研鑽の意味とは?自己研鑽を積む・励むなどの使い方を例文で紹介

研鑽という言葉にはどの様な意味があるのでしょうか。研鑽の意味や類義語、使い方について詳しくお伝えします。また「自己研鑽」のきっかけや方法、「自己啓発」との違いについても深く掘り下げていきます。今の自分を大きく変えたい、周りをアッと言わせたい人必見です。

研鑽の意味とは?自己研鑽を積む・励むなどの使い方を例文で紹介のイメージ

目次

  1. 1「研鑽」の言葉の意味を知り正しく使おう!
  2. 2「研鑽」の意味とは?
  3. 3「研鑽」の類語
  4. 4「研鑽」に励むきっかけとは
  5. 5「研鑽」の使い方《例文紹介》
  6. 6「自己研鑽」の意味とは?
  7. 7自己研鑽をする方法
  8. 8「研鑽」は豊かな人生を生む

「研鑽」の言葉の意味を知り正しく使おう!

「研鑽」はあまり日常会話では聞き慣れない言葉ではないでしょうか。ましてや自分から使うという人も珍しいでしょう。どちらかというと改まった席での挨拶や何かの功績を讃える言葉として用いられることの方が多い様です。

しかし「研鑽」という言葉を使う場面が来たときにその意味を正しく理解せず曖昧なままだと戸惑うことでしょう。これを機会に「研鑽」の意味を知り正しく使えるようにしておきましょう。

「研鑽」の意味とは?

「研鑽」とは「学問などを深く究めること」という意味があります。「研」は研究とか研修という言葉に使われますが、この字の意味は「とぐ」「磨く」「物事の本質究める」ということです。

「鑽」は「穴をあける」という意味があり、そこから派生して「物事を深く究める」という意味を持ちます。

つまり物事を通り一遍の理解で良しとせず、常人が到達しない域まで徹底的に深く掘り下げてその本質を見極めたり、探ったり、習得することを意味するのです。以下に「研鑽」の読み方、英語表現、類語についても説明していきます。

「研鑽」の読み方

「研鑽」は「けんさん」と読みます。「鑽」は先ほども触れたように「穴をあける」という意味があり、他にも試鑽、鑽孔、鑽仰などの言葉に使われます。いずれも「深く掘り下げていく」というニュアンスの意味を持ちます。

「研鑽」の英語表現

「研鑽」を英語で言うと「study」です。「study」というとつい「勉強」と訳してしまいますが、この単語には普通の勉強よりももっと深く学んだり研究していくというニュアンスも含まれているのです。

「研鑽」の類語

続いては「研鑽」の類語について紹介し具体的に説明をして行きましょう。
 

錬磨
鍛錬
研磨
修行

錬磨

「錬磨」とは学問に限らずあらゆる技術や芸当などを鍛えて磨くことを意味します。「錬」とは「錬金術」という言葉に使用される漢字です。つまり主に金属をより良質なものに鍛え上げて行くことを意味します。

「鉄は熱いうちに打て」という有名な言葉もあります。限られた時間や制約の中で一心不乱に集中して究めて行くこととも言えます。

鍛錬

「鍛錬」とは、厳しい稽古や練習を積んで精神力や体力、能力などを高めていくことを意味します。繰り返し行うことでよりレベルアップしていくことを目指すニュアンスがあります。

研磨

「研磨」とは、物質の表面を削るなどして滑らかにすることを意味します。それを人の知識や技術にも当てはめ、より高度なものにして行くために励むことを意味します。

修行

「修行」とは厳しい精神修養をして「悟り」を開くことを目指す行為を意味します。ちなみに同じ読み方「修業」という言葉もあります。これは世間的な技術や学問を見習い、実際の職業に役立てることを目的にする意味があります。

Thumb努力家の意味とは?特徴や性格を紹介
いつも何かに一生懸命取り組んでいる努力家の人。そんな人の姿を見て鼓舞されたり、逆に自分のダメ...

「研鑽」に励むきっかけとは

人が「研鑽」に目覚めるとき、何らかのきっかけがあるものです。それがどの様なものなのか具体的に見ていきましょう。

強烈な体験をしたとき

大きな事故や病気を経験して自分にはもう後がないかもしれない、と本気で思った時、人は「自己改革」とも言える大胆な行動に打って出ることがあります。「自己研鑽」もまさにそうです。

このままで自分の人生が終わるのは忍びない、耐えられないと感じてこそ人生で経験したことのない本気度で命がけの努力が出来るものです。

悔しい思いをしたとき

仕事や受験に失敗したり、大好きな彼女にフラれたりして心から悔しい思いを経験した後に人は大きく奮起します。いつか見ていろという無類の闘争心が自身を「自己研鑽」の道へと誘(いざな)うことがあるのです。

圧倒的存在に触れたとき

体全身に電気が走るほどの大きな衝撃を与える存在に触れたとき、その感動とショックが「自己研鑽」に駆り立てることがあります。

「こんな大人物が世の中にいるのか」「こんな美味しいものを作れるシェフがいるのか」など自身にとっての圧倒的な存在は時に人生をも変えてしまうパワーを持ちます。

「研鑽」の使い方《例文紹介》

ここからは「研鑽」という言葉の具体的な使用例を紹介していきます。実生活に活かせるように自身の生活のあらゆるシーンを思い浮かべながらシミュレーションしてみましょう。

例文①研鑽に励む

「研鑽」はどちらかといえば公に訴えるものではなく、自身の成長を図るべく人知れず努力していくときに使用するニュアンスの強い言葉です。したがって「励む」のもあまり人目に触れていない状況であると理解しましょう。

「来年のマラソン大会ではリベンジして優勝するために日夜研鑽に励むことを誓う」
「師匠に認めてもらうために仕事が終わっても深夜まで研鑽に励んだ」

例文②研鑽を積む

「研鑽を積む」は、コツコツと地道な努力を続けるイメージです。「徳を積む」という言葉もありますが、人には見えないところで人には分からないくらいに微細なものわずかなものを飽き足らず重ねあげて行くニュアンスです。

「多くの人から馬鹿にされながらもわずかの可能性に掛けて実験方法を工夫しながら研鑽を積んだ」
「0.1秒記録を伸ばすために練習方法を試行錯誤して研鑽を積む」
 

例文③研鑽を重ねる

「研鑽を重ねる」は、人が諦めたり辞退するようなケースであっても決して辞めないで結果が出るまで何度でも挑み、その努力の手を止めないニュアンスです。

「新商品開発のため何度失敗しても諦めないで研鑽を重ねた」
「習字の上達のために研鑽を重ね、3年間1日も休まず書き続けた」
 

例文④研鑽に努める

「研鑽に努める」は、どれだけ学問や技術の向上がかられたとしても、そこで手を抜かずさらに高みを目指すニュアンスがあります。あるいは失敗して逆境にあっても自分のできることに全力を注ぐ状況でも使われます。

「論文が認められ栄えある賞を与えられたが、そこで甘んじずさらなる研鑽に努める所存だ」
「プロジェクトは全て失敗に終わったが、次のコンペに向けて精度を上げるべく涙をこらえて研鑽に努めた」

例文⑤研鑽を深める

「研鑽を深める」は、自己の中で決して満足せず未知の領域、前人未到の領域に踏み込むべく努力を続ける尊敬に値する行為と言えます。

「教授はノーベル賞を受賞したものの全く満足感を抱く様子がなく、さらに研鑽を深める姿に一同は感服した」
「150年の老舗料亭の看板を守るため他に負けない料理を出すべく料理長は研鑽を深める毎日だ」

「自己研鑽」の意味とは?

「研鑽」という言葉はしばしば「自己研鑽」という四文字熟語として使用されることがあります。似た言葉に「自己啓発」がありますが、この二つの言葉は何が違うのでしょうか。詳しく掘り下げていきます。

「自己研鑽」と「自己啓発」の違い

「自己研鑽」は、あくまで全ての矢印を自分に向けて学問や技術の研究、向上に一心不乱に取り組むことを意味します。そして自己研鑽は続ければ続けるほどに知識量やスキル、そしてパフォーマンスも上がって行くと考えられます。

一方の「自己啓発」は、学問や技術を究める行為に入る前段階を表す意味合いが強いと言えます。例えば名経営者の公演を聴いて仕事へのモチベーションがアップするとか、お寺で僧侶の説法を聴いて生き方を変えようと心に決めるというシチュエーションが考えられます。

「啓蒙」という言葉もありますが、スキルアップや自己の向上を図るための起爆剤に当たるのが「自己啓発」と言えるでしょう。つまり「自己啓発」があってその後「自己研鑽」に目覚めるというパターンが多いと考えられます。

自己研鑽をする方法

最後に「自己研鑽」をする方法について具体的にお伝えしていきましょう。

目的を持つ

まず「自己研鑽」をどの分野で何に関して何故行うのかという目的を決めることが大前提です。これなら研鑽を積む価値があると思えるもの、結果が出るまで諦めたくないと決意できる対象のことです。

その際にいきなり異次元レベルの目標を持つとほぼ100%挫折が待っています。それよりもまず手の届きそうな目標設定が大切です。研鑽は前述のように、人に公言するものではありません。人に比べて低い目標設定でも恥ずかしがらずにそれを10年続けたら遠くライバルを引き離しているかもしれません。

失敗を恐れず失敗から学ぶ

自己の成長をはかろうと思えば自己の弱点を知り、現実の実力を知ることがとても重要になります。そのためには失敗を恐れず失敗から学ぶ謙虚な精神も必要です。それは時に残酷で傷に塩を塗りこむほどの痛みと苦痛を伴うかもしれません。

しかしただやり易い得意なことばかりをする努力は「自己研鑽」とは言えないのです。

自分を客観的に見る

「自己研鑽」をするためには自分を客観視することも大切です。それも厳し目にです。例えるなら敏腕の師匠や指導者、コーチが自分を観察、分析して指導してくれるときの様な目で自身を見つめるのです。

そして修正点や弱点を補う努力を続けることが重要なのです。

他人の意見に耳を傾ける

自分のやり方や考え方で間違いないと思い込むことほど危険なことはありません。それが奢りにつながり、やがて大きく頭を打つことにもなりかねません。その前に他人からの助言や何気ない一言に耳を傾ける謙虚さやひたむきさが「自己研鑽」には必要なのです。

基本を忘れない

何事も基本が大切です。基本から外れて、その上に応用を積み上げてもバランスを崩しおかしくなってしまうのは自明の理です。自分の原点や基礎となる考え方、捉え方、そして練習を常に念頭においてこそ「自己研鑽」が功を奏するときが来るのです。

「研鑽」は豊かな人生を生む

「研鑽」は人が言うのを聞くよりも自身が口にするべき言葉と言えます。自分が人生を掛けてする最大限の努力が「研鑽」ですから、ここに挑むときそこには大きな飛躍のチャンスが隠れている可能性があるのです。

本当は光輝く玉を持っているのに「自己研鑽」に目覚める機会がなかったばかりにその輝きを放たずにそのまま一生を終えるとすれば、これほど勿体ないことはありません。「研鑽」には豊かで有意義な人生を生む大きなヒントが隠されているのです。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ