいろなことにチャレンジするのも、経験を積むことになります。学ぶ気持ちがあれば、どんな経験であっても、経験はあなたの糧になります。

経験を積むためには、やる前から諦めたりせず、やりたい、やってみたい、やらなくてはならない、やったほうがいいことには、積極的にチャレンジしてください。

実績を整理する

経験が身になっているかどうか、ちゃんと経験が積めているかどうかは、自分自身ではわかりにくいかもしれません。そんなときは、その経験から何を得たのか、何が足りないのか、具体的に書き出してみるのもいい方法です。

自分の成長、もしくは未熟さを可視化することで、経験が積めているかどうか、客観的に判断でき、次にどうするべきなのかの方向性も見えてきます。

諦めずに何度でもトライする

一度や二度の失敗で諦めてしまっては、経験を積むことはできません。間違いや失敗から学ぶことができて初めて経験は役に立つと断言できます。経験を積みたかったら、苦手なこと、困難なこと、やりたくないことでも尻込みしてはいけません。

むしろ、苦手を克服することは、経験を積むことでしか達成できないといっても過言ではありません。

まったく違った環境に身を置いてみる

経験は、新しい知識や技術を身につける絶好のチャンスです。自分の興味のあることや専門分野で経験を積むことももちろん大切ですが、まったく関係がないこと、今までやったことがないことに挑戦するのも、経験を積むいいきっかけになります。

心配しなくても、学ぶ姿勢があれば、何がしかの収穫を得ることができます。専門分野以外の勉強をしてみたり、今までとは違ったジャンルの仕事を手がけてみたりするのもおすすめです。

意外と、まったく関連性がないような分野での経験が、本業に生きてくることがあります。どんな経験でも、何かが得られるはずです。それをちゃんと意識すれば、経験は決して無駄にはなりません。

誰かと一緒にやる

経験を積むには時間がかかります。忍耐力と努力も必要です。何をやっても一人ではなかなか長続きしないという人は、誰かと一緒にやるというのも経験を積むためにはいい方法かもしれません。

経験を積むためには、とにかく何度も繰り返すことが重要です。飽きっぽかったり、怠け癖があったり、すぐに結果を求めたりするような性格の人は、ペースメーカーになってくれる友だちを巻き添えにしましょう。

競争はやる気の原動力です。腰が重い人でも、「負けるもんか」という気迫が生まれれば、しっかりと経験を積むことができるでしょう。

「経験を積む」の敬語表現

「経験を積む」という言葉は、「経験を積みました」「経験を積んでいます」などと、自分自身のことをいうときや、「経験を積んで来い」「経験を積めば上手くできるようになる」など、経験を積んだ年長者から若年者に向けて使われることが多いのです。

もし、「社長は経験を積んでいてすごい」というように、目上の人に向かって「経験を積んでいる」ということを言いたい場合は、どう表現したらいいでしょうか。

「経験を積む」ではなく、「経験豊富」とか「経験豊か」というと、かなり上品な感じになります。「社長は経験豊富でいらっしゃる」といった具合です。

「積む」という言葉を使うなら、「社長はたくさんの経験を積んでいらっしゃる」とか、「経験をお積みで」などが妥当です。

「積む」という言葉を使わずに、「たくさんの経験をされている」という表現をする方法もあります。どうやって経験を積んだのか質問するときには、「どうやって経験をお積みになったのですか?」とか、「どこで経験を積まれたのですか?」などといいます。

経験は積めるだけ積もう

「百聞は一見に如かず」の例を挙げるまでもなく、経験するのと経験しないのでは、天と地ほどの差があります。経験は、いい経験ばかりではなく、悪い経験、嫌な経験もあります。できればなかったことにしてしまいたい経験をしたことがある人もいるでしょう。

でも、どんな経験でもしないよりしたほうがいいのです。もちろん、法を犯したとか、人を傷つけたとか、しないに越したことはない経験もありますが、反省でも後悔でも、そこから何かを得られたのなら、それは決して無駄にはなりません。

無駄にならないとはいっても、悪い経験は積む必要はありません。経験を積むとは、学び、成長することです。自分にとって必要だ、役に立つと思われる経験は、どんどん積みましょう。経験の数だけ自信がつきます。

「若いうちの苦労は金を出しても買え」といいますが、この「苦労」は「経験」にも置き換えられます。経験は積んだら積んだ分だけ、自分に返ってきます。どんどんよい経験を積みましょう。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ