様式美の意味とは?使い方や形式美との違いなどを解説!
様式美の意味とは?様式美という言葉についてその意味や使い方をご紹介します。使い方については実際に使われる際の例文を用いて解説しています。また、様式美の類語や様式美を感じるもの、さらに形式美との違いなどもご紹介しているのでチェックしてみてください。
目次
様式美の意味や使い方を学ぼう!
様式美という言葉がありますが、この言葉の意味や使い方をご存知でしょうか。この言葉は色々な場面で使うことができるものです。
また、類語表現として似たような意味を持つ言葉もあり、その類語表現や実際の使い方の例文を理解することでより「様式美」について理解できるでしょう。
そこで今回は、「様式美とは?」というそもそもの意味から使い方、例文、類語表現や英語表現、さらには「様式美を感じるものとは?」というところまで広くご紹介しますので、確認してみてください。
様式美の意味とは?
そもそも様式美の意味とはどのようなものでしょうか。これは特に類語表現を知ると意味が理解しやすいものとなっていますが、「決まりきった流れやモノ、物事」というものに対して使う言葉です。
さらに詳しい意味については使い方や類語表現を確認してチェックしてみてください。
様式美の読み方
様式美の読み方については、「ようしきび」と読みます。特に当て字のようなものではなく、そのままの読みで問題ありませんので、覚えておきましょう。
様式美の使い方
「様式美」とはどのような使い方をするものでしょうか。これはよく使われるのは芸術面や伝統的なものの分野で使われることが多く、「様式美を感じる」や「見事な様式美」などの使い方をします。
また、ほかにもいわゆる「お約束」のようなところで使われることも多いです。「このネタ振りがきたらこう返す」とか、「この技が来たらこの技で返す」、「このセリフがきたらこのセリフで返す」などお決まりの流れにも様式美という言葉が使われます。
これは、そのお決まりのパターンがすでに浸透し確立されていることから、「その流れを期待する」人々の心があるため、そこには「美しさ」さえ感じるものになり、「美」という言葉の含まれた「様式美」が使われるのです。
「様式美」を使った例文
実際に「様式美」という言葉を使う場合にはどのような表現になるのでしょうか。例文を用いて実際の使用例を確認していきましょう。
例文①この建物には様式美を感じる
「この建物には様式美を感じる」という使い方がされます。これは建築物などのデザイン全般を含め、そのバランス感覚や色使いなど「一定の流れに合わせて作られている」ものをこのように表現します。
時代や国、地域によって建造物にも一定の基準や建築方法の技法などがあり、それらが守られた形で丁寧に作られている建築物に様式美を感じるのです。
例文②様式美系のロックバンド
「様式美系のロックバンド」という形で様式美が使われることもあります。
これは主に70年代に流行したハードロック系のロックバンドのことを指すことが多く、そのファッションまでも同じように真似て行われているものでした。
現代のビジュアル系などのロックバンドと違うところはバラードやラブソングのような軽めの歌や曲はなく、自分たちが表現したいことだけを突き詰めて客が飽きるほどのギターソロを演じたり現実離れした世界観を表しているものです。
例文③様式美のあるネタ
「様式美のあるネタ」という使用方法もあります。
これは先にもお伝えしていますが、「お決まりのネタ」、「お約束のネタ」のような形のものを表しています。「このネタがきたらこのネタを返す」、「このセリフが来たらこの結果が待っている」などです。
よく挙げられるものに「この戦いが終わったら結婚する」というセリフには「死亡フラグ」がつきもので、お決まりのパターンとしてその戦いの中で命を落とします。このような一連の流れ、決まりきったネタに様式美という表現を使います。
様式美の類語
ベタ |
お約束 |
流儀 |
様式美には上記のようにとてもわかりやすい「類語」があります。様式美自体の意味が分からなくてもこれらの類語の意味は理解しやすくなっています。
そして、それらの言葉が様式美の類語だと分かれば、それによって様式美自体の意味も理解しやすくなります。以下にそれぞれの詳細を取り上げていますのでチェックしてみてください。
ベタ
様式美の類語表現には「ベタ」という言葉が挙げられます。ベタというのは、「ベタなネタ」や「ベタな流れ」、「ベタなセリフ」など「お決まりの」というような意味で使われる言葉です。
つまり、そのまま様式美に非常に近い言葉として使われますし、様式美という言葉を使う場面に「ベタ」という言葉を用いても問題ないケースが多いです。
ただし、様式美はあくまでも「美」なので、その流れがお決まりだとしても「それが美しい」と感じるものです。「ベタ」の場合は、どちらかと言えば「見飽きた」、「聞き飽きた」、「よく見る」、「あるある」のパターンを表すものです。
お約束
様式美の類語表現には、「お約束」という言葉も当てはまります。お約束という表現を使う場合は、あまり建築物に関して使うことはしませんし、使ってもどちらと言えばネガティブな表現か、冷やかし半分で使うことになるでしょう。
お約束を様式美と同じような場面で使うとしたら、「ネタ」や「セリフ」などの部分でしょう。「お約束のネタ」、「お約束のセリフ」などです。つまり先にご紹介した「ベタ」に近い類語表現と言えます。
流儀
様式美の類語表現には、「流儀」というものも挙げられます。何かの場面において「こうするのがここの流儀だ」などのセリフとととも使われるものです。
つまりこれは、「ここではこうするべき」、「こうするのがお約束」、「こうするのが決まりきったパターンである」ということを表現しています。
ただし、「ベタ」や「お約束」のような使い方よりも格式のある伝統的な場面で「流儀」は使われることが多いので、使われる場面は少々異なります。
様式美を感じるものとは?
実際の社会の中で様式美を感じるものにはどのようなものがあるでしょうか。よく「様式美」を感じるものとして挙げられるものをご紹介します。
プロレス
様式美を感じるものには、「プロレス」があります。プロレスというのは一種のパフォーマンスで成り立っており、相手がこの動きをしたらそれに合わせてこのように受ける、などの流れがあります。
もちろん真剣勝負の場面が無いとは言いませんが、「一連の演技」のことを「プロレス」と表現することもあるように、プロレスはより盛り上がるように演出をしているものです。
そのお決まりのパターン、お約束の流れなどがプロレスにはありますが、それをより美しく、より観客が盛り上がるように演出できる光景を「様式美」と表現します。
ヘビーメタル
様式美を感じるものには、「ヘビーメタル」があります。こちらは先にご紹介したように「様式美系のロックバンド」と同じようななりがちでの様式美となります。
1つの演奏の形やパフォーマンス、服装やメイクの方法などそれらを様式美として取り入れて行なう形がヘビーメタルに見られるのでそのように表現されます。
伝統的な日本家屋
様式美を感じるものには、「伝統的な日本家屋」があります。これは日本人なら「なんとなく」でも分かるものでしょう。
伝統的な日本家屋には「伝統らしい」作りがあり、全体像でもそうですが、瓦屋根の作りや壁、柱などいたるところに様式美を感じることができます。
昔ながらの日本家屋なら「縁側」などもよく見られるもので、そういった伝統的な作りの日本の家には様式美を感じることができるでしょう。
様式美と形式美の違いとは?
様式美という言葉と似た言葉に「形式美」という言葉があります。この違いはというと、実は「形式美」という言葉が正しい言葉で、様式美はこの形式美の誤用から始まったとされています。
ただし、実際の使われ方としては形式美のほうが様式美のようにその流れやお約束のようなものよりも、「完成したもの」自体の美しさを表すことに使われるケースが多いです。
様式美の英語表現
様式美を英語で表現するとどのような表現方法になるでしょうか。様式美を表すことのできる表現の一例をご紹介します。
Ballet that values traditional forms
「Ballet that values traditional forms」という英語表現ですが、これは、「伝統的な様式美を重んじるバレエ」という意味になります。
伝統的な様式美を重んじるものには数多くのものがありますので、この「バレエ」の部分に別のものを当てはめることで別のものも表現しやすくなっています。
They were moved by the beauty of form at the art museum.
「They were moved by the beauty of form at the art museum.」という英語表現ですが、こちらは「彼らは美術館で様式美に感動した」というものになります。
こちらも特に美術館にこだわることなく、たとえば博物館や資料館など、同じように伝統的なものの様式美を感じ、感動する場面では使いやすい表現となります。
様式美は辞書に載っていない
先にもお伝えしたように、様式美という言葉は「形式美の誤用」と言われています。誤用が始まりなので辞書にも記載されていないのです。
ただし、誤用がはじまりでもその言葉が広く浸透していくと「常用」として使われるようになり、それが辞書に載っていく流れもよくあることです。
その一連の流れも「様式美」とも言えるので、いずれ様式美が辞書に記載されるようになることもあるでしょう。
様式美は色々なところで見聞きする
「様式美」という言葉自体にあまり触れたことがないという人でも、その様式美を感じられる場面には知らず知らずに遭遇しているものです。
先に挙げたような「お決まりのネタ」のようなものには多くの人が触れていることでしょう。また日本家屋の様式美も日本人であれば多くの人が想像できるものではないでしょうか。
ここで様式美についての情報を得たことも1つのきっかけとして、様式美を感じることができるものを探してみてください。